世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【中国が覇権国になるには・・・】中国との関係改善を急げ⑤

2016-07-29 00:04:15 | アジア

前回からの続き)

 以前のこちらの記事や本稿でこれまで綴ったように、アメリカ、そして英国を含む欧州各国と中国との間には決定的な対立などないどころか、米英欧と中国はお互いを必要とし合っているわけです(英国なんぞは、中国製の原発!にロンドンの電力供給を任せるくらいに)。だから日本は「G7 vs. 中国」みたいな間違った図式を描くことなく、上記現実に則した外交政策、とくにいまは冷え込んでいる対中関係の修復に最優先で乗り出すべきだと考えます。本稿で取り上げているアジアインフラ投資銀行AIIB)への参加は、そのための手ごろな一歩となるでしょう(?)。これを躊躇する理由なんてないはず。何せAIIBには英国ドイツなどの欧州主要国も堂々と入っているわけですからね・・・

 で、気になる中国の今後ですが、個人的にはこちらの記事等に書いた理由から、同国が世界経済や金融の覇者になることはないと考えています。大丈夫です、中国がスーパーパワーになり上がることはありません(?)。なので、いまの日本は過剰に中国を脅威視したり刺激したりすることなく、無難な範囲で付き合いを進めるのが得策。南シナ海問題でも中立の立場を取るべし。そうこうしているうちに中国のほうがオカシクなっていくからね、きっと・・・(?)

 ・・・って、中国ばかりではありません。欧州も、そしてわれらがアメリカ様まで、同じようにグラグラしていくでしょう。この3者、もはや共倒れは必至です(?)。だからこそわが国は当面、誰とでも仲良く、でも深入りはしない―――「金>円>外貨」が教えるとおり、いまのタイミングで外国に行き過ぎた投融資はしない―――という外交&経済スタンスを保つべき。そうすればわたしたちは、皆さんが勝手にコケていくなか(?)、本当に日本の時代が来たと思えるときを迎えるでしょう・・・

 ・・・おっと、中国には一発逆転の策、すなわち「金準備のアメリカ超え」がありますね。金(ゴールド)を低価格で仕込むために(金価格の高騰を招かないように)国際社会に対してダマテンで金を蓄え続け、その量がアメリカの保有量(公称約8千トンあまり)を凌駕したところで世界に「わが中国は1万トンの金を所有するに至った!」と高らかに宣言する・・・みたいな手です。これが叶えば中国は、アメリカに替わって覇権国、すなわち世界一大量の金で裏打ちされた強い通貨を持つ国に上り詰める・・・

 ・・・って、その可能性は高くはないだろうな・・・。たしかに(どこかの国と違って?)中国の支配者たちは格段にクレバーだからそうしたプランも思い描いているでしょう。しかしそこまで行く前に―――十分な金準備を保持する前に、現体制は動揺・瓦解しそうですからね。そのとき身の危険を感じた中共幹部らはきっと、しこたまかき集めた金を抱えて何と!アメリカへ逃亡してしまうに違いない!?・・・ってことは、やはり世界覇権は今後も、こんなふうにして中国から大量の金が流れ込む(?)アメリカ様の手中にある・・・!?

(「中国との関係改善を急げ」おわり)

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【日本のほうが中国よりも有利な立場にある】中国との関係改善を急げ④

2016-07-27 00:04:21 | アジア

前回からの続き)

 こちらの記事とか本稿の2回目などに書いたとおり、今後のアメリカは、大統領が誰になるかに関わりなく、もはや日本などの同盟国を守るための歳出を大きくカットしていくしかないでしょう。双子の赤字」(貿易赤字&財政赤字)体質の改善がまったく進まないばかりか、アメリカはこの先「双子のバブル」(株&債券)崩壊にともなって金融システム救済に桁違いの巨額公的資金を準備しなければならず(って、実際にはこれに耐えられないものだから、FRBQEを通じた永遠のバブル膨張策しかないのだけれどね?)、とても「世界の警察官」を続ける余裕なんてないわけです。わが国にとってこれは、日米安保のガードが日増しに弱体化していくことを意味します。

 そんな微妙な情勢のなか、わが国はいつまでも中国に敵対的な姿勢を取り続けるべきではないと考えます。本来は中国の脅威から日本を守護すべきアメリカの軍事的退潮ぶりは避け難いし、何よりもそのアメリカ様自身が日本・・・よりも中国(のマネー)にベッタリだからです。やはりわが国はアメリカのパワー低下を冷静に見極め、自分の身は自分で守る、という当たり前の国是に立ち返り、現時点で第一の仮想敵国である(?)中国との関係改善を、好き嫌いの感情等を乗り越えて進めるべきでしょう。

 ・・・だからといってわが国は中国に「すり寄る」必要なんてまったくありません。なぜなら日本はいま、中国(ばかりか欧米を含む世界各国)などよりもずっと有利な立場にいるからです・・・って、軍事力などではなく、経済状態や通貨・金融の面で。ようするに前稿で綴った「金>円>他通貨(ここでは、人民元)」ということです。

 先述、そしてこちらの記事で書いたように中国もまたアメリカと同じようにバブル崩壊から資産デフレへ向かう局面にあり、今後、金融システム内の過剰不良債権や国営企業・地方政府が抱える過剰債務にメスを入れざるを得ません。だからといってマトモにこれらに切り込んだら「貸し渋り」「貸し剥がし」「リセッション」「デフォルト」「失業の増加」等で社会不安が高まり、やがて中国大陸のあちこちで反政府運動が起こって共産党体制が危機にさらされてしまう。中国支配層にとって、そうした自国民の反乱こそ、アメリカが南シナ海で展開中の「航行の自由作戦」なんぞよりもずーっとコワイ事態・・・。

 ・・・といったあたりがいまの中国の置かれた厳しい状況でしょう。端的に言えば、同国もまたアメリカ同様、国内の不満分子の抑え込みに手いっぱい(?)だということです。そのあたり、バブル清算を終えている日本には中国の「足元を見る」ゆとりがありそうです。というわけで同国との関係修復に向けては、わが国は「苦しいのは相手のほう」という「上から目線」的な意識を隠し持ちながら、上位者の余裕で中国に貸しを作る、といったビジョンを描けるのではないかと・・・

 ・・・そんな意味でも、繰り返しになりますが、アジアインフラ投資銀行への参加は日本にとってちょうど手ごろな対中融和策になると考える次第です。

(続く)

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【米中は濃密な相互依存関係にあると認識すべき】中国との関係改善を急げ③

2016-07-25 20:02:51 | アジア

前回からの続き)

 この国のメディアは何かと「日米 vs. 中露」みたいな冷戦時代の図式をいまだに描きがち。でも現実の世界はもっと複雑です。たとえば米中両国は、かつてのような全面的な対立関係にあるわけではありません。たしかに人権問題や南シナ海の国境線問題などを巡っては両者の意見が合わないようにみえます。しかし経済・金融・通貨の面では、両国は互いに必要とし合っていますアメリカは中国にドル(米国債)を買い支えてもらっているからこそ(軍事力を含めた)世界覇権を維持できているし、中国だってそのドルの信用に裏付けるかたちで自国通貨・人民元の国際的な地位向上を図っているのですから。このあたりは、日本が他国に頼ることなく自国の国債で円の信認を保っているのとまったく違うところです。

 もちろん中国は、多すぎるほどの米国債を抱えることでアメリカに恩を売りつつ、いっぽうでは「ウチに何か不利益なことをしたら、いつでも米国債を売り崩すからね」みたいな無言のプレッシャーを同国に対してかけているつもりでしょう。でも・・・資産バブル崩壊と国営企業等の巨額債務に対して、ポストバブル期の日本がとったバブル清算策(不良債権の抜本的処理、債務圧縮、経営者・株主・債権者責任の追及、などなど)がもたらす社会不安≒共産党体制動揺に耐えられない中国は、この正攻法によらず、結局は借金穴埋めのための通貨大増刷=インフレ策に走らざるを得ない・・・。そのとき、減価する人民元の信頼をかろうじて支えるのが、巨額の外貨準備=ドル・・・というわけで、ドルにすがる以上、やはり中国はアメリカとはケンカできない。こうして米中両国は、おカネが理由で離婚ができない仲の悪い夫婦みたいな(?)相互依存の関係を続けていくしかありません・・・(?)

 そんなふうにみてくると、今回冒頭のアメリカ対中国という構図が成り立たないことが分かってきます(?)。つまり日本にとっては「中国の脅威増大に立ち向かうために日米同盟をさらに強化するべきだ~」みたいな「アメリカにつく」という考え方も、「これからは中国の時代だから日本はアメリカと距離を置いて中国ともっと親密になるべきだ~」といった「中国につく」という発想も、正しいとはいえないということ。なぜなら双方とも、アメリカと中国が敵対し合っているという間違った前提に立っているから。実際の両国は上述のように持ちつ持たれつの間柄にあるわけです。であれば日本は、米中どちらかに加担することも、どちらか一方をむやみに敵視することなく、両国とバランスを取った付き合いを進めるべきでしょう。

 以前こちらの記事に、わが国は中国が設立を主導したアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加するべきだと書いたのは、そんな理由からです。だからこそ、日本の将来のAIIB参加に道を開く(?)鳩山元首相の同行顧問への就任を個人的には前向きに捉えています。

続く

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【アメリカは日本防衛のコスト負担に耐えられない】中国との関係改善を急げ②

2016-07-23 00:00:43 | アジア

前回からの続き)

 前回綴った事情から、中国主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の顧問にあたる「国際諮問委員会」の委員に鳩山由紀夫元首相が就任することについては、国益の観点からプラスの面があるため(?)日本政府も黙認しているものと推測しています。

 で、そのねらいは・・・まあ当然ながら、AIIBが融資するアジアのインフラ投資プロジェクトに日本企業が参画しやすくする、といった面があるでしょう。現時点でわが国はAIIBには不参加のため、経済からは同プロジェクトの入札等で本邦企業が不利な扱いを受けるのでは、といった心配の声が出ていました。日本の元首相である鳩山氏がAIIBの上記委員に就くことで、この懸念がある程度、和らぐものと予想されます。

 ・・・といったあたりはともかく、日本としては、政府が暗黙の了解を与えた(?)鳩山氏のこの行動を、冷え込んでいる日中関係の修復に向けたきっかけのひとつにしたいものです(きっと政府はそうしようとしているはずだ)。というのは、中国との緊張緩和―――これは安全保障の視点から、これから先の日本にとってきわめて重要な外交課題となってくるからです。別の言い方をすれば、近い将来、日本は自国を守るために日米安保条約すなわちアメリカの武力を当てにすることができなくなる事態を想定しなければならない→であれば、わが国は自分自身で思考して隣国とりわけ中国との関係改善に取り組むほかない→AIIBとの関わり強化はその一環、といった感じになります・・・

 以前の記事に書いたように、「アメリカはもう戦争ができない」とみなすべきでしょう。なぜなら同国がいま、何らかの戦争を始めたら、ドル(=米覇権の土台)の信認が吹き飛んでしまう、などのためです。ここでアメリカ自身を破綻に追い込む戦いには日本を守るためのものも含まれると考えるべき。なかでも日本の軍事的な仮想敵国(?)ナンバー1(?)の中国とは、アメリカはたとえ日本のためであろうとも絶対に戦うことはしないはず。こちらの記事で述べたようにアメリカは、モノもオカネも中国にどっぷりと依存しなければ国を保てないからです(もちろん中国にとってのアメリカも、そう)。そんなお世話になりっぱなしの国に戦いを挑むなんて、ありえません・・・。

 アメリカではとうとう、日本の防衛に関心の無い(?)ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補として正式に指名されました。これは同氏が特殊というわけではけっしてありません。それだけ多くのアメリカ人がトランプ氏・・・の対外軍事費を大幅にカットしようといった主張に共感していることの表れです。もちろんその費用には、日米安保にかかるコストも含まれるわけで・・・

続く

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【鳩山元首相、AIIB顧問就任要請を受諾】中国との関係改善を急げ①

2016-07-21 00:04:50 | アジア

 微妙な世界情勢のなか、日中関係が少しずつ好転している兆しがみられます(?)。そう、日中両国は対立を乗り越えて手を携えなくてはなりません。わが国にとっては安全保障の観点からも・・・

 報道によると今月16日、鳩山由紀夫元首相は、中国の主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の顧問にあたる「国際諮問委員会」の委員への就任要請を受諾する考えを明らかにしました。同氏は今月4日、AIIBから電子メールで正式な就任依頼を受けたそうで、「アジアのインフラ整備に日本の技術力は重要だ。何らかのお手伝いができればと思う」と述べたとのことです。で、一部メディアは同氏のこの動きを、アメリカなどとともにAIIBへの参加を留保している日本政府のスタンスに反している点でマイナス視している感じですが・・・

 ・・・個人的な推測ですが、鳩山元首相の上記委員就任に向けたアクションは日本政府≒安倍政権も暗黙裡に了解しているものと考えています。以前こちらの記事に書いたように、わが国にとってAIIBおよびこれが融資する足元アジアのインフラプロジェクトに関わることは国益の増進に資する面があるからです。さらにいえば本邦政府はおそらく、尖閣諸島の領有権争いなどで冷え込んだ日中関係の改善に向けた取り組みの一環として、日本の元首相がAIIB顧問に就くことはポジティブだと判断しているはずです・・・(?)

 ここで、日本はプラスかもしれないのに、どうしてAIIBへの参加を見送ったか?ですが・・・やはりアメリカ様に対する遠慮でしょう。アメリカが入らないのに日本のほうが先にAIIBに参加します!なんて(コワくて?)とても言えませんからね。けれどAIIBとは何らかのつながりは持っていたい・・・で、鳩山氏の登場となったのではないか。本来ならば上記委員は安倍政権の重鎮や与党関係者などが適任のはずですが、そうした方々だとアメリカには日本政府は中国寄りか?なんて疑いの目で見られてしまう。でも鳩山氏ならば、いまは亡き民主党時代の首相経験者で現政府色が薄く、アメリカには上記委員参加は氏個人の判断の範疇だなんて言い訳ができるし(?)、いっぽうでは元総理ということで中国に対しては関係修復に向けた日本の真摯さをアピールできる、というわけです(?)。

 こちらの記事でも紹介しましたが、鳩山元首相は以前も似たような役回りをしています。昨年3月、同氏はクリミア半島併合問題で欧米諸国とロシアが鋭く対立していた真っ最中にロシアを訪問したうえ、同国のスタンスに理解を示す発言をしています。その是非は別として、これがその後の日ロ関係に前向きなインパクトを与えたのは事実でしょう(?)。

続く

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【「円」より「下界」に降りてはならない】「金>円>ドル>ユーロ>他通貨」Brexitが証明⑦

2016-07-19 00:01:02 | 世界共通

前回からの続き)

 「金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(実質利回りの大きい序列を示す不等式)―――最強通貨「円」を持つわたしたちはこの式のとおり高みの見物―――円よりも下位の通貨の「ドングリの背比べ(?)」見物(欧米銀M&Aの行方、Brexit後の英シティと独仏都市の金融拠点を巡る主導権争い、などなど)―――を決め込み、しばらくは彼らがいったいどうなっちゃうか、をのんびりと(?)眺めながら、自分自身(日本国、そして円)への投資さらに「金」(ゴールド)の買い増しで「巣ごもり」したいものです。

 で、その巣ごもり、いつまで・・・って、次の「春」まで―――欧米そして世界各国に妥当な金額で投資できるようになるまで、具体的には1ドル・1ユーロが30~40円くらいになるまで、ですかね!? なので、間違ってもいまのタイミングで、彼らと一緒になろうと自分のほうから円よりも「下界」に降りていっては(円を売って下位通貨国の通貨や資産の購入・投資をしては)なりません・・・(?)

 ・・・って無理か、「アベノミクス」が「円>外貨」に逆らって外貨をしこたま高値掴みしてしまったいまとなっては。せめてそんなアベノミクスがもたらす「戻り地獄」から日本国民の多くが円よりも唯一上位にあるで逃れられるよう、祈るばかりです・・・(投資判断は自己責任でお願いします)

(「『金>円>ドル>ユーロ>他通貨』Brexitが証明」おわり)

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【米「双子のバブル」またも膨張!】「金>円>ドル>ユーロ>他通貨」Brexitが証明⑥

2016-07-17 00:01:12 | 世界共通

前回からの続き) 

 「Brexit」(英国のEU離脱)決定でマーケットがリスクオフ・モードに振れたこともあり、いま欧州各国では巨額の不良債権を抱える銀行の株価が下げ止まりません。まあイタリア(不良債権額3600億ユーロ!?)は分かるとして、スゴイのはユーロ圏の盟主ドイツ・・・の銀行、なかでも独銀最大手のドイツ銀行株の急落ぶりです。ブルームバーグ報道によれば、ドイツ銀の時価総額は一時、純資産の1/4の水準にまで落ち込み、他銀行によるM&Aの可能性まで取り沙汰されているとのこと。で、ドイツ銀の合理的な買い手として投資家に想定されたのが何と!英銀バークレイズやスペインの最大行サンタンデールなのだとか・・・。公的資本注入が不可避の(?)英国やスペインの銀行がドイツの銀行を買収する(!?)って・・・ホント、気を失いそうです・・・

 いっぽうのアメリカでは株価が史上最高レベルに達しています。そのうえ米国債もまた高値をつけ(長期金利は1.6%付近にまで低下して)、ハイイールド債のスプレッド幅も今年2月以降は小さくなってきている・・・ってことは、「双子のバブル」(株&債券)がまたもや再生してきたわけです・・・(?)。市民戦争すら危惧されるほどの異様な状況なのに(!?)、いったいなぜ・・・

 ・・・って、以前から書いているように、この明らかに高過ぎの株価&債券価格はもはや米実体経済とか企業業績予想などではなく、もっぱら現状の主要中銀(とくに黒田日銀!)の緩和的な金融政策、そしてさらなる同緩和への期待すなわち近い将来、FRB(中銀)は現在の利上げ(バブル収束)路線を断念し、再度の利下げそしてQE4(量的緩和策第4フェーズ)に乗り出すほかない、なんて観測の反映でしょう。そう、アメリカにはそれしか―――QE継続による永遠のバブル膨張路線しかないのだから・・・って、これで短期的に株価は上がるかもしれませんが、ドルは・・・

 ・・・以上からも容易に推察がつくように、そして本ブログでしばしば指摘しているとおり、欧米諸国(ついでに中国)にはとっくの前から通貨の大増刷しか道はありません。あとはそれがいつド派手に始まるのか、ですが、Brexitを機に英国でいま起きている不動産ファンドの解約停止騒動はそのスタートが間近いことを知らせてくれているのではないでしょうか。2007年の米サブプライム・ローン・バブル崩壊も仏銀BNPパリバ傘下の同種ファンド解約停止から始まりましたからね・・・

続く

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【アベノミクス悲劇は「円>外貨」の無理解が原因】「金>円>ドル>ユーロ>他通貨」Brexitが証明⑤

2016-07-15 00:01:46 | 世界共通

前回からの続き)

 前回、日本以外の世界が資産バブル崩壊プロセスにあるいま、わが国は通貨の強さを示す不等式「金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」にしたがって、諸外国の金融資産投資や対外直接投資はせず、自らへの投資―――金融資産ならば(≒日本国債)およびゴールド)!、そしてプロジェクト等ならば日本国内で一定の利益が見込めるもの―――に集中することが得策といった見方を綴りました。

 ・・・ああそれなのに!―――「円>外貨」にもかかわらず、これに歯向かい、円よりも実質利回りの低い外貨投資にのめり込むのが「アベノミクスです。こちらの記事を含めて本ブログでさんざん指摘していることなので、ここではシンプルに書きますが、アベノミクスとは黒田日銀の金融政策「異次元緩和」(量的質的金融緩和)による円安外貨高誘導によって外貨のリターンが円を上回っているように錯覚させる黒魔術(黒田魔術:実際には損しているのに得したように幻惑させること[私的造語])に過ぎません。でも本質的に「円>外貨」である以上、その魔術の効果が長続きするわけはなく、結局はこの外貨投資、巨大な為替損を発生させて壮大な失敗に終わることが見えている・・・

 ・・・このあたりのカラクリを、わが国の「民」間金融機関は分かっているものとみられます。先日のこちらの記事でご紹介のように邦銀経営者の方々は、いまは「巣ごもり」の時期との意識をしっかりお持ちですからね。なのでこの先の円高外貨安局面でもそれほど大きな損失は被らないでしょう。

 問題はアベノミクスの意を汲んだ「官」つまり(日銀を含む)政府系金融機関と、わたしたちの年金原資を運用する年金基金(GPIF)です。ハッキリ言って「アウト」―――大ダメージは避けられませんね。だからこそ与党はGPIFの昨年度運用成績の正式公表の時期を今月下旬に遅らせた・・・って、本来の今月上旬に公開していたら参院選に悪影響が及んだからね。つまり国民に見せられないほどの悲惨な実績―――巨額運用損を発生させてしまった、ということなのでしょう。もうアベノミクスの「戻り地獄」は始まっているよ・・・

 すでに「Brexit」(英国のEU離脱)決定後の英国イタリアなどから伝えられているように今後、欧米諸国では大銀行の不良債権問題がますます深刻化し、これらに対する巨額の公的資金投入はもはや不可避ですが、こちらの記事に書いたとおり、各国にできることは紙幣の大増発のみ。よって彼らの通貨―――ユーロポンド、そしてドル―――は必然的に円そして金に対して減価する・・・。こうみれば円でこれら通貨や同通貨建て資産を買うのが日本人にとっていかに危険かが分かるというものです。

 アベノミクスはこのへんがまったく分かっていなかった―――「金>円>外貨」の序列構造が理解できていなかった―――まもなく明らかにされる(?)国民的悲劇(年金支給開始年齢の引き上げ・年金支給額のカット等)の根本的原因は、ココにあります(?)。「くそ~、みんな円高のせいだ~!」―――違いますね。「円>外貨」に逆らって無茶な円安外貨高を演出した局面で外貨建て資産等を超高値掴みした政策のせいです・・・

続く

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【いまの日本は金・円・内需投資が正解】「金>円>ドル>ユーロ>他通貨」Brexitが証明④

2016-07-13 00:02:11 | 世界共通

前回からの続き)

 金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(実質利回りの大きい順)だから、以上のリターンをドル等外貨への投資で得るのは至難―――この理屈は、前述した金融資産投資だけではなく、海外プロジェクトとか工場建設などの対外直接投資でも当てはまります。これらは本邦企業等にとって、現地通貨の対円減価リスクを差し引いてもプラスリターンが期待できるほどのものでなければペイしないという意味です。

 それを物語る一例が、インドネシア高速鉄道事業の応札レースで日本が中国に敗れたケース。技術面だけをみれば日本の対中優位は揺るぎませんが、ここではおカネの面で日本が無理をしなかった―――「円>ドル等」の観点から投資効率がよくないと判断される事業を、わが国は採算割れを承知で取りに行くようなことはしなかった、ということ。冷静かつ合理的な判断といえます。結果、「ドル等>人民元(新興国通貨)」の中国がこれらを次々に受注しても、わが国は悔しがる必要なんてありませんからね。というのもそれらプロジェクトのリターンは多くの場合「円」(≒日本国債)に及ばないのだから・・・

 ・・・逆の見方をすると、英国に工場進出している日産自動車や日立製作所(鉄道事業)などの日本企業はこのたびの「Brexit」(英国のEU離脱)決定で少なからぬダメージを被りそうです。現地通貨ポンドが円はもちろん、ドルやユーロに対しても大幅に値下がりし、為替差損が膨らむからです。なので在英本邦各社にはどうか債権回収を急いで、これ以上の損失拡大を防ぐとともに、「円>ポンド」にしたがって今後の英投資を手控えるよう、望みたいところです。くれぐれも英国の外国企業引き寄せ策(法人税率引き下げなど)におびき寄せられることがありませんように・・・

 他方、日本国内のプロジェクトは、ほんのわずかでも便益をもたらすものであれば、それは成功といえます(国債利回り以上のリターンが望ましい)。なぜなら、「円>外貨」の世の中で円のプラス利回りを得られるということは、ドルユーロなどの目で見ればそれは超優良案件を意味することになるためです。当然、それほどの上玉はそうはないでしょう。ですがいま、これらを見出せるのは事実上、日本だけ。そしてこれらを積み上げることこそ、わたしたちの真の意味での経済成長と生活向上につながります。

 ・・・以上からいえるのは、日本以外の諸国がバブル全面崩壊からその終末(外貨総崩れ=無限印刷?)に至るプロセスにあるいま、わが国は国も企業も個人も「巣ごもり」が正解、すなわち金融投資・直接投資の対象を海外に求めることはせず、円そして日本国(内需)に絞るのが得策だということです。これまた「金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」が教えるとおりです・・・って、ゴールド)の保有だけは円のリスクヘッジで別格扱いですけどね!

続く

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【「円>外貨」だから日本人の外貨投資はNG】「金>円>ドル>ユーロ>他通貨」Brexitが証明③

2016-07-11 00:00:17 | 世界共通

前回からの続き)

 本稿では、上記グラフを示して金>円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(実質金利の高い順)が成り立つさまを見ています。前回は、この不等式が教えるように、のリスクヘッジとなる外貨は「」(ゴールド)だけであることを指摘し、資産保全・形成の観点から日本は(国も個人も)金をもっと持つことが望ましいといった個人的な見解を綴りました。

 では、円を持つ日本人にとって円未満の通貨すなわちドル等の外貨建て資産はどうなのか(買えるのか/投資できるのか)?・・・ですが、結論からいうと、円預貯金や金の値上がり益以上のリターンをドル等外貨投資で得るのは困難ということになると考えています。以下ではそのあたりの根拠について綴ってみたいと思います。

 まずは外貨建ての預金や債券投資に関して。これは上記不等式のとおり、つまりドルをはじめとするすべての外貨の実質利回りが円のそれを下回るため、FXみたいな短期勝負は別として、外貨預金等は日本人の中長期的な資産運用の対象として適当ではありません。以前こちらの記事で「ストラテジスト」(外貨投資を指南する投資戦略家!?)なんていらない、と書いたのはこのためです。

 したがって外貨建て資産への投資で円(の預貯金≒日本国債)以上のリターンを得ようとするなら、どうしても株やハイイールド債(ようするにジャンク債)みたいなリスク投資に賭ける以外にありませんが、これで恒常的にプラス利回りを勝ち取るのは至難の業。これらはもとより元本が保証されないリスク資産であるうえ、上記事情から為替差損まで発生させるおそれが高いからです。まあ、なかには円高外貨安の局面でも円換算の株価が上昇するような高パフォーマンスの外国株もあるでしょうが、そんな優良銘柄はそうはないはず。なにせ「円>外貨」のハンディがありますからね・・・

 で、このハンディ、欧米銀行が日本でのビジネス展開に苦戦する理由にもなっています。これら外銀の元手は円よりも弱い(実質利回りの低い・価値保存力が小さい)ドルやユーロだから通常、日本人からはなかなかおカネを集めることができません。よって彼らは、ジャパンマネーを取り込むためにハイリターン狙いを煽って上記リスク資産の販売に力を入れることになります。でも本能的にそれらのヤバさを知っている本邦投資家の大半は手を出そうとしない。で、あせった彼らの一部はつい違法なセールスに手を染めて金融当局に業務停止などの処分を食らったあげく、すごすごと日本を去っていくことに・・・

 こちらの記事でご紹介した米銀シティグループの日本(個人向け)事業の撤退にはこのような背景があるわけです(?)。

続く

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