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てらまち・ねっと



 昨日の鹿児島県・阿久根市長選挙、前職の竹原氏が再選された。
 今では 「ブログ市長」 と評されている。

 実は私は、今回は危ないのではないかと見ていた。
 
 対立候補が元国土交通省職員で、今回の騒動で3月から候補指名があってそれなりに運動でき、知名度も高まり、議員の多数も支持・・・、それに相変わらずの竹原氏の過激ともうつる言動が続いて・・

 でも、市民の選択は違った。
      (開票終了) 
        当  8,449 竹原 信一 無前
           7,887 田中 勇一 無新

 とはいえ、新聞の報道の見出しは、批判的ともみえる。
     「『独善的』手法に信任 」
     「再選 さらに市政混迷か」 
     「当選も立場変える市議おらず…議会との溝深く」・・

 もちろん、違う見出しもある。
     「『これから革命』 竹原氏返り咲き」
     「市民も変わった」 
     「波乱覚悟 改革望む 民意、市議選から一転」

 ともかく、再度の不信任はできない状況。
不信任決議のハードルは高くなり、「議員の3分の2以上が出席し、4分の3以上の賛成」が必要。
 定数16人の阿久根市議会では、12人以上の賛成が必要条件となるため、10人の反市長派は態度保留の1人を含めても不信任決議は成立しない。


 ところで、三重県の尾鷲市での市長不信任⇒議会解散の選挙も昨日投票。
     「当選議員の大半が反市長派。 奥田市長失職も 」とされる。

 面白いのは、この尾鷲の動向に関して毎日新聞がまとめた記事中の識者のコメント。
 ちょっとおかしいのではと読む部分と、納得する部分と混在。 (最後に紹介)

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 まず、竹原氏のブログ。
 竹原氏は、今回の選挙中にはブログを更新しなかった。
        住民至上主義 / さるさる日記
          旧Webページは ⇒ 阿久根時事報

●「ブログ市長」の竹原氏再選 鹿児島・阿久根市長選  2009年5月31日21時43分 朝日
 議会から不信任決議を受けて市長が失職したことに伴う鹿児島県阿久根市の出直し市長選は31日に投開票され、前職の竹原信一氏(50)=無所属=が新顔で元国土交通省職員の田中勇一氏(56)=同=を破り、再選を果たした。竹原氏はブログで市議会や市職員批判を繰り返し、話題となっていた。市議会は反竹原派が多数を占めており、今後も市政の混乱は続きそうだ。投票率は82.59%で、4人が争った昨年8月の前回を7.09ポイント上回った。

 選挙戦では竹原氏の政治手法が最大の争点となった。

 市長当時、市のホームページで07年度の消防を除く市職員268人分の給与額を1円単位で公開したこともある竹原氏は、選挙戦で市職員の給与を「厚遇だ」と批判。一貫して市役所改革を訴え、「いま改革を進めなければ阿久根は何も変わらない。これからは市民主権の革命を目指す」と訴えていた。

 一方、反竹原派の11人の市議らが擁立した田中氏は「改革という名で行政を破壊している」と市政の正常化や地域活性化策を訴えたが、知名度不足が響き、及ばなかった。

●“ブログ市長”竹原氏が再選 鹿児島・阿久根市長選  2009.5.31 22:01 産経
 市長失職に伴う鹿児島県阿久根市長選は31日、投開票され、前市長の竹原信一氏(50)が、反竹原派の市議らが擁立した元国交省職員の田中勇一氏(56)を破り、再選を果たした。投票率は82・59%(前回75・50%)。

 竹原氏は在任中に市議会や市職員への批判をブログで繰り返し、2度の不信任決議を受けて失職したが、「市民こそが主権者なのに議員や市職員は自分たちのために仕事をしている」と主張。景気が低迷する中で市政改革を望む市民の支持を幅広く取りつけた。

 一方、田中氏は「ビジョンなき改革は単なる破壊」と、議会と対立し続けた竹原氏の手法を批判。市議会多数派や各業界からの支援を受けて「協調による市政運営」を前面に出したが、「改革の後退」との印象を拭いきれなかった。

●ブログ問題の前市長再選 阿久根市、「独善的」手法に信任
    2009/05/31 22:10 【共同通信】
 ブログ問題などで2度の不信任決議を受けた竹原信一前市長(50)の失職に伴う鹿児島県阿久根市長選は31日投票、即日開票の結果、無所属の竹原氏が、無所属新人の元国土交通省職員田中勇一氏(56)を破り、再選を果たした。投票率は82・59%。

 反竹原派の市議11人が支援した田中氏との一騎打ちを制した竹原氏は、市政改革を訴えて議会と対立し「独善的」と批判された行政手法に信任を得たことになり、今後も強気で市政運営に臨むとみられる。

 ただ、反竹原派が議会(定数16)の主導権を握る状況に変わりはなく、対立の再燃で市政停滞が長引く可能性もある。

 竹原氏は選挙戦で、議会側を「議論する頭もない」などと酷評。市職員も「給与に見合った仕事をしていない」などとして改革の必要性を強調し、自らバイクでビラ配布を行なうなどの地道な活動で支持を拡大した。

●「これから革命」 阿久根市長選 竹原氏返り咲き 「市民も変わった」  
     2009/06/01付 西日本新聞
「私の当選は市民が変わったことの表れ。これから革命を起こす」。31日に投開票された出直し鹿児島県阿久根市長選で再選を果たした竹原信一氏(50)は失職から返り咲き、市政改革への抱負をあらためて語った。

 「私がやってきていることにぶれはない。市民に本当のことを知らせて変わってもらうことだ」。常に一貫した政治姿勢を強調する。約6年前に始めた市政の問題点を指摘するチラシ配布。失職後も自らバイクに乗って配って回った。

 今回の選挙戦では「官民格差」の是正を訴え続けた。市長在任中の2月、職員給与と退職金を公開し、公務員の「厚遇ぶり」を批判。「人件費の適正化で10億円は浮く。それを給食費無料化や巡回バスの運行などに使う。取り組む順番は市民と議論していく」と語る。

 集会で「ゆるやかな改善」を求めた市民に「改革が遅れるほど、市民生活の改善は進まない」と反論し、急速さを追求する手法に理解を求めた。

 昨年8月の市長選で告示後も更新し続け、物議を醸したブログ(インターネットの日記風サイト)は、今回は更新しなかった。ただ、今後も情報発信手段として利用する考えに変わりはない。

 昨年8月の市長選で初当選し、わずか7カ月で失職に追い込まれた竹原氏。2期目の当選で、いよいよ「竹原改革」が本格化する。

●阿久根市長再選 波乱覚悟 改革望む 民意、市議選から一転 
     2009/06/01付 西日本新聞朝刊
 民意は「改革続行」を選んだ‐。2度目の不信任決議を受け失職した鹿児島県阿久根市の前市長竹原信一氏(50)の政治手法の是非を最大争点に、31日投開票された出直し市長選。新人で元国土交通省職員の田中勇一氏(56)との激戦を制した竹原氏は「これから革命を起こす」と宣言。支持者からは「(改革派の)大阪や宮崎の知事のようになって」とエールが飛んだ。

 同市赤瀬川の竹原氏の選挙事務所は、当選確定の一報が入った瞬間、支持者の歓声に包まれた。ブログ(インターネットの日記風サイト)を使った議会や職員給与批判など、規格外の言動で全国から注目を集めた竹原氏。訴えを市役所人件費の是正一点に絞ってつかんだ勝利に「市民が本当のことを知って変わってくれた」と笑顔を見せた。

 タクシー運転手男性(60)は「ボーナスのない企業もあり、民間の生活はギリギリなのに、市職員の半数は年収が700万円以上もある。票は市職員への怒りの表れ。人件費改革に手を付けてほしい」と竹原氏の当選を評価。主婦(42)も「市長と市議会、市職員が思いのままに市政を牛耳る『公務員天国』に逆戻りせずよかった」と話した。

 一方、落選した田中氏は「私の訴えが市民の心に通じなかった」と敗戦の弁。竹原氏に対し「独り善がりでなく対話してほしい」と注文した。会社員男性(55)は「市の課題は市職員の給料だけではない。景気対策に1日も早く取り組んでほしい」と指摘。田中氏を支援した住民は「いつになったら、市政が正常化するのか」と戸惑いを隠さなかった。


●阿久根市長選:「ブログ市長」竹原氏が再選 
   毎日新聞 2009年5月31日 21時42分(最終更新 6月1日 0時39分)
 2度にわたる市長不信任案可決に伴う鹿児島県阿久根市の出直し市長選が31日投開票され、ブログなどで議会や市職員を批判し「ブログ市長」と呼ばれた前市長の竹原信一氏(50)が、反竹原派の市議らが擁立した新人で元国土交通省職員の田中勇一氏(56)を破り、再選を果たした。1日の選管告示で市長に復帰する。2期目も議会攻撃などを続けるとみられ、市の混乱は今後も続きそうだ。

 竹原氏は選挙中も「仕事内容に見合わず、市民に比べて給与が高過ぎる」と市職員を批判し、争点化を図った。人件費を削減し給食費を無料化するなどと訴えた。過激な言動には批判もあったが、改革が遅れがちな議会や市職員への不満を幅広く取り込む形になった。

 これに対し、田中氏は「ビジョンなき改革は、破壊に過ぎない」と竹原氏の市政運営を批判。混乱が続く市政の正常化を訴えたが、出馬表明が今年4月と出遅れたこともあり、浸透できなかった。

 選挙中「市民が議会と市役所を監視できる環境を整備する」などと訴えた竹原氏に、反竹原市議らは反発を一層強めていた。議会は反竹原派の市議が過半数を占めており、今後も市長と議会の衝突が予想される。

 投票率は82.59%で、前回を7.09ポイント上回った。当日有権者数は1万9876人だった。【福岡静哉】

 確定得票数次の通り。

当8449 竹原 信一=無前<2>

 7887 田中 勇一=無新

 ◇「大変なことになった」肩落とす市職員
 再選を決めた竹原前市長は午後9時半すぎ、事務所で支持者と万歳三唱。記者団に2期目の抱負を聞かれると、笑顔は消え「市長という職が続くだけ。特別な感慨はない。責任者はあくまで市民の皆さん」と、淡々と語った。市職員に対しては「自治労は阿久根から出ていってもらう」と容赦なく攻撃した。

 50代の男性市職員は「大変なことになった。やりたい放題の独裁になってしまう。市政に具体的な弊害が出てからしか、有権者は選択の誤りに気づかないだろう」。

●竹原氏、阿久根市長に再選 出直し選挙 さらに市政混迷か   
      2009/06/01付 西日本新聞
・・・ 竹原氏は昨年9月の市長就任直後から市議会と対立し続け、市政が混乱。議会解散に伴う市議選を経て竹原氏が在任7カ月で失職に追い込まれ、出直し選となった。

 選挙戦は「竹原氏の信任投票」の様相を帯びた。竹原氏は市職員の厚遇を批判。今回の選挙を市民に主権を取り戻す「革命」と強調して「人件費を削減して給食費の無料化や巡回バス運行などを行い、住みよい阿久根をつくる」と訴え、支持を集めた。

 田中氏は「農林水産業の基盤整備を図り、阿久根の活性化につなげる」と主張したが、竹原氏が公務員改革を掲げる中、元公務員の田中氏の支持は伸び悩んだ。
・・

●【ブログ市長】当選も立場変える市議おらず…議会との溝深く  2009.6.1 01:27 産経
 ブログ問題などで2度の不信任決議を受けて失職した鹿児島県阿久根市の竹原信一前市長(50)が、31日の同市市長選で小差で再選を果たした。「独善的」と批判された行政手法を市民が支持した格好だが、議会で主導権を握る反竹原陣営との溝は、なお深い。“ブログ市長”の行政手腕が改めて問われることになりそうだ。

 当選した竹原氏は選挙事務所に詰めかけた支持者の前で「みなさんのおかげであり、みなさんの責任です」と“竹原流”の謝意を述べた。

 竹原氏は昨年9月の市長就任以降、議員定数削減などをめぐり議会と激しく対立。今年1月にブログで《辞めてもらいたい議員は?》と不人気投票を呼びかけた。反発した議会が不信任決議を可決すると、対抗して議会を解散。しかし、出直し市議選では反竹原派議員が過半数を握り、逆に市長職を追われた。

 竹原氏は今回の選挙戦で議会側を「議論する頭もない」「反対派が何もさせてくれない」などと批判。市職員についても「給与に見合った仕事をしていない」と切って捨てた。

 対立を辞さずに改革を進めようとする姿勢が市民に受け入れられた形だが、議会で多数を占める反対派との溝は深い。市議側は「改革どころか法律無視の『革命』になりかねない」と懸念。「選挙結果によって反竹原の立場を変える市議はいない」(反竹原氏陣営)との見方は強く、今後も波乱含みとなりそうだ。



●尾鷲市議選:当選議員の大半が反市長派 奥田市長失職も
    毎日新聞 2009年6月1日 2時17分
 三重県尾鷲市の奥田尚佳市長(41)が自身に対する不信任を決議した市議会を解散したことに伴う出直し市議選(定数16)が31日、投開票され、新議員が決まった。大半が反市長派で、不信任案が再び可決され、奥田市長が失職するのは避けられない情勢だ。

 投票率は過去最低の77.05%(前回80.01%)だった。市長と市議会との確執から発展した市議選に対する市民の関心の低さが表れた格好だ。

 奥田市長は08年3月の市長選で現職を破って初当選し、東海3県で最年少市長(当時)として注目された。だが就任直後から市議会と対立。今年1月、奥田市長が税理士法(公職に伴う業務の停止)違反容疑で書類送検され、3月に罰金50万円の略式命令を受けると、市議会は4月20日、不信任決議案を可決。市長は市議会を解散した。

 改選後に再び市長に対する不信任決議案が提出された場合、3分の2以上の市議が出席し、過半数の賛成で再可決されると、奥田市長は自動失職する。【岡大介、七見憲一】

●選挙:尾鷲市議選 市長との間に横たわる溝 他都市でも意思疎通不足散見 /三重
     毎日新聞 2009年5月15日 地方版
 ◇出直し選
 尾鷲市の奥田尚佳市長(41)が、不信任を決議した市議会を解散したため行われる出直し市議選(31日投開票)の立候補予定者説明会が15日、開かれる。市長が税理士法違反の罪で罰金50万円の略式命令を受けたことが直接のきっかけだが、就任当初から市議会との対立は目立っていた。議会との意思疎通能力が不足する首長の増加を指摘する専門家もおり、こうした首長が議会とのコミュニケーション不全を起こす例が全国で散見される。【岡大介】

 「議会への根回しを、まったくしない」と、複数の元尾鷲市議が奥田市長を批判する。その最たる例が、昨年9月の副市長人事案の否決だった。何ら事前説明がなく提案されたため、市議会が反発、いまも副市長は空席のままだ。元市議らは「事前にどんな人か説明がないと、賛成しようがない」と話す。

 三重大の児玉克哉教授(社会学)は「根回しや事前説明をせず、いきなり賛否を迫る市長のやり方で、議会との溝が深まっていった」と今回の問題を分析している。

 岐阜市の細江茂光市長は市立岐阜商業高の学校法人「立命館」(京都市)への移管を進めようとしたが、市議会の賛同を得られず頓挫した。この問題では、細江市長が自身に近い一部市議にしか伝えていない段階で、市議会本会議で突然、移管計画を表明し、スタート時点から市議会の反発を招き、最後までわだかまりを解消できなかった。

 「過激な言動が、コミュニケーション力不足の首長の特徴」とも、児玉教授は言う。鹿児島県阿久根市では、竹原信一・元市長がブログで「辞めさせたい市議アンケート」をして市議会と対立し、解散後の市議会で不信任案を再可決されて失職した。

 奥田市長も、市長就任直前の08年4月、「票を取りまとめるからと、市議から現金300万円を要求されたが、断った」と会見で発言(市議側は否定)。市議会解散直後には、拡声機を持って市役所前で市議会批判を繰り広げるなど、特異な言動が目立つ。

 児玉教授は「改革派を自称して『民意は自分の側にある』とトップダウン的な行政を行う首長の原形は、小泉純一郎元首相」と指摘する。「ただし、小泉さんはメディアの注目を集めて成功した。だが地方の首長がメディアに取り上げられるのは、不祥事の時だけ」と、その差を説明する。

 95~00年に岐阜県多治見市長を務めた西寺雅也・山梨学院大教授(行政学)は「自分も市長時代、根回しはしなかった」と振り返る。その一方で「市民参加型の委員会を開くなどして、政策に関する情報は市民や市議にオープンにしていた。根回しは必要ないが、情報開示は必要だ」と指摘している。


(関連)
 2009年1月20日 ブログ
 ⇒ ◆議員不人気投票を市長が呼びかけ/選挙中もブログを更新して市長に当選

 2月26日
  ⇒ ◆熱い阿久根市劇場/市長は職員の退職金・給与公開。議会不信任議決を誘導、解散/定数16に28人

 3月22日
  ⇒ ◆出直し阿久根市議選挙、まっ最中/市長は公選法違反か/報道も厳しい/大阪・橋下知事はエール

 3月24日
  ⇒ ◆なまの阿久根市/議会と市民と市長の話し合いの場も/候補者まとまらなければ不信任再議決は流動

 4月18日 
  ⇒ ◆阿久根市長は2度の不信任で失職/この10年間の前例は道路特定財源批判した兵庫県加西市長だけ

 5月27日
  ⇒ ◆阿久根市長選 5月24日告示/混沌の激戦/西尾市議会は再び不信任決議 /不信任解散の尾鷲市議選


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