世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【憲法のおかげで海外派兵に伴う人や国富の喪失を免れた】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由⑤

2018-06-23 00:10:33 | 日本

前回からの続き)

 前回、わが国が戦後、経済大国になれた理由のひとつが、平和憲法の縛りで貴重な国力を軍事関連に費消することを免れたため、と書きました。これに関連することとして、自国周辺の紛争はもちろん、日本から遠く離れたエリアへの派兵等をせずに済んでいるという点も重要と考えます。

 朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、イラク戦争、そして現在のシリア等における戦いなどなど―――第二次大戦終結の日からこれまで世界のあちこちでじつに様々な戦争等が起こっていて、多くの国々がこれらに参戦し、軍隊等を戦地に送っています。でも・・・主要国ではおそらく日本だけはこれらに軍事参加してはいません。いうまでもなく、これが憲法の「戦争の放棄」等に違反している可能性が高いためです。ゆえにわが国は海外派兵にともなう膨大な支出を負担せずに済んでいるといえます、憲法のおかげで・・・

 ・・・って書くと、このあたり日本はズルいんでは?各国と同じように兵を出して国際社会と協調するべきでは?なんて意見が出てくるように思います。たしかにそういった見方もできるかもしれません。でも個人的には・・・やはりいまのままのスタンスで良い、すなわち現憲法を堅持して海外の戦争には関与しないという国是を保つのが得策、と考えています。その理由は単純で正直、上記のどの戦争も実質的には主要対戦国の権益拡大とかその維持等のために行われているから(現在のシリアの戦争はその典型例?)です。であれば、べつに戦争が行われている地域に権益等を多く持っているわけでもないわが国がどうして他国の利益のために貴重な人命やおカネを失うリスクをかけて参戦する必要がありますか?ということ。したがって、これまでのとおり「憲法で禁じられているので・・・」などと言い訳して手出しをしないのが日本としては一番カシコイやり方といえるでしょう。これぞ「君子危うきに近寄らず」そのものです(?)。

 こんな感じで、わが国は平和憲法を引き続き維持することが適当と考えるものです。でもそれだけでは・・・奪われた(?)領土の回復はかないそうもないし、諸外国の脅威等に対する備えも心もとないのでは、などと国民が不安に感じてしまうのも、またたしかでしょう・・・

 ・・・って、大丈夫です(?)。日本には世界一のコレがある・・・すなわち「マネー力」です

(続く)

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【日本が経済強国になれたのは憲法の縛りのおかげ?】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由④

2018-06-21 00:01:18 | 日本

前回からの続き)

 前述した理由から、肝心の同盟国アメリカが、日本とロシア(あるいは中国)との間の戦争等には絶対に参加しないので、いくら改憲して交戦権を確保しても、わが国は奪われた領土を武力で奪還することはまず不可能なはずです。

 ちなみにこのあたり、北朝鮮との紛争でも同じことだと思っています。改憲の有無によらず万一、日本がかの国と何らかの武力衝突に至ったとしたら、これまた中国が、アメリカが日本に軍事加担することのないよう、手持ちのドル米国債の売却に踏み切るだろうからです。たとえ中国が実際にそうしなくても、金融市場がそう連想するために米国債が投げ売られ、前記と同様のことが起こりかねません。よってわが国は、アメリカ様にご迷惑がかかるので北朝鮮とも戦争をすることはまず無理、と考えるべき。そもそも日本は朝鮮戦争の当事国ではないし、日朝両国間に領有権を巡る争いは現実には存在せず、したがって北朝鮮と戦争する理由は一切ありません(戦争したら現地の拉致被害者が危険にさらされるだけです)。

 ということで憲法第9条の改正(≒戦争ができる国家への移行)は、実質的な利益をわが国にもたらすことはないと考える次第です。むしろ・・・交戦権を得た以上、日本はさらに軍備を増強するべきだ!なんて勇ましい(?)主張が国内外から湧き起こって・・・結局は価格バカ高なだけで上記理由からけっして使えない兵器武器を諸外国から無駄に買わされるのがオチです(?)。日本は世界一のおカネ持ち国(純資産国)なのだから、兵器類を売り込みたい企業とか人々は欧米を中心にごろごろいるし、すでにこうした動きがある(?)のは日本人なら誰にでも感じられるはずです。もちろんその代金は消費増税で徴収!ってことで・・・!?

 わたしたちは引き続き平和憲法を堅守するべきと考えるものです・・・っても、各国がお互いに信じあって平和な地球を築きましょう!ってわけではありません。それが理想ではありますが、現実にはなかなかそうはいきませんからね。むしろ現憲法の「戦争の放棄」を戦略的に活かそうよ!ということ。理由は2つ。一つ目は上記のとおり、日本には戦争という選択肢が意味を持たないため。そしてもう一つが、近現代の世界では戦争状態にあるか、戦争に備えて巨大な軍事力を抱えた国々は最終的に滅ぶか著しく衰退するかのいずれかだからです。逆にいえば、日本が戦後大きく発展し、経済強国になれたのは、幸か不幸か(?)憲法の縛りで貴重な国力をこれらに費消することを免れたため、といえそうです(?)。

 それらゆえ、戦争を放棄する、という憲法の条文は「みんな仲良く!」ということ以上に合理的で賢明な理念だと思うわけです。

(続く)

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【中露との領土紛争、米は絶対に日本に軍事加担しない?】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由③

2018-06-19 00:02:36 | 日本

前回からの続き)

 前回書いたことを違った風に表現すると次のようになります:

尖閣諸島の占領を目論む第三国に宣戦布告ができるよう憲法を改正するべきだ」

―――では尖閣諸島が実際に外国に占領されたら、あるいは占領されそうになったらどうするのか? 「当然、武力攻撃による排除もいとわない」

―――ということは北方領土および竹島を現にいま、不当に占拠し続けている国々に対しても軍事攻撃を仕掛けるということか? 「それは・・・」

といったように結局、言葉に窮してしまいます・・・って、これ絶対に実行不可能だから。北方四島や竹島に居座る外国人たちに対してできないことが、尖閣を侵略しようとする国々には、なぜかできる、なんてあり得ない。いったん取られてしまったら、これら島々と同じでそれで終わり。あとはトホホな返還交渉しか手がありません・・・が、これがいかに空しいことか、わたしたちにはよ~く分かっているはず・・・

 だからこそ、国土防衛とか失地の奪還に向けた改憲すなわち交戦権の回復(再軍備等)は意味を持たないと考えるわけです。それよりも現実的な策を打つべき。たとえば尖閣であれば、有人防衛化を真剣に検討するべきでしょう。それは・・・島というよりは岩礁に近い竹島に某国が大した武装もせずにへばりついているのと同じ理由です。つまり、いくら係争地とはいっても、人がいる土地を流血覚悟で武力で奪おうとすることは許されない、といういまの国際ルールを上手に国防に生かす、という意図です。これ、だからこそけっして使えない価格バカ高のミサイルやら戦闘機などよりもはるかに安価で実効性の高い防衛手段であるとともに、激烈な議論で世論を二分して改憲などしなくてもいますぐにできること。だって、尖閣諸島はけっして国際紛争の舞台ではなく、わが国の固有の領土であって、そこに何を作ろうが諸外国にあれこれ文句をつけられる筋合いはないのですから・・・

 さらにわが国にとって、自らが交戦権を得ることの意味が乏しい別の重大な理由が、これが同盟国アメリカ様に多大なご迷惑をおかけする事態を引き起こしかねないこと。すなわち、改憲後の日本が、領有権を巡って戦争等することが想定されるロシア中国が、日本との戦いにその友邦アメリカが軍事加担することがないよう、保有する米国債の大量売却に動くのは避けられないということです。

 こちらの記事等に書いたように、アメリカ最大のアキレス腱は「金利」であり、米国債売りこそはその弱点に対するダイレクトアタックになります。これ食らったらアメリカは金利急騰&ドル暴落でたちまち国家存亡の危機に陥るのは必至。そこでアメリカはどうするか・・・って、改憲論者が願うように日本とともに北方四島へ軍事侵攻・・・なんて甘い甘い! そんなトモダチ作戦(っても、超~有料?)みたいなことなんて絶~っ対にするわけがなく、「日本め、よけいな戦争でオレたちを苦しめやがって!」などと内心で毒づきつつ日本に対してロシア等との戦争を止めさせようとする・・・は良いほうで、場合によっては日本の頭越しに勝手にロシアとの和解すなわち米国債売却停止要請に動くか、最悪ハシゴ外しに走る―――日ロ間の争いに中立を宣言したりする―――かもしれませんよ(?)。

 ―――以上により肝心のアメリカ様が加担してくれないので、わが国は改憲するしないに関係なく、領土問題等の解決に戦争という手段を選ぶことはけっしてできないし、許されない―――こう考えています。

(続く)

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【仮想侵略に超強硬ならばリアル侵略に話し合い、はあり得ない】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由②

2018-06-17 00:02:29 | 日本

前回からの続き)

 改憲論者の真の狙いは前述のとおり、日本国憲法9条の改正で交戦権を回復させ、わが国にとって現時点で最大の侵略国である核大国ロシアに対して宣戦を布告、日本の固有領土たる北方四島に「(円安)日本軍」を派遣してこれを武力で奪還することです(?)。

 「んなアホな!そんな物騒なことは考えていない!」そうでしょうか? そのあたりは・・・尖閣諸島をみれば、やはり改憲論者各位には・・・そんな勇まし過ぎる(?)意図があるとしか考えられない、ということが分かります。それはこういうことです―――

 ―――現在の改憲とか安保に関する議論で必ず想定されるのが中国の軍事的脅威であるのは間違いのないところ。それらのなかでも重大なのは、これまた本邦固有の領土にあたる尖閣諸島の同国による侵略になります。中国も同諸島の領有権を理不尽かつ強硬に主張しているため、その懸念はもっともです。したがって、当該侵略には軍事力による反撃も辞さないくらいの安全保障の強化が必要で、そのためには国権の発動たる中国相手の戦争を選択できるように憲法を改正するべきだ!という理屈なのでしょう(?)。

 で、ここで留意する必要があるのは尖閣諸島の現状です。これ、たしかに中国の侵略にさらされてはいます・・・が、実際には日本の(超はかなげな?)実効支配下にあって同国が占領等しているわけではありません。つまり上記の主張は、あくまでも現時点では未実現の「将来想定し得る侵略」に対するものになります。ということは・・・そこまで強気ならば、すでに「いまそこにある侵略」に対しては、さらに強硬な措置の行使すなわち戦争に訴える、となるのが筋の通った流れでしょう・・・って、まさか、ヴァーチャルな侵略(侵略「」)には超強気、リアルの侵略(侵略「」)には一転、矛を収めて仲良く話し合いで、はありますまい(?)。では現実に日本人が目にしている侵略とは?そして侵略者は?となれば・・・尖閣でも中国でもなく冒頭のとおり、になるわけです。ね、とてもロジカルでしょう(?)。さあ、憲法を改正してロシア(および韓国)と戦争して北方領土(および竹島)を取り戻そうではありませんか・・・って、もちろん同盟国アメリカ様とご一緒に!?

 ―――わたしたちがいま真剣に考えるべきは、こんなことが本当にできますか?ってことです。これ・・・絶~っ対に不可能だし、いまの世界ではけっして許されることではないことくらい子どもにだって分るでしょう。つまり・・・憲法改正による交戦権の回復は、失われた国土の奪還とか侵略に対する武力反撃等に関しては、何らの効力も意義も持たない、ということです・・・

(続く)

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【改憲論者、交戦権回復後はロシアとの戦争を画策か!?】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由①

2018-06-15 00:03:19 | 日本

 のっけから超~物騒な(?)、けれどロジカルに考えていけば当然そうなる、という架空の話から―――

 日本国憲法が別名「平和憲法」と呼ばれるのは、下記の「第2章第9条」があるためです:

 第2章 戦争の放棄

 第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 憲法改正を主張する方々が改正するべきとする箇所が上記になります。では具体的にどうしたいか、ですが、端的には、国の交戦権の回復つまり国際紛争の解決手段として戦争を選択できるようにしたいわけです(「自衛隊」の条文への明記など、そこに至るステップのひとつに過ぎない)。

 で、晴れて憲法がそのように改正され、わが国が交戦権を取り戻したら、さっそくこれを行使することになるでしょう。そのときに想定される第一の対戦国は中国、北朝鮮・・・のいずれでもなく、ロシアになるのは明白です。なぜなら、ロシアこそはこの瞬間、わが国の固有領土を不当に占拠している2か国(もう1か国は韓国)のうちのひとつで、韓国(竹島)よりもはるかに広大な本邦エリアすなわち北方四島(歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島)を領有しているからです。他方で中朝両国は現時点で日本の国土を侵害等してはいないので、仮想敵国としての順位はロ韓両国よりもずっと下がります

 日本は戦後これまでの数十年間もの長きにわたって同国(旧ソ連)と北方領土の返還交渉を続けてきました・・・が、実質的には何らの成果もあげられていません。いっぽうで当該交渉が進展しない場合にこれを実力で取り返す術がありませんでした。憲法の上記条文が領土紛争を解決する手段としての交戦権を認めていないためです・・・

 ですが同改正後は、この呪縛から脱し、ロシアに対する武力行使が可能となります。よってわが国としては、憲法改正から時を置かずして同国に上記交渉打ち切りを通知するとともに宣戦を布告、日本にとって最大の侵略者を排除するべく北方四島に電撃反攻、同盟国アメリカの手厚い軍事支援を得ながら各島を奪還、最後は四島東端の択捉島は単冠湾(真珠湾攻撃の前に旧帝国艦隊が集結したところ)に円安日本海軍が高々と勝利の旭日旗を掲げる・・・といったシナリオを実現させたいところ・・・

 ―――憲法改正論者の本当の目論見は上記のとおり、ロシア(および韓国)相手の交戦権の獲得と行使そして奪われた北方領土(および竹島)の武力による回復です。中国や北朝鮮の脅威なんぞは真の敵ロシアそして味方をも欺くブラフに過ぎません・・・???

(続く)

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【本邦投資家、ECBのQE終了局面でユーロ資産を売るべし?】イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし④

2018-06-13 00:01:05 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策(QE)を近々終了させそうだ、との見方が市場に広がっている模様です。以前も何度か書きましたがこれ、先述不等式「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」(国債価格を高い順に並べたもの)のうち「フランス未満」国々をサポートするのが主目的の政策です。すなわち、ユーロ圏のなかで支払い能力が弱いこれらの国々の国債等を買い支えて金利を低めに誘導し、投資・・・って、ぶっちゃけ不動産等投資を喚起してバブルを発生させ、これによって債務負担を減らしてあげよう、というもの(?)。ですが・・・こちらの記事に書いたように、バブルを欲する国ではそれが目論見どおりには膨らまず、逆に不要な国のほうで余計なバブルが起こっているわけです。そんなときにECBがQEを手仕舞ったら、まあドイツあたりは良いとしても、イタリアらは・・・

 う~ん、こんな感じで、どう想像してもユーロ圏といういまのスキームがうまく機能するとは思えませんね・・・。このあたり、わが国としてもユーロ圏への投資に当たっては十分に意識しないとなりませんよ。ただでさえアベノミクス円安の現在、ユーロ建て資産は不自然に高いほか、今後はユーロが対円で大きく値下がりしそうだし、このエリアの民心や治安までも不安定になっていくような気がしてならないので・・・(?)。したがって当面、コスト回収等が長期にわたる直接投資等は避け、短期間での利確が可能な金融資産投資を、あくまでも少々、といったくらいが無難かと・・・

 で、その具体例ですが、たとえば・・・上記QEの終了が発表された直後(為替が円安ユーロ高に振れるタイミング)に手持ちのユーロ圏各国債をいったんすべて売却します。で、すぐにまたどこかでユーロ離脱(とか政治経済不安)等が取り沙汰されるから、その際に同国債を安価(円高ユーロ安&国債安)で買い戻す。どうせ同残留が決定される(あるいはユーロ圏とかECBによる大甘な支援等が決定される)ので、ユーロも同価格も上がったところでまたこれを売る、みたいなことを繰り返します。こうすればその都度、それなりのリターンを得られそう・・・(?)

 とまあ、本邦投資家にとってこれ、相手の動揺を利用したおカネ儲けになるため、けっしてキレイとはいえない感じですが、ユーロ圏が上記のようになるのは必然なので(?)、ちょっとくらいなら、ということで・・・って、本来ならばもっと効率的で健全なユーロ圏投資ができるはずなのに、政府日銀にこれを封じられているからね・・・

(「イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし」おわり)

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【仏以上の国も以下の国も、相手に対して不満が募るEU圏】イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし③

2018-06-11 00:00:49 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 前回までに綴ったように、このほど発足したイタリアのコンテ新政権が掲げる急進的改革2つ―――最低所得保障と不法移民排斥―――は同国がユーロ圏にとどまる限り、実行は極めて難しいはずです。では、出ていけば・・・って、たしかにそうすればユーロ圏の縛りから自由になって財政バラマキ政策とか移民排除みたいなことができるかもしれません、が、いっぽうでその際は共通通貨ユーロの使用はけっして認められず、やむなくスタートさせた独自通貨(新リラ?)はユーロに対して暴落して同国経済と国民生活は破壊されてしまいます。となるとユーロ圏離脱はイタリアには絶対にできず、結局は圏内ルールに従わざるを得ません。よって上記急進的改革は・・・やはり実現不可能、が結論になるわけです・・・(?)

 これ、何もイタリアに限った話ではありません。先般来ご紹介、ユーロ圏各国の支払い能力の序列を示す不等式「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」においてフランス「未満」(いや、「以下」?)の国々―――イタリアはもちろん、スペイン、ポルトガルキプロスギリシャなど―――は皆さん同じことです。要するに、バラマキ政策(公務員給与引き上げとか年金増額など)も移民流入抑制策の執行も独自にはできないなか、限られた歳出とさえない景気のもと、それにふさわしい、つましい生活水準に耐えていく以外にない、ということです。

 他方、上記でフランス「以上」の国々―――ドイツ、オランダ、オーストリア、フィンランドなど―――も不満感を募らせているはずです。つまりユーロ圏では、各メンバーの国力の平均を取ったような政策(たとえばECBのQEなど)が採用されがちになるので、それが「フランス以上」の国の実態には合わなくなる、具体的には金利が下がり過ぎて景況がバブルやインフレ気味になったりするわけです。かといって・・・その原因を生んでいる同「未満」の国をユーロ圏から追い出すことも実質的にはできません。仲間内のコンセンサス作りは難航を極めるでしょうし、万一放逐できても、あるいは勝手に出ていかれても(って、これはまず考えられないが?)、今度は自国の金融機関が経営危機に陥ってしまいます。それらがしこたま抱えた当該国のユーロ建て国債等が紙クズ(?)になってしまうためです・・・

 以上のことからユーロ圏は、これに加盟する誰にとっても、自分のいまの状態に適した政策がけっして選択されることのない枠組みになっています。よっていつも、すべての加盟国がフラストレーションを抱えることになるわけです。そうなっている最大の原因はおそらく・・・「財政の不統合、通貨・金融統合にもかかわらず」・・・でしょう。では財政も統合すれば、ってこれこそ「一つの欧州」実現に向けた最大の一歩になるはず・・・ですがこれにはフランス「以上」の国々が絶対に賛成しません。それは彼らが同「未満」の国々の借金の埋め合わせをさせられてしまうためです・・・

 ・・・こうしてユーロ圏は、統合を深化させることも分離に向かうこともなく、いまの中途半端な同居状態を続け、イタリアのような「フランス以下の国々」で繰り返される経済危機に合わせてECBが通貨ユーロをダラダラと刷り続けて・・・結局はインフレに沈んでいくわけです・・・(?)

(続く)

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【失業者への最低所得保障も不法移民排斥も実行は困難】イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし②

2018-06-09 00:03:28 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 6日、正式に発足したイタリア新内閣のコンテ首相が、国民に対して急進的な変革をもたらすと述べるいっぽうで、ユーロ離脱は「一度も考えたことがない」と明確に否定したのは、前回綴った理由からすれば当然です。つまりユーロ圏の国債序列を示す不等式(上位ほど債務支払い能力が高く、下位ほど低い)「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」で下位のイタリアが共通通貨ユーロを捨てて独自通貨に回帰したら、たちまち同国は大量のユーロ建て借金の支払いに窮してデフォルトに追い込まれ、国民生活はハイパーインフレで破壊されるわけです。よってユーロ離脱は同国にとって自殺行為以外の何ものでもなく、そんな暴挙、イタリアのトップが誰になろうと絶対に選択されることはないでしょう。

 いっぽうでコンテ首相は、連立与党のポピュリスト「五つ星」の主張である最低所得保障(ユニバーサル・ベーシックインカム)の導入を明言しました。これ、失業者らに最低月額780ユーロ(!?)を給付しようというもののようですが、その財源を確保するための増税等はしないようです。ということはおそらく・・・いま以上に財政赤字を拡大させる(新規に国債を振り出す)しかないでしょう。しかし、イタリアのGDPに対する同赤字の割合は約130%と、ユーロ圏の目安である60%をすでに大きく上回っています。よってこれがユーロの仲間内で認められるはずはなく、したがって(いくらマリオ・ドラギ現総裁がイタリア人とはいっても)ECBがキャピタル・キーの縛りを逸脱して伊国債等の追加購入に応じるはずもないでしょう。それでもコンテ政権が本政策を強行したら、買い手が十分につかないために国債価格は急落、金利が急騰してイタリア経済は破綻しかねません・・・

 といった具合で、どうやら五つ星の目玉政策も実施は不可能に近いと思われます。となると残るは他の連立政党「同盟」の不法移民受け入れ拒否だけになります・・・が、これまたイタリア単独での実行は難しいはずです。ユーロ圏の共通ルールであるシェンゲン協定(域内の人やモノの自由な移動に関する協定)に抵触してしまうためです。それでもやる気なら、英国Brexitを決めたように、イタリアも自分からユーロ圏を出ていくしかありません・・・が、それは考えたことすらない、というのなら、この政策も結局、実行には移せないことに・・・

 こうしてイタリアの新政権が公約として掲げた急進的変革はどれも掛け声倒れに終わり、これらの実現を期待して五つ星や同盟に投票した人々は大いに失望するでしょう(?)。その結果、かの国では政治に対する不信感とか、先述不等式「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」の自国よりも上位の国々に対する逆恨み(?)の感情がいっそう高まるおそれがありそうです・・・

(続く)

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【伊新政権、急進的変革を約束も…】イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし①

2018-06-07 00:00:23 | ヨーロッパ

 あれこれ言ってみたところで、かの国に選択の余地はほとんどないような・・・

 イタリアでは先月31日、民法学者のジュセッペ・コンテ氏が次期首相に就任することが決定されました。34日の総選挙ではポピュリスト政党の「五つ星」が第一党に躍進したものの、同党を含めてどの勢力も議会過半数に届かなかったことから組閣等が難航、これまで延々と連立協議が続けられ、ようやく妥協が成立、首相や閣僚等の陣容が固まったということになります。

 このコンテ新体制、五つ星と極右政党「同盟」との連立政権となります。誕生までの上記経緯や主義主張が相当に異なる(?)方々が組んでいることなどから、政権運営の今後には不透明感がぬぐえません。そんな中、注目の所信表明でコンテ首相は何と?国民に急進的な変革をもたらす、と約束したそうな。このあたり上記2政党の政策に配慮すれば当然ではあるわけで、実際に同首相は五つ星の公約である最低所得保障(ユニバーサル・ベーシックインカム)とか同盟の公約である不法移民の流入阻止が優先的な課題になると述べています。これ、いずれもユーロ圏の共通ルールに違反しかねない話です・・・

 他方、注目されていたイタリアのユーロ離脱については・・・一度も考えたことがないと言明、「これまで検討したこともなく、検討中でもないとあらためて強調する必要がある」と語っています。他の強硬的政策に比べると、こちらは少しおとなしい(?)印象を受けますね・・・

 ・・・って個人的には、誰が首相になるのかによらずイタリアはそんなスタンスに立つのだろうな、と予想していました。つまり、選挙民受けを狙って反EU的な姿勢を示してはみせるものの、だからといってユーロ圏からは絶対に出ませんよ、というスタイルしかないだろう、ということです。このへんは本ブログで何度か示している不等式および関連の法則(?)から考えれば当たり前のことです(?)。つまり・・・

ユーロ圏各国の国債価格を高い順(長期金利の低い順)に並べると「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャとなる

・これらの国がユーロ圏を離脱して独自通貨に回帰する場合、上記不等式中、フランスより上位の国の通貨は共通通貨「ユーロ」よりも強くなり、同国よりも下位の国の通貨は弱くなる

・中間あたりに位置するフランスの新通貨はユーロとほぼ等価になる(って、これは微妙かな?)

これに当てはめて考えると、イタリアはフランスよりもだいぶ弱い・・・どころかユーロ圏最弱のギリシャに近いくらいなので、同国が万一、ユーロ圏から脱退して以前の通貨リラに立ち戻ったりしたら・・・リラはユーロ等に対して大暴落するため、同国はしこたま抱えたユーロ建て債務の支払いにたちまち窮して破綻へ・・・

(続く)

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【G7、日独加は協調して米に圧力を】輸入車関税賦課:米トランプ大統領の本心「雇用創出」④

2018-06-05 00:03:34 | 日本

前回からの続き)

 今月89日にカナダで行われる主要7か国首脳会議(G7)は通商問題一色に染まりそうです。本稿で綴っているドナルド・トランプ米大統領の理不尽な関税賦課が、他のメンバー国の輸出貿易に大きな影響を与えることになるから、まあ当然でしょう。とくに今回の議長国カナダは、先般の鉄鋼・アルミニウム製品に対する関税アメリカに一方的に適用されたほか、今回の自動車関税でも自国内の自動車産業(っても大半がアメリカとか日本の自動車メーカー)がダメージを食らうことになりそうで、国益を守るためにも関税強化絶対反対の議論をリードしたいところでしょう。

 このあたり先述のとおり、また麻生財務大臣が語っているように、アメリカの内向きな政策は、当のアメリカ(の消費者)を含めて、どの国の利益にもならないことは明白です。したがってわが国は、立場が同じのカナダをはじめ、ドイツなどと共同戦線を組んでアメリカに強く迫り、これを断念させてほしいものです。

 いっぽうで日本の自動車各社は、どの国の企業よりも積極的に対米進出し、かの地の雇用創出にも尽力してきました。そのへんは個別にトランプ氏に訴えて歓心を得るとともに、今後はもう一段、本邦企業にアメリカへの投資を促す所存、と伝えるべき。具体的にどうするのか?は前記のとおりです。つまり、当該投資のコスパを悪くするばかりか対米輸出攻勢を無駄に疑われるだけで実質的には何らの輸出振興にはなっていない円安誘導、つまり「アベノミクス」を全面的に転換する、などと宣言するだけでOK(?)。そうすれば為替は妥当な方向すなわち円高ドル安に向かうので、あとは各社が市場原理に従って自ずと動く、たとえばトヨタ自動車は公約の「対米投資5年間で100億ドル」をスムーズに実行していくでしょう・・・

 ・・・ってなことを、もしわたしが日本の通商代表ならばG7の席で勝手にやっちゃいますけどね・・・(?)

(「輸入車関税賦課:米トランプ大統領の本心『雇用創出』」おわり)

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