新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

映画『蜜蜂と遠雷』(恩田陸原作)

2019年10月04日 | 映画
あさイチで紹介されたおすすめの映画『蜜蜂と遠雷』が今日封切ということです。何とか12時の上映時間に間に合いそう。「よし行こう」と決めたら家事がはかどること、はかどること!
原作は直木賞・本屋大賞W賞の恩田陸さん。『映像化不可能』と言われた小説の映画化でした。

チケット販売機を操作しながら「シニア料金」はどの段階で出てくるの?このままだと普通料金に・・・。最後のほうでやっとシニア選択画面が出てきて「1200円」。差額は700円だったからほっと安心。それにしても若い人の映画料金は高いんですね~。申し訳ない。

廊下の照明でよく撮れなかったから、下はネットでお借りしましたものです。

ストーリーは、近年評価の高くなった「芳ケ江国際ピアノコンクール」に挑む4人の若者の情熱と魂をかけた青春群像です。

7年前に母親を亡くし、その後消息が途絶えていた元神童・亜夜が、幼いころのトラウマにおびえながらも復活をかけて挑みます。
子供の頃、母親は自然界の音を見つけそれをピアノで表すように導き、それがいつの間にか二人の楽しい連弾で雨だれの曲に変わっていく場面がありました。音の楽しさを子供に発見させる、音楽の楽しさを五感を通して子供に伝える、この展開がとても印象的でした。

妻子をもつ社会人の明石は、年齢制限28歳で最後の挑戦です。ピアノを専業にする者たちが持ち得ない生活者の音楽を自分は持っているという強い思いで不屈の努力をしています。

ジュリアードで学んだ自他ともに認める貴公子・マサル。幼ななじみで天才少女・亜夜の後姿を追いかけてピアノを続けていました。

伝説的な音楽家ホフマンの推薦状を持って送り込まれた風間塵。異端児としてそのピアノは自由奔放。

亜夜を「お姉さん」と慕う塵が、古びた建物の窓越しの月を見てピアノを弾き始めると、亜夜といつの間にか連弾になりました。
ドビュッシー「月の光」が静かに広がり、途中から陽気なジャズ風に、最後はベートーベンの「月光」にと変わっていき、ピアノの心が完全に一致。弾くことの楽しさここに極まれりと至福の経験をしました。強く印象に残る場面で、この映画のテーマの一つかなと思いました。

お互いにライバルでありながら、それゆえにお互いの心情を理解し、リスペクトし、励まし合う、その純粋な友情にも強いメッセージを感じました。

松岡茉優(亜夜)と松坂桃李(明石)の演技が素晴らしかった!
プロコイエフの難解な曲に、亜夜のショートボブのさらさらヘアーが激しく揺れ、映画ではへアスタイルも曲の一部でお見事!ポニテールもロングもここでは不似合いです。
二人とも若くして、いつの間にかベテラン俳優になっていました。ブルゾンちえみさんの、明石の友人としてのジャーナリスト役も、力み過ぎずいい役どころでした。
全体にずっとクラシックが流れ、音楽と演技とストーリーと美しい映像でとても満足度の高い映画でした。

今年はテレビドラマ『ピアノの森』そしてこの『蜜蜂と遠雷』に、映像と音楽とストーリーで贅沢に楽しめたのが心に残りました。

自分の自由行動のあとは、夕食も一応作りました。生協の冷凍が役に立ちました。




★★★追記
10月4日放送 NHK Eテレ 「ららら♪クラシック」は「蜜蜂と遠雷」の音楽についてでした。俳優とピアニスト、作曲家の努力が垣間見えて面白かったです。再放送のチャンスもあります。


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