世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【FRB議長、年内にQE開始可能と発言…】インフレ高進、米国民の我慢の限界、迫る?①

2021-08-29 22:12:28 | アメリカ
 やはり最後は暴動、そして内乱へ、といったコースは不可避のような・・・

 毎年この時期に開催される経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の27日の講演で、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、現在FRBが行っている量的緩和(QE米国債及び不動産担保証券の買い入れ)の規模について年内に縮小し得る(could be appropriate to start reducing the pace of asset purchases this year)と語りました。今年中に同縮小が可能との見方を示したのは、昨年のQE開始以降では初めてのことだそうです。他方、その後の利上げについては急がない(it won’t be in a hurry to begin raising interest rates thereafter)とも述べ、現行の低金利維持のスタンスを継続する姿勢も明らかにしています。ということで内外の経済・金融メディアは、FRBが緩和縮小に踏み切るのは、いつになる?が今後の焦点、などと報じているところですが・・・

 ・・・って、この点、結論からいえば、FRBは「金融引き締め」をすることはできない・・・から、その第一段階としてのQE縮小は至難、が答えになります。そのあたりは本ブログで何度も論じているように、FRBはとっくに―――超~遅くとも、新型コロナウイルス感染拡大に対処することを口実に開始された現行のQE(昨春)以降は―――その金融政策はアクセル(緩和)一辺倒で、その逆のブレーキ(緩和縮小→利上げ→・・・の引き締め)はコワくて踏めない状態になっているわけです。もっともアクセルは超~働くのにブレーキがまったく効かないのならそれは自動車とは呼べないのと同じで、アクセルオンリー・ノーブレーキのFRBはもはや中央銀行の体を成してはいませんが・・・

 ・・・みたいな指摘をされるのを避けるべく、せめて言葉だけでもFRBは引き続き中央銀行として金融をコントロールできる・・・かのように装わないと、ということでパウエル議長は今回も「口先利上げ」―――実際には利上げを含む引き締め実行は不可能だけど、口先では、近いうちに引き締める、と真逆を言うこと―――をするのだろうな、と予想していました。ということで冒頭の同議長の言葉には、やはりそのとおりだったな、との思いがします。

 当然ながら、市場もパウエル氏の発言をわたしと同じように聞いたのでしょう、FRBはQEを続ける以外にない―――保守的に予想しても利上げ(政策的な金利引き上げ)は絶対にない―――と。その表れが米株価です。同日のダウ平均は前日比0.69%高で16日に付けた史上最高値に接近したほか、NASDAQ総合指数は同1.23%上昇の史上最高値に達しました。これについて報道各社は、QE縮小が遠のいた安心感で株が買われたため、なんて伝えていますが、この株価の騰勢、市場に、やはり同縮小は無理だろ、とFRBが足元を見られた結果、と考えるべきでしょう。そしてこの株式市場のさらなるヒートアップは、上記ブレーキ(金融引き締め)のいっそうの困難化をもたらすことにもなります。ブレーキ時のダメージ(株価下落がもたらす悪影響)がもっと大きくなりますからね・・・

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【バブル&インフレで都市中間層が農民層に合流し反体制層が膨張して…】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か⑦

2021-08-25 00:15:46 | アジア
前回からの続き)

 ということで、国際社会(≒米欧諸国)はもちろん中国までも、日本・・・の日銀が支えている実態が分かる(?)わけですが、であれば中国の現体制が「社会信用システム」導入とかウイグル人弾圧などの反人権的な取り組みを大胆に実行できるのは日銀のおかげといえるし、日銀も自身の金融政策が結果として彼ら彼女らのサポートになっていることをもっと自覚してもよろしいかと思いますが・・・

 とはいっても―――たしかにこの日銀の支えは強力とはいっても・・・まあこれもまた中国にとって永遠に持続可能なスキームにはならないでしょう。これ、ありていに言えばバブルであり、(とくに不動産等の資産)インフレであり・・・って、これで潤える層は一握りであり、大半は家を買えず、よって家を借りるしかないも、その家賃が高くて支払えず、そして教育費も高すぎて・・・と経済社会的な苦境に陥っていくでしょう、農民農民工(農村戸籍の都市出稼ぎ者)はもちろん、都市の人々(都市戸籍者)までも。こうして、それまでは共産党特権階級と、ある程度は利害が一致して社会信用システムにも理解を示していた北京や上海といった都市部の中産階級が一転、没落していく自身らと境遇が似ている農民&農民工にシンパシーを感じるようになり、連携を強めていき、その結果、反体制層がどんどん膨張して・・・

 どのみち―――日銀の現行政策が続こうが(金融緩和が維持強化されようが)、続くまいが(この先のどこかでテーパリングが始まろうが?)―――かの国はカルマの縛りから抜けられそうもありませんね・・・(って、国際社会もだけど?)

(「国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か」おわり)

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【中国の現体制を支えるのは・・・これまた日銀?】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か⑥

2021-08-23 22:32:51 | アジア
前回からの続き)

 これまで綴ってきたように、中国政府が導入を進める「社会信用システム」なる国民監視システムには、その運用を通じ、かの国の数億人もの農民層(やウイグル族等の少数民族を含む全貧困層)の格差是正・諸差別撤廃を求めた暴動等の勃発を封じ込めることで共産党特権階級の地位や権益を保全する狙いがある・・・とともに、中国に大量のマネーを貸し付けた欧米金融機関にとっては、同国の現行(共産党一党独裁)体制がこれで維持されることで、自身らの債権が不良債権化したり回収不能になったりするリスクが最小化され、引き続き中国・・・の、おもに民間企業相手に巨額の利ザヤを稼ぐことのできるオイシイ商売が続けられるようにする、といった目的もある、と考えています。

 というわけで同システムは、じつは欧米諸国にとっても有益であり、その意味では「国際社会」(・・・という名の欧米諸国)は本当は中国のスポンサー(利害一致)という面があるといえそうです。こうなってしまうと同国の農民層の悲惨な待遇はいっこうに改善される方向に進みませんね、肝心の―――本来は反人権的な中国政府に対して圧力を強くかけるべき―――国際社会が、自分たちも大いに傷つくことが分かっているがゆえに本気でそうするはずはないのですから。では、どうなれば・・・

 ・・・って、そのへんのカギを握るのはやはり・・・わが国なのでしょう。なぜか?・・・って、中国を含む「国際社会」の上記現状を演出しているのは日本・・・の日銀金融政策だからです。その仕組みとか(表向きの本当の本当に本当の?)狙いは本ブログで書きまくっていることなので省略しますが、これここでも効いている、つまり日本が異様な低金利に誘導されているからこそ上記のマネーフロー(≒市場原理の逆「円<ドル<人民元」)が出来上がり、それが中国の企業等を通じて不動産市場に大量に流入し、同バブルを膨張させて(崩壊させないで)・・・結果として現体制が潤っている、といったようなこと。となると、中国もまた日銀が・・・ってこと?

 ・・・って、それは当然でしょう(?)。こちらの記事に書いたように、アメリカドルを支えているのは日本・・・の日銀ですが、中国はアメリカの下位(≒市場原理なら「ドル>人民元」)に位置づけられる国すなわちアメリカとドルがあってはじめて成り立つ国(その意味では独立国とは言えない国)ですからね。であれば、中国を支えるくらい日銀にとってはお安い御用のはず(?)。その点、中国政府が現在、強気にも「社会信用システム」導入とかウイグル人弾圧などの好き放題(?)をやっていられるのは、背後で([自分の利ザヤ稼ぎのために]中国を支える国際社会・・・をこれまた支える)日銀がサポートしてくれているのを知っているから・・・なのかもしれません(?)。

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【国際社会が中国の農民層抑圧を批判しない理由】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か⑤

2021-08-21 00:29:50 | アジア
前回からの続き)

 前回書いたように、中国政府は、ウイグル族差別や弾圧に対する国際社会の非難を国内の引き締めに利用していると考えています。つまり・・・外圧に負けないように中華民族(って、実質は人口比で9割超を占める漢族)は一体になろう!などとやって、真の差別や弾圧――権力者自身らと同じ漢族の農民層(含む農民工)に対する戸籍差別とか劣悪な労働環境を強いるなど―――にフォーカスが当たらないようにしている、といったこと。そのための有力なツールが「社会信用システム」であろうことは先述したとおりです。

 では、どうして国際社会は中国の上記に厳しい目を向けないのか。たしかにウイグル人に対する同国政府の姿勢は批判されて当然でしょう。ですがこっちは数億人もの・・・おそらくは世界最大の?被差別集団です。それにほぼすべてのウイグル族(そしてチベット族などの全少数民族)もこれに含まれるはず。であれば、中国を、同じ人権抑圧の面で糾弾するのなら、そのキモに当たる部分すなわち農民階層に対する差別等を徹底的に突くべきでしょう、ウイグル人たちの待遇改善を促す意味でも・・・

 ・・・って、国際社会はけっしてそうはしないはずです。なぜなら、ソコは中国の(悠久の昔から永遠の未来に至るカルマの?)急所であり、これをたたくと現王朝?はホントに瓦解&大混乱に陥りかねない・・・ってそれは自分たち・・・って、正確にいえば米欧諸国・・・の経済&金融の破綻に直結しかねないためです。なお、わたしたちが「国際社会」などというとき、それはアメリカ様・・・が90%くらいで、あとはせいぜいEU諸国が数%、そして中露両国は・・・論外?みたいな割合でしょうかね?

 で、そのあたりですが、中国と国際社会・・・である米欧諸国(とりわけその金融機関)はもはや一体不可分といってもよいほどの相互依存の間柄にあるわけです。実際、こちらの記事に書いたように、中国は巨額の対外債務を米銀・欧州銀からファイナンスしてもらっています(ちなみに、同国の対外債務額は、同記事でご紹介した2017年9月時点の約1.7兆ドルから今年3月末には約2.5兆ドルへと増えている模様)。その背景とか理由は本稿では省きますが、他方でこれを米欧諸国から見ると、彼ら彼女らは中国(企業等)に同額の債権を保有していることになります。そんなところで毎度の中華大革命?が起こったら・・・当然ながらこれらは一気に不良化し、大半が焦げ付いて、今度はこっちが過小資本・債務超過に陥って・・・といった負の連鎖から金融・経済恐慌へ・・・って具合に、自分たちまで逝ってしまうこと必至です。であれば国際社会は、中国を現状のまま支え続けるしかないでしょう・・・(?)

 こうして中国と国際社会・・・という名の米欧諸国(≒金融機関)は、そんなズブズブの関係をいっそう深めていく以外にないでしょう。そしてそれは、中国の現体制を、(差別撤廃・格差是正等を求める)共産主義的な人民蜂起による転覆の脅威から守ることにもつながります、皮肉なことに・・・

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【ウイグル族弾圧非難の外圧を国内引き締めに利用して…】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か④

2021-08-19 00:07:15 | アジア
前回からの続き)

 先日の「東京2020オリンピック」女子飛び込みで金メダルを獲得した中国の農村出身の少女が会見で「病気の母を助けるために一生懸命練習しました。たくさんのおカネを稼いで母を治したい」などと、けなげに語ったことで、あらためて、かの国の農民層が、いかに貧しい境遇のままにあることかが明らかになりました。

 で、その人口比率は約4割とのことなので、オール中国では少なく見積もっても5億人あまりもの人々(=14.1億人×40%)が彼女やその母親と同じ、というわけで、もうこれはどうしようもない、つまり農民層も対象に入れた医療・保険・年金等のソーシャルセイフティーネットを中国が構築するのは絶対に不可能だ、と断言できるというものです。何たって数億人分(日本の全人口の数倍!)ですからね。本気で作るなら、火星ロケット計画を断念して、浮いたおカネで・・・程度では当然お話にならず、共産党トップ層の資産の大半をつぎ込んでもおそらく足りず、結局は中産階級的になってきた数億人もの都市住民(都市戸籍者)にも大きな負担を強いるしかないでしょう。が、特権階級はもちろん、北京や上海の一般人民だって、これイヤに決まっています。多少は豊かになったとはいっても彼ら彼女らも生活に余裕があるわけではない(公的社会保障への拠出が増えたら生活水準が一挙に下がりかねない)でしょうから。であれば、せめて、いまのままであってほしい―――農民層の待遇改善のために自分たち都市戸籍者が負担を増やされるようなことはしないでほしい―――と希望するはずで、そのあたりは「社会信用システム」の導入を進める中国政府と利害が一致するところでしょう。これには、自分たちの地位や利益を脅かしかねない人々(農民・農民工)が(待遇改善等を求めて)立ち上がるのを抑え込んでくれる面がありますからね・・・

 ところで中国ですが・・・ご存じのように最近はウイグル族の弾圧で欧米諸国からしばしば非難されています。その詳細は省きますが、これ中国にとっては、上記の観点からすると好都合な面も考えられるでしょう。つまり・・・そんな外圧を利用して国民の愛国心を喚起・・・というより人口の大半(9割超!)を占める漢族の団結を促す、といった感じです。別な言い方をすると、われわれは外国に屈しないよう中華民族(実質は漢族)として一体となろう!とアピールすることで、もっと重大かつ深刻で解決不可能な同民族内の巨大な資産・所得格差(政府・都市住民と農民階層)の存在を見えづらくする、といったことです・・・

 中国内のウイグル族の人口は1千万人程度とのこと。これ上記の数億人もの(これまた大半が漢族の)貧困層と比べるとずっと小さな規模に過ぎません(もちろんウイグル人のほぼすべても貧困層に属するでしょうが)。それにウイグル族の居住地である新疆地区は中国の中心部から数千キロも西に離れています。となると中国政府は、たとえ彼らが反乱を起こしても、それを脅威には感じないでしょう。であれば外国の批判を上記のように内部の引き締めに転用して・・・

 ・・・真に恐るべき、北京や上海といった大都市での同族の反乱、すなわち漢族農民層らの蜂起等を未然に防ごう、といったあたりが同国政府の本当の目論見だと思っています。

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【お母さんを助けたい・・・金メダリストの願いで分かる中国農村の実態】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か③

2021-08-17 00:02:23 | アジア
前回からの続き)

 本稿でご紹介している、中国政府が導入を進めている「社会信用システム」なる、実質的な国民行動監視システムが、意外にも(?)少なからぬ国民に支持されているのは、彼ら彼女らもまた共産党幹部と同様、このシステムの受益者だから、という面もあるためだろうと考えています。つまり、中国の現体制のもとで(政府役人らほどではないにしろ)それなりに豊かになった人々もまた、自身の利益を反体制派が脅かすリスクを感じており、だからこそそれを抑止し、スコアリングを通じて体制に従わせる意図のあるこのシステムに理解を示すのではないか、といったところです。で、ここでいう、政府役人に準じる地位にある人々とは・・・具体的には都市の住民であり、いっぽうの反体制派・・・というより、現代中国の発展の恩恵から取り残されたのが農民そして農民工(農村出身で農村戸籍のまま都市で出稼ぎする労働者)と呼ばれる人々だと思っています。

 こちらの記事も含めて何度か書いていることですが、有史以来、かの地域では、武力で政権を奪取して絶対王朝を形成した少数の人々が多数の一般国民を支配し搾取するという構図が延々と繰り返されてきました。当然、現在の中国(中華人民共和国)もその例から漏れません。名前はともかく、中国共産党という名の王朝が権力や金力を乱用して(?)利益の大半を吸い上げるという点は過去の王朝と変わらない、ということです。

 もっとも中国では、とくに改革開放政策以降、現在に至るまでの経済発展局面では、(程度の差はともかく)「王朝」周辺以外の相当数の国民もそれなりに豊かになってきたのは事実でしょう。が、そのかなりは、農村労働者からの実質的な搾取(≒低賃金をはじめとする劣悪な労働環境)で成り立っていること。そこは権力層はもちろん、日ごろは自分たちが搾取する立場にあることを肌身で知っている都市住民だってよく分かっているところでしょう。だからこそ彼ら彼女らは、歴史的な経緯と目の前の現実の両面から、農民層を自分たちの利益を脅かしかねない存在として警戒視し、これを抑止する効果が認められる上記システムに・・・権力サイドとともに賛同するのかも、と想像しています。

 このあたり、中国という国が、いかに上記のとおりなのか、を窺わせるトピックが全世界に伝えられました。先日の「東京2020オリンピック」の女子飛び込みで見事なオール満点の演技で金メダルを獲得した中国の全紅嬋選手は会見で「病気の母を助けるために一生懸命練習しました。たくさんのおカネを稼いで母を治したい」等と語りました。彼女ら一族は農村に住み、長年にわたって貧しい暮らしを送ってきたところ、たまたま小学校の水泳教室でコーチが才能を見出したことがきっかけで彼女は栄冠を勝ち取るに至った、とのことですが・・・

 中国の農村人口は全人口(2020年時点で約14.1億人)の4割ほど、そして農民工は2.8億人あまりとのことです。このように中国では億人単位もの膨大な数の人々が彼女の母親(交通事故で肋骨数本を折ったとのこと)のようにマトモな医療も受けられない状態に捨て置かれているわけです。しかし、農民層が、少なくとも都市住民と同等程度の医療サービス等を受けられるような方向に中国が進むことはあり得ないでしょう。そのためには特権階級そして都市受益者の利益の相当部分を農民層数億人!を救済するソーシャルセイフティーネットに回さなければなりませんが、かの国でそんな立派な(利他的な)?ことが認められるはずがない、ということです。でなければ「社会信用システム」の導入がこれほど順調に?進むわけはありませんからね・・・

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【政府の国民監視システムを多くの国民が支持するのは、なぜ?】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か②

2021-08-15 00:04:51 | アジア
前回からの続き)

 前回書いたように、現在、中国政府によって導入が進められている「社会信用システム」(全国民の行動等をスコア付けし、そのランクに応じてメリット(入学、就職、昇進の便宜等)やデメリット(左記の逆)を付与等するシステム)は、国民の道徳心の向上のため・・・なんぞではけっしてなく、同政府の国民統治の強化に向けたシステムとみて間違いないでしょう。

 実際、この中には、先述のとおり、ソーシャルメディアで政府を称賛すれば加点、他方で反政府的な投稿をすると減点、などと、露骨すぎるくらい「政府をヨイショしろ!」的な評価項目がいくつも並んでいることから、まあそういうことと理解しています。こうして中国政府は、良い言動(って、つまり現体制礼賛)をするといろいろトクするよ、とインセンティブを与えることで国民に対して体制にいっそう従順になるよう仕向けるいっぽう、逆(体制批判等)をするとソンするよ、とやって反体制的な考えや行動を抑え込むことを狙っている・・・のでしょうね・・・

 そしてもちろん中国政府は、国民すべてのインターネットでの通信・通話や買い物等の状況を監視下に置いているものと思われます。そして金融機関等を介してクレジットや債務支払い履歴等、さらには(おそらく)街の監視カメラ等を通じて素行なども。でなければ上記のスコアリングなんてできませんからね。ということで中国人民は、日ごろの言動やおカネの受け取り・支払いなどを逐一、お上(共産党政府)に覗かれていることになります。そこで「政府のコロナ対策は・・・」などと、ちょっとでも政策にケチでもつけようものなら、ホント政府に何をされるか分かったものではないでしょう。そのあたりは、システムのAI的・客観的な評価・・・ではなくシステムを担当する共産党役人の主観的な評価、って気分次第(?)でしょうから、なおさらアブない感じがしますが・・・

 ・・・って、このシステムで個人的に驚かされるのは、じつはこのこと―――中国政府が体制維持・国民監視目的でこれを導入したであろうこと―――ではありません、かの国(のような専制独裁国家)では当然のように予想されることですからね。そうではなく・・・これが大きな批判等もなく実際に機能しているところ等から、相当数の国民がこのシステムを受け入れ、むしろ積極的に協力している様子すら窺えるところです。この点、自身のプライバシーも含めて何もかもが政府に監視(のぞき見?)されているにもかかわらず、なぜ少なからぬ中国人民は、そんなヤバいシステムを許容するのか、ですが・・・

 ・・・つまり彼ら彼女ら一般国民もまた、政府役人と同様、「反体制派」を恐れているから、ではないか。そしてその反体制派とは・・・中国の経済発展から取り残されて低所得と貧困にあえぐ数億人(!?)もの人々、すなわち農民と「農民工・・・

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【中国「社会信用システム」で反政府分子を抑圧へ】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か①

2021-08-13 22:38:18 | アジア
 ディストピア(ユートピア[理想郷]の反対:暗黒郷)・・・って、この国の歴史を振り返れば分かるように、現王朝の終わりが近い・・・ってことなのかもしれませんね・・・?

 中国は現在、「社会信用システム」の導入を推進しています。これ同国政府によって2014年に考案されたもので、Wikipedia等によると、所得やキャリアなどの社会的ステータスに関する政府のデータに基づいて全国民(!?)をランキング化し、インターネットや現実での行動に対してソーシャルクレジットという偏差値でスコアリング(採点)することだそうで、このランクに応じてメリットやデメリットが付与されるとのこと。スコアの高い人は、学校入学や就職で優先権を得られる、ローンのアクセスが良くなる、預託金なしで車がレンタルできる、公共交通機関の料金が安くなる、職場での昇進が早くなる、公共住宅に優先的に入ることができる、などの特典が得られるのに対し、スコアの低い人は、いずれも逆になる、のだそうです。

 で、その具体的なスコア付けですが、(諸説あるみたいですが)まずは1000点から開始し、良い行いをした場合は加点され、いっぽうで悪い行いをした場合は減点され、最高点は1300点、最低点は600点となっているもよう。そして、それらの具体的な行動の内容は・・・プラスとなるのは、英雄的な行動、良好な金融的信用の履歴、貧困者の救援、ソーシャルメディアでの政府の称賛(Praising the government on social media)、献血、近隣に対するポジティブな影響、年上の家族の世話、慈善活動への参加、となっていて、その逆のマイナスな行為は、オンラインゲームでの不正、カルトへの参加、謝罪における誠実さの欠如、インターネットでのうわさの拡散、ソーシャルメディアへの反政府的なメッセージの投稿(Posting anti-government messages on social media)、高齢の両親を定期的に訪問しない、公権力に「非合法的に」抵抗する(illegally protesting against the authorities)、となっています・・・(上記は英語の説明を個人的にほぼ直訳したもので、内容がイマイチ分からないものも含まれます)

 ・・・って、これらのなかには、一般的に善行とされるもの、あるいはその逆の行いとされるもの、も含まれています。なので、このシステム、一見すると、国民全体で道徳レベルを上げよう!という目的を持っているようにも思えます(?)・・・が、そんなことはないでしょう。とくに英語説明も入れたポジティブ&ネガティブ行動から推察できるとおり、中国政府の真の狙いは、このシステムで反政府分子(?)を監視し、その伸長を抑え込むこと・・・なのでしょうね・・・

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【オリンピアンが教えること:日本の「当たり前」は世界の「有り難し」】オリンピックでも分かる日本の多彩さ⑥

2021-08-09 17:21:48 | 日本
前回からの続き)

 昨日8日をもって「東京2020オリンピック」が閉幕しました。昨年来の世界的なコロナ禍で、実施すら危ぶまれたこのイベントが大きなトラブルもなく無事に行われたのは、国内外のすべての関係者、そして、わたしたちに数多くの感動を与えてくれたオリンピアンたちのおかげと感謝しています。

 この点、とくに各選手をはじめとする外国のゲストには、わが国の「当たり前」が、どれほど「有り難い」ことなのか、を知らしめてくれたことに対しても感謝です。すなわち、彼ら彼女らは、本邦企業のユニフォーム等を身にまとうことでジャパン・ブランドの多彩さを、野球のボール等からは日本人のモノづくりのきめ細かさを、そしてSNS等を通じて洗浄式トイレの素晴らしさやコンビニに並ぶお菓子類の種類の豊富さ&楽しさを全世界に発信してくれました・・・

 上記はいずれも、日本人にとっては日常のありふれた風景です。けれど、グローバルな視点からはいずれもスペシャルでアメージングなものばかり、ということで、彼ら彼女らの驚きと称賛から、わたしたちは、自分たちの経済社会環境(≒メイド・イン・ジャパンに囲まれた環境)がどれほど恵まれているかを、あらためて教えられた思いがします。そしてその環境は、共産主義・・・的な?独占・寡占の形成を許さない、わが国の自由な市場メカニズムと本邦消費者の本物(真の高品質・低価格)を見抜く鋭い目線をベースとしていることも見逃してはならない点でしょう。そこは、上述した諸外国・・・の寡占的な市場や独占的スポーツブランドの振る舞い等を「他山の石」(?)としたいところです・・・(?)

 ところで・・・なぜか小声になりますが、そんな日本にも、(残念ながら?)いちばん肝心な部分に真逆の例外がある・・・と考えています。それは・・・(事実上の立法権をも有する)政府、(本邦経済を超マイナス成長に導くべく?超緩和的な金融政策を進める)日銀、(この両者をヨイショするだけの?)メディア、そして(左記を「100%正しい」と断じる)経済学会、の4者、なのですが、これらに共通する特質は・・・カッコ内に書いたことから分かるように左翼的・共産主義的(中国・北朝鮮的?)、別な言い方をすればアンチ市場原理的(市場原理に委ねたら何かとマズいと考えている?)ということ。ではどうして左翼?ですが・・・彼ら彼女らを共産主義者とみなせば・・・ズバリ「独占」利益を守りたいから!・・・ではないでしょうかね・・・???

(「オリンピックでも分かる日本の多彩さ」)おわり

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【SSK社製「最高のボール」が米を「独占」から解放する!?】オリンピックでも分かる日本の多彩さ⑤

2021-08-07 19:07:15 | 日本
前回からの続き)

 本稿では、現在開催中の「東京2020オリンピック」からも分かる表題に関して思うところを綴っています。つまり、日本は「多彩」、これに対して米中独などの諸外国は(共産主義国的な?)「単彩」・・・って、選択肢が乏しく、その結果、「高価格・低品質」が、かの国々の人々の日常になっている、といった印象を五輪の各シーンからも感じる、ということです。

 そのあたり、五輪競技の野球からも、これを感じさせる話題が聞こえてきました。ネット記事によると、今回のオリンピックで使用されている公式球に多くの選手がほれ込んでいるとのことです。この球、本邦企業の「SSK」が提供しているもので、サイズが均一で、しっとりとして滑りにくいため、投手としては投げやすく、また白っぽい感じが打者としては打ちやすく思える、などとのことで、非常に評判が良いとのこと。そして米代表チームのジョー・ライアン投手はこのSSK社のボールを「世界最高のボール」と絶賛し、「このボールはアメージングでパーフェクトだよ。打者も気に入っているし、投手もみんなこのボールを気に入っているよ。SSKはこれを作るのに抜群の仕事をしている。」と感嘆の声を上げています。アメージング&パーフェクト・・・これほどまでにプロの、それも外国の方に高く評価されるなんて、SSK、ブラボーです!

 他方、このへんは、彼らが日ごろ使っているMLB公式球のクオリティーが、いかに貧弱なのか、を教えてくれています。つまり、サイズが不均質で滑りやすくて、などなどといったこと。とくに後者のボールの「滑りやすさ」については、現在、MLBで大きな問題となっている粘着物質の不正使用の根本的な原因となっています・・・が、いっこうに改善される気配はありません。であれば、SSKのボールに変更すれば済む話・・・なのですが、MLBにボールを供給している米ローリングス社との長い歴史を踏まえた利権や契約等があるため、かなわない、とのこと。となるとローリングスは、よけいな(?)コストをかける―――ボールの質をよくするためにおカネを使う―――なんて殊勝なことはしないでしょう、SSKなどの競争相手に市場を奪われるリスクがないのだから・・・

 たかが野球のボール、されど野球のボール・・・が、上述したアメリカの経済社会の現状、すなわち独占・寡占がはびこってモノやサービスの品質向上・価格低下が進まない様を象徴しているといえます。それは、かつてのソ連を筆頭とする共産圏諸国の国営企業と実質は同じ、つまり、たった一人の供給者(ローリングス)が独占利益を保証されているがゆえにマトモなモノ(ボール)作りを怠り、それで需要者(MLBの選手ら)は苦痛を強いられる、ということ。そんな共産社会がイヤで、自由を守りたい―――企業家精神が発揮できる自由な市場の良さに基づく社会を守りたい―――からこそソ連&共産圏と冷戦を戦い、勝利したはずのアメリカが、今度は自身がこうして共産化する、なんて、歴史の皮肉というべきか・・・

 ライアン投手は、自身の野球人生で最高のボールであるSSKのボールをアメリカに持っていく必要がある、と熱く訴えています。それは、共産主義・・・的な独占の「くびき」にあるアメリカ(≒日本以外の世界)を解放するには、わが国・・・の多様性・多彩さと、これが磨き上げたメイド・イン・ジャパンのロープライス&ハイクオリティーしかない!と同義と理解しています。

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