世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【日本に悲観するくらいリスクに敏感なら「金」以外の選択はない?】これから始まる?真のギリシャ危機⑨

2018-09-07 00:03:49 | ヨーロッパ

(前回からの続き)

 ギリシャ債務の抜本的な解決策が打たれることはなく、問題が先送りにされ続けたあげく、EUは近い将来、手の施しようがない事態―――イタリア等による多額の金融支援要請、ESM(欧州安定メカニズム)の資金枯渇、一部の国(おそらく経済力がフランス以上の国)のEU離脱、などなど―――に至り、ECBが債務埋め合わせの通貨増刷に乗り出すしかなくなって・・・結局、インフレで沈んでいく―――というのが個人的なEUの未来予想図です。現時点で、この予報を修正するべきあらたな動きは・・・残念ながら見られませんね・・・(?)

 本稿の最後に、上記と日本について考えるところを申し添えたいと思います。わが国の国家債務の対GDP比率(236%:2017年)がギリシャのそれ(182%)をはるかに超えて世界ワーストであることを指摘し、「日本もギリシャの二の舞になりかねない」みたいな悲観論があります。あらためていうまでもなく、この日本とギリシャの比較は意味がなく、したがって悲観するべきポイント(下述)を誤っているといえます。上述のように、そして先般こちらの記事で述べたとおり、日本はその債務を自国民によってファイナンスしてもらっており(日本国民が日本国債を買っており)、大半を対外マネーに頼るギリシャとは対極にあるわけです。そしてわたしたちが日本国債を買うのは、何も国家に強制されているのではなく、それが合理的だから―――実質金利が最も高いから(円>ドル>ユーロ>新興国通貨―――にほかなりません。

 とはいっても、この世の中に100%リスクフリーの経済とか資産などはあるはずがなく、その意味で上記の慎重な見方があるのは分かります・・・が、問題は、日本が危ないというのならどうしろというのか?ということ。まさか、からユーロ建て資産にマネーをシフト?・・・って、上記からすれば、あり得ないでしょう? どう考えても日本よりEUとユーロのほうがアブナイのですから・・・

 では、ドル&アメリカは?って、まあ・・・ユーロ&EUよりはマシな程度で、円&日本には明らかに及びません。ドルは円よりも下位にある(実質金利はアメリカは日本の下)---ドルの信認は日本が買い支えているから保たれている面があるためです。それにこちらの記事等でしばしば書いているとおり、ドルにはEU危機の波及リスクを含めた様々な価値低下(インフレ)要素があるため、事と場合によってはユーロ以上に値を下げるかもしれませんし・・・

 以上からすれば、わたしたちが警戒するべきは、日本国債の暴落(長期金利の急騰)などではなく、いま手にしているユーロやドル建ての資産の先行きのほうでしょう。したがって、もっとも強い日本に対して悲観するくらいにリスクに敏感ならば、これらの価値暴落を真っ先に恐れ、これらをいまのうちに売り抜け、それで得たマネーで・・・円以上に安全な「」(ゴールド)を仕込む、という選択以外にないのでは?

 というように、わたしたちが合理的に(?)悲観するべきは、ギリシャでありEUであり、そして・・・ですからね(?)。

(「これから始まる?真のギリシャ危機」おわり)

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【悲観される?EUと通貨ユーロの今後】これから始まる?真のギリシャ危機⑧

2018-09-05 00:03:23 | ヨーロッパ

前回からの続き) 

 前述、欧州中央銀行ECB)によるESM欧州安定メカニズム:EU圏の金融安全網)が発行する債券の買い入れ、という策ですが・・・これまた実現は極めて困難といえるでしょう。実質的にこれ、ギリシャをはじめとするEU重債務国の国債の中銀(ECB)による「直接引き受け」になるからです。

 いくらESMがEU圏全員の枠組みといったところで、このマネーを借り入れる(可能性が高い)のは事実上、こちらの記事等で書いた、ギリシャ(とかイタリア)などの、債務履行能力が「フランス」未満(以下?)の国々。彼らは自分に割り当てられたESMへの出資金をはるかに上回る金額をESMから融資してもらい、しかもその返済が永久に(?)できそうもありません。ということはESMのおカネは、どんどん減り続けることになりそうです、同じ顔ぶれの借金によって・・・

 ECBの上記買い入れとは、こうしてESMに開いた「穴」を通貨増刷によって埋める作業にほかなりません。で、その穴は、上記「同じ顔ぶれ」が開け、広げ続けたもの・・・ということで、これはギリシャらが欲するおカネを、市中調達等ではなく、新たに刷って渡す行為に等しいわけです。これをECBが繰り返した先にEU圏で起こるのが、激しいインフレ・・・って、自明ですね、これ(?)。

 ESMを購入するという上記、ECBの新しいスキームの量的緩和策QE)は、こうしたインフレリスクを回避できないため、その実行についてはECB、そしてEU内部でもコンセンサスがとれないでしょう・・・って、インフレを何よりも嫌悪するドイツ等がこれを了承するはずがないためです。もちろん従来型QEの変更実行等(キャピタル・キーの枠を外して、重債務国の国債を余計に買う等)も無茶だし、万一できたとしても、これまたインフレへの道・・・

 ギリシャ金融支援が本来の意味で終了することはけっしてないし、その抜本的な解決策も、採用されることはない―――長々と綴ってきたことの結論は、これです。であればEUやIMFができることは・・・コトの本質から目を背け、その場しのぎの策を都度、繰り出して問題を先送りにすること。大丈夫、真にお手上げになる時(イタリアが巨額の金融支援を要請する、とか、ESM資金が枯渇する、などなど)までは、まだちょっと時間がある、それまでに自分たちの(当事者責任を問われる首相、財務相、総裁等としての)任期は終わっているさ・・・ってな感じでしょうか・・・(?)

 ・・・以降の流れはこうなることでしょう(?):EU関係当局の不作為がさらに積み上がる→EU圏の財政、金融、経済全般における歪みが増大→通貨ユーロの信認が下落→インフレが激化し、政治・経済・社会各面の混乱が拡大→これらから逃れようと一部の国がEUを脱して独自通貨へ回帰等→通貨ユーロは崩壊、そして統合の理念が失われたEUもまた・・・(?)

 わたしはEUそして通貨ユーロの未来に、このように悲観的です・・・

(続く)

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【ECB、次期QEで「ESM債」購入か?】これから始まる?真のギリシャ危機⑦

2018-09-03 00:02:49 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 「終了」との言葉とは裏腹に、終わりのなさそうな(?)ギリシャ支援等を円滑に進めるに当たって、EUはその金融安全網であるESM欧州安定メカニズム)の強化に乗り出すだろうと予想しています。EUは、ギリシャという小国に対するESM支援の突出した印象を希釈するため、そしてギリシャに加えて今後高い確率で発生が予見される他のEU加盟国の危機に備えるため、さらに多くの資金の確保に動かざるを得ないだろうということです。

 で、このときEU各国はESMへの追加出資を求められることになります。しかし、どこも財政収支が厳しい中、これに気楽に応じられる国は皆無と言っていいでしょう。と考えると、今後のEUにおいて想像されるのは、ESMに出す資金を調達するためにEU各国が借金をする、すなわち国債を発行して市中からおカネを集める、といったことになるのではないかと・・・

 ・・・ですが、これ債券マーケットに大量の新規国債を流通させることにともなうリスクを生みます。つまり、各国債の価格低下=金利の上昇を招く懸念があるということです。このとき誰が苦しい思いをするのかといえば、巨額借金の返済負担にあえぐギリシャ・・・をはじめとするEU重債務国。ということで、彼らを手厚く支援するためにESMを強くしようと思ったら金利が上がってしまい、逆に彼らをもっと厳しい局面に追い込んでしまった・・・なんて皮肉な事態になりかねません。

 う~ん、いろいろ考えてみても、こんな具合でなかなかうまくいかないな~となって・・・EUは、本当に本当の(?)最終策にたどり着くことになります。それこそが、欧州中央銀行ECB)の量的緩和策QE)という名の資産購入策。「何だ、それではいまと同じじゃん」って、たしかに債券買いという意味ではそうなのですが、今度のフェーズでは・・・「ESM債」を買い入れるというスタイルになる(ことが検討される)のではないか、と個人的に予想するものです。

 日米などと違ってECBのQEが難しいのは、これによるEU各国の扱いに不公平が生じないように上記キャピタル・キーを設定せざるを得ないこと。そのため、QEが必要な国にはその効果が不十分(金利が高過ぎて景気低迷)で、そうでない国には余計な効果(金利が低過ぎてバブル発生)が及んで、どの国にもストレスがたまることになります。この障害を排除するため、本来は国の枠を超えた「EU共通債」を買い上げるのが適当ですが、これが現時点で存在しない(その発行体となるべきEU財務省が存在しない)ため、同債券と性質が類似するESM債を買おう、というわけです。これによってドイツ等の金利を不自然に下げることなく、他方で低利のESMマネーをギリシャ等に融通すれば、彼らに対する支援にもなるわけで・・・

(続く)

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【IMF、返済能力のないギリシャに融資継続のトホホ・・・】これから始まる?真のギリシャ危機⑥

2018-09-01 00:00:44 | ヨーロッパ

前回からの続き) 

 本来IMFは、先述の理由から、債務不履行が懸念される国に対しておカネを拠出してはならないはず。したがってIMFは、穴の開いたざるに等しい(?)ギリシャに対して新規ローンをこれ以上供与しないのはもちろん、これまでの融資金を早急に回収して後をEUに託し、同国支援の枠組みからとっとと退出すべきでしょう(?)。

 しかしながら、トホホなことに(?)現実にIMFは前回ご紹介のショイブレ独財務相の言葉に反論できません。そのとおり、ギリシャのデフォルトに対する耐性がないのはIMFとて同じ。実際にGrexit(ギリシャのEU離脱)等になったとき、これがドイツをはじめとする欧州各国の銀行群ばかりか、アメリカ金融システムにも深刻なダメージを及ぼし、最終的に(日本を除く?)世界中の金融危機を引き起こしかねないためです。この破局、IMFがギリシャを見放したことが発端にならないとは限りませんからね・・・

 ということで、IMFはこれからも2~3年おきにギリシャにおカネを注ぎ込むことでしょう、しかもより多くの額を(?)。もちろん、建前だけでも出資者利益をちゃんと守る姿勢を示す必要があるので、一応はリラクタントな態度をとるものの・・・結局はこれまでと同じように、わたしたちの血税・・・などが無駄に(返される当てもなく)投入されるわけです。これらのうちどのくらいが、50代でリタイアしたギリシャ人の年金の支払いに充てられるのでしょうか・・・(って、大半は国債償還に回るのだろうが・・・)

 3年前の上記3次支援が取り沙汰される直前、ギリシャは民間投資家でもなくEUでもなく、よりによってIMFのローンの返済に窮しました。これ、弁済順位がもっとも高く、絶対に返さなければならない借金・・・って、同国はそれすら返せないくらいのスッテンテン状態にありました。そして今の状況も当時と大して変わってはいないはず。つまり、かの国は、債務返済のための「追い貸し」を必要としている、ということです。そして、そのIMFの割合が・・・上記理由から、今後は増していくような(イヤな?)予感がするわけです・・・

 以上をまとめると、EUの重債務国ギリシャに対する金融支援が「終了」することは、けっしてあり得ないどころか、むしろ同支援を強化する必要があり、かといって債務減免=債権放棄はできないために、EUそしてIMFは新規のおカネを同国に融通し続けるしかない、ということになりそうです。この際、上記事情からIMFの関与も高まるでしょうが、やはりまずはEUのESM欧州安定メカニズム)マネーが同国に供与されることになるのでしょう。でもこれとて先行きが厳しいのは先に綴ったとおりです。なのでEUは近い将来、ESMの「ギリシャ色」を薄める意味でも、その資金の増強に乗り出すのではないか、と考えています。

(続く)

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【EU、IMFにギリシャ支援金を一層拠出させようと画策か】これから始まる?真のギリシャ危機⑤

2018-08-29 00:02:09 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 先述のように、巨大債務の重みにあえぐギリシャを救済するための唯一の策と思われた債権者による債権放棄は、実際には選択し得ないものでしょう。民間金融機関、EU・ECB、そしてIMFといった債権者は、それぞれの事情こそ違うものの、いずれもギリシャ債権の貸し倒れに耐えられそうにないためです。

 ではギリシャ・・・とEUはどうなってしまうのか、ですが・・・おそらくはこれまでのとおりでしょう。つまり、両者は今後も定期的に―――2~3年おきくらいのインターバルで(?)同じことを繰り返すわけです。つまり、まずは、借金の返済ができない!などとギリシャが騒ぎ、EUは困ったな~と鳩首会議を開き、結局は、今度こそ本当に今回限りだぞ!などといったいつもの(?)決まり文句とともに、ESM欧州安定メカニズム)のおカネを「追い貸し」してあげる、といった具合です。

 ついでにいうとこの枠組みにはIMFも間違いなく加わることでしょう。一応IMFは、いままでもこれからも、欧州以外の出資者の視線を意識して(?)「ギリシャの債務持続性には疑義があるため、当方としては同国が新たな改革プログラムを提出し、当該持続性が確認できるようになるまでは新規融資は行わない!」などと、出資者利益を守るらしい?姿勢をいったんは示しつつ、でも同国にデフォルトされると(米欧金融システムが危機に陥って)マズいので、これまたいつものように「立派な?計画がギリシャから示された」ため、日本等から拠出されたおカネを同国に注ぎ込むことに・・・

 で、このIMF、今後いっそう存在感を高めそう。これまで述べたように、ESMマネーがEUみんなのものであるなか、EUにはギリシャにばかりこの貴重な資産を貸し出すことが、公平性とか同国のデフォルトリスク等の観点から、ますます難しくなっていくでしょう。であればEUは、ウチの追加融資はなるべく控え、その分IMFに余計に出させよう、と画策(?)すると思われます。

 このあたりがはっきりと感じられる象徴的な例が、20152月頃、同国に対する3次支援の是非が取り沙汰されていたときのショイブレ独財務相の次の言葉です。同氏は独大衆紙ビルトのインタビューで、IMFがギリシャ支援から撤収するようなら、ギリシャのEU圏離脱に賛成する、と答えています。これはつまり・・・Grexit(ギリシャの同離脱)に(欧米諸国が)耐えられるはずがないだろ、だからIMFはギリシャに関与し、カネを出し続けるしかないんだよ!ってな感じでしょうか・・・(?)

(続く)

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【EU・ECB、ギリシャの債権放棄は事実上応諾不可能】これから始まる?真のギリシャ危機④

2018-08-27 00:00:34 | ヨーロッパ

前回からの続き) 

 ギリシャ金融支援の枠組みを真に終了させるためには、その最大の債権者であるEUECBが巨額の債権放棄を受け入れる以外にない・・・はずです。これならば、日米中など、少なくとも欧州以外のIMF出資国は損害を回避できますからね。

 ですが・・・これもまたEU内のコンセンサス作りが超モメそうなので、この策(?)もまた実現は厳しそうです。この場合、債権切り捨てを求められるのが、累計で約2千億ユーロもギリシャに貸し込んだESM欧州安定メカニズム:EUの金融安全網の枠組み)でしょうが、同国の債務を真に持続可能にする(徴税で相当額の歳入を確保し、不足する分は市場から穏当なコストで資金調達ができるようにさせる)にはこの大半を棒引きしなければならないでしょう(!?)。しかも、これによってESMへの出資者である独仏両国をはじめとするEU各国・・・の納税者が巨額の貸し倒れ損を被ることになります、仲間内のギリシャのせいで。はたして彼ら彼女らがこれを受け入れるのか、というかその超苦渋の決断をさせられる各国の政権がもつのか、はなはだ疑わしいのではないでしょうか・・・(って、国民の猛反発で政権が崩壊、その後、反EU的ポピュリストが政権を樹立!なんて政治リスクが・・・)

 こんな感じでESMが一人で損を被る策は無理筋。となってEUでは・・・ではギリシャ国債をECB(欧州中央銀行)に買い取らせますか、といった案が浮上するかもしれません(って、ドイツは絶対に反対するのは明らかだけれど)。これなら、米英などEU以外の各国中銀が緩和的金融政策などの名称で行っていることだから、まあイイのではないか・・・

 ・・・って、これだってダメです。そんなことをしたら―――ギリシャ国債をECBに買わせたら―――ポルトガルイタリアなどのギリシャ以外の重債務国が、オレたちの国債も買ってくれ~!と大声を上げるに違いなく、そしてこのムシのいい(?)要求を断る理由がなくなってしまいます。こうしてECBは各国債の実質的な直接引き受けに引きずり込まれ、それがもとで通貨ユーロが過剰に散布され・・・結局EU経済は激しいインフレ崩壊に至ります。そうしたくないからこそ「キャピタル・キー」の縛りがあるわけで・・・

 で、話が戻って、公的機関が無理ならば自己責任で突っ込んだ民間投資家にだけでも債権を放棄させ、ギリシャを少しは楽にさせようよ、って考えですが、これも実行はほぼ不可能。先述のように減免額が少な過ぎて実効性が乏しいうえ、これで多額の損害を食らうのが、またしてもドイツ・・・などのEU圏の投資家だからです。加えて、大西洋の向こうのアメリカの金融機関にまでダメージが及ぶのは避けられません。これらは当該債権やら欧州各行関連のデリバティブCDS)を相当額抱えていて、同国債デフォルトの際はギリシャに代わって契約者に損失分を支払わなくてはならないからです。その金額、いったいいくらになるのやら・・・

 以上、ギリシャを救うにはこれしかない!はずの債務減免=債権放棄は・・・こうして事実上、選択不可能であることが明らかにされました(?)。じゃあどうすりゃいいのか、ギリシャそしてEU・・・

(続く)

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【公的機関もギリシャ債務減免に加わるべきだが・・・】これから始まる?真のギリシャ危機③

2018-08-25 00:00:11 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 近い将来、借金減免が取り沙汰されることになりそうな(?)ギリシャ。その債務の大半が「公的」機関つまりEUECBIMFから借りたものです。その額は約2700億ユーロと、同国のGDP(1800億ユーロくらい)の1.5倍にもなるスゴイ規模です。一方の「民間」銀行等に対する債務はすっと少ない数百億ユーロ程度ですから、たとえこれらの全額が減免されても大した救いにはなりません。やはりこれら「公的」な債権者も相当額をヘアカット(放棄)しなければ、実効性のあるギリシャ救済策にはならないでしょう・・・

 ・・・って、これが非常に難しいことは言うまでもありません。なぜならその融資金は、これら機関に所属する各国・・・の納税者等から集めたものになるからです。ゆえに、いくらギリシャが加盟国仲間であるとはいっても、(おそらくは)数百億ユーロもの債権を放棄するのを見過ごすわけにはいかないはずです。それは他の加盟国民の資産を失わせることになるためです。したがってこの調整、難航を極めそう・・・

 ・・・それでも、この手以外にないので、これで進めてみることにしましょう。まずはヘアカット率を高い順に並べると上記から当然「民間」>「公的機関」となり、公的機関の中では「EU・ECB」>「IMF」となります。EU・ECBはEU圏諸国だけの組織ですが、IMFは欧州のみならず日米中を含む世界中の国々が出資している組織だからです。これらを合わせた対ギリシャ債権の放棄割合の高さは「民間>EU・ECB>IMF」となります。ここまでは、まあそうだろうな、といった感じかと思います。

 ですが・・・このうちIMFは現実的には同国債務の減免に1ユーロたりとも応じられないはず。上記のようにIMFの融資金は、もとはといえば世界各国民の資産の一部だからです。したがってこれを受諾することは当該資産を失わせることになるし、こうしてギリシャを助けることは、IMFの融資金をちゃんと返済している他の国々の中で同国だけを差別的に優遇することにつながるわけです。これは当該借入国ばかりか、IMFの大スポンサーである日本としてもとうてい納得できないものです。

 以上により、IMFのギリシャ債権のヘアカットはあり得ないということになります。ということで残ったのは・・・最大の債権者であるEU・ECBになります。よってこれらが大幅な債権放棄を受け入れるのがもっとも妥当な解決策、というよりも、それしかないでしょう、どう考えても。これならばIMFとは違って、日米中など、少なくとも欧州以外の諸国は自分たちのおカネが消滅することがないので受け入れ可能でしょうからね(?)。あとはEU内で話し合って決めてもらえれば・・・

(続く)

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【民間投資家の債権放棄くらいではギリシャは救われない】これから始まる?真のギリシャ危機②

2018-08-23 00:03:39 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 今月20日に「終了」と報道されたギリシャ金融支援スキームは、けっして終わってはいない・・・どころか、これからが超本番・・・って危機の、とみるべきでしょう(?)。前述のように、どう楽観的に予想してもギリシャ3千数百億ユーロもの巨大「対外債務」を返せるはずがないからです。よって近い将来、償還期限の来た借金を返せなくなった、とか、ヒドイ場合は、返すお金を貸してほしい、などと「追い貸し」を要求し出すに決まっています(?)。

 ちなみにかの国は、少しでも返済金を確保するべく(?)、すでに港湾の運営権等を外国(最大のピレウス港は中国企業、国内主要空港はドイツ企業)に売ったりしていますが、この2件で得られる金額は上記の1/100になるかどうかの程度(数十億ユーロ)だし、これらを含めた同国の売却(民営化等)可能な国有資産の総額はせいぜい500億ユーロほどにしかならないといわれています(って、これだって相当に高めの見積もりのような気が・・・)。したがってこれらすべてを売り払って確保したおカネを全部返済に充てても、まだ2千数百億ユーロもの債務が残るわけです・・・

 ではどうしたら?って、答えは・・・借金の減免=債券の放棄です。もう実質、これしかないのは明白でしょう(?)。よって問題は・・・(まあギリシャは当然ハッピーだからいいとして、)債権者のうち誰が、いくらのギリシャ向けの債権を放棄するのか、ということになりそうです・・・が、下述するように、このあたりが問題の本質であり、だからこそ超~難解となるわけです・・・

 くどいですが、ギリシャには上記債務を全額、債権者に返すことは不可能です。もっとも上記「終了」を受けて近々同国は、日本ほか各国がやっているように、市場から資金調達をすることで債務の借り換えを行っていく気なのでしょう。しかし同国はそのコスト(支払金利負担)の高さに耐えられるはずがなく、すぐに市場からの退出を余儀なくされ、結局はこれまでと同様、債権者に対しておカネを無心するようになるに相違ない(?)。よって、どのみち債権者はギリシャの借金を棒引き(こう言ったりします:ヘアカット)してあげるしかありません・・・(?)

 で、上記棒引きに応じるべきは誰か、ですが・・・(その率をどれくらいにするかは別として)まずは、同国に対して自己責任でおカネを貸し込んだ人々つまり個人投資家とか民間金融機関等になるでしょう。彼ら彼女らはギリシャのデフォルトリスクを承知で同国債とかを買ったわけですから、まあ仕方ありませんね・・・。ですがギリシャの場合、債務額がデカ過ぎて、これら「民間」が多少のヘアカットを受け入れるくらいではどうにもなりません。ということで次は・・・民間をはるかに上回る金額を供与した「公的」債権者、すなわちEUECB、そしてIMF・・・

(続く)

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【EU等の対ギリシャ金融支援が終了!?】これから始まる?真のギリシャ危機①

2018-08-21 00:02:06 | ヨーロッパ

 支援終了? 誰も本心で終わったなんて思っていないでしょう。「本番」はこれからですよ、これから・・・

 2010年の経済危機時から続けられてきた欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)によるギリシャへの金融支援が20日に終了しました。2009年の財政赤字隠し発覚をきっかけに危機に陥った同国は、8年にもおよぶ当該支援を受けてきました。今回終わったのは、こちらの記事に綴った3年前の「第3次支援」スキームで、第1次と第2次の支援額とを合わせてギリシャはEUとIMFから累計2737億ユーロ(現在のレートで34兆円超!)もの借り入れを行ったことになります・・・

 ・・・ってこれ、支援終了という言い方そもそも間違っているような気がします。「終了」とは支援金が債権者に全額、返済されたときに使うべき言葉でしょう。では終了の見通しが立っているのか、ですが・・・結論から言えば、ギリシャはこの債務を絶~っ対に完済できません。これ、同国のGDP(約1800億ユーロ)の約1.5倍もの巨大スケールであるばかりか、EU&IMFという「外国」からの借金であるためです。日本でたとえるなら、GDP約500兆円×1.5750兆円くらいもの「対外債務」を抱えるようなもの(って、日本[政府]はギリシャと違って日本国民からおカネを借りているから、ギリシャとの比較は無意味ですからね、念のため)。ということは・・・支援が本来の意味で終了するなんて、まずあり得ないに決まっています(?)。

 ではこの先、ギリシャ支援の枠組みはどうなってしまうのか、ですが・・・簡単に予想がつくわけです。すなわち、もうしばらく経つとギリシャはまたも手元のおカネがないので融資の返済ができない、などと言い出すに違いなく、「新たな支援か、それとも・・・」みたいな重大局面を迎えるしかありません(?)。まあそのあたりを見越したのでしょう、6月に行われたEU圏財務相会合では同国融資の一部について10年間の償還期間延長などが決定されていますからね。でもその程度で、かの国がサクサクとおカネを返せるようになる・・・わけがない・・・

 で、追い詰められたギリシャ・・・もそうだけど、むしろもっと困ってしまうであろうEU諸国が何を考えるのか、というと・・・けっしてやりたくはないからずっと先送りにしてきたけれど、もう腹をくくってやるしかない・・・ギリシャに対する「徳政令」すなわち債権放棄(ギリシャからすれば超ありがた~い借金帳消し)になります。はっきり言ってこれしかないはずです、ギリシャの経済力に対する上記債務のバカでかさを考えれば・・・

(続く)

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【本邦投資家、ECBのQE終了局面でユーロ資産を売るべし?】イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし④

2018-06-13 00:01:05 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策(QE)を近々終了させそうだ、との見方が市場に広がっている模様です。以前も何度か書きましたがこれ、先述不等式「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」(国債価格を高い順に並べたもの)のうち「フランス未満」国々をサポートするのが主目的の政策です。すなわち、ユーロ圏のなかで支払い能力が弱いこれらの国々の国債等を買い支えて金利を低めに誘導し、投資・・・って、ぶっちゃけ不動産等投資を喚起してバブルを発生させ、これによって債務負担を減らしてあげよう、というもの(?)。ですが・・・こちらの記事に書いたように、バブルを欲する国ではそれが目論見どおりには膨らまず、逆に不要な国のほうで余計なバブルが起こっているわけです。そんなときにECBがQEを手仕舞ったら、まあドイツあたりは良いとしても、イタリアらは・・・

 う~ん、こんな感じで、どう想像してもユーロ圏といういまのスキームがうまく機能するとは思えませんね・・・。このあたり、わが国としてもユーロ圏への投資に当たっては十分に意識しないとなりませんよ。ただでさえアベノミクス円安の現在、ユーロ建て資産は不自然に高いほか、今後はユーロが対円で大きく値下がりしそうだし、このエリアの民心や治安までも不安定になっていくような気がしてならないので・・・(?)。したがって当面、コスト回収等が長期にわたる直接投資等は避け、短期間での利確が可能な金融資産投資を、あくまでも少々、といったくらいが無難かと・・・

 で、その具体例ですが、たとえば・・・上記QEの終了が発表された直後(為替が円安ユーロ高に振れるタイミング)に手持ちのユーロ圏各国債をいったんすべて売却します。で、すぐにまたどこかでユーロ離脱(とか政治経済不安)等が取り沙汰されるから、その際に同国債を安価(円高ユーロ安&国債安)で買い戻す。どうせ同残留が決定される(あるいはユーロ圏とかECBによる大甘な支援等が決定される)ので、ユーロも同価格も上がったところでまたこれを売る、みたいなことを繰り返します。こうすればその都度、それなりのリターンを得られそう・・・(?)

 とまあ、本邦投資家にとってこれ、相手の動揺を利用したおカネ儲けになるため、けっしてキレイとはいえない感じですが、ユーロ圏が上記のようになるのは必然なので(?)、ちょっとくらいなら、ということで・・・って、本来ならばもっと効率的で健全なユーロ圏投資ができるはずなのに、政府日銀にこれを封じられているからね・・・

(「イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし」おわり)

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