日本を代表する企業の一つの東芝が、解体に向かっている。原因は原発事業。
稼ぎ頭の「半導体事業」も売却するらしい。そしたら残るのは何・・・と解体が見えてくる。
日本の原発企業は、東芝と日立、三菱。「日立・三菱が身を引くのも時間の問題」との指摘もある。
そんな観点でいるので、今日は次を記録。
まず、★東京 2月8日 ★≪米と原発売り込みを提案へ 世界が危険認識、損失膨らむ中≫
★東京 2月15日★≪東芝の米原発買収に新たな疑惑 半導体事業は「丸ごと売却」へ≫
日経は、スタンスは違うけど、現状批判している。★日経 2/15★≪東芝「夢の原発」失墜 揺らぐ国策民営 ≫
日経 2017/2/15
糸版面白かったのは、★ダイヤモンド・オンライン 2017年2月16日 山田厚史。
★≪東芝が沈んだ原発の泥沼は産業政策の失敗が生んだ
東芝製の原発は国内に21基ある。どれも動いていない。しかし、点検や修理・管理で安定した売り上げと利益を確保している、という。費用は電気代に上乗せされるので、電力会社も原発企業も痛痒は感じない。
東芝は原発事業の土木・建設など現場作業から撤退するという。リスクが大きく採算が危ういからだという。
原発を収益事業にするなら、膨らんだ工事コストを電気料金で回収できる価格体系が必要だ。それをすれば原発の電気は飛びぬけて高くなり、商業発電はできなくなる。
安全基準が厳しくなり、原発は採算に合わない事業になった。これが世界の潮流だ。
東芝は「原発の土木・建設」から撤退し、「メンテナンスと廃炉」に軸足を移すという。日立・三菱が身を引くのも時間の問題だろう。
今回の東芝危機は、日本で原発の新設が事実上不可能になったことを示唆している。≫
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●米と原発売り込みを提案へ 世界が危険認識、損失膨らむ中
東京 2017年2月8日
世耕弘成(せこうひろしげ)経済産業相は七日の記者会見で、日米首脳会談に合わせて訪米する考えを示した。政府は世耕経産相も会談に同席する方向で調整しており、米国に対して、新興国への原発の共同売り込みなどを提案することを検討している。しかし福島第一原発の事故を受けて原発の市場は世界的に縮小し、原発産業では損失が相次いでいる。専門家は「原発を売り込んで資金を稼ぐシナリオは現実的ではない」と疑問視している。 (吉田通夫)
原発の共同売り込みは、日本が首脳会談で提示を目指す経済協力のための政策集「日米成長雇用イニシアチブ」の原案に載っており、「十年間で五百億ドル(五兆円超)の市場を開拓」するとされている。国内の原発メーカーのうち東芝と日立製作所は米国の企業と組んでおり、日米双方に利益があることをアピールする。
しかし福島第一原発の事故により米国や欧州で安全のための規制が強まり、建設費は世界的に高騰。建設が止まったり、白紙撤回になる例が相次いでいる。さらに米国のシェール革命により、原油など火力発電の燃料価格が長期にわたって安定するめどが立ち、原発の市場は縮小しつつある。
このため東芝は米国の原発関連事業で七千億円規模の損失を見込み、原発の建設から撤退することも検討中。日立も米国での研究開発をやめ、七百億円の損失を計上する。
それでも世耕経産相は三日の記者会見で「世界各国で、原発を新設しようという動きはたくさんある」と述べ、原発輸出を進める考え。経産省は国際原子力機関(IAEA)の見通しなどから「二〇三〇年までに新興国を中心に世界で三十~三百三十基の原発が新設される」などとみている。しかし、ベトナム政府が住民の反対や財政難から原発計画を撤回するなど、新興国でも新設は難しくなっている。
九州国際大の中野洋一教授(国際経済学)は「福島第一原発の事故で世界に危険性が知られ、価格面でも再生可能エネルギーや火力に見劣りするようになった。米国の威を借りて原発を売り込んでも、受注は難しいだろう」と指摘した。
●東芝の米原発買収に新たな疑惑 半導体事業は「丸ごと売却」へ
東京 2017年2月15日
東芝は十四日、米国の原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を舞台に七千百二十億円の巨額の損失が生じる見通しを発表した上で、新たな不正疑惑が浮上したことを明らかにした。二〇一五年四月に発覚した東芝本体の不正会計問題からの再建を目指す道のりは、鳴り物入りで買収したWHによって再び危機に陥っている。 (伊藤弘喜)
「WHを買収したことだといえないこともない」
十四日、東芝本社で開かれた記者会見。詰めかけた報道陣から、原発で巨額損失を出して経営危機に陥った「東芝迷走」の原点を問われた綱川智社長は小さな声でこう答えた。
東芝が〇六年に原発で攻勢をかけるために買収したWH。安全規制が年々強まるに伴って、コストが増加。コスト増をだれが負担するかをめぐり、建設工事を担当する会社とも係争になっていた。
トラブルを一気に解決しようと、WHは一五年十二月にトラブルの相手を買収する一手に出た。その相手が米原発建設会社の「CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)」だった。東芝は当時、これで米国原発事業が加速、収益が上がると説明していた。ところが、それから約一年しかたっていないのに、六千億円を超える巨額損失を計上することになった。
「原発建設会社の買収の際の東芝・WH側の査定そのものがおかしかったのではないか」という疑念は原発業界などにくすぶっていた。
この日、東芝は「価格算定を巡りWH経営者が不適切な圧力を社員に掛けた」として、資産査定に関して不正があった疑いを明らかにした。損失隠しの意図がなかったのかや、だれがどう関わったのかなど、実態を徹底的に解明しなければ、投資家や金融機関の不信はぬぐえない。
東芝にとっての喫緊の課題は三月末時点で負債が資産を上回る債務超過を回避できるかだ。債務超過に陥った場合、東芝は上場廃止にされたり、金融機関による融資も困難になるのが必至だからだ。
財務危機をしのぐために東芝は今回、最後の「虎の子」だった半導体事業についても、それまでの二割売却から、「丸ごと売却」に向かおうとしている。
だが、すでに医療機器や白物家電など収益が上がる事業や工場を次々と売却しており、半導体も売却すれば、収益の上がる事業はほとんどなくなる。残る満身創痍(そうい)の原発とインフラ事業だけでやっていけるのか。かつての名門総合電機メーカーはいま、「解体」の危機に直面している
●東芝「夢の原発」失墜 揺らぐ国策民営
日経 2017/2/15
東芝が米国の原子力発電事業で7000億円を超す巨額損失を計上する。東芝が追い続けてきた「夢のエネルギー」はどこでつまずいたのか。原発プラント事業の歩みをたどると、企業では手に負えないリスクの膨張と、姿を変えた競争の現実が見えてくる。
■大阪万博で開いた扉
「関西電力の美浜発電所から、原子力の電気が試送電されてきました」。1970年8月8日、大阪万博の電光掲示板が大きく表示した。
美浜原子力発電所(福井県美浜町)1号機の出力は34万キロワット。日本で最初に商業運転した加圧水型軽水炉である。建設を請け負ったのは、米ウエスチングハウス(WH)と三菱原子力工業(現三菱重工業)だ。
「原子の灯を万博に」を合言葉に、関電が美浜1号の建設に着手したのは今から半世紀前の67年だ。「敦賀や美浜の電気が万博を照らしていると聞けば誇らしかった」。今は日本有数の原発立地地域となった福井県若狭地方の商工会議所関係者が振り返る。
71年には米ゼネラル・エレクトリック(GE)製の沸騰水型軽水炉を採用した東京電力(現東京電力ホールディングス)福島第1原子力発電所1号機が運転を始めた。GEと協力し、3号機の原子炉は東芝が、4号機は日立製作所が納めた。
石油ショック後、原発は建設ラッシュが続いた。国の政策に沿って電力会社が原発を運営する「国策民営」が生まれ、そこに原発メーカーも深く組み込まれていった。
今、東芝を揺さぶる巨額損失は、原発推進を支えてきた国策民営の揺らぎと無関係ではない。
転機は2006年の東芝によるウエスチングハウス買収だ。米スリーマイル島原発やソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故を経験した米欧では、原発は停滞した。しかし、成長軌道に乗った新興国で、原発は不足する電力供給をまかなう切り札として導入計画が相次いでいた。
GE、三菱重工、韓国企業……。15グループ以上が買収に名乗りをあげた。特に東芝は執念を燃やした。「海外に出る絶好のチャンスだ」。西田厚聡社長(当時)の掛け声の下、提示額を上げた。美浜原発以来、WHを原発事業の師としてきた三菱重工との一騎打ちになったが、当時の為替レートで6200億円に跳ね上がった東芝の提示額に追いつけなかった。
WHの東芝傘下入りをきっかけに、日立はGEと、三菱重工は仏アレバに接近し、プラント3社の陣営作りと海外市場の開拓が本格化する。増大する海外の原発需要を取り込む。方向性は間違いではないだろう。だが市場の拡大に伴って、原発プラントをめぐる競争は複雑化した。
まず、原発の買い手だった中国や韓国が技術を身につけ、売り手として国際市場に現れた。国家の首脳級が売り込みの先頭に立ち、建設資金や運転・保守まで一括提供するロシアや中国に日米欧のメーカーも対抗せざるをえなくなった。
みずほ銀行産業調査部の田村多恵調査役は「原発には様々なリスクが内在することから一メーカーでは負担できず、国の支援がより求められるようになった」と語る。
プラントを仕上げる難しさも増した。導入国の政策転換や地元の反対、安全規制の強化など、予期せぬ事象が受注リスクを押し上げた。
決定打になったのは11年の福島第1原発の事故だ。日本では新設はもちろん、稼働中の原発もすべて止まった。ドイツは原発全廃へかじを切り、各国で強化された安全規制は事業者に新たな負担を強いた。WHの巨額損失の背景にも米国の規制強化があるとされる。
・・・(略)・・・
●東芝が沈んだ原発の泥沼は産業政策の失敗が生んだ
ダイヤモンド・オンライン 2017年2月16日 山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員] 【第129回】
決算がまともにできない会社になった。粉飾体質は米国子会社にも浸透していた。儲け頭の中核事業を守れない。会社存続のためには何でも売る。残るのは休眠原発を抱える危ない会社。
日本を代表した名門企業・東芝の今の姿である。米国で原発建設を担う孫会社で生じた損失が7125億円だと明らかされた。損失の押し付け合いで東芝がつかまされたババである。記者会見で「ウエスティングハウスの買収は正しい選択だったか」と問われた綱川智社長は「数字を見ると、正しいとは言いにくい」と小さな声で答えた。
原発ビジネスを世界で展開する、とアメリカに打って出た東芝は、丸裸にされた。東芝だけの責任ではない。「原発ルネッサンス」なる構想を描いたのは誰か。東芝・日立・三菱の原子力3社を幻想の世界に誘い込んだ経済産業省の責任は重い。
改めたはずの粉飾体質が
米国子会社に潜んでいた
「更なる調査が必要との結論に昨日の午後至りました」
ペーパーを読みながら四半期報告書を発表できない言い訳をする佐藤良二監査委員長に、詰めかけた報道陣からため息が漏れた。米国子会社・ウエスティングハウス・エレクトリック・カンパニー(WEC)の決算処理に不正があるとの内部通報があったという。調査の過程で経営幹部に上層部から不当な圧力があったことも発覚した。
「内部統制の無効化」。会見でこの言葉が頻繁に語られた。監査委員長は「内部統制の無効化の影響が決算に波及する恐れがないとは言えない」という。内部統制が効かない、つまり経営が滅茶苦茶になっていて、不正な決算が行われた疑いがある、ということだ。
責任ある決算ができないのは東芝では珍しいことではない。2015年4月に「東芝問題」が火を噴いたきっかけも決算発表の延期だった。
「チャレンジ!」を連発して数字を歪めていたのは原発事業から成り上がった佐々木則夫社長。粉飾が明るみに出て東芝は姿勢を改めたはずではなかったのか。だが米国の原子力事業で粉飾体質が続いていた。
関係者の処分が発表された。注目は東芝の執行役常務で原子力部門を統括する社内カンパニーの社長であるダニー・ロデリック氏の解任だ。同氏は米国の原子力産業を渡り歩き、東芝が買収したWECを足掛かりに米国事業を取り仕切っていた。東芝の原子力事業は志賀会長が総責任者だが、現場を仕切るロデリック氏が実権を持ち、志賀会長も口出しできない、などと言われていた。
訴訟相手を買収する奇策
隠れ損失は見抜けなかったか
7000億円の損失が噴出したストーン・アンド・ウエブスター(S&W)社の買収もロデリック主導で進んだ。買収に至る経緯は前回の『東芝が米原発産業の「ババを引いた」理由』に書いたので省略するが、東芝の悲劇は現場の暴走に手を付けられなかったことだ。
S&Wに潜む7000億円もの損害に、東芝が気づいたのは買収後だった、という。公式発表では、昨年12月中旬という。信じがたい話だ。
3・11福島事故をきっかけに米国では安全対策が強化され、上乗せ基準や厳重な検査で工期は伸び、資材費も膨張した。現場ではみんな知っていることである。
東芝はS&Wを買収する時、親会社のシカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン(CB&I)社の財務諸表を調べたが、S&Wに巨額な損失が隠れていることは分からなかった、という。
「騙されたのではないか」。会見で問われた畠澤執行役常務は「その件については、私どもから言える立場ではない」と言葉を濁した。口が裂けても「騙されました」とは言えないだろう。「騙された」のは東京の本社ではないのか。
買収したのはロデリック社長が率いるWEC。原発工事の費用負担を巡りS&Wと訴訟合戦になり、トラブルを切り抜ける奇策として訴訟相手のS&Wを買い取った。本社に承認させ、東芝による債務保証まで付けさせた。これが1年後、7000億円の損害として爆発した。東京の支配は米国に及んでいなかった――。
バブル期と同じ構図
カネは出しても口は出せない日本
この構図はかつて経験した記憶がある。1980年代、日本がバブル経済に酔っていたころだ。
企業は米国など海外でビルやゴルフ場を買いまくった。ニューヨークのロックフェラーセンターやカリフォルニアのペブルビーチゴルフ場。羨望のまなざしで見ていた優良物件を法外な値段で買い漁った。バブルが崩壊すると二束三文で手放し、カネを米国に撒き散らして撤退した。
金融の国際化が囃され、海外案件に融資するのが新しい金融と考えた銀行は買収を後押した。
ゴールドマン・サックスといえば、政権に人材を送り込み、今や世界最強の投資銀行と言われるが、当時は苦境にあった。支えたのが住友銀行だった。株を引き受け資本提携したが経営に関与することはできなかった。カネだけ出す「沈黙の株主」で、ゴールドマンが立ち直ると提携は解消された。
ウエスティングハウスはゼネラルエレクトリック(GE)と並ぶ米国原子力産業の双璧だ。スリーマイル島の事故から逆風にさらされ、売りに出されてWECを買ったのが東芝だった。
買収しても経営の実権は握れなかった。一種の治外法権、本社の眼が届かなかい米国事業でとんでもない損失が生じたのである。
ロデリック氏は本社の常務と原発事業の社内カンパニーの社長を解任された。辞めれば本人は一件落着だが、東芝は火ダルマだ。
稼げる事業を次々売却
選択と集中の逆を行く東芝
「分社化する半導体部門への出資については柔軟に対処する」
綱川社長は「柔軟」を何度も繰り返した。半導体は東芝の儲け頭だ。分社化して他社から出資を受け、そのカネで米国事業の損失を埋める算段である。だが虎の子の事業は守りたい。「外部からの出資は20%まで」という一線を引いて半導体事業を死守する構えだった。
そんな一線にこだわってはいられなくなった。「柔軟に対処」とは、場合によっては100%の身売りもあり、ということである。「いろいろなオファーが来ている」と綱川は言うが、東芝はハイエナに食われる。
7125億円もの損失が出て、2016年12月末で東芝の純資産は吹っ飛び、1912億円の債務超過となった。このままでは上場廃止では済まない。公共事業の入札に参加できなくなり、銀行融資も困難になる。3月末までに債務超過を埋め、1000億円余の資産を確保しないと、経営に支障が出る。売れる資産はすべて売る。
売りやすいのは半導体事業だ。経営主導権などと言ってはいられない。それが「柔軟的に対処」である。
綱川社長は複雑な思いだろう。昨年6月に社長を託された。出身は医療機器部門である。東芝メディカルを世界2位の会社に育てた功労者である。その東芝メディカルを売却し、原子力部門が空けた赤字を埋めるため社長に選ばれたようなものだ。今度は半導体だ。
東芝は逆走している。企業は得意分野を残し、不採算分野を捨てる、というのが常道ではないのか。医療機器はライバルのキヤノンに売った。今度は日本が誇る東芝の半導体を外資に売る。既に冷蔵庫や洗濯機など白物家電は中国の会社に売った。主流だったテレビ・パソコンも分社化されている。
残るのは原発がらみの事業である。エレベーターや鉄道など公共事業にからむインフラ事業もあるが、東芝を代表する事業とはいいがたい。エレベーター事業も、売却の候補になっている。
そして原発だけが残ったが
国内での新設は実質不可能に
結局、東芝は原発を軸とした会社になるしかない。買い手はないが、国内の原子力は収益分野だという。
東芝製の原発は国内に21基ある。どれも動いていない。しかし、点検や修理・管理で安定した売り上げと利益を確保している、という。費用は電気代に上乗せされるので、電力会社も原発企業も痛痒は感じない。
東芝の原子力事業は2016年上期で3800億円を稼いでいる。ここにはWECの稼ぎも入っている。内訳は公表されないが、国内事業は安定収益という。
「原子力ムラ」の支配が貫徹し、電力の安定供給が叫ばれる日本。止まっている原発でもしっかり稼げる。そんな特異な産業風土が原発へのリスク感覚を麻痺させた。原発は儲かると信じてアメリカに踏み込み、食い散らかされた。それが今回の一件だ。
東芝は原発事業の土木・建設など現場作業から撤退するという。リスクが大きく採算が危ういからだという。
米国事業の失敗は「WECが米国で4基の原発を受注したことだ」と綱川社長は言う。フランスのアレバが経営破綻に追い込まれたのもフィンランドでの原発工事だった。
原発を収益事業にするなら、膨らんだ工事コストを電気料金で回収できる価格体系が必要だ。それをすれば原発の電気は飛びぬけて高くなり、商業発電はできなくなる。
よその先進国は、安全を求める人々の要求が政治を動かし、安全基準が厳しくなり、原発は採算に合わない事業になった。これが世界の潮流だ。
東芝は「原発の土木・建設」から撤退し、「メンテナンスと廃炉」に軸足を移すという。日立・三菱が身を引くのも時間の問題だろう。
今回の東芝危機は、日本で原発の新設が事実上不可能になったことを示唆している。
名門・東芝が、止まった原発に寄生し命脈を保つ姿に、産業政策の失敗が見えるようだ。
(デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員 山田厚史)
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