昨日の朝刊の何紙かの一面に、
「痴漢事件、供述裏付け捜査徹底を 警察庁が指示 」
との旨の記事があった。
その原因となったのが、今年2009年4月14日 最高裁判所の第三小法廷が、5人の裁判官の3対2の微妙なバランスで決定した判決(下記でリンク)。
私は、公共交通での通勤ラッシュ、そういうライフスタイルを選んでいないので、あまり縁はないだろうとは思っている。
2008年11月28日ブログ ⇒
◆痴漢/偽装犯人にされたと心配するのは、やっぱり「男」だからかな
でも、万が一、どこかの駅などで「濡れ衣」で捕まえられたら、「絶対認めない」と思っている。
冤罪とは、冤罪が晴れても済むものではないから。
いちおう、「議員」という公人だから、虚偽、捏造、誤報であっても、取り返しのつかないダメージを受けることは間違いなし、だから。
痴漢という犯罪は許されないことは当然のこと。
データからも被害者が多いこと、傷が深いことは明らか。
”痴漢”したら捕まえられるのは当然のこと。
ただ、一方で、否定しても、その情況の中で、公安から「認めたら、放してやる」旨などを言われて、その詰問の場・時間を逃れるために「認める」。
そしたら拘留され続けて、起訴されて、有罪に・・そんなケースが指摘されている。
あるいは、どんなに否定してもそのまま拘留されて、有罪に・・・
これらの問題が、この数年、特に言われていたと認識している。
とりあえず、本人が認めている場合や否定している場合などの記事を拾ってみた。
ともかく、そんな意味で、4月の最高裁判決は、正常な捜査に戻す方向付けになった。
誤捜査の被害者になり得る側、加害者に仕組まれ得る立場だから、まじめに考える課題だと思っている。
もちろん、今回の警察の方針転換が「被害者の2次被害」や「あきらめ」を拡大・増大させないことを思いつつ。
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平成19(あ)1785 強制わいせつ被告事件 平成21年04月14日 最高裁判所第三小法廷 判決の概要
1 上告審における事実誤認の主張に関する審査は,原判決の認定が論理則,経験則等に照らして不合理かどうかの観点から行うべきである。
2 被告人が満員電車内で女性Aに対して痴漢行為をしたとされる強制わいせつ被告事件について,被告人が一貫して犯行を否認しており,Aの供述以外にこれを基礎付ける証拠がなく,被告人にこの種の犯行を行う性向もうかがわれないという事情の下では,Aの供述の信用性判断は特に慎重に行う必要があり,Aの供述する被害状況に不自然な点があること(判文参照)などを勘案すると,Aの供述の信用性を全面的に肯定した第1審判決及び原判決の認定は不合理であり是認できない。
(2について補足意見,反対意見がある。)
・・
判決全文 (状況が整理されている)
主 文
原判決及び第1審判決を破棄する。
被告人は無罪。
理 由
・・・・裁判官堀籠幸男,同田原睦夫の各反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官那須弘平,同近藤崇晴の各補足意見がある。 |
ある法律事務所の分かりやすい解説 (5人の裁判官のやり取りの中身は・・・)
イデア綜合法律事務所 /2009年04月15日 最高裁「痴漢逆転無罪」判決
・・・・おそらく相当の激論が合議体内部でなされたのではないかと思われる。
最高裁の事後審制についてはできるだけ端折って、誤解を恐れず、5名の裁判官の立場で主張を分かりやすく、述べれば次のように整理できるかもしれない。 ・・・
●最高裁、痴漢事件で逆転無罪判決/慎重審理求める初判断
四国 2009/04/14 22:17
2006年に小田急線の車内で女子高生に痴漢をしたとして、強制わいせつの罪に問われた防衛医大教授名倉正博被告(63)=起訴休職中=の上告審判決で、最高裁第3小法廷は14日、「被害に関する供述には疑いの余地がある」と判断し懲役1年10月とした1、2審判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。無罪が確定する。
判決は、満員電車での痴漢事件について「客観的証拠が得られにくく、被害者供述が唯一の証拠となることが多い上、被害者の思い込みで犯人とされた場合は防御の手だてが容易ではないとの特質から、特に慎重な判断が求められる」と指摘した。
最高裁として初めて痴漢事件に関する審理の在り方を示したもので、今後の捜査や裁判に大きな影響を与えそうだ。
痴漢事件で最高裁が逆転無罪判決を出したのも初めて。
判決は裁判官5人中、3人の多数意見。田原睦夫裁判長ら2人は「女子高生の供述には信用性がある」と反対意見を付けた。
教授は判決後、東京都内で会見し「司法界に不信感があったが、初めて胸がすく思い」と話した。
教授は06年4月18日朝、小田急線の成城学園前駅から下北沢駅までを走行中の車内で、当時17歳だった女子高生の下着の中に手を入れるなどしたとして起訴された。
判決は、女子高生が成城学園前駅に着く前から痴漢をされていたと供述しているのに、同駅でいったん下車した後に再び車両に乗り、教授のそばに立った点などを不自然と判断。
●痴漢事件、供述裏付け捜査徹底を 警察庁が指示
2009/06/25 10:16 【共同通信】
痴漢事件の捜査の在り方について検討を進めていた警察庁は25日、被害者の供述内容の裏付け捜査を徹底し、目撃者の確保や客観的証拠の保全に努めることなどを柱とした指針を新たにまとめ、全国の警察本部に通達を出して指示した。
小田急線車内で痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われた防衛医大教授が今年4月、最高裁判決で無罪になったことを受けた措置。駅への防犯カメラ設置など被害防止活動の推進も併せて求めた。
通達は「電車内の痴漢事件は悪質な犯罪行為である一方、目撃者の確保が困難であるなど人的証拠や物的証拠が乏しく、事実の認定については被害者の供述などにより行われることが多い」と指摘。
その上で(1)目撃者や逮捕協力者の確保(2)早期の実況見分実施と証拠保全の徹底(3)被害者供述の裏付け捜査の徹底(4)衣服に付着した微物など、DNA鑑定のための客観的証拠の保全(5)容疑者を留置する必要性があるかないか、適切に判断すること―を求めている。
●留置の必要性、慎重に判断を=痴漢捜査で警察庁
時事 2009/06/25-10:09
警察庁は25日、電車内の痴漢事件について、容疑者の身柄を留置する際は必要性を慎重に判断することなどを全国の警察に通達で指示した。最高裁が4月、女子高生への痴漢で強制わいせつ罪に問われた大学教授に逆転無罪を言い渡したことを受け、同庁は捜査のあり方を見直していた。
痴漢捜査について同庁は2005年、目撃者の確保や供述の裏付け徹底、繊維片など客観的証拠の収集を行うよう全国に指示していた。
今回は、教授が一貫して無罪を主張しながら被害者の証言だけで長期間拘置されたことを踏まえ、「捜査幹部は捜査上の支障をよく吟味し、留置の要否を適切に判断する」「目撃者や客観的証拠がなく、容疑者が否認している場合、被害者の供述に疑いを持たれないよう徹底して吟味する」などを留意事項に追加した。
●痴漢捜査は慎重な判断を 警察庁通達
産経 2009.6.25 10:22
警察庁は25日、電車内の痴漢事件で容疑者の身柄を勾留(こうりゅう)する際は必要性を慎重に判断することなどを全国の警察本部に通達した。最高裁が4月、女子高生への痴漢で強制わいせつ罪に問われた防衛医大名誉教授に対し、被害者供述の信用性を否定して逆転無罪判決を言い渡したことを受け、捜査のあり方について見直しを進めてきた。
通達は痴漢事件の捜査と取締対策について、(1)DNA型や繊維片の鑑定の活用など客観的証拠の収集に努める(2)被害者供述の変遷、他の証拠との矛盾などの不自然・不合理な部分を徹底して吟味する(3)被害が頻発する路線や時間帯を分析、捜査員を電車内に集中的に投入して犯人の現行犯逮捕に努める-などを指示。
さらに、容疑者の逮捕・勾留についても逃亡、証拠隠滅などの可能性の有無を十分に吟味して判断することを捜査幹部に求めた。
●相次ぐ痴漢の無罪判決 捜査見直すきっかけに
産経 2009.6.25 10:25
警察庁が痴漢事件捜査の在り方の検討を始めるきっかけとなったのは、最高裁で逆転無罪となった防衛医大教授の強制わいせつ事件だった。痴漢捜査の難しさは以前から指摘されていたが、裁判で無罪となるケースが最近相次いでいる。
西武新宿線で女子高生の体に触ったとして、強制わいせつ罪に問われたアルバイトの男性に対し、東京高裁は今月11日、「被害者の供述だけでは犯人と断定できない」として無罪判決を出した。今年3月には、JR大阪環状線で女子高生の体を触ったとして大阪府迷惑防止条例違反罪に問われた会社員の男性の控訴審判決で大阪高裁が、無罪とした一審大阪地裁判決を支持している。
防衛医大教授への判決では、最高裁が「被害に関する供述には疑いの余地がある」と指摘。「被害者供述が唯一の証拠となる場合があり、特に慎重な判断が求められる」と初めて痴漢事件の審理の在り方を示した。
●確信犯と思われるケース
●ネットで集まり電車内で痴漢か 郵便事業会社係長ら逮捕
産経 2008.12.4 12:56
埼玉県警浦和署は4日、JR埼京線の電車内で女性(22)の体に触ったとして、強制わいせつ容疑で、郵便事業会社関東支社係長、星野裕良(39)=同県戸田市美女木東、自称派遣社員、安達安博(53)=東京都豊島区高松=の2容疑者を逮捕した。
2人は互いに面識がないが、同じ女性に対しわいせつな行為をしていた。ほかに2人が同じ女性に痴漢行為をした後で逃走したとの目撃情報があることなどから、浦和署は4人がインターネットの書き込みなどで集まった可能性があるとみて追及している。
調べでは、両容疑者は3日午後9時半ごろ、赤羽~武蔵浦和間を走行中の通勤快速の先頭車両で約20分間、無職女性の胸や下半身を触るなどした疑い。
同じ車両に乗り合わせた男性(26)が4人の男の動きを不審に思い、安達容疑者をつかまえた。女性も星野容疑者のネクタイをつかみ、駅員に引き渡した。
●同じ女性に何度も痴漢か 京都府警、トーハン支店長逮捕
産経 2008.10.9 22:49
京都府警七条署などは9日、電車で痴漢をしたとして、府迷惑行為防止条例違反の現行犯で、出版取り次ぎ大手「トーハン」の京都支店長、辻野光洋容疑者(56)=大津市富士見台=を逮捕した。
同じ女性に何度も痴漢行為をした疑いがあり、七条署は余罪を調べる。
調べでは、辻野容疑者は9日午前7時半ごろ、JR東海道線の山科-京都間で大津市の会社員女性(22)の尻を触った疑い。「ストレスでやった」と認めている。
女性が9月末、七条署に「6月から同じ区間で何回か痴漢されている」と相談。府警鉄道警察隊が警戒して取り押さえた。
●本人が、いちおう、認めたケース
●さいたま地検検事が痴漢 JR埼京線車内
産経 2009.5.14 21:57
JR埼京線の電車内で女性の尻を触ったとして、警視庁板橋署は14日、東京都迷惑防止条例違反(痴漢)の現行犯で、さいたま地検刑事部に所属する男の検事(46)を逮捕した。検事が容疑を認めたことから、同日夕に釈放した。
同署によると、検事は「検事として痴漢の被害者も被疑者も調べているので、被害者の気持ちが分かる。女性には大変申し訳ないことをした。ごめんなさい」と反省している。検事はこの日、ゴールデンウイークの代休を取り、新宿に買い物に行く途中だった。
同署の調べによると、検事は14日午前9時半ごろ、東京都板橋区の埼京線板橋駅に停車中の上り列車ドア付近で、前に立っていた女子大生(20)の尻をスカートの上から触った。女子大生が被害を訴えて同駅で降ろし、駆けつけた同署員に現行犯逮捕された。
●「スカート短く可愛い子だった」 痴漢容疑で38歳男逮捕
産経 2009.4.28 17:22
電車内で女子高生(17)の体を触ったとして、千葉県警行徳署は28日、県迷惑行為防止条例違反の疑いで、神奈川県相模原市相模台、介護士見習、安藤義孝容疑者(38)を逮捕した。
逮捕容疑は、同日午前7時20分ごろ、JR京葉線の西船橋~市川塩浜間の車内で、通学中の女子高生の尻を触った疑い。
同署によると、安藤容疑者は「スカートが短くてかわいい子だったから」と供述している。女子高生と車内にいた男性客が取り押さえ、市川塩浜駅で同署員に引き渡した。
●「触ってみたかった」 早大生が電車内で痴漢容疑
産経 2009.3.13 08:21
電車内で女子高生の体を触ったとして、神奈川県警多摩署は12日、同県迷惑防止条例違反などの疑いで、同県相模原市東淵野辺、早稲田大4年、阿多利拓人容疑者(22)を現行犯逮捕した。「触ってみたかった」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は12日午後6時20分ごろ、小田急線成城学園前-登戸間の急行電車内で、横浜市の高校2年の女子生徒(17)のスカート内に手を入れ下半身を触るなどした疑い。
同署によると、登戸駅で女子生徒が阿多利容疑者の腕をつかんで電車から降ろし、駅員に引き渡した。
●いちおう、本人が否定しているケース
●痴漢容疑で小学校長を逮捕 本人は「偶然」と否認 兵庫
産経 2009.4.25 19:37
電車内で女子高校生の体を触ったとして、兵庫県警生田署は25日、県迷惑防止条例違反の疑いで、同県高砂市立中筋小学校校長の足立陽三容疑者(56)=同市米田町島=を現行犯逮捕した。
同署によると「偶然、体に当たったが、痴漢ではない」と否認している。
逮捕容疑は25日午後零時半ごろ、JR山陽線の新長田-神戸間で普通電車に乗車中、高校2年の女子生徒(16)の胸や下半身を触った疑い。
同署によると、目撃したほかの乗客が駅員に伝え、足立容疑者が神戸駅の改札口を出たところで駅員が取り押さえた。
●「痴漢やってない」愛知県職員が記者会見で無罪主張
産経 2008.12.24 17:43
列車内で女性の下半身に脚を押し当てたとして愛知県迷惑防止条例違反の罪で起訴され、その後に保釈された同県産業労働部科学技術推進室主幹の岡野善紀被告(51)が24日、県庁で記者会見し、「そんなことはしていない」と改めて痴漢行為を否定した。
岡野被告は「満員電車なので揺れれば当たった可能性はあるが、意図的な行為はしていない」と主張。同席した藤井成俊弁護士は「痴漢事件は女性が百パーセント信用でき、男性の言うことは信用できないという構図がある」と話した。
岡野被告は今月8日に愛知県警に現行犯逮捕され、名古屋地検が22日に起訴。保釈を受けて24日から勤務に復帰した。
●女子高生が痴漢男を追いかけ取り押さえる
産経 2009.6.14 22:57
埼玉県警川口署は14日、県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の現行犯で、川口市芝西の自称派遣社員、伊草幸雄容疑者(57)を逮捕した。
同署の調べでは、伊草容疑者は14日午後5時20分ごろ、JR川口駅前の2階デッキで、歩いていた県立高校3年の女子生徒(17)の下半身をすれ違いざまにさわった。そのまま逃げた伊草容疑者を女子生徒が追いかけて川口駅のホームで取り押さえ、駅員に引き渡した。
● 富山冤罪事件
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