●今回の選挙が若者にとって絶好のチャンスである理由【衆院選】
「知りたい」にやさしく寄りそうメディア/熊谷 祐介 2014/12/06
12月14日に迫った衆議院議員選挙投開票日。メディアでは政局、政策など様々な報道がされていますが、この記事では投票率という点に注目していこうと思います。前回2012年の衆議院選挙後、「戦後最低の投票率…」などこのような報道が目立ちました。
そして、この投票率の低下を「低投票率の裏には若者がいる」との声を挙げるメディアも少なくありませんでした。はたして本当にそうなのでしょうか。
若者だけでない投票率の低下
一つの盲点として挙げられるのが、投票率が低下しているのは若者だけではないということです。戦後最低の投票率を記録した前回の第46回衆議院選挙と民主党が政権を奪取した第45回衆議院選挙を比較していきましょう。下記の図は二つの選挙の投票率の推移を数字にしてその低下率と低下した人口をだしたものです。
参考文献: 公益財団法人 明るい選挙推進協会「衆議院議員総選挙年代別投票率の推移」
(※減少人数の試算方法は選挙が行われた平成24年12月当時の年齢別人口×減少幅[%]/100)
この図から、読み取れるのは次のようなことです。
・投票率は若者と呼ばれる世代である20代が一番低い
・ここ最近の二回の衆院選における投票率減少幅は30代、40代が最もあり、40代の推定減少人数で言えば230万人以上もの人が減少している
・減少人数がもっとも少ないのは20代の世代で約153万人
など、このような相対的な表でみると、様々な問題が明るみにでます。前回の選挙「戦後最低の投票率」と言われていましたが、これは一緒くたに20代若者が原因だと言う事はできないでしょう。
今回の選挙でこのグラフがどう変わるか
若者の投票率の低下を嘆く人も多いですが、データでみると、投票率が低下しているのは若者だけではないことがわかります。
とりわけ人口比ごとの減少率を見てみると、40代の投票率低下の方が深刻に思えます。しかしながら、若者自体の投票率が世代別で見てもっとも低い事は事実です。
このような知識を頭において、今回の選挙では「若者」はどのようにとりあげられるのか、そしてこの状況がどのように変化するのかを見ていくと、選挙報道が楽しくなるかもしれません。
政治家の視点でこの投票率をみると、投票を多くしてくれる年代層にフォーカスした政策を国民の声として拾い上げ、国政に反映させる傾向にあるのは明白です。
前回、衆議院選挙では全ての世代の投票率が下がりましたが、仮に今回の選挙で他の世代よりも20代の投票率が上がれば、国政に若者の声が反映されるようになるでしょう。
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