世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【小説家の仕事は小説を書くこと、政治家の仕事は法案を書くこと、だが…】この国に「政治家」なんていない②

2021-01-07 20:56:20 | 日本
前回からの続き)

 前回、小説家の村上春樹氏がネットのインタビューで、総理大臣でさえ紙に書かれたことを読んでいるだけの日本の政治家は、自分のメッセージを自分の言葉でたかることができないという点で最悪、と語ったことについて、それは政治家(すなわち国民)本来の役割をすべて政府(官僚機構)が担っている等のために、政治家は政府が紙に書いたことを読むくらいしかできないため、みたいなことを書きました。

 ところで、小説家の仕事とは・・・当たり前ですが「小説家を書くこと」になります。村上春樹氏が現代日本を代表する世界レベルの小説家であることはいうまでもないところです。では、政治家の仕事とは何でしょうか?これ意外に難しいかも(?)。政治家って・・・村上氏が言及したのは首相や大臣・・・ということは国会議員になるわけです。じゃあ国会議員って何を仕事にしているの?答えは「法案を書くことになります。国会とは「立法府」すなわち法律を作る場であるから、その構成員である国会議員の本業は当然、こうなるわけです・・・

 ・・・が、実際にはそうなってはいません。わが国では主要な法律の大半を立法府ではなく行政府、つまり国会議員(≒国民)ではなくて官僚が作っている・・・のは以前のこちらの記事、そして前述のとおりです。ということは、政治家(国会議員)なのに、その役割を果たしていない、ということであり、それは小説家を名乗っているのに小説を書いていないのと同じ。では政治家は国会で本来業務(立法活動)もしないで何をしているのか、というと、多くの場合、官僚が「紙に書いたことを読んでいるだけ」、つまり首相や大臣らは「木で鼻をくくったような」と評される文字通りの官僚答弁を繰り返し、閣僚ではないヒラの(?)与党議員は官僚が書いた法案に賛成するだけ、そして野党議員はこれに反対するだけ、といった感じ。どっちの側にせよ、どの政治家にとっても、自身が起草した法案やらそのベースとなる自身の政策があるわけではないので、それらへの思いやこだわりも希薄だから、彼ら彼女らの言葉にメッセージ性が感じられないのはもっともなところ・・・

 ただし、上記の現状を政治家個々の資質のせいにするわけにもいかないでしょう。個人的には、わが国では本当の意味での政治家つまり「法案を作る人」(ローメイカー:lawmaker)としてのポテンシャルのある方も少なくないかと思っています(って、国会議員なのだからそうでないと困るわけですが)。けれど実際には上記のとおり・・・

 ・・・ってことは、やはり前回指摘したとおり、日本の政治家には主権がない、すなわち立法権を行使できない、もっと実態に即していえば、この国では政治家が立法権を行使するために必要な仕組みが欠けている、とみるべきでしょう。逆にいえば、これも前述のように、政策、予算、そして法律と、国家の枠組みに関する意思決定は事実上、すべて政府(官僚機構)が行うようになっているので、国民の代表である政治家はお呼びでない(?)・・・のですが、そうもいかないので、閣僚とか衆参両院議長とかには政治家を据えるけれど、彼ら彼女らには政府のシナリオ通りに動き、発言等をしてもらう、みたいな・・・

 上記に関し、政治家が所属する立法府を事実上、骨抜き(?)にしている組織のひとつが「内閣法制局だと思っています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【小説家の村上春樹氏、日本... | トップ |  【内閣法制局、GHQに解体... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本」カテゴリの最新記事