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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

単純な反射回路の集合

2008年05月02日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

できれば、サーモスタットのように単純な制御回路がよい。いろいろの温度に設定されたサーモスタットを数多く連鎖作動させれば、複雑な行動が生成されます。一方、人工知能を備えたロボットには高性能の搭載コンピュータが必要です。それがなくては身体をわずかに動かすこともできない。簡単な機構から徐々に進化してきた動物の身体は、そうなってはいないはずです。

カエルやトカゲの小さな脳は、簡単な反射機構の集合でできている。人間の脳は、最終的には大きくなっていますが、ある日突然、複雑な大型コンピュータとして作られたはずはない。カエルやトカゲのような極小の単純な脳を改良しながら、まずネズミのように小さな脳を作り、そこから徐々に進化したはずです。もしそうであれば、環境に適応する行動を計画するための脳機構は、人間の場合でも、基本的には人工知能ロボットのような高性能のコンピュータを必要とする最適化アルゴリズムになっているはずはない。

ある日突然、人間の脳に大型コンピュータが付け加えられて、人生の目的を設定して最適な計画を考え出せるようになった、ということなのか? それはおかしい。人間に特有の、目的を追求して計画を立てる能力は、原始人類の脳に最後に付け加えられた小改修で実現されたはずです。それまで、人類の脳は、そういう仕事のために使われてはいなかった。他の動物のように、反射と感情に従って衝動的に実行される行動のためだけに使われていたでしょう。

もしそうであれば、人間の脳の機構も、この基本のところは、カエルやトカゲの仕組みのように、単純な反射回路の集合でできているのではないでしょうか?

拝読サイト:浅く広く

拝読サイト:証明

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脳=必要最小限の制御装置

2008年05月01日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

Tizianovenereadonis

簡単な計算だけで最適化と同等の結論を出せれば、それにこしたことはありません。脳は大きいと不便です。大きな脳は、重いし、産道を通りにくい。酸素や栄養を多く消費する。行動計画の計算に要する脳容量は最小限であることが望ましい。そういう脳を作るDNA配列(ゲノム)が競争に勝って生き残る。そういう理由で、動物の脳は、進化の結果、最適化アルゴリズムと同等の結果を出すように組み合わされた単純な反射運動の連鎖システムを、最小の容積でコンパクトに実装しているはずです。

いろいろな動物が、大小さまざまな脳を持っていますが、それらはいずれも、進化の結果、それぞれの生活環境にぴったり適応する設計になったコンパクトな制御装置です。大きいからよい、というものでもない。それぞれの動物は、それぞれの生活に必要な最小限の制御装置を持っていればよいわけです。そういう制御システムができれば、行動を生成するためには高性能な大型の搭載コンピュータはいらない。必要な反射運動を生成できる限りで、なるべく簡単な神経回路が、コストもかからず、故障も少ないわけです。

拝読サイト:ロボフィッシュの完成度

拝読サイト:未来幻想 自己組織化する宇宙(9)

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動物的合理的行動

2008年04月30日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

ふつう動物は、「人生(動物生?)」とか「目的」とか「主体性」とか、などはなくて、上手に生きていく。生まれつき備わった反射運動のプログラムと感覚器官を通じて受ける環境からの信号、それに過去の経験の記憶から再生される反射運動が加わって、自動的に動きが決まっていく。生まれつきの反射で決まっている一瞬一瞬の単純な自動的運動が連鎖して、複雑な合理的な行動のように見えるわけです。

動物の行動は、たいがい合理的に見える。数多くの試行をすれば成功も失敗も出るが、統計的に平均した結果としては、たいてい環境に適合した行動になっている。上手に生き抜いて、子供を増やせるような行動をとっている。計算して最適な戦略を選択した結果と同じようになる。環境適合を目的として設計された人工知能のような最適化アルゴリズムが算出する最適行動に似ている結果が出ます。

カエルやトカゲが、深く考えて最適戦略を選んでいるとも思えません。また、それら小動物が、高級な人工知能のような最適化アルゴリズムを備えているはずもない。小動物の小さな脳は、反射運動に必要な小さい計算能力を持つだけで、高級な人工知能のようにあらゆる場面において最適化アルゴリズムを構成してそれに必要な高速計算をする能力はない。

拝読サイト:ソロモンの指環 動物行動学入門

拝読サイト:虚構キャラクタに対する罪

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ロボットとカエルは違う。

2008年04月29日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

Tizianovenustoi

哺乳類に比べて簡単な脊椎動物、たとえば、カエルやトカゲは、人生(カエル生、トカゲ生?)の目的を持っていて、それを実現するように行動しているようには見えませんね。たとえば、カエルの脳には、財産を増やしたいとか、子孫を増やしたいとかいう人生目的がセットされているわけではない。目の前に表れた異性の運動やフェロモンに刺激されて、手足が自動的に動いて、自然に交尾の姿勢をとってしまう。目的のために計画して行動を作り出す機能はない。

同じように、トカゲが、幸福なトカゲとして一生を送るために、計画的に確実な餌場を確保するとか、自分の生存に最適な行動を選択しているとは思えません。目の前に飛んできた虫をぱくつく、とか、目の前の現象だけに対応して反射的に動いていく。カエルやトカゲなどの行動の原理は、目的とする利得を最大化する人工知能のアルゴリズムにより計算されて動いているロボットの行動原理とは、かなり違う。

トカゲに限らず、ふつうの動物の行動は、みな、単純な反射運動の連鎖で生成されている。身体の右側で大きな音がすれば、左に頭を向けて全速力で走りだす。とかですね。もし、人間の行動の仕組みが、財産を最大化するというように、目的を設定して最適な行動をアルゴリズムから算出するようになっているとすれば、人間は、人間以外の動物とは全然違う原理で行動していることになる。

拝読サイト:トカゲはかわいい。

拝読サイト:【進化論】頭の中で使っている言葉があなたの未来を紡ぎ出す

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ロボットと人間は根本的に違う

2008年04月28日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

 アルゴリズムで動く人間という仮説モデルは、実は、人工知能で動くロボットに似ています。現在開発されている知能ロボットは、みんな、この原理で設計されている。このようなロボットは、セットされた目的を最適化するアルゴリズムに状況のデータをインプットして最適な行動計画を算出し、それをモーターのアウトプットとすることで動いていきます。このようなロボットの行動計画の作られ方は、いかにも人間の思考に似ているように見える。しかし、(拙稿の見解では)このように作られている現代のロボットは、人間のような思考はできない。行動計画の作られ方が違う。そのために、ロボットの動きは、人間を含めた動物全般の動きとは違うものになっています。

私たちは、財産が増えるとうれしい。幸福になります。その幸福を最大化することが、ある人々にとっては、人生最大の目的といえるようです。しかし、現代、そのために一番確実な方法は、すべてをトレーディングロボットにまかせることかもしれない。では、投資家に取って代わったそのロボットは、目的のために行動する人間と同じなのか? 株を買ったり売ったりして、財産を増やしていく行動を見ている限り、人間と同じです。しかし、投資がうまくいくと、ロボットは幸福を感じるのか? 

ロボットが幸福を感じる、という言葉の意味がよく分かりませんね。ロボットは、いくら財産が増えても、幸福になるとは思えない。こういうロボットが幸福になれないとすると、では、人間は、なぜ幸福になれるのか? 同じ行動をして財産を増やすことに成功しているのに、なぜ、ロボットは幸福になれず、人間だけが幸福になれるのか? そもそも、ロボットは幸福になる必要がない。幸福になれなくても、目的を目指してしっかり働く。人間はそうなっていません。幸福になれないと分かっていては、やる気は出ない。どうも、行動の仕組みが、そこのところで、ロボットと人間は根本的に違うらしい。なぜ違うのでしょうか?

拝読サイト:人工知能ロボット「ひこまた」

拝読サイト:僕が僕自身に嘘をつきたくないこと。①

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