(前回からの続き)
ところで・・・もはや誰にでも感じられるように(?)、いまの株式市場(とくに米市場)や原油市場は、ファンダメンタルズなどから完全に遊離し、まさに「マネーゲーム」の様相を呈していますね(って、内外の経済メディアは「米中貿易協議の先行きに楽観」とか何とか、必死に?その理由を実体経済面に紐づけようとしてはいますが・・・)。これ文字どおりゲーム、つまり「勝者」と「敗者」を生じさせるわけです(って、しかも日本市場の場合は、まあ勝者は外国人投資家[とミセスワタナベが少々?]、敗者は公的年金基金と「相場」が決まっていますけどね?)。であればこれ、あくまでも「ゲーマー」(投資家)の自己責任に委ねるべきで、国家(政府とか中銀)はこれにのめり込むべきではない(過剰に煽るべきではない)はずです。そうではなく、その役割は国民経済に(インフレ抑制とか勤労者の実質賃金増加などの)プラスをもたらす施策を講じること・・・って「日本」の場合、その方向性は「アベノミクス日本」の先述「株価&原油高のW扇動」(ってこれ、本邦経済の主役・個人消費にとっては円安[輸入インフレ]&エネルギーコスト上昇のWパンチ・・・)政策?の真逆になるんですけれどね・・・(?)
ということで、つらつらと綴っていたら、話が拡散してきてしまったので、そろそろクロージングに入ります。
ご存知のように、今年のノーベル化学賞を吉野彰・旭化成名誉フェロー他が受賞されました。その功績は「リチウムイオン電池」の開発です。こちらの記事に書いたように、これに代表される蓄電池は「ポスト石油」の時代に欠かせないアイテムであり、吉野博士を筆頭に、その開発を「日本」がリードしてきたこと、そしていまのこのタイミングでノーベル賞というかたちでこれにスポットが当てられたことは、以下に記すサインのひとつだと思っています。
このリチウム電池を含む蓄電池はさらに進化し、おそらく(南米に偏在しているとされる)現状のリチウムは近い将来、炭素や水素などのようなありふれた材料で代替されていくと予想するし、その次世代蓄電池とか再生可能エネルギーの開発もまた、わが国がけん引していくことになるでしょう。「エネルギー」(≒石油)やリチウムといった原材料はわたしたちの国家的弱点(外国に全面依存せざるを得ない点)であり、これを痛感させられることも(とくに最近は)多いところ。だからこそ、これらに依存しない世界を築きたい!とする本邦科学者の情熱、そしてその知力と真摯さは世界一だと確信するものです。そしてその進化に反比例するかたちで、古い世界の象徴「石油」は徐々に退出していくことでしょう・・・
安倍晋三首相の在任期間がちょうど7年を刻んだところです。本稿の文脈に照らせばそれは、石油(つまりド〇?)に執着し、今後も石油が最重要の戦略物資であることを望み続けた時間の長さだった、と言えなくもありません。なぜなら、上述のとおり、石油は「マネーゲーム」の時代(?)に欠かせないアイテムであり、安倍首相を筆頭に、その高値誘導を「アベノミクス日本」がリードしてきたためです・・・が・・・
そんな7年間とともに、まもなく2019年も終わります。先日こちらで書いたように、宇宙では「7」は、ひとつの周期を表す数字。そのせいかどうか、この瞬間、じつにさまざまな事象が終わりと始まりを告げているように思えてなりません・・・
(「原油価格低下を素直に歓迎しよう」おわり)
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