世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【円・日本国債から離れようとすることは戦争や破壊に加担することにつながる】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」⑦

2024-06-17 00:01:21 | 日本
前回からの続き)

 ということで、どう考えても、毎度の結論日本国債しかない」に至ってしまうわけですが、だからこそ、これから離れよう、離れよう、とすればするほど「農中」(農林中央金庫)になってしまう―――(実質利回りが日本国債よりも低い米国債等の)「高値掴み」の巨大評価損を食らってしまう―――のは当然ですね。それは、わたしたち一人ひとりの総合力が織りなす世界最強日本経済、そしてこれに裏付けられた「」(日本国債)の真価を否定しようという虚しい試みですから。加えて、その否定は、究極的には「平和」や「創造」に背を向け、「戦争」や「破壊」を志向する古い世界にしがみつく勢力に加担することにつながるわけです・・・って、新しい時代の幕開けが間近だというのに・・・

 繰り返しますが、いまやジャパンマネー(Jマネー)こそ世界すべての投資の大元です。ゆえに、本来なら、わが国が投資の主体になるべきが、前述したことから、これが封じ込まれてしまっています。代わって諸外国(≒米欧諸国)がこれを担っていますが、その投資元本だってじつはJマネー、つまり常時マネー不足の彼ら彼女らはこのおカネを超低金利で市中調達して「円キャリートレード」として投資をしているわけです・・・がこれ「投資」とは名ばかりで、実質的には単なる利ザヤ稼ぎであって、新たな価値等を生む投資ではありません。では何を生んでいるのか、といえば・・・不動産やら原油(先物)やら(ジャンク債やら)の価格上昇・・・ってインフレ、です。そのインフレがこうして高進していけばどうなってしまうのか、については・・・本ブログで何度も論じているとおりです。

 もっとも今回は・・・(→ハイパーインフレ→ナチス台頭→)第二次大戦前夜と違って、敵も味方もなく皆さん総崩れでしょう、(相当に傷つきはするでしょうが)たったひとりを除いて、ね・・・

(「農林中金『高値掴み』損害が示唆する『日本国債しかない』」おわり)

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【政府・日銀は政策意図的に日本の「強み」金融力を封じ込めている】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」⑥

2024-06-13 19:45:19 | 日本
前回からの続き)

 ここまで、農林中央金庫(農中)のこのたびの米国債投資の失敗とこれにともなう巨額損失の計上から、農中(もそうですが本邦・・・ばかりか諸外国も含めた金融機関のすべて!)が今後、投資を増やしていくべき資産が日本国債以外にないことについて思うところを綴ってきました。が・・・

 じつは・・・日本国債のほかに、もうひとつ、これと同じくらい安全で(元本割れリスクが小さくて)プラスリターンをもたらし得るおカネの運用対象がありますね。いうまでもなくそれは「」(ゴールドです。この点は、こちらの記事に書いたように、米FRBが政策金利を5%超にまで引き上げたにもかかわらず、米国債の利回りが、その間の金の価格の上昇率を大きく下回っていることに表れています。だからといって、これを超えるほどの利上げ・・・なんてFRB(とアメリカ)にできないことは明白。このことは、金に対するドル敗北―――FRBが中央銀行つまり(金に対する)「ドルの番人」としての役割を果たせなくなったこと―――を意味しています。

 であれば、そんなドル・・・の預金(≒米国債投資)なんぞより、文字どおりの貯「金」(現物の金を貯めること)のほうが「つねに」有利になるから、預金者は(農業協同組合を通じて)農中に「虎の子」(血と汗で得た農業所得等)を預けたせいで、これが米国債に流れてムザムザ消滅してしまうくらいなら、自ら金(アクセサリーや金貨とか地金など)を買って保管!というのが投資行動としてずっと合理的となってきます。となるとマネーの運用機関としての農中の存在意義は失われかねません。そうした意味でも、農中が引き続きその本来の役割つまり金融を生業とする気なら、ドル債やらユーロ債などがこうして軒並み散るなかで金に対して唯一勝ち得る(金以上の実質利回りを確保し得る)債券である日本国債を投資の中心に持ってくるしかないでしょう・・・

 そしてそのへんは本邦政府そして日銀こそが強く認識するべき。上記のように現在、日本には数百兆円ものキャッシュが何の仕事もしないで(日銀当座預金に)眠ったままです。その理由はこれも上述、そしてこちらの記事等で書いたとおりですが、これ、おカネが余っているところから必要とするところに流れていない―――金融が機能不全を起こしている―――ということ。これほどの(世界で一番の)キャッシュリッチの国で金融が働いていない、正確には結果として政策意図的に働かないようにされているわけです、もちろんそれは対国内(多くは日本国債投資)だけではなく対外投資(米国債等)においても(って非効率つまり「高値掴み」になるので農中以外?のジャパンマネーには常識的には手が出せない)。ホントそこは残念で不幸なこと・・・ってこのマネー力(金融力)こそ、わが国しか持ち得ない「強みなのに・・・

 ・・・って、この「強み」をあえて自ら封じてみせることこそが「本当に本当の目的」達成に不可欠なことは知ってはいるのですが・・・

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【米国債等「高値掴み」の巨大評価損は政府日銀関係各位が償うべきだが…】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」⑤

2024-06-11 20:13:17 | 日本
前回からの続き)

 本稿で述べている、外貨建て資産への・・・って、ぶっちゃけ米国債への投資に失敗した農林中央金庫(農中)がこれに替わる投資対象にするべきは・・・日本国債以外にありません。これは、こちらの記事等で本ブログではず~っと前から指摘のとおりであり、そのことは前述の状況からも証明されていると思います。でないのなら、常時、流入・増加してやまない経常黒字国としてのわが国のマネーが、トータルで数百兆円も!(わずかの付利と引き換えに)「国内」(≒日銀当座預金口座)に留まり続けるはずはないというもの。そこは、どれほど日銀が「買うな!」とばかりに国債価格をつり上げても(金利を低めに誘導しても)、前回に紹介の本邦機関投資家が、その意図に引っかかる?ことなく―――外債等を買い増すことなく―――次のタイミングが来る(国債価格が下がる・利回りが上昇する)のを辛抱強く待ち続けている様子からも窺えますね。逆にいうと、日銀の狙いにまんまとハマって?「国外」(米国債投資)にノコノコ出て逝ってしまったからこその農中の無残といえるわけですよ・・・

 もっとも農中は、トップ(理事長)が長らく農水次官経験者の天下りポストだったこと等から、ゆうちょ銀行公的年金基金などと並んで、日銀そして政府の意向を強く忖度して動く官製マネーの一翼といえるでしょう。であれば、これが上述の米国債買いのような、「政策的な」(市場原理では説明がつかない)投資行動をとるのも無理からぬこと。それは・・・こちらの記事に書いたような中国共産党政府の対外投資等と本質的には同じ―――市場原理的にはペイしないのを承知で?政策的に買うということ―――です。

 とはいえ、その失敗―――投資元本割れがもたらす評価損など―――の償いは、しないと、そして、させないと、いけませんよね。具体的には・・・農中やゆうちょ銀については、それらの救済は(出資者等にやらせて、それでもおカネが足りない場合は既存セイフティーネットの上限までで、それ以上の)血税の投入ではけっしてしない、そして公的年金基金は政府(≒国家公務員)および日銀役職員の年金原資の運用のポートフォリオは1ドル150円台(以上?)で買った米国債で組む、みたいな感じでしょうか。ようするに、そうした「高値掴み」(巨大評価損発生)に関与した人々がその責任を(年金支給額の減額等として)自ら食らうようにする・・・ことで、他の大多数の国民(納税者)に及ぶ損害をできるだけ小さくするべき、といったこと。

 本ブログでは何度も指摘のとおり、遅かれ早かれ(ドル&米国債の)「高値掴み損害顕在化必至です。なので、そのダメージはその意思決定をした各位こそが償え、と、当たり前のことを書いているつもり・・・ですが、実際には・・・だから、結局は国民全体が彼ら彼女らの尻拭いをさせられてしまうのでしょうね・・・(?)

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【本邦機関投資家、どこかのタイミングで日本国債への強い需要が発生と予想】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」④

2024-06-07 19:43:38 | 日本
前回からの続き)

 前述のように、農林中央金庫(ばかりではなく国内外のすべての金融機関)が米国債に替えて購入を増やすべき金融資産は日本国債以外に考えられないはずです。にもかかわらず、その投資妙味は乏しい、正確には、乏しい・・・かのように演出されているわけです。つまり(本来そのあるべき価格水準に照らして)高すぎる(利回りが低すぎる)ために投資効率がよくない、といったこと。それは、上記の市場原理に反した現行金融政策(長短金利操作付き量的質的金融緩和)のもとでの日銀による日本国債の極端な「高値掴み」のせいであること、それによって国債にばかり買い向かっていたジャパンマネーを米国債投資に誘導することでその「本当の目的」(米[財政&ドル信認]支援)を達成しようとするものであることは繰り返し指摘済みです。であれば、その狙いに逆らって日本国債を買うのは、なかなか難し(「高値掴み」になってしまい)そうです・・・

 が、そうこうする間も、前述の事情などから、マネーはこの国に恒常的に流入し、これがリターンを求めて農中等に預けられるわけです。当然、これを外債で運用するのは、先述した農中の累次の失敗、そして今後の米欧諸国の利下げ(円高)見通し(外債の円換算額の暴落リスク増大)からNG。かといって「運用せず」(金庫に入れっぱなし?)は金融業者としてあり得ない。となれば・・・どうしても本邦国債への投資しかない、となるほかないでしょう。

 こうしていま(も昔もこれからも?)日本国債の「買い」圧力はたいへん高まっているといえます。だからなのでしょう、日銀は(長期)金利の上昇(国債価格の下落)に現在、非常に神経質になっているように思えます。それは上記の圧を少しでも和らげるべく国債の買い余地を与えつつ(長期金利の一定の上昇を許容しつつ)も、これが行き過ぎ?となって値ごろ感が高まって(価格が下がって)巨大雪崩のような国債の大量買いが発生しないよう(同金利が上昇しすぎないよう)細心の注意を払っている、といった感じでしょうか。

 これに対し、本邦機関投資家(生命保険会社など)はその発生のタイミングを、いまかいまかと見計らっているようです。たとえば先日のブルームバーグ記事によると、(日銀の長期金利誘導目標が撤廃されてけっこう経った)現時点(4日)でさえ、30年債利回りは2.22%という低いレベルに留まっているので(価格は高い水準にあるので)、生保の多くは超長期債をはじめとする国債の購入に本腰を入れる段階ではないとしつつも、「いまは皆、将来の金利上昇を待っているため需要が弱いだけ」で「どこかのタイミングで強い需要が発生するのではないか」(富国生命幹部)との声から分かるように、その「とき」が来るのを心待ちにしている様子が窺えます。

 ここで「皆」とは生保会社・・・はもちろん農中が預かる分を含むほぼすべてのマネーといえるでしょう。そうでないのなら数百兆円!も(2013年の現行金融政策開始以降10年以上も)虚しく積もり続けているはずはありません。ようするにこの間「皆」国債を買いたい!と辛抱し続けてきた、というわけです。であれば・・・(本邦金利がさらに上がって他国債との金利差が縮小等して)これが一斉に国債に買い向かい出したら・・・そのインパクトのあまりの大きさにひとたまりもないってことですよ・・・ってドル&米国債(への投資)は(って、ユーロもEU国債も、ひょっとしたら[ゴールド]すらも)

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【日本では真の意味でのキャピタルフライトが起こらない理由】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」③

2024-06-05 00:03:48 | 日本
前回からの続き)

 このたびの米国債投資&運用の失敗による巨額損失に対処するべく大型増資を行うこととなった農林中央金庫(農中)が、その反省をふまえ、米国債に代わって投資をするべき、安全確実な―――元本割れ(≒高値掴み)リスクが低くプラスリターンを必ずもたらしてくれる―――資産は本来、日本国債以外にあり得ません。この点、大口マネーの受け皿をあれこれ思い浮かべてみても、他に何がある?といったところでしょう。

 ところで、農中(を含む本邦金融機関のほぼすべて)には、(農業協同組合等を通じて)顧客からの預かり金として継続的に新規マネーが入ってくるわけです。これと逆に、マネーが流出するというケースは、当該金融機関が経営不安に陥った場合などを除けば、きわめてレア、といえるでしょう。そしてその場合でも、そこから逃げたおカネは外国へ・・・ではなく他の邦銀等に預け替えされていくことになります。そのとおり、マネーは外(国)に逃げようがありません。なぜなら、日本はつねにマネーが流入する貯蓄超過の経常黒字国だからです。このマネーの構図こそ、わが国の「強み」として、堅持していかなければなりません(これを弱体化させるようなこと[経常収支を悪化させるようなこと]をしてはいけません)よ・・・

 なおこの点、付言すると、その意味で、いわゆる「キャピタルフライト」(資本逃避:投資先の国に投資されていたマネーが投資元の国に戻ること)が日本で起こるわけがありませんからね。だって、このように、ジャパンマネー―――本稿の文脈では上記超過貯蓄分―――こそ日本以外の国の資産(米国債等)に対する投資の大元なのだから。なので、真の意味でのキャピタルフライトとは、この投資元本―――上記の農中マネー等(本邦金融機関の対外投資分)と外国人投資家の円キャリートレードの元手としての円の借り入れ―――の巻き戻し、つまり当該元本がアメリカ(米国債等)など(含む日本株)から(それこそ逃げるように)日本に回帰することをいうのですよ。このあたり昨今、勘違い(たとえば、外国人投資家の日本株の売却[円高進行で急膨張する円キャリー債務の返済金捻出のための売り[ファンダメンタルズや本邦企業利益などとほぼ無関係]]を「日本売り」などと資本逃避的に誤表現?)があまりに多いので、補記する次第です。

 で、話を戻して、日本国債ですが、上記のとおりコレしかない・・・にもかかわらず、現状、投資妙味はまだまだ乏しいといえます。それは・・・ご存じのように、そして本ブログで繰り返し指摘のとおり、日銀現行金融政策・・・による極端な国債の高値誘導(超低金利誘導)のせいですが・・・

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【米国債はNG、外国プロファイ等は非現実的、となれば投資対象は…】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」②

2024-06-01 21:06:02 | 日本
前回からの続き)

 前述のように、米国債投資に事実上失敗し(?)、そのために農業協同組合(JA)等を引受先とした巨額増資を計画中の農林中央金庫(農中)ですが、今後、含み損を抱えた米国債を処分売りして、収益性が高い資産に入れ替えていく意向とのこと。他方でこれは短期的な取り組みで、将来的には投資方針の見直しを進め、外国のプロジェクトファイナンスや手数料ビジネスなどを強化する考えだそうです・・・が、農中の理事長は、これらの事業が「従来課題として取り組んでいるが、まだまだ育っていない」と語ったそうな・・・

 ・・・って、そりゃそうでしょう。農中は全国のJA等から預かった兆円単位ものマネーを運用するわけですが、この巨大スケールの受け皿となり得て、かつ低リスクで確実にプラスリターンをもたらしてくれる投資対象、それも外国のプロファイ案件等は「育っていない」・・・のではなく現実的には「ほぼ、ない」と見切るべき。となると、農中マネーの大半は、どこの何に投資したらよいものか、などと持て余してしまう、ということになります。

 その点、上記のように、農中のこれまでの大口の運用対象だった米債券―――リーマン・ショック直前まではハイリスクな不動産系債券、同後~いままではローリスクな(はずだった)米国債―――の運用パフォーマンスは、結果としてどれも「高値掴み」となったために超マイナス。もうそこは、こうして繰り返し自己資本を食いつぶして多くのステークホルダーにどれほどソンを負わせてきたか、ってことで、いいかげんその事実と責任を自覚しなくてはいけないのでは、農中幹部各位・・・

 ちなみに申し添えると・・・米国債のドル価格は今後(FRB利下げする以外にないために)上昇する(しかない?)でしょうが、いっぽうで、その際は(米長期金利が下がるために)為替が円高ドル安に向かう可能性が高いので、その円評価額は・・・やはり下落してしまいそう、それもかなり・・・

 と考えてくると、外国のプロファイ等も米国債も(上記のとおり、これまでもそうでしたが、とくにこれからは)元本割れリスクが高く、とても安全確実な資産とはいえないはず。であれば、収益性向上の観点から農中が今後投資を増やすべき資産は・・・値ごろ感(今後の価格低下[利回り上昇]見込み)や市場スケールなども勘案すれば、日本国債しかないはずですよ・・・って、農中にとってはもちろん、国内外のすべての金融機関にとっても、ですが・・・

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【またも米債券投資の失敗で巨大増資を検討】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」①

2024-05-29 20:03:53 | 日本
 高値掴み」―――これにつきますよ、何度も指摘のとおり。そして、その責任の所在の明確化と償いはちゃんとさせないといけませんよ、さもないと・・・「一億総損害」となるでしょう・・・

 ご存じのように、農林中央金庫(農中)が1.2兆円もの増資を検討していることが明らかになりました。大量に保有する米国債が大幅に減価したことで巨額の含み損が発生し、これによって来年3月に5000億円規模の大赤字を計上せざるを得なくなったもよう。現在、おもな出資者である農業協同組合(JA)に対して、9月の合意を目途に、期限付き劣後ローン2000億円の追加出資を求めているとのこと。

 農中は、2008年のリーマン・ショック直後の2009年3月にも6000億円近い赤字を計上し、これによって約1.9兆円の巨大増資を行いました。当時は米不動産債券等の高リスク有価証券への投資に傾倒していたために大損失を被ったとの「反省」?から、それ以降は、日本で低金利環境が続くなか、おもな運用対象を(あくまでも名目上の)金利が相対的に高くて安全とされる?米国債にシフトしてきたわけですが、「想定を超えるような金利の引き上げ」(農中理事長)つまり保有米国債価格の想定以上の下落でこのたびの損害に至った、という次第です。

 なお、HPによると、農中の市場運用資産は昨年12月末時点で55.9兆円に上りますが、このうちの約4割が外債、つまり、上記から、大半が米国債と推測されます。だからこそのこのたびの損害なのでしょう。もっとも昨今の円安ドル高モードで外債の円換算額はそれなりに増えたものと思われますが、それでも上記評価額下落および増加した外貨調達コスト等にともなうマイナスをまったく埋められなかったのでしょう。ちなみに農中の同時点の自己資本(連結ベース)は約5.4兆円で、昨年3月末時点(約5.7兆円)からは3075億円ほども減少しています・・・

 このあたり昨年度決算で、3メガバンクが史上最高益を計上、そして地銀の7割が増益、といったニュースが流れるなかで、農中の上記状況は真逆といえます。その理由は、これらの報道のとおり、(本邦金利上昇の恩恵[融資や日本国債のリターン増]を得られた)これら民間銀行とは正反対で、農中が外貨建て資産とりわけ米国債に偏った資金運用をしてしまったためといえるでしょう。

 もっとも、上記の米国債の値下がりリスクは、かの国の「真性インフレ」(≒実質金利が恒常的にマイナスになる状態)現出状況からすれば、わたしのような金融のド素人でも予見できたこと。つまり、FRBは、本音では同インフレの解消が不可能なことを知りつつも、中銀としての建前上、金融引き締めスタンス(利上げおよび政策金利の高め維持)を継続せざるを得ない・・・から米国債の価格は下落するだろうことが余裕で想定内だったわけで、とすれば農中幹部の上記「想定を超える」(米金利の上昇)との言い訳は、やはりいただけないですよね、金融のプロ(なんですよね?各位)としては・・・

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【日本の「円」だけが他国の投資をまったく必要としない通貨】価値が高まる金(ゴールド)・・・「手放せないこと」が最大の弱点⑥

2024-05-13 20:22:13 | 日本
前回からの続き)

 前述のように、ドルユーロなどの世界のほぼすべての通貨の価値が今後、ゴールド)のそれに恒常的にかなわなくなるなか、唯一、日本のだけが「円>金」にさえ、誘導し得る―――利上げによって実質金利を金以上に引き上げることができる―――通貨となります。

 この点について捕足すると・・・ドルなどは、不良債権急増→金融危機勃発に耐えられない(これに対処するための財政資金をまったく集められない)ために、通貨価値を維持あるいは高める目的の利上げ(金融引き締め)に上限(それも、たいへん低いレベル[政策金利がせいぜいインフレと同率程度])が生じるため、実質利回りが(中長期的には)どうしても金を下回ってしまう、といったこと。であれば、今後、各種の商取引で用いられる、価値の媒介物としての通貨は金・・・もそうですが、扱いやすさ等も考慮すれば、経済合理的には、円くらいしかないように思えます。受け取ってありがたいおカネ―――安全確実(元本割れリスク小)で実質プラス金利をつねにもたらしてくれる資産―――は上記のように円のみ、ですからね、金(と、もしかしたらビットコイン等)を除けば。

 もっとも現実は・・・相変わらずドル(とかユーロ)が第一の国際通貨(基軸通貨)です。が、それすら日本の「『円』出」(演出)であることは上記、そして本ブログで何度も指摘済みです。ドルは、こちらの記事に書いたように、戦後一貫して本質的に日本と円にその価値を裏付けられている通貨だし、中国の人民元(をはじめとするすべてのドルペッグ通貨)はそのドルに紐づけられている通貨・・・ということは、これまたドルを介して円に支えられている、ということになるわけです。逆にいえば、円はドルにも人民元にも裏打ちされていない・・・って、そうした外国(の通貨等)のサポート(対日投資等)をま~ったく必要としない、わたしたち日本人の総合力だけで価値が高められていく通貨だということ。ちなみに、このあたりはユーロや英ポンドなどの欧州諸国の通貨は(日本にそれほどファイナンス等されてはいないため)ドル等とはちょっと違います・・・って、やはり同じですね、どれも実質金利で円をしのげない、という点で。

 なお、この瞬間の「『円』出」とは・・・日銀の現行金融政策による円安ドル高誘導・・・によって、ドルの価値が実態よりはるかに高いように見せることでドル&アメリカを支援すること・・・と、かの国に油断?させておいて、その実、そうすることで文字どおり、「円」をアメリカから退「出」、つまり対米戦略的な?円安でジャパンマネーによる米国債投資のドル換算額が増えないようにしてアメリカを不動産バブル(によるマネー増刷)に走らせて・・・これがもとで起こるインフレで自壊させる、といったことになります、繰り返しになりますが・・・

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【牙をむく次のエネルギーインフレがウェークアップコールに】日本の「体たらく」が示唆するドル「終わりの始まり」⑪

2024-04-09 20:45:30 | 日本
前回からの続き)

 ホント、目下のゴールド)価格の上昇の勢いはスゴいですね・・・ってドル建てはもちろん円建て価格のほうも。前述のとおり、これ「しょ~もなさ」(円安環境)が後者の価格を押し上げている・・・って結果として金ホルダーだけがインフレから守られている(政府・中銀・メディア等を信じる者はインフレで沈む)・・・って、アメリカはもちろん日本でも、というトホホな状況ですよ・・・

 でそのインフレ、いよいよホントに深刻な脅威となる事態が間近になってきたといえるでしょう。つまり・・・石油天然ガス等の価格上昇がもたらす「エネルギー」インフレが、わたしたちの経済生活に激しく牙をむくときが迫っている、ということ。これ既述そして前述のとおりの(金の復権に向けた金による駆逐が進むなかでの)ドル(「石油交換券」)の価値の大幅な低下としての当然の現象となります(って、[とりわけ米エコノミストらが]その直視に耐えられないから、その原因を地政学リスクに虚しく見出そうとしている、というのは前述のとおりです)。でその「ロケット点火」(原油先物投資等の爆発的な?再スタート)のタイミングは、米FRBの利下げが予想されている今夏(6月頃?)となるでしょう・・・(?)

 でこれが、わが国において意味するところは、ただでさえ円安インフレを元凶とする実質賃金の低下(8日の報道では21か月連続!も)続くという苦境下で、電気代やガソリン代などが容赦なくいっそう値上がりする、という、大げさでも何でもなく、少なからぬ人々の生死すら左右しかねない国民存亡の危機的局面となるでしょう。さあ・・・これに耐えられますか(≒耐えられるだけの金[ゴールド]を持っていますか)?でないのなら「しょ~もない」などといって余裕でいられる場合ですか?違いますよね・・・

 きっと、まもなく不可避的に到来するこの「エネルギー」インフレこそ、本当に本当の「ウェークアップコール」になる(・・・いや、しなければならない)でしょう。そこまで追い詰められれば、さすがのわたしたちも起きざるを得ないはず。では、どうするか?・・・って簡単なこと、本稿一回目に書いたとおりです。「でも、実際にはできないのでは?」大丈夫、十分に熟成しきった?「終わりの始まり」は、もはや誰にも止められないでしょうからね・・・

 同時に世界は・・・いまの金をも上回る勢いで輝きを増す、新時代の基準となるべき価値の存在に、ようやく気付くことになるでしょう。

(「日本の『体たらく』が示唆するドル『終わりの始まり』」おわり)

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【金の円建て価格も当面は上昇一途と予想される理由】日本の「体たらく」が示唆するドル「終わりの始まり」➉

2024-04-05 00:01:06 | 日本
前回からの続き)

 前述のように、アメリカは、日本に対して背負った借金について、昔もいまもこれからも(?)、に対してドルを大幅に切り下げる(ぶっちゃけ、棒引きする)ことで、その実質負担を軽くするという手に出ることでしょう。が・・・それでも、とっくに手遅れ、つまりドルは救われない―――ドル価値の維持は不可能となっている―――ことは明白・・・って、債務総額が巨大になり過ぎた、ということです。上記で、かりに対日債務の全額を踏み倒すとしても、それでなくなる借金は、現時点で、かの国が抱える34兆ドル超のうちのわずか1兆ドルあまり(米連邦債務のたった100日分!)に過ぎませんからね(って、既述上述のとおり、そうした手遅れといえる状況にアメリカを何気に導いたのは、日本なんですけどね)・・・

 「じゃあ残りの借金はどうするの?日本に対してみたいに踏み倒せば?」いいえ無理です。たとえば日本と並ぶ米国債ホルダーの中国に対してデフォルトしたら(ほのめかしたら)、その瞬間にドルの信認は崩壊してしまいます(中国の売り、あるいはそれを予想する世界中の投資家の総売りで米国債は暴落・金利急上昇・・・にアメリカが耐えられるわけがないので、FRBが米国債を無限に買い上げてドルを無限に散布して・・・)。「踏み倒せないなら、ちゃんと返すの?」返済用のドルをあらたに刷り続けるしかありません(って、その裏付けとしての米不動産の価額を永遠につり上げて・・・それと並行してドルを無限に散布して・・・)。ということで、どのみちドルの洪水は避けられない(米インフレ激化は防ぎようがない)・・・

 足元では、ゴールド)のドル建て価格が連日のように史上最高額を更新してきています。これ上記の反映、つまり、こちらの記事に書いたとおり、金がドルを駆逐するプロセスがいままさに急速に進んでいる、と理解するべきでしょう。これに対してドルが金を相手にその価値を再び取り返す―――金のドル建て価格が大幅に値下がりする―――ことはあり得ない・・・って(FRBの政策金利ベースで)年利5%超もの利息を付けてでさえ、こうして金価格の未体験ゾーンへの上昇を許してしまっているわけですからね。え?地政学リスクが高まっているから?違う違う、ドルが崩れつつあるのを直視できないから、金価格暴騰の理由を同リスクに虚しく見つけようとしているだけですよ・・・

 そして日本・・・の円建て金価格も、これまた爆騰中!すべては、本稿一回目で書いた「しょ~もなさ」の本質であり、わが国の目下の苦しみの元凶たる「円安」のせい。でないのなら、いまごろは(円の実質金利の高さからドルがインフレ化するにつれて円が強くなるため)金の円建て価格は大きくは上がることがない・・・どころか、逆に(円高が進むぶん)下がっていてもおかしくはなかった・・・はずですけれどね。その点、ずっと前のこちらの記事等の予想のとおり、残念ではありますが、やはり頼るべきは金でしたね。本来なら頼りになるべき(国民の経済生活を守るべき)政府日銀メディア東京大学経済学者)らが、この「体たらく」ですから・・・

 ちなみに、円建て金価格の個人的な予想を記すと・・・(ドル建ての値上がり率には及ばないものの)当面、今後も上昇の一途、となるでしょう(投資等の判断は自己責任でお願いします)。というのも、上記からドル建て価格が上がるのは当然として、肝心の為替レートも、当面(?)円安傾向で推移する可能性が高いと考えられるからです(であれば、円建て価格もドル建て価格に比例して上昇していくでしょう)。そのあたり日銀が今後もその「本当の目的」(米ドル価値の下支え支援)に基づいて引き続き低金利状態を金融政策的に維持していく(しかない)ことに加え、それによって外国人投資家の(円キャリートレードをてこにした)日本株投資を喚起して、その政策の「一枚看板」(ほぼ唯一の円ドルいずれの換算でもプラスとなっている)株高を維持したいという政府の思惑があると推測されるところです。この双方に共通する不可欠な条件こそ・・・円安ですからね。「でもそれじゃあ電気代や小麦粉がまた値上がりして・・・」って、し~っ!ここでそうした円安デメリットを口にしちゃダメですよ!?

 ということで、アメリカはもちろん、日本でさえ・・・黄金の輝きしか見い出せない―――円安のダメージを補充(してあまりある利益をもたらすことが)できる安全確実な資産は金だけ―――という「真っ『黒』闇」的な局面が続く、という次第でしょうね、あくまでも当面は(と心から願いたい)、ですが・・・

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