世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【円貨の値上げ分丸ごと外国へ漏出…】なぜアベノミクスのインフレは悪質なのか①

2015-09-29 00:02:34 | 日本

 最近の原油価格の下落等のおかげで、ここのところわが国の物価が落ち着いている感じです。収入の増えていないわたし、そしておそらく大多数の国民にとって、これはありがたい状況かな、と推察します・・・が、「インフレ目標年率2%」を掲げる安倍政権・黒田日銀にとってこれは忌々しき事態でしょう。そこで近々、インフレを煽るべく(?)日銀が追加緩和を発動して・・・なんて展開が予想されるわけですが、以前から記しているように、これこそ―――アベノミクス」すなわち日銀の金融政策「異次元緩和」が引き起こすインフレこそ、日本経済を苦しめるばかりの誤った処方箋だと認識しています。本稿ではそのあたりについて考えるところを綴ってみたいと思います。

 以下のイメージはアベノミクス前・後、つまり政策的な円安誘導の開始前・後の商品Aの売価(税抜き)を比較したものです。同前・後で20%上昇しています(あくまでイメージなので、すべての財・サービス価格が同率で上昇したというわけではありません)。まあこれだけ見ると、ふーん、といった感じで、売上原価の何が上がったのか、とか、利益の割合が増えたのか、などといった情報は分かりません。

 で、これを内訳が見えるように表現したものが次のイメージになります。「青」は利益(株主配当等)、「黄」は国内の業者等に支払うべきコストで人件費つまり従業員等の給料・賃金(網掛け部分)もここに含まれます。そして「赤」が外国に対して支払われる代金―――輸入原材料・・・原油・天然ガス・鉄鉱石・小麦・飼料など、「ドル」での支払いが求められる費用です。これらのドル建て価格は国際商品市場の動向で変動するため、一企業の経営努力等で調達金額を引き下げることが難しいものです。

 当たり前ですが、上記のうちの「赤」の部分はアベノミクス前後で50%程度増えています。アベノミクスによって為替レートが1ドル約80円から同120円へと円安ドル高に誘導されたからです。それまでは1ドルの原材料の購入に80円の出費で済んでいたのにアベノミクス後のいまは同120円と5割も余計に払っていることになります。このあたりはアベノミクス開始後の企業物価指数の上昇等でも確認ができるところです。

 つぎに「黄」の部分ですが、同前後では変化がありません。このへんは上記「赤」の支出が増えた分だけ、国内要因のコスト上昇は食い止めないといけないからです。まあ本例のように「増減なし」は良いほうで、なかにはアベノミクス後は(人件費を含めて)この「黄」の費用を圧縮せざるを得なかった企業も少なくないのではないでしょうか。

 そして「青」の部分も変化なし、としました。これは昨今の株主重視のトレンドのなか、企業の経営者が、製造コストが上昇するような厳しい環境でも一定水準の利益を計上しようとするだろう、と推測したからです。

 こうしてトータルの商品Aの売価は「赤」つまりドル建てで購入される輸入原材料の円建て支払額だけが増加したぶん、インフレになったのでした(20%の値上がり)。で、これは企業経営者はもちろん消費者にとっても、そして日本の国益の観点からも、良いことではないはずです。というのは当然のことながら、20%の値上げ幅に相当する「」がそっくりそのまま国内から外国に漏出することになるからです。もちろんこれはアベノミクス、つまり意図的な円安誘導がもたらしたこと・・・

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【「市場の失敗」を正すのならば…】安倍首相、食費を上げておいて携帯代は下げよ!の不条理④

2015-09-27 00:04:52 | 日本

(前回からの続き)

 先述した理由から安倍政権・黒田日銀は、(食料価格やエネルギーコストをつり上げて)国民生活をどれほど犠牲にしようが、株高そしてアメリカ支援のため、為替レートの円安=ドル高を維持したいのだろう・・・と推測するわけです。まあ日銀「異次元緩和」を通じた円安誘導はいろいろな意味でメッチャ無理があるし、アメリカが必要とするおカネはジャパンマネーを注ぎ込んでもまったく足りそうにないから、遠からずこの目論見は崩れるように思えてなりませんが・・・

 ・・・何だか話がすっかりデカくなり、当初綴っていたことからそれてしまいました。あらためて、本稿のテーマに関連するところを記したいと思います。

 安倍首相が指摘するように、わが国の携帯通信料はわたしも割高だと感じます。そしてその高止まりの原因ですが、これまた首相が述べるとおり、携帯電話3社の寡占体制にあると考えています。これは典型的な「市場の失敗」―――市場メカニズムの働きが不十分で効率性が望ましいレベルに達していない状態―――の例といえるでしょう。したがってここは政府の出番、つまり市場に競争原理がいっそう浸透するような政策を講ずるべき、ということになろうかと思います。

 わたしはもとより、経済活動は原則として市場原理に委ねるべし、という立場です。ただし当該市場において、安全、環境、健康、人権等が脅かされている場合、そして・・・独占寡占が形成されて消費者が不利益を被っている場合などは、政府がこれら弊害の排除や是正に向けて市場介入することが容認されるべき

 本稿でこれまで書いてきたように、安倍政権が食費や光熱費を人為的円安で意識して上昇させておきながら、いっぽうで携帯電話料金を下げようというのは、自らのインフレ・ターゲット政策に矛盾する面があるのは事実と考えます。とはいえ、上記の「市場の失敗」を政府がうまくフォローし、結果として携帯代が安くなれば、国民の多くにとってはメリットが大きいもの・・・

 というわけで、あえて上記矛盾には目をつぶることにして、このたびの携帯通信料の値下げ実現に向けた安倍政権の今後の取り組みには期待したいと思います。もっとも・・・アベノミクス」の政策スタイルは左翼的・社会主義的―――マーケットに対して介入過剰なきらいがあるので一抹の不安はぬぐえませんが・・・

(「安倍首相、食費を上げておいて携帯代は下げよ!の不条理」おわり)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【ドル高誘導は安保のため?】安倍首相、食費を上げておいて携帯代は下げよ!の不条理③

2015-09-25 00:02:55 | 日本

(前回からの続き)

 先述のとおり安倍政権が、自らのインフレ・ターゲット政策(年率2%程度)に逆行する面があるにもかかわらず、家計を助けようと(?)携帯電話料金の引き下げを意図するいっぽうで、極端な話、生死にもっとも直結する費用ナンバー1&2であるエネルギー費と食費の上昇率を他の費用以上に高めて国民の多くを困窮させるのは、前者と違って後者(エネルギー&食料)の値上がりが「アベノミクス」つまり円安誘導によって引き起こされたものであるからだ、と考察しています。ということでこの携帯代の値下げ政策には、食料品等の物価高の真因である政策的「円安」に対する国民のアレルギーを抑えようとする秘めた目的があるのではないか・・・

 で、そこまでして―――電気代や食費の高騰を国民に強いてまで―――安倍政権(と「異次元緩和」で円安誘導している黒田日銀)が円安状態を固守したい理由ですが、前回書いたように、まずはアベノミクス唯一の(?)プラス成果である「株高」とそれを通じた資産効果を維持したいという思惑があるからでしょう。

 そして・・・おそらく日本株の高値維持などよりももっと重要なのは・・・円安、つまりドル高を促すことで円から見たドル建て資産(米国債とか米株など)の価値を高めてジャパンマネーを対米投資に誘導したい!ということだと思っています。

 で、その背景にあるのは前回の記事で書いた、日本に対して追加緩和を求める(わたしが勝手に推測する)IMFの本心と同じです。このへんを手短に書いてみると・・・

 ・・・資産バブルのこれ以上の膨張を食い止めるために金融引き締めに着手したいアメリカは今度こそ麻薬を断ちたい―――FRBQE依存症から脱却したい---ところ。そのためにはFRBに代わってアメリカをファイナンスしてくれる貸し手の存在が不可欠だが・・・世界最大の外貨準備を誇る肝心の中国はいま、ドル・米国債を買い増すどころか、人民元の対ドルレート維持のためにドルを大量に売らざるを得ない局面にある(実際、同国の8月の外貨準備高は昨年6月のピーク時から4300億ドル以上も激減!)。そして、かつては大量のオイルマネーをアメリカに還流させた産油国も・・・原油価格の低迷が長く続くなかで、中国と同じく対ドル投資余力を失いつつあると想定される(このあたりが「逆オイルショック」のショックたるゆえん?)。他の新興国も同様で、自国通貨防衛のために虎の子の外貨準備=ドルを取り崩しているありさまである・・・。

 ・・・以上のドルをめぐる世界の金融情勢を見回してみれば、もはやドルを買い支えることができるのは―――世界一の純債務国アメリカにとって最大の脅威である長期金利の上昇を食い止めることができるのは―――FRBの米国債直接引き受けを除けば、わたしたち日本人のおカネ(預貯金とか年金基金など)しかないことに気づかされるわけです・・・。

 で、もしここでジャパンマネーが対ドル投資(アメリカへのカネ貸し)に回らなかったら、アメリカの長期金利の上昇に歯止めがかからなくなって同国の金融システムが崩壊してしまうかも・・・。そうなったらアメリカは世界覇権(パクス・アメリカーナ)はもちろん、日米安保条約を履行する能力まで失いかねない・・・

 かくして円安誘導、すなわちドル高・ドル買い誘導には、資産効果増進などとは別に、そうすることでわれらが守護者・アメリカ様をジャパンマネーで支えよう!という国家戦略的な側面があるはずだ、と勝手に想像する次第です。もっともそれにともなう国民の負担(外為特会の巨額為替差損など)はあまりに莫大だし、どうやらそんな努力も空しいくらいアメリカのヤク中(とめどもないQE、つまりドルの無限に近い散布への依存症)は重篤ですが・・・

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【円安への嫌悪感を高めたくない】安倍首相、食費を上げておいて携帯代は下げよ!の不条理②

2015-09-23 00:04:20 | 日本

(前回からの続き)

 先日の公会議で安倍首相は、割高な携帯通信料が家計を圧迫しているとの認識から、その引き下げの検討を指示したとのこと。一生活者として携帯料金がこれを機に下がるのはありがたいが、生活コストを引き下げて家計を助けたいという気持ちが少しでも首相にあるのなら、同料金よりも生活必需度が高いエネルギー費と食料品価格を下げるための政策を先に実行すべき―――というのが、上記の首相指示を伝えるニュースに接したときの個人的な思いです。

 ・・・もちろん、そんなことが安倍首相にできるわけはありません。シツコク綴っているように、安倍政権が始まって以降の光熱費(電気代やガス代など)や食費の上昇は「アベノミクス」つまり円安誘導に必然的にともなうもの。そのためこれらのコストを下げようとすることは自身の政策自体を否定することになってしまいます。だからといって食費等の相次ぐ値上がりを放置したままだと、その根本原因である「円安」とその誘導策であるアベノミクスに対する国民の嫌悪感が高まってしまう・・・

 ということで安倍首相は、携帯電話3社体制の固定化という、円安以外の要因で高止まりしている携帯通信料を問題視し、その値下げを実現させてみせ、国民の物価高に対するフラストレーションを少しでも和らげるとともに、国民の注意を同料金に向けさせることで円安への視線が厳しくなるのを食い止めようとしているのではないか・・・

 こちらの記事等にも書きましたが、電気料金もこれに似ています。アベノミクスで円建て燃料費が高騰したことを受け、これまでに多くの電力会社が料金の値上げ申請をしてきましたが、安倍政権はその都度、料金の上げ幅の圧縮を各社に求めてきました・・・って多くの場合、各社の経営努力に言及しながら、です。つまり同申請の背景に電力会社の努力不足があると暗に指摘することで、その真の原因が燃料コスト高騰をもたらした自らの円安誘導政策にあることを国民に悟られないようにしている(?)、といった具合。まあ電力会社は「燃料費がかさんだのは政府の円安誘導のせいで・・・」なんて絶対に言えません。東電の原発事故以来、各社の立場はすっかり弱くなりましたからね・・・

 では、そこまでして安倍政権が円安状態を守ろうとする理由は何か?ですが、まずはやはり「」でしょう。つまり円安・・・で外国人投資家の買いがもたらす株高を維持したいということです。これこそわたしが言うところの「カブノミクス」(株だけが取り柄、という意味)―――アベノミクス最大の成果といえるもの。GDPや国民の資産総額は円安誘導で実質的に(価値の国際標準であるドルで測定すれば)激減しているなか、株価(日経平均等)だけはアベノミクス前後でドル建て・円建て価格の双方で上昇しましたからね・・・。で、その株価のメインエンジンこそは円安だから、これを否定的に捉えるわけにはいきません、円安のせいでガソリン代やエンゲル係数がどれだけ上がろうが・・・

 まあわが国がアベノミクスの株高で得たものと円安誘導で失ったものの差し引きは、どう考えても超マイナスでしょうが・・・

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【円安インフレを煽っているのに・・・】安倍首相、食費を上げておいて携帯代は下げよ!の不条理①

2015-09-21 00:02:50 | 日本

 報道によると、安倍首相は先日開かれた経済財政諮問会議で、携帯通信料の家計負担の軽減が大きな課題だとして、高市総務相に対して料金引き下げの検討を指示した、と甘利経済再生担当相が明らかにしました。甘利氏によれば、同費用の家計支出に占める割合が上昇しているうえ、携帯電話3社体制が固定化し、競争原理が働かなくなっている面もある、と首相が指摘したとのこと。これを受けた総務省は年内中に検討内容をまとめると約束したようですが・・・

 TVニュースもあまり見ないし、こちらの記事等に書いた理由から新聞の定期購読をしていないわたしにとって、携帯(スマホ)のインターネットは情報の命綱。なので事由の如何を問わず、その料金が安くなること自体は大歓迎です。したがってこのたびの首相発言を受け、携帯電話各社が料金値下げに動いてくれたら・・・なんて期待する気持ちも正直、あるわけです。

 しかし・・・それでも上記指示には違和感を覚えます。なぜならこれは首相自身の政策の方向性と矛盾するからです。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、インフレ目標年率2%程度を標榜するとおり、物価を意図的に引き上げて経済を活性化しようという狙いを持つもの。実際、アベノミクス推進者(安倍政権・黒田日銀)は、日銀の「異次元緩和」で円安を誘導し、ほぼすべての財やサービスの原価に含まれる輸入原材料の円建て価格の上昇を促すことでインフレを起こそうとしてきました。で、その成果(?)ですが、こちらの記事等で示したように、数ある物価のなかでもよりによって光熱費(企業や家計の電気代ガソリン代など)および食費の値上がりに顕著に表れています・・・(って、これを喜んでいる国民って、どれくらいいるの?)

 で、ここで上記の首相指示に対して疑問が湧くわけです。インフレ率を高めるため、上がっては困る生活費ランキングがあればおそらくトップ2であろう光熱費と食費さえも意図的にこれだけ引き上げておいて、この2つよりも明らかにランクが低位の携帯通信料はどうしたら下げようという理屈になるのか?ということです。そこが異次元過ぎて(?)理解できない・・・

 先日も書きましたが、円安インフレが浸透した現在、日本国民のエンゲル係数(生活費に占める食費の割合)はここ20年来で最高水準にあるほか、サラリーマンの小遣いが1979年以降で2番目の「低さ」に落ち込むなかで昼食代だけはアップしています(新生銀行調査:男性会社員の平均昼食代は昨年541円⇒今年601円に上昇!)・・・。わたしたちの日常生活において食費(や光熱費)が増加したらその分だけ、趣味や娯楽などの他の用途に回せるおカネが減って生活のゆとりやうるおいは当然、失われます。そこまでして安倍首相はインフレを起こそう!というのに、いっぽうで携帯料金は下げよ!では筋が通らないのではないでしょうか。

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【日銀に追加緩和を求めるIMFの真意】米利上げ先送りの口実に使われそうな(?)G20声明⑦

2015-09-19 00:03:21 | 世界共通

(前回からの続き)

 今月初めに開かれたG20(20か国・地域財務相・中銀総裁会議)のスタッフ向け報告でIMFは世界経済の下振れリスクの高まりを懸念しながら、日本に関してはとくに金融政策を取り上げ、

 ・日銀はさらなる金融緩和を準備すべき

 ・日銀はインフレ・ターゲット達成にコミットする姿勢をより強く市場に示すべき

といったような指摘をしています。で、これは、はたして正しいといえるのでしょうか・・・?

 個人的には、このIMFの指摘にはまったく同意できません。というのも、IMFが推奨する日銀の金融緩和(≒円安誘導、そして「アベノミクス」のインフレ・ターゲット(インフレ年率2%程度)こそが現状の日本経済低迷の最大原因と認識しているから。そのあたりは本ブログでさんざん書いているので詳細は省きますが、これらのせいで日本経済は「アベノミクス」前から比べると何と!20%以上もの超マイナス成長に落ち込み、国民の金融資産額も激減しているわけです。この悲惨なありさまは、国際的な価値の「物差し」である「ドル」目線で世界経済を見つめているIMFならば日本以上に分かっているはずですが・・・

 したがって本来ならばIMFはわが国に対し、日本は内需中心の経済成長を図ることで世界経済に貢献するべき、とか、これを妨げる要因を排除するべき(日本は過度な通貨安誘導で内需・外需を合わせたトータルの経済成長促進に失敗していることにいいかげん気付くべき)、とでもアドバイスすべきでしょう。これによって、つまり人為的な円安誘導を止めることによってデフレ(この場合はわたしたちを苦しめている円建て輸入原材料価格の下落)がもたらされ、日本は本来の内需(≒個人消費)主導型の真の経済成長(ドル建て・円建て双方から見たプラス成長)路線に回帰できるはずです(だから円高デフレは悪いことではない)。にもかかわらずどうしてIMFは、さらに日本経済の規模と日本人の資産価値を引き下げるばかりの金融政策の実行を日銀に促すのか・・・?

 結局それは・・・ジャパンマネーの力でアメリカそしてドルの信認を支援させよう、ということ―――具体的にいうとIMFは、日銀に追加緩和をさせて円から見たドルの価値をさらに高めることで、世界一の純債権国・日本の潤沢なマネーを、FRB利上げ等で下落が予想されるドル建て資産(株や債券など)への投資に誘導したいのでしょう。まあそんなIMFの必死の(?)思いもよく分かります。なぜなら、巨額ドル資産保有国である中国が今後激しい資本流出に見舞われそうななか、QEマネーすなわちFRBの財政ファイナンスを除けば、もうこれくらいしか―――ジャパンマネーしか、いまのアメリカを支えるおカネはないのだから・・・って、それでもぜんぜん足りないはずですけどね、アメリカの資産バブル清算(≒金融システム救済)に必要となるマネー(≒財政資金)は・・・

 というわけで、やはりアメリカは4たび、「麻薬」に手を出す―――米FRBは早々に利上げを断念してQE第4弾を派手におっぱじめる(バブルのソフトランディングはすでに不可能と悟り、さらなるバブル膨張路線を突っ走る)・・・というのが、上記IMF報告を含めたG20をめぐるニュースから個人的に感じ取った近未来の市場風景ですが、はたして・・・?

(「米利上げ先送りの口実に使われそうな(?)G20声明」おわり)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【米、利上げ再開よりQE再開?】米利上げ先送りの口実に使われそうな(?)G20声明⑥

2015-09-17 00:01:51 | 世界共通

(前回からの続き)

 いまこの瞬間(日本時間17日0:00)、米FRBで行われているFOMC(連邦公開市場委員会:FRBの金融政策決定会合)の決定を世界中の市場関係者がかたずをのんで見守っています。もちろんその決定とは、FRBは「利上げ」を再開するか、それとも見送るのか、ということ。直近のマーケットの予想は拮抗している感じですが、はたして・・・?

 で、わたし個人の見立てですが・・・今回も、利上げは見送り・・・。というのは以前から書いているとおり「QEフォーエバー」―――アメリカにはもはやQE(量的緩和策)つまりFRBによる実質的な「財政ファイナンス」を永続する以外の選択肢なし―――だと考えているから。ということで近い将来、FRBが利上げどころかQE再開に踏み出す可能性のほうがずーっと高いだろう、とすら思っているわけです。

 先述のとおり、そして本ブログで何度か綴っているようにアメリカは、バーナンキ前FRB議長の頃に開始された「麻薬」、もといQEマネーの乱用にあまりにも浸り切ってしまいました。もう麻薬を取り上げること(利上げして市場からマネーを回収すること)なんて・・・その禁断症状(株・債券暴落、金融不安で金利上昇・・・)の激しさを思えばまず不可能・・・。かくして、利上げは逃げ水となる―――FOMCが近づくたびに「利上げが近い」なんて観測が流れるものの、結局は利上げがなされないままの状態が延々と続く―――と予想しています。

 まあ今回を含め、これから数か月以内に行われるどこかのFOMCでFRBが利上げに踏み切ることがあるかもしれません。でもそれは・・・アメリカそしてFRBが、巨大資産バブル巨額債務不良債権がもたらす数え切れないほどのリスクを金融政策(この場合は利上げ)によって制御する能力を失ってはいないよ!ということをほんの一瞬でもマーケットに示そうと精いっぱいの見栄を張るために行うもの(?)。だからその利上げ・・・の幅はちょっぴり(おそらく政策金利0.25%かそれ以下?)だし、その期間はすぐに終わりを告げ、すぐにまた麻薬投与のようなQEがリスタートされることになるでしょう。なぜなら、繰り返しですが利上げのような引き締め策は最終的に(金融システムへの巨大公的資金投入が不可避となる事態を通じて)長期金利急騰というアメリカの覇権そのものを激しく揺るがす事態を招きかねないためです。もっとも利上げしたすぐ後に(再利下げ含む)QEせざるを得なくなったら、FRBに対する信認は失墜し、イエレン議長のメンツは丸つぶれですね・・・「利上げしてみせる!」の見栄の代償は大き過ぎるよ・・・

 報道によれば先日のG20(主要20か国・地域財務相・中銀総裁会議)で日銀の黒田総裁はアメリカの利上げについて「もしアメリカが利上げするとすれば、それは米経済がよりしっかりと成長していくことを物語っており、それ自体は世界経済にプラスだと思う」と述べています。これは、アメリカおよびFRBは、その気になれば利上げができるし、利上げでもアメリカが動揺することはないと日銀総裁として認識してみせることで、アメリカ様が面目を保てるように・・・という気づかいなのではないか。もちろん本心のアメリカ観は違うと思いたいですが・・・(そうでないと---中銀総裁としてアメリカの実態が見えていないと、マズイでしょう・・・)。

 話を戻して、ただいまオンゴーイングのFOMC。上記G20声明では、世界の経済成長は期待される水準に達していない、などと謳われています。よってFRBはこのあたりをリファーして、停滞する中国の景気動向をはじめとする世界経済の先行きを見極めるため、などといった口実で、利上げ先送りを決定か!? 利上げしないのを自国アメリカではなく世界のせいにする---自分たちの上記の不都合な真実には・・・プライドが高過ぎて(?)触れることができませんからね・・・(?)

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【利上げか否か、悶絶のフリする?FRB】米利上げ先送りの口実に使われそうな(?)G20声明⑤

2015-09-15 00:04:49 | 世界共通

(前回からの続き)

 以前、アメリカ金融システムを「危機の本丸」と題して綴ったように、いまや世界中の「リスクオフ」は最終的にアメリカの金融システミックリスクに通じる―――そう考えています。で、そんな破滅的な危機のトリガーになりかねないのが、アメリカ自身の「利上げ・・・

 ・・・このあたり、例を挙げればきりがありませんが、たとえば新興国発のリスクは・・・一見、米利上げで大規模な資本逃避が発生⇒マネーがアメリカに流れてドル高・債券高(低金利維持)となり、新興国こそ危険な状況に至るが、アメリカは大丈夫、に思えます・・・が、そんなことにはなりません。これら諸国に投資しているのは多くの場合、米ヘッジファンド。そのファンドは運用資産の暴落で当然、超マイナスのパフォーマンスに落ち込み、資金を預けていた投資家は大損失を被ることになるでしょう。

 そして中国の景気減速。アメリカにとって遠い太平洋の対岸の火事ではありません。中国経済の不調が続けば・・・原油価格が一段と低迷し、同採掘採算ラインの高い米国内のシェール関連企業が窮地に陥ります。彼らの大半は債券(ハイイールド債、要するに「ジャンク債」)を発行して短期市場から資金を借りていますが、長年にわたる低金利環境のせいで債券バブルが発生し、その残高がいま、すさまじい規模に膨れ上がっています(ハイイールド債の残高は7月末で約1.7兆ドル!)。その一部でも不履行を起こせば、社債市場はパニックに陥り、深刻な金融危機の端緒となるでしょう。じつは、わたしは個人的に、世界に数ある金融マーケットでいちばん危ないのはズバリ、「米ジャンク債市場」だ!と前から感じているわけですが・・・

 上に例示したリスク―――新興国市場および米社債市場に潜むリスク―――だけで、これらマーケットへの大元のおカネの出し手であるアメリカの大銀行の資産を吹き飛ばすのに十分なインパクトがあります。これに、米株の暴落、米家計の住宅学資自動車、クレカなどのローン破綻の急増、デリバティブの決済(ついでに欧州危機の再燃[デフォルト懸念、欧州銀の経営不安等])やらが重なったら・・・と想像し始めると、アメリカ・・・のFRB幹部は夜も眠れなくなりそうです。なぜって、米経済の中枢である米銀(ひいては米連邦政府そして「ドル」覇権!)を重大な危機(≒長期金利急騰!)に追い込むこれらリスクは自分たちの決断「利上げ再開」で火を噴くかもしれないからです。

 だからといってFRBはいつまでも利上げを先送りするわけにはいきません。上記のリスクはどれもこれも自らばらまいた巨額QEマネーが原因。まあQE3こそ終えたけれど相変わらず同マネーは市場にあふれているわけです。この状態を放置して資産バブルをさらに膨張させたら、これが崩壊したときに自国アメリカが被る負のインパクトはデカくなるばかりです。なので、どこかで利上げしてマネーの回収に着手しないとたいへんなことに・・・でも利上げしたら恐怖のリスクオフ連鎖・・・

 というわけで、「利上げすべきか否か」・・・今日15日、FOMC(連邦公開市場委員会:FRBの金融政策決定会合、16~17日に開催!)を目前に控え、いまごろイエレンFRB議長はさぞかし悶絶していることでしょう・・・って、違いますね、悶絶するフリをして、じつはどうするかすでに決めているんですよ!?

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【あり得ない米の独り勝ち】米利上げ先送りの口実に使われそうな(?)G20声明④

2015-09-13 00:04:09 | 世界共通

(前回からの続き)

 本ブログのあちこちで綴っているように、まの世界的なリスク資産の高騰は主要中銀由来のQE(金融緩和策)マネーがこれらに流れ込んで起こったもの、つまりはバブルです。

 では、肝心の経済の実態は、ですが・・・日本以外の諸国は、積み上がった巨額債務不良債権の山、そしてわが国は・・・円安誘導消費増税Wパンチによって引き起こされた意図的な「悪いインフレ」でGDPの根幹である内需・・・の柱・個人消費が青息吐息・・・といったありさま。これらこそ本来、マーケットの地合いや株価等を決定するべき「ファンダメンタルズ」のはずですが、QEマネーという「麻薬」がもたらした幻覚「リスクオン」で見えなくなっている状態にあります(いちばん見えていないのは日本―――政府・日銀そしてその意を汲む年金基金かな?)。当局のなりふり構わぬ対策からも分かるとおり、先述した中国の株とか理財商品も超危険なバブル資産ですね、いくら黒田日銀総裁が「(中国株に)市場は悲観的になり過ぎ」なんて中国を擁護したところで・・・

 で、その世界的なリスクオンがいよいよ終わる―――具体的には、これ以上のバブル膨張を恐怖するアメリカ(のFRB)がQEマネーの回収を図るべく、いよいよ「利上げ」を再開する・・・らしいのです(?)。もしFRBが利上げに踏み切ったら、上記実情化にある世界経済でいったい何が起こるのでしょうか・・・?このあたりは内外のエコノミストや経済メディア等でさまざまな見通しが立てられているところですが、それらを要約するとこんな感じでしょうか・・・

 ・・・「米利上げによってアメリカへのマネー回帰傾向が強まる結果、資本流出に見舞われた新興国の多くは通貨・債券・株式のトリプル安に陥り、スタグフレーション(リセッションとインフレが同時に起こる悲惨な状態)および財政危機に直面して債務不履行リスクが高まる。中国の景気減速感もいっそう強まり、原油等の需要が減少して、対中輸出に依存する資源国経済の落ち込みが顕著となる。欧州ではギリシャ債務問題の先行きに不透明感がぬぐえないなか、ここへきて急浮上した難民問題にともなう負担が域内各国に重くのしかかり、経済成長どころではない。日本はインフレ率が低迷し、デフレからの脱却が見通せない。かくして、アメリカの独り勝ちが続く・・・」みたいな・・・

 で、わたしが描く米金利上げ後の予想は・・・この世間一般的な(?)見方でいえば、たしかにそのとおり、と同意できるのは欧州のところまで。しかし、アメリカと日本に関しては大きく違いますね~。

 上述のようにしばしば「独り勝ち」なんて表現される(というか、ヨイショされる?)アメリカ様ですが、そんなことはあり得ない、つまり「リスクオフ」とは無縁、なんて絶対に無理というもの。そもそも、好調とされる米経済・・・をけん引する個人消費の大半が低金利ローン頼りの危ういものだし、新興国のデフォルトといったリスクオフ・イベントの波動はすべて、最終的にはアメリカ・・・の投資家や金融システムに巨大ダメージを与えることになるからです。

 で、そんなアメリカを脅かす数々のリスクを引き起こすトリガーとなりかねないのが、ほかならぬアメリカ自身の「利上げ・・・

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント

【安倍政権、右翼もビックリ?の中国擁護】米利上げ先送りの口実に使われそうな(?)G20声明③

2015-09-11 00:04:32 | 世界共通

(前回からの続き)

 財務大臣が、中国の当局による過剰な市場介入を普通の国ではありえない、と驚いて見せながら、同国に対していっそうの市場透明化を求めるという、金融取引の先進国として当然の指摘をしておきながら、一方で他の大臣が中国のファンダメンタルズは揺らいでいない、とか、中銀総裁が同国は政策手段を持っているのに市場は悲観的になり過ぎ、と、前者とは逆のニュアンスのコメントを発して中国の現状をポジティブに捉えたり、その市場対策を評価したりする―――先日のG20(主要20か国・地域財務相・中銀総裁会議)で聞かれたこの一見、矛盾するかのような中国観に安倍政権・黒田日銀の政策的スタンスがよく表れているように感じます。

 前者の麻生大臣の発言内容は、ある意味で安倍政権の対中強硬姿勢の反映とでも解釈できそう。というのも、こちらの記事とか本稿前段でも書いているように、そこにはマーケットの透明性向上、つまり金融自由化を通じて、資本流出および人民元の弱体化を促すことで、台頭著しい中国をけん制しよう、という含意がある(?)ように思えるからです。

 まあ中国当局がこのあたりになかなか応じようとしないのは、それだけ(資本逃避や人民元の対ドル・円レート下落を食い止める)自信がないことの表れでしょう。この金融取引の垣根撤廃というハードルを乗り越えなければ、人民元が晴れて円などと並ぶハードカレンシーとかSDR通貨になり上がることは難しいはずですが・・・

 話を戻して後者(甘利経済再生担当相・黒田日銀総裁の見方)のほうは・・・カブノミクス」(株のみ)とでも表現できる「アベノミクス」唯一の(?)取り柄である株高を保つための方便のように聞こえます。つまり、胸の内では中国はヤバイことが分かっているが、そんな懸念の思いをこの国の経済閣僚や中銀幹部がポロッとつぶやいたら、ただでさえ中国経済の減速感を理由に売られている日本株が(外国人投資家によって)さらに売り込まれ、カブノミクスの資産効果が激減するうえ、舌禍を招いた責任を問われてしまうかも・・・だから本心では右翼として(?)中国のドタバタぶりを小気味よく思いながらも(?)、これ以上の株価の下げを食い止めたいばかりに口では特段の問題なし!と左翼となって(?)中国のやり方を擁護するようなことを言わざるを得ない、といった感じ・・・

 中国をあれほど嫌っておきながら、コケそうになったら大丈夫、なんて必死にかばってみせる・・・右翼に叱られようが何だろうが(?)、すべては株のため―――このあたり、いかにアベノミクスが、はかなく危うい「リスクオン」に依存しているかを痛感させられるところです。で、その「リスクオン」が間もなく終わる・・・(って、とっくに終わっている?)

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント