世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【郵貯・農中、税金での救済不可避?】ゆうちょ銀の預入限度額倍増が暗示する「戻り地獄」の悲惨さ④

2019-04-05 00:01:27 | 日本

前回からの続き)

 前記のように、政府が今般「ゆうちょ銀行」の預入限度額をそれまでの2倍に当たる2600万円に引き上げたのは、それによってさらに集まる郵貯マネーで同行に米国債を購入させ、巨額の円売りドル買いを促して「カブノミクス」(「アベノミクス」の私的造語:取り柄は「株のみ」)円安株高モードを維持するとともに、これで米国債価格の押し上げ、すなわち米長期金利の上昇抑制を図り、資産バブルに依存する以外に道がない同国を支えよう、というアベノミクス政府の意図から、といった見方を綴りました。

 しかし、これまた先述のとおり、このタイミングでの米国債&ドル投資は「高値掴み」必至で(?)、多額の評価損を発生させる恐れが非常に大きいわけです。それでも、ゆうちょ銀にそんな無茶を強いることができるのは・・・同行が政府傘下の金融機関であるからにほかなりません。つまり、民間銀行などとは異なり、ゆうちょ銀行の経営者には、株主のチェックや代表訴訟への恐れなどといった、過剰なリスクテイクに対するブレーキが十分に働かない、ということです。というか、同行に言わせれば、株主である現政府自らが米国債投資を欲しているからその指示に従うしかない、といった感じなのでしょう・・・

 ・・・ですが、あらためて強く意識されるべきは、ゆうちょ銀・・・の株式の過半を保有する「日本郵政」の一番の株主が現時点で政府すなわち国民だということ。であれば、ゆうちょ銀が上記の米国債「高値掴み」投資に突っ込んで、約束通りに(?)被るであろう大損害は、わたしたち一人ひとりのダメージになるわけです。それは具体的には、債務超過に陥った同行を救うのに必要な兆円単位(!?)もの巨大財政資金を工面するべく大増税が実行される、みたいなかたちを取るのではないでしょうか・・・って、もちろんその際は、財政健全化のために増税するのであって、米国債投資に失敗した、ゆうちょ銀の救済原資を集めることが第一の目的ではない、などと弁明するのでしょうねアベノミクス政府は・・・

 同じような懸念は、こちらの記事で書いた「農林中金」についても想定されます。この金融機関も、ゆうちょ銀と同じくアベノミクス政府の米国債等「高値掴み」専門(?)ヘッジファンドです。したがって、その破綻とベイルアウトBailout:税金注入による救済)のタイミングも、ゆうちょ銀と同時になるようなイヤ~な予感がするものです・・・

 ここでもし、ゆうちょ銀も農林中金も、完全な民間金融機関であれば、万一経営破たんした場合でも、その損害はそれらの利害関係者がそれぞれ責任を負う―――株主は株価ゼロになることで責任を負い、債権者は債権放棄に応じ、預金者はペイオフ以上の預金を失う―――ことで、国民全体へのダメージ波及は食い止められたことでしょう・・・って、そもそも民間銀だったら破綻につながる上記高値掴みなんぞしないだろうけれどね、おそらく・・・

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【カブノミクス維持・米国支援が目... | トップ | 【米国債投資の成功がトホホ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本」カテゴリの最新記事