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哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

行動するから欲望する

2008年05月17日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

Tizianobachanal

実際はこうです。お金を貯める、ということが自分の幸福だと思い込んでいる人は、脳の感情回路がお金を増加させるシミュレーションをプラスに加速することで形成される自分の行動を観察して、それを自分の欲望だと思っている。なぜ、自分の感情回路がお金を得る行動を加速するのか、本人は分からない。それは若い頃からの学習によって、感情回路に刻み付けられているからです。若い頃は貧乏で、お金があると不安が減って、安心が増えるから、お金を増やす行動に力を入れていたのかもしれません。しかし一生懸命にお金を増やしているうちに、いつの間にか、それが習慣となって、何のためにお金を増やすのかは忘れてしまい、貧乏ではないのに、お金を増やす行動はとにかく加速する、そっちのほうへ身体が傾いてしまう、という習慣が身についてくる。習慣ですから、いつの間にか身体が、衝動的に、その行動を進めてしまう。それを本人は、自分が気持よくなるためにしている、それが自分の欲望だ、と思っている。

拝読サイト:囚人のジレンマ

拝読サイト:朝の習慣

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お金を獲得する目的

2008年05月16日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

確かに、私たちが人々の行動を理詰めで考えるときは、ふつう、その行動が何を目的としているのか、と考える。目的指向の行動、という図式で考えるわけです。そうすると、人間の行動がよく理解できる。たとえば、人はお金の獲得を追求する。お金を獲得する目的は何か? 何かを買うためです。その、何かを買う目的は何か? ・・・というように、その目的は?その目的は?と質問していくと、最後は、幸福になるためだ、という答えに行き着く。結局、人は幸福を求めている。人生の究極の目的は幸福だ、ということになる。最初に、こういう議論を述べたのは、古代ギリシアの哲学者です(紀元前三五〇年 アリストテレス二コマコス倫理学』)。人生の目的は幸福の実現だ、とはじめて書いた。それ以来、世界中の哲学者や宗教家は、同じことを言っている。しかし拙稿の見解は違う。

拝読サイト:論理的思考と言語

拝読サイト:アインシュタイン博士、実は無神論者だった

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幸福を追うコンピュータ

2008年05月15日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

Tizianodanae1

人間の行動を結果的にみると、実に合理的な行動をしているように見える。つまり、進化によって洗練された衝動的行動をしている人間を見て、人間は、自分たちが経済的欲望や社会的欲望を追求して緻密な損得計算をし、功利的に行動している、と思い込む。自分たちは、経済的、社会的成功、という目的をもって、戦略をたて、日々、損得の計算をして最適な行動を選択している、と思うわけです。

その結果、人間は、他人も自分も、人生というゲームの中で、幸福という目的を目指して、功利的に、ペイオフ行列を計算しながら最適化アルゴリズムにしたがってプレイするゲーム用コンピュータであるかのように思っています。そのコンピュータの目的のように見えるもの、それが幸福の追求、だと思っている。

拝読サイト:ネギカモ

拝読サイト:規律と幸福の相関関係

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感情機構による最適戦略

2008年05月14日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

もし、人間の脳が現在のロボットのように、計算して運動を決定する仕組みだとしたら、こんなにしなやかなすばやい身体の動きはできないはずです。感知できるすべての情報を取り入れて功利的計算をし、その結果によって最適な行動を選択して動き出すような脳は、現実の場面では、何も行動できなくなる。動きが鈍いために生存競争に負けて滅びてしまうでしょう。実際、人間は、世界の予測シミュレーションの中に自分の姿を映し出して、感情機構に照らし合わせ、その自動的反射運動によって、すばやく、いわば衝動的に、行動を決めている、と(拙稿の見解によれば)思われます。人間の感情機構と文化の共進化が生存競争に鍛えられて現実世界にうまく適合しているから、衝動的な行動が、最適に近い利益を得ることに成功する確率は大きい。それで、衝動的行動が、結果的に、ペイオフ行列を緻密に計算して計画した功利的な行動に見える。

拝読サイト:ゼロサムゲームと感情の勘定

拝読サイト:ゲーム理論と蒟蒻問答

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ニュートン vs. ロボット

2008年05月13日 | x7私はなぜ幸福になれるのか

Tizianodanae2

十八世紀のロンドン株式市場で起こったバブル崩壊の際に、今の貨幣価値で数億円も失ってしまったアイザック・ニュートンは「天体の運動と違って、人間の狂気は計算で予測できない」といったそうです。現代のトレーディングロボットでも、バブル崩壊のような事態になると混乱して、かえって損失を大きくしてしまう危険がある。では、現代の科学を総動員して、人間の心理などすべてを計算に入れた計算アルゴリズムをつくれば、人間より優れた予想をするロボットが作れるのか?遠い将来のいつか、そういうロボットが作られるかもしれませんが、今は、とても無理です。もし、近い将来に人間と同じ程度に優れた予想能力を持つロボットが作られたとしたら、それは、現在のロボットとはかなり違って、人間の脳と同じしかたで行動する仕組みを持つものになるでしょう。

拝読サイト:釣りを通して身に付いた事を語ってみた

拝読サイト:病室の思い出~深い皴

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