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てらまち・ねっと



 自公政権時代、自治体の合併が進められた。
 約3300あった市町村が今では1700ほど。
  市町村数の詳しいことは次。

    1991年・平成 3年 2月 1日 3264
    2003年・平成15年11月15日 3202
    2010年・平成22年 4月 1日 1750

 (上記のデータは財団法人 地方自治情報センター(LASDEC)
   都道府県別市区町村数一覧(平成22年4月1日現在)  と 平成3年以降の市区町村数の変遷  から )

 そして、道州制も提唱され、一部の人たちが熱烈に提唱していた。
     総務省/道州制
   「平成18月9月に道州制担当大臣が置かれ、
    平成19年1月に道州制担当大臣の下に
    『道州制ビジョン懇談会』が設置されました。
    道州制の導入に関する基本的事項について
    検討が進められています。
      内閣官房(道州制ビジョン懇談会) 」


 自公政権が続いていたら、「府県の合併」の面を持つ「道州制」にまい進したのだろう。

 ところが民主党政権になって様変わり。
 当初はそれらしい考えもあったらしいけれど、9月の政権交代を経て、昨年末あたりでは道州制は完全に横に置かれていると、学者が話していた。
 実質的には、「頓挫」なのだろう。

 そんなことを察してなのか、あるいは道州制も念頭に進められてきたのか、
 と受け止めた1月の報道がある。
 それは、関西地区の府県の共同事務組織の設立。
 
 「広域自治組織『関西広域連合(仮称)』の設立準備会合が8日、大阪市内で開かれ、
 大阪、兵庫、京都、滋賀、和歌山、鳥取、徳島の2府5県で発足させることで関係府県の知事が合意した。
 各府県がそれぞれ2月定例議会の特別委員会で広域連合の規約案を説明し、年内に本会議での議決を経て発足を目指す。
 
 広域で当初処理する事務を防災、観光、産業振興、医療、環境保全、資格試験・免許、職員研修の7分野と規定。
 当面、徳島は資格試験を除く6分野、鳥取は観光と医療の2分野だけ参加する。国から地方への権限移譲事務については、具体化後に広域連合が受け皿として担う事務内容を協議する。

 一方、これまで協議に加わっていた奈良、三重、福井の3県は「メリットが少ない」などとして参加を見送った。」


 橋下大阪府知事の狙いは何なのか、思いをめぐらした。

 そんな風に、協調関係で広域に進むのかと思っていたところに、
 知人のジャーナリストが「そうでもない関係」についての記事を紹介してくれた。
 関西に「空港が3つ」もあることに起因する動き、ここでも橋下知事主導の展開と見える。

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●関西広域連合、2府5県知事が合意──橋下氏「国に権限移譲迫る」
      日経 2010/01/09配信
 広域自治組織「関西広域連合(仮称)」の設立準備会合が8日、大阪市内で開かれ、大阪、兵庫、京都、滋賀、和歌山、鳥取、徳島の2府5県で発足させることで関係府県の知事が合意した。各府県がそれぞれ2月定例議会の特別委員会で広域連合の規約案を説明し、年内に本会議での議決を経て発足を目指す。

 この日の会合では大阪府の橋下徹知事が「政府の地域主権戦略大綱が今夏をメドに出され、国の出先機関廃止の動きが加速する。国に権限移譲を迫るためにも、夏までに広域連合を発足させるべきだ」と主張。出席した知事からは「議会や県民に広域連合のメリットなどを説明する時間が必要」(滋賀県の嘉田由紀子知事)との意見も出た。

 議長を務めた兵庫県の井戸敏三知事は「(府県議会への正式な議案提出は)府県で足並みをそろえ、国の動きを見定めながら年内の適切な時期の発足を目指す」と提案し、了承を得た。

 会合で示された規約案は、広域で当初処理する事務を防災、観光、産業振興、医療、環境保全、資格試験・免許、職員研修の7分野と規定。当面、徳島は資格試験を除く6分野、鳥取は観光と医療の2分野だけ参加する。国から地方への権限移譲事務については、具体化後に広域連合が受け皿として担う事務内容を協議する。

 執行機関の長となる広域連合長は参加する府県知事の互選で選出。各知事を委員とする「広域連合委員会」が重要事項に関する基本方針などを合議する。全会一致と多数決のどちらで議決するかは議案ごとに今後詰める。

 参加府県の議会議員の代表で構成する「広域連合議会」の定数は20人とし、均等割と人口割を併用して大阪に5人、兵庫に4人、京都に3人、他の4県に2人ずつ割り当てる。

●府県超えて広域行政「関西広域連合」今秋発足
      2010年1月8日15時27分 読売新聞
 府県の枠組みを超えて広域行政に取り組む「関西広域連合(仮称)」が今秋にも、大阪、京都、滋賀、兵庫、和歌山、鳥取、徳島の2府5県で設立されることが確実となった。

 複数の都道府県で構成する広域連合は全国で初めて。各知事でつくる執行機関・広域連合委員会や、府県議による連合議会を設置する。8日午後に大阪市内で開かれる設立準備部会で、関係知事が基本合意する。

 順調に手続きが進めば、5~6月の各府県議会で議決を得た後、総務省の許可を経て9~10月に発足の見通しだ。一方、これまで協議に加わっていた奈良、三重、福井の3県は「メリットが少ない」などとして参加を見送った。

 設立案によると、当面、ドクターヘリ運航などの医療のほか、防災、観光・文化、産業振興、環境保全、資格試験、職員研修の7分野の業務を共同で実施。徳島県は6分野、鳥取県は2分野で部分参加となる。

 当初の年間予算規模は約2億4500万円と試算、各府県の負担額は6100万~1300万円となる。議会の議席配分は▽大阪5▽兵庫4▽京都3▽その他各2の定数20とする案を軸に検討する。

 実施業務は段階的に拡充し、将来的には国の出先機関の吸収も視野に入れている。ただ、広域連合が府県廃止を意味する道州制へのステップとなるかは不透明で、橋下徹・大阪府知事が道州制に積極的な一方、井戸敏三・兵庫県知事らは慎重姿勢を崩していない。

 広域連合は地方自治法に基づく特別地方公共団体。関西広域連合については、近畿など14の府県・政令市と経済団体でつくる「関西広域機構」で協議してきたが、調整の難航で設立時期は当初予定の「09年度中」からずれ込んでいた。

●関西広域連合:設立へ 住民理解が重要--前鳥取県知事の片山善博・慶応大教授の話
    毎日新聞 2010年1月9日 
 欧州連合も最初は参加国が少なかったが、長い時間をかけて発展してきた。関西広域連合も焦らずに実績を重ね、理解を深めながらエリアを広げ、共同で担う事務を増やせばいい。今後は住民の理解を醸成できるかが重要だ。

 ●関西3空港の活用策をめぐりエスカレートする
大阪・橋下知事vs兵庫・井戸知事のバトル

週刊ダイヤモンド
 戦略なき空港建設が日本社会に様々な軋みを生んでいる。
 本来、国家的なインフラであるべき空港が、地域のハコモノ感覚で造られてしまい、その数98にのぼる。質ではなく量を追求した整備により、ハブ空港の不在や需要なき地方空港の林立、そして、狭いエリア内での乱立という負の現象が広がっている。

 地域エゴのぶつかり合いで過剰整備となっている代表事例が、大阪、関西国際、神戸の関西3空港だ。互いに足を引っ張り合い、地盤沈下する悲劇を生んでいる。

 この三つ巴の関係にどう終止符を打つか。国や地域で議論が重ねられているが、いがみ合いはエスカレートする一方だ。

 最大の焦点は、伊丹(大阪)空港の存廃である。

 関西3空港のあり方についての議論をリードするのは、大阪府の橋下徹知事だ。「関空・伊丹プロジェクト」なる将来戦略を昨年とりまとめ、地域主導によるストックの組み換えを主張、伊丹空港の将来的な廃止を明確に掲げた。

大阪府・橋本知事構想では リニアが来れば伊丹は廃港
 橋下戦略のポイントは2点。
 ひとつは、JR東海が計画中のリニア中央新幹線と3空港問題をセットで考えるという点だ。東京~大阪間のリニア開業と同時に伊丹廃港をという。需要の4割を占める羽田便がリニア開業によって消失し、伊丹空港の存在意義が自然に低下するとみるからだ。

2点目は、空港跡地の利活用を地域主導で行い、運用益と売却益を関空の財務改善と関空リニアの整備に充てる戦略だ。即時ではなく、中長期の地域戦略として伊丹空港の廃止を掲げたのだが、それでも、これまでタブー視されてきた議論に踏み込んだ。

 これに猛反発したのが、伊丹空港の地元の井戸敏三兵庫県知事である。3空港を一元管理して運用を改善すれば、地域全体の需要は増えると、持論を展開。伊丹存続を強く主張した。そして、伊丹廃止によって関空の需要を高めようというのは、「負け犬の論理」だと橋下知事を一蹴した。両知事の間で激しいバトルが展開されるようになり、争いの渦は広がっていった。

 兵庫県議会が3月23日に伊丹空港の存続を求める決議を採択した。その翌日、大阪府議会が「関空ハブ化実現のために、伊丹空港の中長期的な廃港を考える」との決議を可決し、橋下知事に同調した。

 さらに、その翌日の25日に伊丹空港の地元、大阪府豊中市議会が「存続」、隣接地の大阪府箕面市議会が「廃止」という、相反する決議をそれぞれ可決した。タブーに踏み込んだ橋下知事の突破力により、伊丹空港の存続をめぐる議論が一気に過熱するようになったのである。

なぜ狭い関西圏に 3つの空港が乱立したか
 それにしても、なぜ、狭い関西圏に空港が3つもできたのかと、不思議に思う人も多いだろう。様々な事情が絡み合い、もつれ合ってのことだ。ざっと経緯を説明したい。

 1959年に開港した伊丹空港は長年、関西圏の拠点空港と位置付けられていた。国が設置管理する第1種空港(当時)で、利便性の良さを誇っていた。しかし、空港用地が住宅地に隣接し、騒音や安全性、そして、狭隘さ(311ヘクタール)という問題を抱えていた。

 2本の滑走路(1828メートルと3000メートル)を持つものの、増え続ける需要に対応しにくくなっていた。将来の容量不足は明らかで、新たな拠点空港の設置が課題となった。当初、新空港の有力候補地として浮上したのが、神戸沖だった。

 ところが、当時の神戸市は空港を迷惑施設ととらえ、建設に猛反対した。国はやむなく神戸沖を断念、泉南沖に新空港を建設することにした。大阪都心から38キロも離れ、交通の便に難のあるところだった。

 関西国際空港の建設が開始された。海を埋め立て、1055ヘクタールもの空港島を造る巨大事業となった。1994年に1本目の滑走路(3500メートル)が完成し、開港となった。しかし、新空港の前途は明るいものではなかった。いくつもの課題が待ち構えていたからだ。

 ひとつは、伊丹空港との関係だ。関空開港後に伊丹空港は廃止されると、多くの人がみていた。しかし、そうはならなかった。地元が伊丹廃港に反対し、存続をごり押ししたからだと、一般にいわれている。伊丹空港存続は地域エゴによるものとの見方である。事実はそうではない。

関西3空港の在り方をめぐる、ある提言
 関空の開港にメドがついた頃、伊丹をどうするかが俎上にあがった。地元は当時、廃港論だったが、国(当時の運輸省)は航空需要の拡大や伊丹の利便性を考え、関空開港後も伊丹は必要と判断していた。それで、1990年に地元との間で存続協定が締結されたのだが、国は「地元から存続の陳情をしてほしい」と働き掛けて、あたかも地元の要求で伊丹を存続させたかのように装ったという。

 その後、関空の2期工事が完了し、07年から2本目の滑走路(4000メートル)も、供用開始された。相前後して国は伊丹空港への規制を強める策に出た。長距離便や大型機の就航禁止などで、関空へのテコ入れを狙いとしている。結局、国は関空と伊丹の役割や将来像について明確なビジョンを示さずにきたのである。

 関西の空港問題をさらに混迷させたのが、神戸市の行動である。
神戸沖への新空港建設を拒否した神戸市が突如、豹変し、市営空港の建設を最優先施策に掲げたのである。ポートアイランド沖に空港島(272ヘクタール)を造り、2500メートルの滑走路をもつ神戸空港を06年に開港させた。関空と伊丹の間に割って入ったのである。

 しかし、神戸空港の利用は伸びず、需要予測の8割程度に低迷。JALが5月に撤退することが決定している。市営とはいえ、国の設置許可がなければ空港は造れない。つまり、関西に3空港が乱立する事態を生み出したのは、実は国である。

 ところで、関西3空港の在り方をめぐる提言が、ある研究機関によってまとめられた。

 それは、関空と神戸空港を海底トンネルで結び、合体させるという構想だ。23キロに及ぶ海底トンネルの総工費は約5200億円。両空港をリニア方式の地下鉄により、約15分で結ぶという。両空港を合体させて「大阪湾国際空港」を創設するという提案だ。

 斬新な提案のように思えるが、じつは神戸空港が開港する以前から囁かれていた構想だ。この「大阪湾国際空港」と伊丹空港を一元管理するというもので、現状打破とは言い難い。

 関西3空港をいったいどうするか。地域エゴや短期的な視点を廃し、利用者と中長期の2つの視点が不可欠だ。そして、何よりも関空へのアクセスの大幅改善が大前提となる。
(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 相川俊英)



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