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【FRBが金融緩和しても引き締めしてもインフレになる理由】アメリカにはインフレ高進以外のコースはない②

2022-01-23 00:02:32 | アメリカ
前回からの続き)

 約40年ぶりとされる年率7%もの消費者物価(CPI)の上昇、というよりも実質金利マイナス5%(≒長期金利2%弱-CPI)という(おそらく)戦後最悪のインフレにあえぐアメリカ。であればジョー・バイデン大統領としては、中間選挙を控える中、インフレ鎮静化を最大の政策目標と位置付けるしかないでしょう。で、そのためには物価の番人たる中央銀行FRBに行動を求めるのは当然です。が・・・

 本ブログでは、最近ではこちらの記事を含めて繰り返し論じてきたことなので詳細は省きますが、FRBはもはや中銀としての責務(≒インフレファイト)を果たすことができなくなっていると考えています。つまり、FRBには金融緩和(≒インフレ喚起)はできても同引き締め(≒インフレ抑止)はできない、ということ。となればアメリカの現下のインフレ(実質金利のマイナス数%以上の状態)は永続する!?しかないでしょう・・・

 「そんなことないよ、FRBは利上げ(金融引き締め)を急げばいいよ、そうすれば実質金利はプラス圏に浮上するよ」たしかにそうですね、理論上は。ですが・・・(これまた何度も書いているところですが、繰り返しておくと)実際にFRBが政策金利を引き上げたら・・・借金金利の上昇・債務者(企業・家計)の資金繰り悪化→支払い原資ねん出のために株や不動産を売却→株価・不動産価格が暴落→これらの含み益が消滅(どころか巨額の含み損が発生)して消費激減・リセッション深刻化→企業・家計の多くが破綻・失業率急上昇・金融機関の不良債権激増→リスク資産価格がさらに下落→大半の米銀が債務超過堕ち→・・・って、ようするにデフレ・スパイラル(資産価格の下落→景気悪化→さらに下落→ますます悪化→・・・)の発生を防ぐことができなくなってしまいます。

 「たしかに資産デフレになってしまうかもしれないが、インフレはおさまるのでは」いいえ、このデフレ・スパイラルこそ真性インフレ・・・って俗にいうハイパーインフレ(米ドルの「紙くず」化)に至る道です。これまた以前も綴っていますが、上記のデフレ深化・不良債権激増の過程で債務超過に超~転落する銀行のベイルアウトに必要な公的資金が天文学的にデカくなるために米連邦政府(≒アメリカの納税者)には工面することができません。だからといってそれらが倒産するに任せたら、今度は内戦・・・といっても過言ではないほどの激烈なバンク・ラン(取り付け騒ぎ)が起こる、つまり預金者だの債権者だのが銀行窓口等に「カネを返せ~!」と殺到するわけです、その日のために?準備しておいたショットガンとか自動小銃を銀行強盗よろしく?携えて・・・

 ・・・って現実には後者の選択(銀行等の破綻の連鎖を放置すること)は治安維持等の観点からあり得ないでしょう(?)。であればFRBと米連邦政府は銀行を救済(資本注入)するしかありません。もちろんそのおカネは・・・(上記のとおり巨額過ぎて税収等では賄えないし、国債発行・市中調達も[金利が暴騰するために]絶対にできないので)FRBの財政ファイナンスようするに米国債の直接引き受けで無限に増発されることに。そしてこれが市中にあふれかえって・・・

 というわけで、アメリカにはどのみち―――FRBが金融緩和を続けても同引き締めに動いても―――インフレに苦しむ以外のコースはないだろうと予想するものです。違いは、インフレが現状くらいのペースで着実にヒドくなっていくか、いったん急激なデフレになった後、一転してすさまじいインフレになるか、くらいでしょう。以上の2択のみ。さあどっちがいいでしょうかね?アメリカ国民のみなさん・・・

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