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てらまち・ねっと



 昨日、2日間の名古屋での「議員塾」の講座を終えて帰ってから、ネットのニュースを見た。
 面白いと思ったのは、トランプの入国禁止大統領令の効力が米国控訴裁判所でも差し止められたことと、インターネットの「検索」のこと。
 大統領令のことは改めて見るとして、今日は、ネットの方を見ておいた。昨年、インターネットの世界の「まとめサイト」ということの内容の正しさになどに強い疑いがあることで、大きな問題になった。
       2016年12月8日ブログ ⇒ ◆相次ぐ「まとめサイト」公開中止(fnn )/引用を装って改ざん(tbs )/根拠のない記事の掲載や盗作(テレ朝)

 私も、「NAVERまとめ」というサイトは"たまーに"見る。
 今回のニュースでは、「グーグルが『検索』サイトでの『まとめサイト』の表示順位を低くなるように改修した」という旨。
 不正な、もしくは不正確なサイトを目立たなくすることができる、というは大したことと思って、当のGoogleの「公表した説明」を見て、関連の報道を見た。あわせて、「NAVERまとめ」について、また、「キュレーション」というIT用語の概念についても見たので、それらを記録しておく。一番ふむふむと思った意見、「キュレーションメディアの問題の本質」も記録。
 (講座準備が忙しかったので、しばらくぶりにジックリとネットを見た)

 とはいえ、一瞬よぎるのは、「検索」において今回のような操作ができるということは、Googleなど検索エンジンが、意図的に特定情報を掲載・記載したサイトを見えるようにする、あるいは見えないようにする、そんな操作が自在にできるということに限りなく近いことだということ。「情報操作が容易に可能」というある種の恐怖も感じる。
 
 まず、「キュレーション」について。 ★コトバンク 知恵蔵2015の解説 キュレーション★≪IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う/ 2011年 横田一輝 ICTディレクター ≫

 次に、「NAVERまとめ」について。 ★ウィキペディア「NAVERまとめ」★≪NAVERまとめ(ネイバーまとめ)は、韓国のIT企業ネイバーの子会社、LINE株式会社が運営するCGM型Webキュレーションサービスである。様々な情報をユーザーが独自に収集して組み合わせ、ひとつのページにまとめてインターネット上に公開、アクセス数に応じてユーザーが広告収入を得られる独自のシステムを展開している≫

 今回のGoogleの対応について、Google日本の公式ブログにリンク。★Google ブログ Google  ウェブマスター向け公式ブログ 2017年2月3日金曜日  フレンドリーなサイト制作・運営に関するウェブマスター向け公式情報 日本語検索の品質向上にむけて≫

 続いて、今回は「日本だけの措置」ということも伝える報道を見ていく。
 ★j-cast 2017/2/4★≪グーグル検索「低品質なサイト」順位下げる まとめサイト標的の見方/「低品質なサイトへの対策を意図しています」――。米グーグルの日本法人は2017年2月3日、日本語検索の評価方法を「改善」したことを公式ブログで発表した。オリジナルで有用なコンテンツを持つサイトは「上位」に、検索結果の上位にページを表示させることに主眼に置くサイトは「下位」に表示されるようにしたという≫

 ★CNET Japan 2017/02/03★≪グーグル、“質の低いサイト”の検索順位を下げる--キュレーションメディアに影響も/今回のアップデートは、医療キュレーションサービス「WELQ」やNAVERまとめといった、キュレーションメディアに関する一連の問題への対応策とみられる。WELQなどのメディアでは、不正確な内容の記事にもかかわらず、徹底したSEO対策で検索結果の上位に記事が表示されるようにしていたとされ、検索によって誤った情報がユーザーの目に触れてしまうケースが多くあった≫

 ★ITmedia 2017年02月03日 ★≪キュレーションメディア“狙い撃ち” Google検索、アルゴリズム変更の狙い/アルゴリズムが適用されたのは2月2日~3日とみられ、「まだ影響は出きっていない可能性が高い」とも。Googleはアルゴリズム変更後、精度を調整して対象サイトを広げるケースが多いため、「今後、対象サイトが更に広がる可能性は高いのではないか」とみている。今回、「NAVERまとめ」は影響を受けていないという。ただ、「NAVERまとめ検索順位は2015年5月に一気に落ち、その後も、全体的に見ると徐々に落ち続けている」≫
 
 他は次。●Google、上位表示のみを重視したサイトを下位表示する品質評価を日本語検索に適用  有用で信頼できるオリジナルコンテンツを提供するサイトを上位表示/INTERNET Watch 2017年2月3日 
 ●Googleが検索アルゴリズムを変更 「品質の低いサイト」の検索順位を下げ、オリジナル記事を上位に ねとらぼ/ITmedia 2017年2月3日
 ●Google、ついにキュレーションに対策か―「低品質なサイトの順位下げる」/インターネットコム 2017/02/03

 ・・・ということで、面白いと思った見解。
 ★「真実を見つめ、明日を正しく読み取る」 ASREAD 2016/7/11 小山 晃弘★≪キュレーションメディアの問題の本質/・・2010年代前半は、CGMサイトの時代。WEB2.0」の時代、ユーザーが各々の情報を持ち寄ることで、巨大な価値のあるCGMメディアを作成することが可能に。そこでGoogleは恐らく「投稿数が多いメディアには価値がある」という検索アルゴリズムを強力に導入した。レビューが10件しかないレビューサイトと、1万件のレビューが投稿されているレビューサイトでは価値が違う。情報が集積されることで価値が生まれるメディアなら「投稿数に価値あり」と判断するのは妥当なこと。 キュレーションメディアは、Googleのこのアルゴリズムを利用(多分)。
  ダイエット美」「ダイエットブック」「welp」「Naverまとめ」「MERY」…
収益性の高い美容・医療系にはキュレーションメディアが群がる傾向にある。明らかに2年前、3年前の方が、検索で得られる情報は良質。WEB検索の世界は明らかに時代の逆行が起こっている。
 キュレーションメディアの運営者たちは、恐らくWEBの価値などまるで信じていない。金と、金と金と金のために検索エンジンをハックして儲けようとしているだけ。この状態をなんとかできるのはGoogleだけ。彼らが「情報が集積されることで価値が生まれるメディア」と「情報が集積されても価値が生まれないメディア」を選り分けるアルゴリズムを開発すること。かつてのパンダアップデートがbotによる自動被リンク作成を撲滅させたように。≫

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 Google ブログ Google  ウェブマスター向け公式ブログ 2017年2月3日金曜日  フレンドリーなサイト制作・運営に関するウェブマスター向け公式情報
日本語検索の品質向上にむけて

Google は、世界中のユーザーにとって検索をより便利なものにするため、検索ランキングのアルゴリズムを日々改良しています。もちろん日本語検索もその例外ではありません。

その一環として、今週、ウェブサイトの品質の評価方法に改善を加えました。今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。

今回の変更は、日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策
を意図しています。このような改善が、有用で信頼できるコンテンツをユーザーに提供する皆さんを、正当に評価するウェブのエコシステム作りの助けとなることを期待しています。

この変更で、Google が認識する日本語検索の問題すべてを解決できるとは考えていません。検索品質向上のために、継続的にサイトの品質評価アルゴリズムのさらなる改善を行って参ります。

●Google、上位表示のみを重視したサイトを下位表示する品質評価を日本語検索に適用  有用で信頼できるオリジナルコンテンツを提供するサイトを上位表示
      INTERNET Watch 2017年2月3日 12:00 岩
 グーグル合同会社(Google)は3日、日本語検索におけるウェブサイトの品質の評価方法に改善を加えたことをウェブマスター向け公式ブログで発表した。

 ユーザーへの有用で信頼できる情報の提供よりも、検索結果で上位に表示されることに主眼を置いたサイトを「品質の低いサイト」とし、検索結果の表示順位を下げるものだという。対象は日本語のウェブサイトのみとなる。

 これにより、オリジナルで有用なコンテンツを持つ「高品質なサイト」を、より上位に表示する。

 Googleでは、今回の変更について「日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策を意図している」として、「有用で信頼できるコンテンツの提供者を正当に評価するウェブのエコシステム作りの助けとなることを期待している」としている。

 Googleでは、検索ランキングのアルゴリズムを日々改良することで、ユーザーにとって検索をより便利にすることを目指しており、今回の変更もこの一環としている。ただし、これによりGoogleが認識している日本語検索での問題をすべて解決できるわけではなく、今後も継続的にサイトの品質評価アルゴリズムを改善し、検索品質の向上を目指すという。

 この変更は、DeNAが運営するウェブサイトによる記事の盗用をはじめとした、キュレーションサイトの一連の騒動を受けた変更とみられる。

●Googleが検索アルゴリズムを変更 「品質の低いサイト」の検索順位を下げ、オリジナル記事を上位に ねとらぼ
       ITmedia 2017年2月3日 13時00分 エキサイトニュース
 Googleは検索ランキングのアルゴリズム改良の一貫として、Webサイトの評価方法に改善を加え、「オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイト」をより上位に表示するアップデートを行ったと、2月3日に発表しました。

 今回のアップデートにより、良質なサイトが上位に表示されるようになる一方で、自ページを上位に表示させることに主眼を置いた低品質なサイトの順位は下がるようになります。Googleは「この変更で、Google が認識する日本語検索の問題すべてを解決できるとは考えていません」として、今後も継続して検索アルゴリズムの改善を重ねていくとしています。

 DeNAが運営していた「WELQ」の炎上事件に代表されるように、2016年末よりSEO(検索エンジン最適化)対策を重視するあまり、コンテンツ内容を疎かにしたWebメディアに厳しい視線が注がれていました。同アップデートが現状に一石を投じることができるのか、注目が集まります。

●Google、ついにキュレーションに対策か―「低品質なサイトの順位下げる」
     インターネットコム 2017/02/03 11:50 
Googleは検索エンジンに新たな変更を加えた。明言はしていないが、著作権上の問題がある「キュレーションメディア」に対策を施したと、もっぱらのうわさだ。

今回の変更は、日本語での検索を対象にしている。2月第1週にWebサイトの評価方法に手を入れたそう。結果として、有用で信頼できる情報よりも検索結果の上位に表示させることに主眼を置く低品質なWebサイトの順位が下がる、としている。

かわりに独自性があり有用な情報を持つ高品質なWebサイトが、より上位にあらわれるようになるそうだ。

ただし、これですぐにGoogleが認識する日本語検索の問題すべてを解決できるとは考えていないという。品質向上のため継続してWebサイトの評価方法の変更を進める方針。

長い目で見れば、Googleは「終わりのない戦い」にあらためて腰を入れた、というほどの意味だろう。

特定の分野について検索結果の上位をキュレーションメディアが埋めつくすのに貢献した「検索エンジン最適化(SEO)」の専門家は、Googleの対策を乗り越える新たな工夫や技巧を根気よく試みるはずだ。GoogleとSEOのいたちごっこはキュレーションメディア以前からあり、以後も続いていくのは確実だ。

もちろん終わりがないとしても、重要な取り組みではある。

かつて、悩みを他人に尋ねたり頼ったりするより前に「まずググれ(Googleで調べろ)」という助言は適切だった。だが検索結果の上位がSEOにかたよったいびつな情報ばかりになれば通用しにくくなる。

最近ますますTwitter、Facebook、LINEなどのクチコミの存在感が増しつつあるとはいえ、今もGoogleでの検索は情報を入手するうえで欠かせない。それが役立たずになっては大きな損失だ。

●キュレーションメディア“狙い撃ち” Google検索、アルゴリズム変更の狙い
     ITmedia 2017年02月03日 14時41分 更新 岡田有花
 日本のGoogleが、内容の薄いキュレーションメディアを狙い撃ちにするアルゴリズム変更を実施。その背景や、影響を受けるサイトなどについて、SEO専門家の辻正浩さんに聞いた。

「ページ自体の評価が下がる」アルゴリズム
 Googleの発表によると、今回の変更により、検索上位に表示されることのみを重視し、記事の内容や質が低いサイトの検索順位は低下。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、上位に表示されるようになる――という。

 辻さんによるとこの変更は、「アルゴリズムで抽出された特定サイトの一部ページだけに影響する」という。アルゴリズムの対象になった場合「ページ自体の評価が下がる処理が行われ、結果的に多くの人の目には触れないようになる」という。

 辻さんが確認した限り、アルゴリズム変更の影響を受けたとみられるサイトは、旅行を扱う「RETRIP」、商品情報の「KAUMO」、健康情報の「カラダノート」、育児情報の「マーミー」など。「情報が薄いキュレーションメディアとテキストを中心とした新興メディアをターゲットにしていることはほぼ確実」とみている。

 辻さんの調査によると、現時点で影響を受けたみられるサイトは以下の通り。

 アルゴリズムが適用されたのは2月2日~3日とみられ、「まだ影響は出きっていない可能性が高い」とも。Googleはアルゴリズム変更後、精度を調整して対象サイトを広げるケースが多いため、「今後、対象サイトが更に広がる可能性は高いのではないか」とみている。

 今回、「NAVERまとめ」は影響を受けていないという。ただ、「NAVERまとめ検索順位は2015年5月に一気に落ち、その後も、全体的に見ると徐々に落ち続けている」と辻さんは話している。


日本のキュレーションメディア問題にGoogleが本腰
 昨年末、ディー・エヌ・エー(DeNA)のキュレーションメデイア「WELQ」が、「検索上位に表示されるのに、間違った情報や他サイトからの無断転載が多い」などを批判を浴び、閉鎖に追い込まれた。

「吉野家アレルギーって何?」「餃子の王将メニューでアレルギーが起きるの?」などのページもあった「WELQ」
 ただ、同様なキュレーションメディアはベンチャー企業などによって多数運営されており、検索上位に出続ける状態だった。これらのサイトを検索上位に出し続けるGoogleへの批判も根強かったが、Googleは今回のアルゴリズム変更で、一気に網をかける構えのようだ。

 辻さんによると、Googleが日本発で検索アルゴリズムに関する発表をすることは「非常にレア」。日本のキュレーションメディアを問題視し、本腰で取り組もうとしている現れだと指摘する。

 「WELQを発端に始まったWebサイトの信頼性の問題に対するGoogle日本法人の第1弾の対応として非常に素晴らしい、意義あることだと考える」と辻さんは話している。

●グーグル、“質の低いサイト”の検索順位を下げる--キュレーションメディアに影響も
   CNET Japan 2017/02/03 17:42 山川晶之 (編集部)
グーグルは2月3日、日本語検索において、ウェブサイトの品質評価方法を改善するアップデートを実施したと発表した。

 アップデートにより、検索結果の上位に表示されることを目的とした、“品質の低いサイト”の順位が下がるという。結果、オリジナルかつユーザーにとって有用なコンテンツをもつ“高品質なサイト”が、より上位に表示されるようになるという。

 同社では、この件を「日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策を意図している」とし、「有用で信頼できるコンテンツをユーザーに提供する皆さんを、正当に評価するウェブのエコシステム作りの助けとなることを期待している」と述べている。

 今回のアップデートは、医療キュレーションサービス「WELQ」やNAVERまとめといった、キュレーションメディアに関する一連の問題への対応策とみられる。WELQなどのメディアでは、不正確な内容の記事にもかかわらず、徹底したSEO対策で検索結果の上位に記事が表示されるようにしていたとされ、検索によって誤った情報がユーザーの目に触れてしまうケースが多くあった。

 グーグルでは、日本語検索の問題を全て解決できるとは考えていないとしており、検索品質向上のため、継続的にサイトの品質評価アルゴリズムを改善していくという。

●グーグル検索「低品質なサイト」順位下げる まとめサイト標的の見方
    j-cast 2017/2/4 16:06
「低品質なサイトへの対策を意図しています」――。米グーグルの日本法人は2017年2月3日、日本語検索の評価方法を「改善」したことを公式ブログで発表した。オリジナルで有用なコンテンツを持つサイトは「上位」に、検索結果の上位にページを表示させることに主眼に置くサイトは「下位」に表示されるようにしたという。

グーグルの発表についてネット上では、16年に問題となったDeNA(東京都渋谷区)の医療情報サイト「WELQ」の炎上問題をきっかけにした「まとめサイト」の情報の不正確さや、著作権侵害などへの対策の一環だとする見方が強い。

●キュレーションメディアの問題の本質
     ASREAD 「真実を見つめ、明日を正しく読み取る」 2016/7/11 小山 晃弘
「キュレーションメディア死ね!」
この気持ちはそこそこ年季の入ったインターネットユーザーなら全員が持っていると思います。Googleのアルゴリズムをだまくらかし、パクりとコピペで記事を量産、今や検索の1ページ目はクソの吹き溜まりと化しました。

なぜこんなことが起きてしまったのでしょう。
そしてキュレーションメディアの問題の本質はどこにあるのでしょうか。

本稿では憎しみと怒りをテキストバイトに変えて、この問題について考えてみました。

そもそもキュレーションメディアとは何か?

実際のところ、この言葉は明確に定義されていない言葉です。

かつては  ・Gunosy  ・SmartNews

のように、ユーザーの嗜好にあわせて記事をサジェストするタイプの技術系アプリについて使われていた言葉です。

「キュレーション(転載)」の言葉通り、様々なWEBから記事を引っ張ってきて一覧化し、ユーザーの検索コストを省くというのが価値の中心でした。

しかし、最近、特に2015年くらいから流行し始めた「キュレーションメディア」はこれらとは全く異なる性質をもったメディアです。代表例は
・Naverまとめ   ・nanapi・Mery
のようなサイトで、際立った特徴は「他の記事の一部を転載し、コンテンツを濫造する」という点です。

従来型のキュレーションメディアはあくまでも「記事の一覧」、つまり記事を読めば転載元のサイトにPVが行きましたが、Naverまとめ型の新型キュレーションメディアは自メディア内部でPVを完結させます。

つまり、他のサイトをパクリ、コピペし、コンテンツを大量に濫造する。そして他サイトからPVを盗む。
それが「新型キュレーションメディア」というメディアです。

なぜキュレーションメディアにPVが集まるのか?
前段で
「(新型)キュレーションメディアとはパクリとコピペでコンテンツを大量生産するメディアのことである」
と定義しました。

それではなぜ、そんなパクコピメディアにPVが集まってしまうのでしょう。
キュレーションメディアの記事には、独自性も作家性も新規性もないはずなのに…。

答えは、Googleのアルゴリズムにあります。

SimilarWebなどで調べてみるとわかりますが、ほとんどのキュレーションメディアはPVのほとんどを検索エンジンに頼っています。つまり、キュレーションメディアが検索で評価されやすい構造があるということです。

Googleは「ユーザーの価値を第一に考えている」と繰り返し明言しています。
なぜそんなことが起こってしまうのでしょうか。

これには事情があります。
いや、僕はGoogleの中の人じゃないのであくまで想像なんですが、そう遠くないのではという確信があるので聞いてください。

2010年代前半は、CGMサイトの時代でした。
「WEB2.0」の時代、ユーザーが各々の情報を持ち寄ることで、巨大な価値のあるCGMメディアを作成することが可能になりました。

そこでGoogleは恐らく「投稿数が多いメディアには価値がある」という検索アルゴリズムを強力に導入したはずなのです。

レビューが10件しかないレビューサイトと、1万件のレビューが投稿されているレビューサイトでは価値が違います。情報が集積されることで価値が生まれるメディアなら「投稿数に価値あり」と判断するのは妥当なことでしょう。

そうです。キュレーションメディアは、Googleのこのアルゴリズムを利用しました(多分)。


情報が多いことで価値が生まれるメディア・生まれないメディア
5歳児でもわかることですが、料理のレシピは多ければ多いほど価値があります。人間は毎日3食、年間1000食以上食事をするわけですから、多くの種類のレシピが必要になりますよね。レストランのレビューも同じ理由で、数が多ければ多いほど価値があります。

しかし、「情報が多いことが価値を生まない」種類のメディアというのも存在します。

例えばダイエットの情報。
1000種類のダイエット情報をユーザーに提示することに、果たして価値はあるでしょうか。ユーザーは情報の多さに惑わされるだけです。1000種類のダイエット情報を垂れ流すくらいなら、代表的な10種類くらいのダイエット方法を深く紹介してくれた方がよっぽど情報価値があります。

しかし、現在Googleで「ダイエット」と検索して出てくる1件目のサイトは、まさにその類いのクソサイトです。

ダイエット美
この「ダイエット美 」という美容キュレーションメディアは、ほぼ全ての記事のタイトルに「ダイエット」というキーワードを挿入しています。そうすることで、Googleの検索エンジンに「お、このサイトは『ダイエット』の情報がたくさんあるな」と錯覚させているわけです。

実際には数百ある記事がほぼ全てが同じような浅い内容で、従ってソーシャルリンクもほぼ全くついていません。100人が見れば100人が「情報価値が低い」と判断する類いのサイトでしょう。

しかし検索順位は高い。
「ダイエット」は超激戦キーワードです。毎日およそ67万回も検索されています。検索TOPのサイトには15~20%の流入があると言われていますから、この「ダイエット美」というクソサイトは毎日10万PV近くを稼ぎ出しているはずです。毎月の収益は数百万円をくだらないでしょう。全く情報価値のないページでユーザーの検索コストを増しWEBを汚染することで、このサイトの収益は成り立っています。

ちなみに「PVは多いのにソーシャルリンクが極端に少ない」というのはキュレーションメディアによく見られる現象です。

代表的な女性向けキュレーションメディアである「MERY」では各記事のPVを見ることができますが、数万、数十万のアクセス数を稼いでる記事でもソーシャルリンクは驚くほど少ないです。「検索エンジンに評価されればそれでいい。人間の評価などどうでもいい」というキュレーションメディア運営者の思惑が透けて見えます。

さらにちなみにキーワード「ダイエット」で検索に表示されるサイトは、1ページ目のほとんどがこの手のクソキュレーションメディアです。

「ダイエット美」「ダイエットブック」「welp」「Naverまとめ」「MERY」…
収益性の高い美容・医療系にはキュレーションメディアが群がる傾向にあるのですが、僕も最初にこれに気づいた時はドン引きしました。
明らかに2年前、3年前の方が、検索で得られる情報は良質でした。WEB検索の世界は明らかに時代の逆行が起こっています。


クソ記事が評価される世界なら、良いコンテンツの書き手は駆逐される

現在のキュレーションメディアは、Googleの「情報量が多ければ多いほどそのドメインを評価する」というアルゴリズムをハックし、クソ記事を粗製乱造することで検索流入を増やしています。そのような蛮行がまかり通るインターネットの未来は、一体どうなるのでしょうか。

ひとことで言えば、良質なコンテンツの書き手がWEBからいなくなります。

パクリとコピペで濫造した100記事が、取材と独自の視点で書き上げた1記事に勝利を収める。

そんな状況なら、誰もコンテンツ制作にコストを注入しようとは思わないでしょう。

現に、キュレーションメディアの原稿料はアフリカの最貧国かと思うほどの価格です。
「1記事500円」とかが当たり前のようにまかり通っています。そしてそれを請ける馬鹿がいます。

人気WEBライターのヨッピーさんも

「この2年くらい、新しいライターさんがあまり出てこない」

旨の発言をしていましたが、キュレーションメディアの隆盛もその遠因になっているんじゃないかと、自分としては思っています。

なぜ新しい才能がWEBに現れないかと言えば、やはりあまり儲からないから、またこちらの方が重要かもしれませんが「夢がない」からでしょう。

クソみたいなパクコピ記事で構成されるメディアが「新鋭メディア」ともてはやされ大規模な資金調達に成功するような世界では、才能ある人ほどWEBに希望を抱かなくなるのは当然です。そうしてWEBの世界から才能や若手は去っていく。

これは結構、重要な問題だと思います。

Googleなんとかしろ
しかし、いくらキュレーションメディアを批判した所で意味はないとも思います。

キュレーションメディアの運営者たちは、恐らくWEBの価値などまるで信じていません。金と、金と金と金のために検索エンジンをハックして儲けようとしているだけです。何を言ってもどうしようもありません。

この状態をなんとかできるのはGoogleだけです。

彼らが「情報が集積されることで価値が生まれるメディア」と「情報が集積されても価値が生まれないメディア」を選り分けるアルゴリズムを開発すること。それだけがこのクソ地獄を正常化します。

かつてのパンダアップデートがbotによる自動被リンク作成を撲滅させたように。


次のアップデートが、バイラルメディアを駆逐するものであることを祈ります。

余談ですが、コンテンツプラットフォームがひとつの企業に独占されているというのは、やはり健全な状態ではないですね。

単なる私企業に政府か行政のような対応を期待しなければならなくなります。


検索エンジンも二番手、三番手の企業が出てきてくれると良いなぁと、現在のGoogleの検索結果を見て思うのでした。

メディア論について書いた別の記事もご覧下さい。
・アルファブロガーから見てもブログ飯は絶対無理

●知恵蔵2015の解説 キュレーション
     コトバンク/ 2011年(横田一輝  ICTディレクター
IT用語としては、インターネット上の情報を収集しまとめること。または収集した情報を分類し、つなぎ合わせて新しい価値を持たせて共有することを言う。キュレーションを行う人はキュレーターと呼ばれる。

キュレーターの語源は、博物館や図書館などの管理者や館長を意味する「Curator(キュレーター)」からきている。キュレーターが館内の展示物を整理して見やすくするのと同様に、インターネット上のあらゆる情報を、キュレーター独自の価値判断で整理するのがキュレーションであり、キュレーションされたものは、プログラムなどで自動的に収集する従来の検索サービスの検索結果と比べて、「不要なものが少ない」「センスが良い」などといった理由から人気が高まっている。
関連サイトのURLをまとめたリンク集もキュレーションの一つではあるが、代表的なキュレーションサイトには、Twitterのつぶやきをまとめる「Togetter」や、検索サービス「NAVER」が開始した「NAVERまとめ」などがある。
「NAVERまとめ」は、韓国の検索サービス最大手「NAVER」の日本法人「ネイバージャパン株式会社」が開始したユーザー参加型のキュレーションサービスで、同サービスでは、まとめページを作ったユーザーが広告収入を得られるようにもなっており注目されている。
現在は、GoogleやYahooのような自動的に情報を収集する検索サービスが主流だが、自動化による画一的な情報収集より、手動によってまとめられた情報は、同じ価値観を持つ人々にとってありがたいものである。キュレーションサービスが普及し、更に充実すれば、検索サービスの手法の主流が変わるかもしれない。

●NAVERまとめ 
    NAVERまとめ/ウィキペディア
 NAVERまとめ(ネイバーまとめ)は、韓国のIT企業ネイバーの子会社、LINE株式会社が運営するCGM型Webキュレーションサービスである。様々な情報をユーザーが独自に収集して組み合わせ、ひとつのページにまとめてインターネット上に公開、アクセス数に応じてユーザーが広告収入を得られる独自のシステムを展開している。

2016年秋には、同じくキュレーションサイトを運営しているDeNAが盗用などの問題で炎上[11]、他社のキュレーションサイトでも記事の非表示化などの動きが広がった[7]。NAVERまとめを運営するLINEはこれらの問題を受け、12月5日に、1次情報発信者を対象とした権利保護やインセンティブの還元制度などの試験運用を2017年内に目指すと発表した[7][12]。一方でLINEは、12月6日時点ではサイトに問題は見つかっていないとの見解を示しており[13]、過去記事について「いままで、ガイドラインに従って作られたコンテンツをモニタリングしてきた。基準が甘かったということはない。いまになって見直すことはない。」とも述べている[8]。

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