世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【キャッシュレス決済、日本は20%程度】現金決済が主流の日本は「進んでいる」①

2018-12-11 00:00:05 | 日本

 わが国は「遅れている」って?いや、むしろ進んでいる、という見方をしてもよいのではと思っています・・・

 このところ「キャッシュレス決済」に関する話題が多く聞かれるようになっています。実際、ネットの検索ワードとしての「キャッシュレス」は、昨年から今年にかけて急増しているそうです。で、ここで個人的に違和感を覚えるのが、キャッシュレスにおいて日本は外国よりも遅れている、としばしばいわれること。「遅れ」・・・って、ネガティブな響きが感じられますが・・・

 たしかに日本は、一部の外国と比べると、キャッシュレスの浸透度合いは低いようです。今年4月に経産省が発表した「キャッシュレス・ビジョン」によれば、2015年時点のわが国のキャッシュレス決済の比率は決済全体の18.4であり、韓国89%、中国の60%、アメリカ45%などと比較するとずいぶん大きな差があります。この比率、その後もあまり伸びてはいないようで、現時点でも20%ほどとみられます。政府は、来日中国・韓国人等の消費をもっと取り込む目的もあって(?)、2025年にこの比率をいまの2倍の40%に高める目標を掲げているそうですが・・・

 逆にいうと、日本ではキャッシュすなわち現金での決済がいまだに主流を占めているということになります。ではなぜ日本人はこうも現金決済を好むのか?ですが、ネット等で確認した内容を順不同に列挙すると・・・現金ならば、その場その時に決済が完了する、現金を扱ったり持ち運んだりすることのリスクが大きくはない、貨幣の品質が高いので現金での決済に偽札などが混入するおそれがほとんどない、銀行ATMなどの現金の使用を前提とした高水準の金融インフラが整備されている・・・などといった理由があるそうです。

 こうしたことは、治安が良いことを含めて日本の現金および現金決済の質と信頼性の高さに基づくもので、ポジティブに評価できるし、少なくともわたしたちがそのデメリットや不便さをそれほど感じていないのであれば、これらは現状のスタイルでいいように思えます。

 他方、日本でキャッシュレス決済がなかなか浸透しないのは・・・、何といっても、現金払いが多い分、その真逆でもあるクレジットでの決済が少ないことが指摘できるでしょう(そのうえ、クレジットの多くが「1回払い」とのこと)。このあたりは、できるだけ借金をすることなく手持ちのおカネの範囲内で買い物をするという日本人の堅実な経済感覚を反映していると思われます。その意味ではこれも前向きに解釈できるところです。ちなみにこれと対極をなすのが、クレカ消費が大好きな(?)アメリカの家計でしょうね・・・

(続く)

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【日本にとって石油確保のチャネルは多ければ多いほど良い】ドル「石油交換券」から「アメ車交換券」へ?⑥

2018-12-09 00:01:19 | 日本

前回からの続き)

 で、わが国ですが、個人的には、アメリカイラン金融制裁に抵触しないように注意しつつ、英仏独中ロのイラン核合意に留まる国々と連携し、とくに先述したEU主導の新しい決済システム(参加国とイランとの間の石油取引において米ドルを使わずに物々交換を行い、その精算等を参加国側で済ませようというもの)への参加をめざすのが、安全保障の観点からは有効かと思います。まあ前記した韓国みたいに一国でイランとの同種合意を形成する道もありますが、これだとアメリカにダメ出しされたら終わってしまいそうな気がするので、仲間は多いほうがよいだろう、ということです(って、その意味でも単独行動の?韓国はなかなか大胆だな~と感じますが・・・)。

 この手の枠組みが日本の国益に寄与すると考えられる理由は、先述のように、石油という欠くべからざる資源を入手する手段の多様化が図れるため。つまり、この代金を支払うのに、通常はドルを調達しなければならないところ、何らかの事情でこれができなくなっても、本スキームを介せば、本邦物産品とのバーター、あるいはユーロ等の精算等で石油を手にすることができるということです。こちらの記事等でも綴ったように、日本の生命線は石油です。であれば、これを確保するチャネルは多ければ多いほど良い、と考えるべき。したがって、普段は石油をドルで買っていてもかまいませんが、万一の際の代替ルートとして、これらがいつでも使えるようにしておくのが得策でしょう。これは産油国にとっても、そして日本のみならず欧州や中国といった国々にとっても共通の思いのはず・・・

 ・・・って動きがネガティブに作用するのが、アメリカ(だけ?)です。その理由は上述のとおりです。このあたり、米ドナルド・トランプ政権の強硬な外交スタンスとも関連して、今後、どのように発展(?)していくのか(しないのか)、それともアメリカが世界のドル離れ―――ドルの「石油交換券」から「アメ車交換券」への格下げ―――を懸念して、上記制裁の緩和に動くのか(って、この可能性は低そうだが?)、注目していきたいと思います。

(「ドル『石油交換券』から『アメ車交換券』へ?」おわり)

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【韓国にメリット大、イランとの原油・物品バーター取引】ドル「石油交換券」から「アメ車交換券」へ?⑤

2018-12-07 00:04:12 | 世界共通

前回からの続き)

 イランとの石油売買に米ドルを決済通貨に使わない取り組みが同国と韓国との間でもスタートするようです。報道によると1日、イランから韓国向けに輸出される原油の代金をイランが物品で受け取る取引をすることで両者が最終合意したとのこと。その詳細ははっきりしませんが、イランと韓国の中央銀行の間で共同基金を開設する可能性などが取り沙汰されているもようです。

 これ、本稿1回目で書いたイランとEU間の枠組みと基本的には同じだと理解しています。要するにイランと韓国は物々交換を行い、その差額は上記基金等を介して精算するというのでしょう。その狙いはただ一つ―――こうすることで石油取引にドルを使わないようにすること。つまりアメリカのイラン制裁再発動にともなう同国産石油の禁輸措置を回避しようというものだと思います。この先、国際金融ネットワークへのアクセスが絞られるであろうイランにとって、たいへんありがたいスキームでしょう。

 いっぽうの韓国にとってもこれ、メリットが大きな合意と思われます。日本と同じく石油の安定的な確保が最優先課題の同国にとって、世界第4位の原油埋蔵量を誇るイランから石油を物品とのバーターで入手できるのは国家戦略上、大きなアドバンテージとなり得ます。韓国は、イランほどではないにしても、通貨ウォンの相対的な弱さなどから、「石油交換券」ドルの調達に苦労することが多いはず。その意味でも、このドルを介さない石油輸入ルートの構築で、韓国は自身の生命線を強固にすることができると考えられます。こうして石油さえ手に入れば、韓国にはドル(≒アメ車?)は必要ありませんからね。さらにウォンを本取引の精算通貨に使えれば、ウォンのハードカレンシー(国際通貨)化への足掛かりにもなって、なおけっこう、ということに・・・

 他方でアメリカは、この韓国の動きを2つの理由から快くは思わないでしょう。1つ目は、同国がイランと実質的な交易を続けることで、経済的なイラン締め上げ効果が弱まってしまうこと。そして2つ目は・・・これがドルの国際決済通貨(≒石油交換券)としての役割とその価値を低下させる方向に作用すること。まあイランと韓国という、比較的小さな国家間の取り決めだから看過するかもしれませんが、これEUなどとも共有できる枠組みでもあり、それが実現すると上記懸念が拡大するので、アメリカとしてはいまのうちからつぶしておこうとするかも。逆にそうされたくない両国は、イラン核合意に留まる英仏独中ロとの連携を模索して・・・

 ・・・なんて具合の駆け引きが展開されそうな今後です(?)。このあたり、アメリカ、イラン、韓国ばかりではなく、欧州や中国などがどう絡んでくるか、との関連でも、要注目といえるでしょう。

(続く)

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【石油交換券の座を失っても独占を維持すればドルは生存可能か】ドル「石油交換券」から「アメ車交換券」へ?④

2018-12-05 00:01:42 | アメリカ

前回からの続き)

 前述のように、新技術等によって石油の取引が様々な通貨で決済されるようになり、アメリカの通貨ドルが唯一の「石油交換券」から、ユーロなどと同じく「その通貨発行国のモノやサービスとの交換券」すなわち「メイドインUSA(≒アメ車)交換券」に転じたとしたら、ドルの評価は上のイメージの「赤」のとおり、日本車(=)はもちろん、ドイツ車(=ユーロ)や韓国車(=ウォン)にも劣るアメ車並み(の価値)の水準に転落しかねません・・・

 「そこまで極端に減価しないのでは?たとえ石油がドル以外の通貨で買える世界になっても、アメリカ産品には優れたものも多数あるので、これらとの交換券であるドルは一定の価値を保つのでは」そのとおりです。航空機、IT関連、金融、エンタメなどなど、アメリカには世界をリードできるモノやサービスがいくつもあり、その点ではドイツ以外に強みを持つ国が見当たらないEUの「ユーロ」よりは「ドル」は強い通貨になれそうな気がします。

 もっとも、アメリカのこれらは、こちらの記事に書いたように、じつは独占・寡占に依っているから強い、という面もあると考えています。たとえば、世界の航空機市場は米ボーイングや欧エアバスといった数社で寡占を形成していて、新規参入が非常に難しくなっています。OSやスマホやクレジットなども実質的にはアメリカの一企業あるいは数社が世界標準を握っています。いっぽうで他国の企業(とくに本邦企業)は・・・いくら技術的には新しいもの(or もっとよいもの)が作れるとしても、これをデファクトスタンダードde facto standard:事実上の標準)と認めざるを得ない状況です。かくしてこれら領域の米企業は他社に脅かされることなく独占的(寡占的)にドル収益を稼ぎ、世界の投資家には巨額のドル配当をもたらすので、石油交換券でなくなったとしてもドルのニーズは失われない・・・と思われます(?)。

 上記の裏を返すと、上記市場では競争原理が機能していないので、その分、これら企業のモノやサービスを購入する側つまり消費者サイドが高い支払いを強要されている、ともいえます。このダメージは日本を含む世界中の人々に及んでいて、とりわけ各社のホーム市場であるアメリカ・・・の市民たちが最大の被害者だと思っています。したがって本来なら米国民は、自分たちの利益回復のため、上記分野において市場競争が働くようになるよう、連邦政府に対して反トラスト法の厳格適用等を働きかけるべきなのでしょう。これが成功して、当該市場に競争原理がもたらされれば、内外の企業等の市場参入が促され、各社は競争に勝つべく、少しでもよい製品・サービスを安く提供しようと切磋琢磨するから、米消費者もまた多くのメリット(多様な選択肢、高品質品の流通、適正な価格、など)を得られるようになるわけで・・・

 ・・・って、その結果、どうなるか?が上記の自動車信頼度ランキングなわけです。つまり、マーケットメカニズムが働いてしまえば、メイドインUSAは世界(とくに日本)に打ち負かされる、ということ。であればアメリカが、たとえ自国民に上記負担(高コスト・低品質など)を強いることになっても、特定の分野での米企業の独占・寡占を許容しよう、と判断するのも無理はない気がします。そうし続ける限り、たとえ唯一の石油交換券の座を失ってもドルは、これらの独占的価値とともに生き永らえる・・・かもしれないためです・・・(?)

(続く)

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【ドルの本来価値は「自動車信頼度ランキング」の「アメ車」並み?】ドル「石油交換券」から「アメ車交換券」へ?③

2018-12-03 00:01:46 | アメリカ

前回からの続き)

 今後の石油取引において、前述した決済システムの活用や仮想通貨での売買等が広がれば、石油交換券」としての米ドルの相対的な価値は下がり、やがてそれは円やユーロなどと同様の「その通貨発行国のモノやサービスとの交換券」すなわちメイドインUSAの代名詞を用いれば「アメ車交換券」になるわけです。では、その「アメ車交換券」たるドル、「日本車交換券」のや「ドイツ車交換券」のユーロなどと比べ、どの程度の価値を有するものなのでしょうか・・・

 以下のイメージは前々稿でご紹介した、アメリカの消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」の全米30万人のカーユーザーを対象にした自動車の信頼性に関する年次調査結果のうち、評価対象となった29ブランドを国別に色分けしたものです。「青」は日本車ブランド(1位レクサス、2位トヨタ、3位マツダ、4位スバル、など)、「黄」はドイツ車ブランド(7位アウディ、など)、そして「赤」がアメ車ブランド(18位フォード、など)、それ以外(韓国車など)は白枠になっています。

 ・・・「青」は上位、「黄」は中位、そして「赤」は下位と、ほぼはっきりと分かれた印象です。これ、信頼性から見た車の品質が、ブランドではなく、そのブランドの発祥国に左右され、それが「日>独>米」という結果になっているというべきでしょう。もし、このあたりが国とは関係なく、ブランド信頼力に影響されているのならば、赤黄青が入り乱れるのが自然なはずですからね・・・

 何といっても、アメ車ブランドが上~中位には1つも入らず、すべてが18位以下に、他国ブランドに付け入るスキを与えることなくズラ~リと並んでいるさまが壮観(?)です(これらの後塵を拝する結果になった中国ブランド?「ボルボ」[29位!]も強烈だが・・・)。しかも、このランキングを決定したのが、日本人でもドイツ人でもなく、当のアメリカ国民、つまり熱烈なアメ車ラヴが世界一多いマーケットにおける人たちというのもスゴイところ。それだけ贔屓されているにもかかわらず、これですか?という意味です・・・

 本稿との関連でこれを表現すると、「アメ車交換券」ドルは「日本車~」のや「ドイツ車~」のユーロはもちろん、「韓国車~」のウォンよりも明らかに価値が下、ということになります。つまり、信頼度の高い車を買おうとする人は、第一に円を、次はユーロとか韓国ウォンを、それぞれ集めようとするでしょう。そしてドルはもっとも選好されることのない、価値の低い通貨になってしまいます。なぜならそれと交換できるのは・・・日本車やドイツ車、そして韓国車にすらこのように劣る・・・アメ車だからです。 

 アメリカがいまでも―――上述のような貿易決済システムやブロックチェーンのような新技術が広く活用等されるようになり、石油を買うのにドルを決済通貨にする必要性が大きく薄れた現在でも―――ドルを石油交換券の座に留まらせたいとすることの本心がこのあたりに象徴されていると考えています。すなわち、もしドルがこの特権的地位を失って単なる「アメ車交換券」に降下したら・・・これまでとはうってかわって世界の人々・・・は当然、自国民でさえもドルを持とうとしなくなるため、その価格は円やユーロ等に対して暴落し、アメリカは激しいインフレに見舞われて国家存亡の危機に陥ってしまう。これを強く恐怖するからこそ、そして「アメ車」に代表されるメイドインUSAの多くに国際競争力が乏しいこと(その購入券としてのドルの魅力が乏しいこと)を知っているからこそ、アメリカはドルを、自国産品ではなく、石油に紐づけようとし続ける、というわけです・・・

(続く)

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【ドル使わない石油取引が増えるとドルは「アメ車交換券」に】ドル「石油交換券」から「アメ車交換券」へ?②

2018-12-01 00:01:12 | アメリカ

前回からの続き)

 このたびのアメリカによるイラン経済制裁を契機に、欧州を中心に前述のような貿易取引決済システムが構築され、広く活用されるようになれば、自ずと米ドルが使われる頻度や額が下がります。つまり、これまではEU圏のA国がイランから石油を買う際に同国にドルを支払い、B国がイランに自動車を売って同国から代金としてドルを受け取っていたのを、同システムを介せば、イランはモノ(石油と自動車)のバーターをするだけで、同じEU圏のA国とB国がイランとのこれらの輸出入の差額を自分たちの通貨であるユーロで精算すればよいのですからね・・・

 もっとも、今回の上記制裁によってこの手の取引が拡大するようには思えません。これに加わった企業等はアメリカでのビジネスを禁じられてしまうおそれがあるためです。そんなリスクを冒すくらいなら、イランとの商売を手控えて米市場へのアクセスを維持しよう、となるのが一般的な企業心理かと考えられます。

 それでもこの仕組み、石油取引にドルというアメリカの通貨を使わずに済む、というあたりがユニークといえます。そしてこれ、サウジアラビアなどの他の産油国や、中国とか日本などの欧州以外の国々も参加し得るスキームです(サウジあたりは、対米戦略上、この構築や発展に前向きになるのではないか)。こうして本ネットワークが拡大すれば、産油国はドルの資金繰りに必要以上に苦しまないし、EU各国や日中等は上記差額等だけをユーロや人民元、要するに非ドル通貨で決済できるようになって、これまた石油の購入のためにわざわざドルを調達しなければならないという煩わしさから解放されることに・・・(?)

 以前から書いているように、ドルは国際取引の決済に使用される通貨、もっと分かりやすくその特徴を表現した言い方をすれば「石油交換券」であるわけです。石油という、現代文明でもっとも欠くべからざる資源を買うことのできる、実質的には唯一の通貨だからこそドルには価値がある、とされてきました。それゆえにドルは諸外国にとって準備すべき必須の通貨すなわち基軸通貨となり、したがってアメリカはドルを刷って渡すだけで世界中のモノやサービスを手に入れることができるわけです。

 けれど、上記のようなスキームの利用が今後一般的になり、同時に、ビットコインのような仮想通貨等も石油取引の決済に使われるようになると、これらにつれてドルの石油取引における利用が減少し、その石油交換券としての価値も低下していき・・・やがてドルやユーロや円などの他の通貨と同様、「その通貨発行国のモノやサービスとの交換券」に格下げ(?)となってしまうかも(?)。このときのドルは・・・メイドインUSAの代名詞になぞらえて「アメ車交換券」といった感じでしょうか。では、そのアメ車交換券の市場価値はどの程度か、といえば・・・

(続く)

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【EU、米ドルを使わない国際決済システム構築へ】ドル「石油交換券」から「アメ車交換券」へ?①

2018-11-29 00:02:15 | 世界共通

 ドルが基軸通貨・・・というよりは「石油交換券」(私的定義)であることがあらためて実感される出来事だと思います。ですが、これをひとつのきっかけに、石油売買においてドル以外の通貨がますます使われるようになっていくかも。そうなったら、ドルは・・・

 米ドナルド・トランプ政権は今月5日、イラン核合意20157月に同国と米英独仏中ロが合意したもの)からの離脱にともなうイランに対する経済制裁の第2弾を発動しました。これはイランの生命線である石油輸出を妨害することでダメージを与え、(アメリカによれば)同国が進めているとされる核開発を断念させようというもの。アメリカは、イランが外国との石油売買に関連する金融取引ができないよう、国際銀行間通信協会(SWIFT:Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)に対して、アメリカが制裁の対象にしたイランの金融機関向けのサービスを止めるよう求め、実際にSWIFT5日、これに従って同国の銀行の一部に対してアクセスを停止すると発表しています

 Wikipedia等によれば、SWIFTとは、世界各地の金融機関同士のあらゆる通信にクラウドサービスを提供する非上場の株式会社で、現在、200以上の国や地域で1万社以上の金融機関が参加し、国家間の決済に不可欠な通信ネットワークを提供するものです。イランとの各種取引を行う企業はこのSWIFTを利用しているわけですが、アメリカがこれをストップせよ!といってきたことになります。これに反して同取引を続けることもできそうですが、そうするとその企業はアメリカでの商売が許されなくなったり、制裁金を課せられたりするリスクが生じるもよう。となるのはイヤだから、企業の多くはイランとの取引は手控えよう、となってイランは石油輸出や外貨獲得等ができなくなり、窮地に、というのがトランプ政権の目論見みたい・・・

 とまあ、イランが核開発を継続しているという確たる証拠が乏しい(?)なか、イランはもちろん欧州各国や日本などといった同国の貿易相手国にとっても、このアメリカの措置は何とも理不尽に感じられるところ。これでは何のための上記核合意だったのか、となってしまいます。けれど、これに逆らってイランとの付き合いをやめないと今度はアメリカ市場から追い出されかねないわけで、結局は大半の企業等がSWIFTの利用を断念することになるのでしょう・・・(?)

 他方、これを契機に欧州ではアメリカから独立した国際決済システムを構築する構想が浮上しています。これはEUが特別目的事業体(SPV)を設立し、イランが石油と外国の輸入品とを交換できるバーター取引ができるようにしようとするものです。具体的には、イランの石油を輸入したA国の企業が、イランに車を輸出したB国の企業との間で資金の精算を行うことでイランとの間でおカネのやり取りは発生させないようにする、つまり米ドルを石油取引の決済通貨に使わないという仕組みになります・・・

(続く)

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【「円」の価値は「金」を超えるべきだ!?】強い円はやはり最大の国益だ⑩

2018-11-27 00:03:40 | 日本

前回からの続き)

 上のグラフを見れば一目瞭然、わたしたち日本人が安全確実にドル価値=石油購買力を増やすのに有効な手段は、円預金(=日本国債投資)あるいは円のキャッシュをホールドすることになります。そしてその円のリスクヘッジには、前回書いたように(ドル等外貨ではなく)「」(ゴールド)の所有が推奨されるべきでしょう。このあたり、本ブログのあちこちで書いているように、長期的には実質金利(≒成長の配当)は「金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」の順になるところ、円以上にこれをもたらすのは・・・金しかない、というわけです。

 というように、理詰めで考えていくと、こうなる、といういつもの結論に至ります。しかし・・・しかし、です。以下に綴る点を考えると、円はその金よりも強くあるべき、なのではないか・・・?

 「円が金以上に価値があるべきって?さんざん金の価値を認めておいて、それはないのでは?」たしかにそうなのですが、金は他方で・・・これを持つ者には強奪されるリスクをもたらし、持たざる者には強奪したいというインセンティブを与えるような気がするわけです・・・

 大航海時代、中米のアステカ帝国や南米のインカ帝国を滅ぼしたスペインはこれらから大量の金を奪いました。最近ではアメリカが終戦直後のどさくさに紛れて日本やイラクから金を持ち去ったといわれます。「それは昔の話、いまはそんなことにはならないよ」本当にそうでしょうか? かりに近い将来、金本位制が復活して、国家間の決済に金が用いられるようになるとしましょう。おそらく、そのときは日本に多くの金が集まり、いっぽうで現在は国際収支赤字を垂れ流しているアメリカやイギリスなどの国々は金を失います。それは日本が実質的な世界経済の覇権国になることを意味し、いっぽうでアメリカ等はこれまでの特権的地位から転落し、激しいインフレに襲われて、国家国民ともに窮乏化していくことになりかねない・・・。となれば、同じ境遇の仲間と連携して・・・

 ということで、米欧(&中?)諸国は一致団結して、力づくで(?)日本には金を持たせまい!とするかも!? 具体的には、上記決済に金の支払いを履行しないとか、「たくさん持っているとアブナイだろ?だから預かってやるよ」などといって事実上、盗っちゃうとか・・・。残念ですが、いまの(って、じつは昔から?)日本政府・日銀は、この手の外国の理不尽な要求等に簡単に屈してしまうように思えてなりません・・・?

 「猫に小判」のたとえのとおり、わたしたちの生命維持に必要なのは衣食住を満たすモノやサービスであって、金塊ではありません。原材料を除けば、メイド・イン・ジャパンはこれらのほぼすべてを網羅しているわけです、しかも世界一の品質付きで。であれば、その交換券としてのの価値を維持向上させれば、たとえ金が国際通貨に復帰しても、そしてこれを水面下で(ときに暴力や恐喝等、キタナイ方法で?)奪い合うような世界になっても、やっていける―――円で原油などの原材料を確保できる―――と信じるものです。だからこその「強い円はやはり最大の国益だ」―――本稿のタイトルには、そのような思いが込められています。

(「強い円はやはり最大の国益だ」おわり)

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【「金」のみが「円」を上回るドル価値=石油購買力をもたらす資産】強い円はやはり最大の国益だ⑨

2018-11-25 00:00:45 | 日本

前回からの続き)

 ということで、アベノミクスが「カブノミクス」(アベノミクスの私的造語:取り柄は「株のみ」)を追求するあまり、通貨安誘導政策を展開した結果、わが国のGDP国富は激減、自衛隊の戦力は大きく低下、そして、わが国のアキレス腱(エネルギー)はいっそう脆弱になり、あげく、北方領土返還交渉の相手国ロシアには「敵に塩を送る」始末・・・

 本ブログで何度も書いているように、そして本稿のタイトルのとおり、一刻も早く上記の異次元さに気づき、本来の次元すなわちアベノミクスとは正反対の、「」の強さを活かす方向に舵を切るべきだと考えるものです。その過程で、残念ながらその「戻り地獄」(アベノミクスが高値掴みしたリスク資産が暴落すること)は避けられないとみていますが、外国人はともかく日本人投資家(年金基金、本邦企業および個人等)だけでもその被害を最小化するべく、対処を急いだほうがよろしいかと・・・(?)

 上記を意識しながら、あらためて本稿でご紹介した本グラフ(1970年から現在までの米ドルに対する円の価値の推移)をみると、何となくその方向は見えてきます。すなわちまずは単純に円預金(≒日本国債投資)、あるいは円のキャッシュをホールドすることでしょう。逆にドル等外貨への投資はNGです(直接投資も同様)。ただでさえアベノミクスのいまはこれらが円に対して極端に高くなっているうえ、2012年までのトレンドをたどれば分かるように、わたしたちにとっては、利息が付く米国債への投資だって、割に合うものではありません。これらの価値の保存力は円の現金(当然、無利息)にすら負けるためです。したがって、かりに外貨建て資産に投資するとしたら・・・元本割れリスク承知でハイリターン狙いの株とかジャンク債がその対象になりますが、これらは巨大な「双子のバブル」を形成していて、いまは手出しが危険でしょう。なので結論は、円で巣ごもり・・・って、こちらの記事に書いたように、多くの日本人がすでにそうしているので、上記のダメージは多少は緩和されそうです・・・

 次は・・・やはり「」(ゴールド)なのでしょうね。本稿では、円が強いほうが好ましいことの理由は、その意味するところがドル価値すなわち石油購買力の上昇だから、としてきました。したがって、円のほかに安全確実にこれをもたらしてくれる資産、そして「通貨」・・・としての性格を合わせ持つ投資対象は、となれば・・・金以外にないのではないでしょうか。

 実際、は、本稿前段で論じた石油価格の上昇に対して、円をも上回る価値保存力を示しています。1970年つまりニクソン・ショック(米ドルと金の兌換停止)前年まで金は1トロイオンス35ドルでした。これが2012年(アベノミクス前年、原油価格が110ドル/バレル前後に上昇)には同1800ドル付近(10月、年最高値同1792ドル)となりました。すなわち1970年→2012年の上昇倍率は、原油が約60倍(1.8ドル/バレル→110ドル)のところ、金が約50倍ということで、円の約13倍をはるかに上回り、原油に迫る値となっています。よって、不換通貨では世界最強の円のリスクヘッジを図るとすれば、こうした観点から自ずと「」になる、と考える次第です。

 が・・・

(続く)

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【アベノミクス、石油価格つり上げておいて露と領土交渉の異次元ぶり】強い円はやはり最大の国益だ⑧

2018-11-23 00:02:44 | 日本

前回からの続き)

 こちらの記事等、および本稿の前段でも述べたとおり、わが国のアキレス腱はエネルギーとりわけ石油であり、アベノミクス円安誘導のような、原油の円建て価格を意図的につり上げて、この供給を自分から難しくさせるような政策は、実体経済はもちろん国家安保の観点からも採用されるべき政策ではないと考えています。

 で、若干、本稿の文脈から外れますが、そのあたりが感じられる動きがありましたので、指摘しておきましょう。それは・・・ロシアとの北方領土の返還交渉です。

 こちらの記事に書いたように、経済面でのロシアは「石油・天然ガス」だけの国といっても過言ではないでしょう。よって同国の強弱は、単純にこれらの価格の高い低いで判定できると思っています。当然ながら原油価格が高ければロシア(やプーチン大統領)は強く見え、反対に安いときは弱くなってしまうわけです。それと真逆なのが日本のような非産油国で、石油の値段が上がれば経済や国民生活にダメージが及び、下がればこれらが息を吹き返し、景気等が上向くことになります。

 で、北方領土4島(歯舞、色丹、国後、択捉)の返還を求めたい日本としては、上記のことから、ロシアのほうから交渉のテーブルにつかせるべく、戦略的に石油価格の下落を促す方向にもっていきたいところ・・・っても、そのへんは短期的にはなかなか難しいので、少なくとも同価格の上昇に加担するようなことを自分からはしないようにするべき。これで原油の価格が下がれば、ロシアは資金繰りに苦しむようになり、諸外国に対して何かと下手に出るようになるわけです。そこが「狙い目」―――日本にとって同交渉を有利に進めるチャンス―――です。最近では2014年後半からしばらくの間の逆オイルショック期がそうでしたね・・・

 この観点からアベノミクスは・・・手ごわい交渉相手を大いに(?)アシストしてしまっているといえるでしょう。すなわちアベノミクスは、前述のように、超低金利誘導で円キャリートレードによる原油投機を活性化させ、石油の値段を押し上げて、結局はそのロシアを潤し、強くしているということです。そんな局面―――少し前の逆オイルショックでせっかく下がった石油の値段がふたたび上昇トレンドに入っているタイミング―――という、ロシアのほうが強気になれるときにノコノコ出ていくわけだから、そりゃ~本来の4島ではなく「2島返還論」になりますよ(個人的には最低でも「歯舞・色丹+国後島」は絶対に譲れない線だと考えていたのですが)・・・

 ということでアベノミクスは、日本の実体経済を弱体化させるばかりか、大事な領土交渉でも日本を不利な立場に追い込んでいると考えています。そんな異次元緩和・・・ではなく異次元外交を展開してまでも(?)守りたいものは・・・やはり唯一「株のみ」なのでしょうね・・・(?)

(続く)

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