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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

シマウマとしての仕事

2009年12月19日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

さて、シマウマのほうは、自分たちがライオンに追いかけられる運動のシミュレーションを持っているでしょう。

ライオンが来る→逃げる→ライオンが追ってくる→全速で逃げる→ライオンが全速で追ってくる→どんどん逃げる→ライオンが引き離されて追ってこないところまで逃げ切る

これがシマウマとしての仕事の流れです。シマウマは、その身体の中にこういうシミュレーションを持っているに違いない。

シマウマは同時に、またその身体の内部に、ライオンの運動目的イメージをライオンの概念とのペアの二項形式(ライオン、シマウマを追う)という運動シミュレーションの形式で持っているはずです。それは次のようになる。

ライオンがシマウマに気づく→近づく→シマウマが逃げると追う→シマウマが逃げてもしつこく追う

シマウマの内部にあるこういうライオンのシミュレーションを使って、シマウマは自らの恐怖を駆り立て、全力を振り絞って走り続ける、と推測されます。

拝読ブログ:追うものと追われるもの

拝読ブログ:生態系

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(概念、運動目的イメージ)

2009年12月18日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

Gerome_ajapaneseimploringadivinity

ライオンのこの内部状態は、(シマウマ、ライオンから逃げる)というペアの形式で表現できる。これは、(概念、運動目的イメージ)という二項形式です。人間以外の、言語を持たない動物でも、多くの哺乳動物は(拙稿の見解では)こういう(概念、運動目的イメージ)という二項形式を内部に作る機能を持っている。つまり、Xが概念、Yが運動目的イメージであるとすれば、XがYをする、(X,Y)という二項形式です。これは何度か前述したように、人間の言語の基底になっています拙稿18章「私はなぜ言葉が分かるのか?」

拝読ブログ:phase05-1 まであと: 28日

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ライオンの内部のシマウマ

2009年12月17日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

この運動シミュレーションを、ライオンの運動目的イメージ、ということにしましょう。

ライオンはまた、その内部に、逃げるシマウマの運動目的シミュレーションをも持っている。それはライオンの内部で、シマウマの概念とのペアとなっている。これを(シマウマ、ライオンから逃げる)という形式で書いてみましょう。シマウマはライオンに気づく→逃げる→ライオンが追ってくるのに気づく→全速で逃げる→ライオンが背中に飛び乗ってきたことに気づく→振り落とそうとする→頚動脈を噛み切られたことに気づく→倒れる

こういうシマウマの運動目的イメージのシミュレーションがライオンの内部にありそうです。

拝読ブログ:   未来脳の検証 手塚治虫 no7 原点を探る

拝読ブログ:ライオンとシマウマと旅人が怖いもの

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ライオンの仕事を分析

2009年12月16日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

Gerome_corinth

さてここで、人間の目的行動を論じる準備段階として、哺乳動物が使う目的行動を調べてみましょう。

たとえば、ケニヤの草原でライオンがシマウマを襲う、という場面がある。

ライオンとしては、自分がシマウマに飛びかかっていく運動のシミュレーションを身体の中に持っています。

シマウマを見つける→追う→シマウマの尻が目前に見えるまで追いつく→思いっきり飛びつく→背中に飛び乗る→頚動脈を噛み切る→倒れたシマウマを食べる

ライオンの仕事はざっとこのような流れになる。これらの各プロセスでどの筋肉をどの順序で使うかというシミュレーションがあらかじめライオンの身体の内部にインストールされているはずです。

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拝読ブログ:食うものと食われるものの心理とは・・・

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他人の目的を推察

2009年12月15日 | xx1私はなぜ自分の気持ちが分かるのか

そのまた上層は、それぞれの運動シミュレーションを要素として連鎖的に構成されるマクロな行動のシミュレーションとなっている。これは(X,Y)、つまりXがYをする、という形式のシミュレーションです。XとYが直接目の前にある身体の動きである場合は、人間以外の動物もこの形式を使います。人間も、もちろん、これを使う。人間と動物が共通に使うのは、このあたりまでの予測システムです。

人間は、さらに上の階層として付け加えられた上位の予測ミュレーションを使う。他人の行動の目的を推察する仕組みを使って、自分を含めた人間の行動を上位の目的概念に対応させる。比喩を使い状況の抽象化を使って(自分を含めた)観察対象の行動の結果を予測し、目的概念を使ってその行動意図として表現していく。さらに、抽象概念を組み上げて、上へ上へと大きな目的を目指す階層構造としての目的構造を作っていく。

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