世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【アベノミクス、GDP600兆円達成はほぼ不可能?】GDP年10兆ドルの日本をめざせ①

2015-11-29 00:00:45 | 日本

 ご存知のとおり、9月の自民党総裁選で再選された安倍首相は新政策と合わせてGDP(Gross National Product:国内総生産)の600兆円/年の達成を目標に掲げました。600兆円―――とても分かりやすいとは思います・・・が、これだけでは以前からわたしがいうところの「黒魔術」(実質はマイナスなのに見た目をプラスにして、あたかも良くなったかのように思わせること)に終わってしまう危険性が非常に高いと考えます。そんな、名ばかりで質の良くない(?)手品に惑わされないよう、ここは600兆円というより、わが国は表題のようにGDP/年10兆ドル(!)をめざそう!―――本稿ではこのあたりについて綴ってみたいと思います。

 さて、あらためてGDPとは、国内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額のことをいいます。で、わが国のGDPは現時点(2014年度)で約491兆円。このうちほぼ6割を占めるのが個人消費で約293兆円、投資等(総固定資本形成:民間住宅・設備投資・公共投資等)が約109兆円、政府支出が約101兆円などとなっています。これらをトータルすると500兆円を超えますが、最後に純輸出(輸出と輸入の差)「マイナス」11兆円あまりを加えて・・・491兆円、という計算です。ご承知のように、そして重要な点ですが、いまの日本は貿易収支が赤字でGDPのマイナス要素となっています・・・

 で、上記をふまえて「アベノミクス」がどのように600兆円を達成するのかを考えているわけですが・・・正直、じつに難しいといわざるを得ません。シツコク書いているとおり、アベノミクスとは「円安誘導」つまり通貨安をテコに使って輸出主導型の経済成長をめざそうというものです。しかし・・・こちらの記事等に詳述したように、その目論見はすっかり崩れているうえ、今後も―――経済的にも外交的にも―――輸出に何十兆円ものGDP押し上げ効果(純輸出すなわち貿易黒字を数十兆円以上!も稼ぐこと)を期待するのは絶対といってよいほど無理筋です。

 つぎに、GDPの大半を占める内需・・・の主役である個人消費の活性化ですが、これも純輸出と同じかそれ以上に当てにできない。なぜならアベノミクスは、恣意的な円安インフレ誘発に加えて消費増税の実行という、消費と景気とをともに冷やすダブルパンチを家計と日本経済に繰り出しているからです。これでは国民は生活防衛のため、消費をますます手控えるようになるでしょう。というよりは、上がるいっぽうの光熱費食費の支払いに追われて、他の消費や貯蓄に回すおカネがどんどん減っている!といったあたりが生活者一般の実態に近そうです(エンゲル係数の歴史的上昇等にそれが表れている)。

 となると「地方創生」・・・に象徴される公共事業の積み増しを含めた政府支出の拡大くらいしかありませんが、これだってせいぜい数兆円ほどの増額がいいところでしょう。いくら安倍政権が左翼的な政策スタンス(上記、「民間」の消費・投資意欲を政策的に削ぐかわりに、公務員給与引き上げなど、「政府」支出を増やす、等)をとっているとはいえ、厳しい財政状況のもとではその程度が限界MAXなはずです。

 以上のことからアベノミクスのもとでは、わが国はGDPをあと100兆円以上も増やして600兆円に持っていくことなど、ほぼ100%不可能に思えます。もちろん政府もそう考えているでしょう。そこで、上記の黒魔術が登場しそうな(イヤな?)予感が・・・

続く

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【日本だけは中国マネーに頼る必要なし】中国;マネーと人の「エクソダス」は止まらない⑥

2015-11-27 00:02:18 | アジア

(前回からの続き)

 前回、スパイ同盟を組む米・英・豪・カナダ・ニュージーランドの慢性経常赤字5か国が、すっかり中国・・・のチャイナマネーによって籠絡されている、といった見方を綴りました。フクザツな感情を抱きながらもおカネを自国に大量に注ぎ込んでくれる中国人には頭が上がらないといったところでしょう。

 そのあたりを示唆するのが、先般の中国・習近平国家主席の訪米時に同主席がアメリカ国内で冷たくあしらわれた、とか、英国における中国企業による原発事業に対する懸念が同国で高まっている、みたいなニュース。これらからは、(非白人・非キリスト教徒・アジア系の)中国人ごときに・・・といった(白人系の)米英人の歪んだ選民意識(?)と、いくらケチをつけたところで結局は中国に頼るしかない自分たちのトホホすぎる現状に対するやるせなさが伝わってくるような・・・(?)

 いっぽうの日本。たしかに「アベノミクス」は円安大売り出しを仕掛けてわが国の不動産を中国人に「爆買い」させて喜んでいますが(ってコレ、安全保障上、危険なことだし文字どおり国を売るような行為にも思えるが、それでいいのか左翼アベノミクス!?)、潤沢な貯蓄がある日本は本来、中国のマネーに頼る必要はありません。その観点から上記5か国を眺めるとホント、情けなくなりますが・・・

 とはいうものの現実は現実。わが国はこのあたり―――中国と上記5か国のマネーを介した相互依存関係―――を冷静に見据えたうえで外交戦略を上手に立てないといけないと感じます。したがって、間違っても上の5か国のスポンサー・中国を一方的に敵視し、南シナ海の岩礁等の領有権を巡って「日米豪ASEAN VS. 中」みたいな、上記マネー関係をまったく考慮に入れない対立の構図を勝手に思い描くことがありませんように・・・(?)。へたな動きをすると、カネもモノも中国に依存しまくりの5か国の首領・アメリカに怒られまっせ~!?

 さて今後ですが・・・金持ちの「エクソダス」(exodus)が続く中国は近い将来、国家分裂含みの大混乱に陥るでしょう。国づくりに欠かせない富が国外へどんどん流出しているのだから当然です。こちらの記事等で書いたように、具体的には人民元のメルトダウンをともないながら・・・。そして彼ら彼女らの逃亡先である米英諸国ですが、一時的には反日的な色彩を帯びるおそれがありそう。なぜなら移住中国人(と、韓国人?)がカネの力にものをいわせて各国の政治や外交を動かすようになるからです。そうなると、アメリカではそこいら中に「従軍慰安婦像」が建てられ、英国なんぞは危険な兵器を平然と中国に売るようになるかもしれません(アメリカだってあり得るよ・・・!?)。ですが・・・大丈夫!!しょせんは皆さん、共倒れですからね~(!?)。で、母国ばかりか逃亡先(?)まですっかりオカシクなるなかで中国人・韓国人たちは、移住する国を間違えた!なんて後悔するのではないでしょうか・・・。もちろん真に望ましい移住先は、彼ら彼女らが大キライな・・・

 ・・・まあとにかく、そんな事態が予想されるなか(?)、わが国としては、特定の国に肩入れしたり、特定の国を極端に嫌ったりしないよう、いまは中国を含めた各国と全方位的かつ平和的なお付き合いをしておくのが得策かと・・・

(「中国;マネーと人の『エクソダス』は止まらない」おわり)

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【米英豪、中国マネー大歓迎の情けなさ・・・】中国;マネーと人の「エクソダス」は止まらない⑤

2015-11-25 00:00:17 | アジア

(前回からの続き)

 前回、中国の富裕層は、投資目的というよりは自分たちの将来の移住に備えて外国の不動産を買い漁っているといった見方を綴りました。彼ら彼女らにとっていまの中国がさまざまな面で住むに値しない、というか危険な(?)国になってきたことがその大きな理由でしょう。それにしても・・・当局の目を盗むようなキワドイ手段でおカネを持ち出して国外へ逃げるように去っていくさまはまさに「エクソダス」(exodus)、いやむしろ「亡命」に近いといえますね・・・

 ではそんな中国の「マネー」と「人」が大量流入する先の国々はこれをどう受け止めているのでしょうか。結論からいえば大いに歓迎光臨!でしょう。当たり前ですが、彼ら彼女らは「鴨ねぎ」よろしく(?)巨額のおカネを背負って自国に飛来してくれるからです。ここは同じエクソダスでも着の身着のままでいま欧州に押し寄せているアラブ系難民などと大きく異なる点ですね。

 先述のように、不動産マーケットに膨大なチャイナマネーが入り込んでいると推測される英国、オーストラリア、カナダ、そしてアメリカなどは代表的な経常赤字国で、喉から手が出るほど外国からのおカネが欲しいところばかり。そのうえ米英両国などは資産効果で国を保たせるために、今後も住宅価格の継続的な上昇を促したいはずです。であれば、自国のファイナンスにつながり、かつ不動産市場を活性化させる上記マネーを、多くの場合キャッシュでポンと出してくれる中国人は両手広げてWelcome! で、その見返りに国籍市民権をサクサク付与しちゃうわけです

 こうして欧米諸国は中国からの高跳び長者を・・・正確にはそのおカネを自国内にガッチリ取り込んで、たとえ「腐敗撲滅キャンペーン」の「虎狩り(!)」で中国当局が彼ら彼女らの身柄と財産の引き渡しを要求しても、「自国民(つまり、国籍付与後の中国系!リッチ層)を保護する権利はこちらにある!」などとカッコいいこと(?)をいってこれを拒否することに。なにせ米英を含む西側諸国は「人権」がウリですからね・・・。もちろんその本心は、せっかくゲットしたチャイナマネーを中国に奪い返されてなるものか!とばかりに人権を盾にする、といったあたり(中国よりも自分たちのほうが格上だと思っている?各国は当然、そんなアサマシイ本心を口にはしない・・・?)。それを先刻承知のクレバーな中国人たちはカネと引き換えに庇護を求めて今日もアメリカ、英国、豪州へと次々に逃避する、といった具合・・・

 まあたしかに上記諸国の国民の一部には、海を越えて大挙やってきた中国の成金たちに自国の土地や住宅を買い上げられることに対する警戒心とか苦々しい感情も多少はあると思われます(とくに支配階層である白人に・・・)。ですが、チャイナマネーのインパクトはそんなナイーブな思いを軽く吹き飛ばすでしょう。これら債務まみれの国々は、何はともかくカネ! Money is everything! ・・・カネの出し手は誰でもいい、中国人でも!―――だろうからね・・・

 ちなみに、不動産マーケットを中心にチャイナマネーが殺到中の米英豪加ついでにニュージーランド(今年2~4月の販売記録によればオークランドの物件の4割を中国人が買った、なんてニュースがある)の5か国は日本が希望しても絶対に入れない(?)「ファイブ・アイズ(Five eyes;5つの目)」と呼ばれるスパイ同盟国同士です(相互のスパイ行為を禁じるほか、5か国以外の[日本を含む!]国等の機密情報を収集・共有し合っている)。ということは、この5か国つまり「アメリカとその仲間たち」はある意味で、中国におカネで籠絡されているわけですね・・・(?)。これは日本としては見過ごせない重大な事実です。

(続く)

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【中国人の外国住宅買い;逃避先の拠点として】中国;マネーと人の「エクソダス」は止まらない④

2015-11-23 00:03:42 | アジア

(前回からの続き)

 中国人は、なぜ当局の目を盗んでまでして(?)多額のおカネを国外へ持ち出そうとするのか、そしてそのおカネで買うのが外国の株や債券よりも不動産になるのはどうしてか―――そのあたりの理由については以下のように推察する次第です。

 まず前者ですが、人民元および人民元建ての資産に対する彼ら彼女らの不信感が高まっていることが指摘できるでしょう。中国の富裕層は、これらの所有や運用等で得られる利回りが外貨のそれに劣ると判断しているということです。

 中国は世界最大の経常黒字国&外貨準備国だから、その通貨・人民元はふつう外貨、とりわけ同最大の赤字国アメリカの通貨ドルに対して強くなる方向に振れるので、本来ならば中国の人々は外貨よりも自国通貨を持つほうが有利なはず。ところが・・・実際には人民元はドル等の主要外貨に対して今後、下落トレンドを描く可能性のほうが高いでしょう。なぜなら中国では近い将来、超過剰流動性が発生、つまり人民元が国内に溢れ返るリスクがあるからです。そのことを中国の資産家たちはとっくに見抜いている・・・

 このへんはこちらの記事等に書いたとおりです。人民元はたしかに(中国外から見た)外面は良いが、(資産バブル崩壊中の中国内から見た)内面は悲惨・・・なほどに爆発的に増刷される、つまりインフレ通貨に堕落する運命にあるでしょう(?)。これでは、そうなる前に一刻も早くマネーを人民元から価値の保存力の優れた外貨へ逃がそう!と人々が浮足立つのも無理はありません。こうして、脱法行為(?)といわれようがおかまいなく、国境の高い壁(中国がいまだに設けている各種の金融規制)を乗り越えて今日も大量のチャイナマネーが海を越えていくことに・・・(その際の人民元売りドル等買いの為替取引がますます人民元を弱体化させることにもなる)

 つぎに後者―――中国人のお金持ちが外国資産のなかでも不動産をとくに好んで買い漁ることの理由ですが・・・これは彼ら彼女らが、これら外国に自分たちあるいは親族の(将来の)生活の拠点を確保したいからでしょう。つまり不動産本来の機能である居住を目的に買っていることになり、そのあたりは母国に居ながらロンドンの邸宅の不在地主になるアラブの王族やロシアの石油成金などとは異なる投資行動といえそうです。

 では、中国人たちはどうして外国に不動産を持って移住しようとするのか、ですが・・・みなさん―――党・軍の特権階級や企業経営者など―――にとっていまの中国が・・・政治(権力闘争や「腐敗撲滅キャンペーン」等)、経済(上記のとおり・・・)、教育(せめて子息は中国ではなく欧米の大学へ通わせたい・・・)、そして生活や自然(食品や大気や水質の激しい汚染等)・・・あらゆる面であまりに住み心地が悪くなってしまったためでしょう。そこで少しでも良い環境を求めて、大金を懐に一家総出で中国を脱出し、新天地へ高飛びだ~!となるわけで・・・

 これこそまさに中国の「マネー」と「人」の「エクソダス」(exodus)・・・というよりは資産の毀損&没収(?)を回避するための事実上の「亡命というべきかな・・・?

(続く)

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【中国マネー、外国の不動産を爆買い!】中国;マネーと人の「エクソダス」は止まらない③

2015-11-21 00:02:19 | アジア

(前回からの続き)

 中国のお金持ちが当局の目をかいくぐって(?)国外へ持ち出した巨額マネーで買うのは・・・おもに外国の「不動産」。これは対外投資において「金融資産」(株・債券)を選好する欧米人のスタイルとは異なる、中国人投資家に特有の傾向だといえるでしょう。

 で、その投資の大きさですが・・・これまた数千億ドル規模(数十兆円規模!)のスゴイ額、まさに「爆買いです。スイス銀UBSの分析では2014年、3240億ドルのチャイナマネーが海外不動産の購入に投じられたとのこと。そして彼ら彼女らがどこの不動産を買っているのかといえば・・・香港、英国、オーストラリア、カナダ、そしてアメリカなど(そして一部は、円安大売り出し中の日本・・・)。

 このあたりに関する海外メディアのリポートをいくつか拾ってみると・・・まずは中国の対外窓口に当たる香港の不動産価格ですが、2010年以降60%も上がっています。その上昇率は昨年だけで13.5%、今年はそれからさらに9.5%にも達しています。(前回書いたような違法すれすれの?)非公式なおカネの流路なくしてこれほどの価格急騰の説明はつかないのだとか・・・。

 そして中国・香港から遠く海を隔てた外国でも以下のような感じです・・・。オーストラリアのシドニーではいま、新築住宅の1/4に中国人が飛びつくそうです。カナダ・バンクーバーの不動産価格を過去10年間で2倍に上昇させたのもチャイナマネーの力。バンクーバーとトロントでは税関が2012年6月から2014年12月まで869人の中国人から1500万ドルを超える現金・小切手を押収しています。これらはきっと住宅取得のための資金だったのでしょう。そして昨年、アメリカの不動産購入に約300億ドルを投じた中国人はいまや同国不動産市場における最大の外国人バイヤーになっています・・・

 英「エコノミスト」による世界の不動産マーケットに関する分析によれば、中国の不動産価格が下落したいっぽうで、英国、オーストラリア、カナダの同価格は30%以上も過大評価されています(ようするにバブルですね)。このへんは上記を裏付けるもの、つまり、資産バブル崩壊で自国の不動産等に見切りをつけた(?)中国人投資家が潤沢なマネーを米英豪加を中心とした諸外国の不動産投資に回したことの反映といえるでしょう。

 それにしても・・・なぜ中国人は多額のおカネを外国へ持ち出そうとするのか、そしてそのおカネで買い漁るのが外国の株や債券よりも不動産になるのはどうしてなのでしょうか・・・。

(続く)

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【脱法スレスレで逃げた中国マネーが向かう先は・・・】中国;マネーと人の「エクソダス」は止まらない②

2015-11-19 00:03:25 | アジア

(前回からの続き)

 前回書いたように、一般の新興国から「資本流出」するのが(彼らから見た)「外国人」(欧米投資家等)のマネーであるのに対し、中国から流出するのはほかならぬ「自国民」のおカネとなっています(しかも下記のとおり膨大な額・・・)。このあたりがいま世界で唯一、中国の周辺だけに見られる異様な(?)マネー・フローといえそうです。

 で、中国当局はこの金額を公表してはいませんが、欧米金融機関等の調査によると中国からはこの1年間で8千億ドルものマネーが国外へ流出したとのこと。で、その勢いは今年に入ってからさらに増しているようで、米銀ゴールドマン・サックスは、第二四半期だけで同国からの流出額は史上空前の2240億ドルに達したほか、当局が8月、人民元の対ドル大幅切り下げを実行した後のわずか3週間の間だけで2000億ドルが海外へ去った可能性があると指摘しています。このへんは、人民元が外貨に対してさらに下がるかもしれない!と焦った中国人投資家が、人民元が本格的に下落する前に外貨建て資産の購入を急いだ様子が窺われます。自国通貨が高いときに割安となる外国資産を買う―――まあそれはそれで理に適った賢明な判断で、さすがは蓄財の才に長けた中国人ですね。このあたり、まったく逆のことをしている日本の政府系投資家(?)も少しは見習ってほしい・・・(!?)

 ところで中国は、こちらの記事等に書いたようにいまだに通貨取引に多くの規制を設けています。たとえば外貨の海外持ち出し額は原則として一人当たり年間5万ドルに制限されています。にもかかわらずどうしてこれほどの短期間で数千億ドルもの大金が同国から外へ逃げられるのか・・・と思って調べてみたら、お金持ちのあいだでは違法すれすれのグレーなやり方―――たとえば、中国のアングラな銀行(underground bank)と香港の両替商のあいだで小切手をやり取りする取引などなど―――が横行しているうえ、取り締まり当局も最近まではこういった行為をけっこう黙認していたそうです(人民元のさらなる下落傾向が顕著となった今後は分からないが・・・)。ということで彼ら彼女らにとっては香港がいわば外国へのゲートウェー。いったん同地に無事に着きさえすれば、マネーは鳥のように自由なのだとか・・・

 で、上記のように中国の人々が当局の目を盗むほどに苦労して(?)持ち出したマネーを外国の何に投資しているか、ですが・・・いちばん額が多い資産は「不動産と見積もられています。これもまた欧米投資家の対外投資行動―――投資対象は金融資産(株や債券)がメイン―――とは異なる、中国人の投資家に特有のトレンドといえそうです。

(続く)

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【中国から流出するのは自国民のマネー・・・】中国;マネーと人の「エクソダス」は止まらない①

2015-11-17 00:01:03 | アジア

 よく「資本流出」なんて言い方をされるけれど、中国の場合は「エクソダス」(exodus;国外脱出、大量出国)というワードのほうが実態に近いかと・・・。本稿ではそのあたりについて思うところを綴ります。

 FRBの利上げ再開観測に代表される世界的な「リスク・オフ」モードの高まりを受け、新興国市場からのマネーの流出が続いています。で、ここでいうマネー流出とは、欧米投資家(金融機関とかヘッジファンド等)が「リスク・オン」モードのときに同市場に投入したマネーを本国へ引き上げること。その際にこれら資産が一斉に売られるものだから(通貨、債券、株式の)「トリプル安」が起こって新興国の多くは資金ショートや通貨安インフレに苦しむことに・・・。

 で、外国マネーを何とか繋ぎ止めようと彼ら新興国は政策金利を上げたりするわけですが、これが自国の景気をさらに冷やすことになって、インフレとリセッションが並存するスタグフレーションに陥って・・・といった悪循環。そのあげく政情不安をともないながら混乱は拡大の一途へ、というのが今後の新興各国で考えられる悲観的シナリオでしょう。

 ブラジルなどはその典型です。実際、同国ルセフ大統領の支持率は8月時点で何とたったの8%・・・! 同大統領の弾劾を望む国民も増えているそうなので(まあブラジルがトホホなのは、なにもルセフ政権の失政のせいばかりではなく、もっと根深いところに原因があるので、ルセフ氏はちょっと可哀そうだな~なんて感じもしますが・・・)、これからのブラジルでは何が起こっても不思議ではないのかも・・・

 ・・・しかし、同じ資本流出でも、中国のそれは上記一般的なものとはだいぶ趣が異なる感じです。で、いちばんの違いですが、ブラジルを含む大半の新興国から流出するのが(彼らから見た)「外国人」のマネーであるのに対し、中国から流出するのは「自国民」のマネーだということ。冒頭でエクソダスという言葉を使ったのはそんな意味からです。

 もちろん中国への日米欧各国からの投資額も巨大であり、ここのところの同国経済の減速感を受け、とりわけ株式市場などからこれらの一部が逃げ出す動きが見受けられるのはたしかです。でも外から見た中国は依然として世界最大の外貨準備国であり、その程度の外国マネーが流れ出たくらいではびくともしないでしょう。

 それよりも中国にとって真に危惧されるのは、ほかならぬ「自国民」マネーの流出トレンドです。というのもこれは一時的な流行といったものではなく、もっと構造的な、そしておそらくは「アリの一穴がダムを破壊する」にも似た共産中国の基盤を揺るがしかねないほどのリスキーな傾向と考えられるからです。

(続く)

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【どう考えてもFRBのQE以外にない!?】米国債買い手不在!?で窮地のアメリカ⑤

2015-11-15 00:01:00 | アメリカ

(前回からの続き)

 これまでは中国日本・・・の「アベノミクス」の意を汲んだ半国営金融機関とか年金基金等がドル資産をせっせと買ってくれたからまあよかったけれど・・・アメリカにとって問題は今後でしょう・・・。というのも前述の事情などから、日中両国ともにアメリカへの投資をそれほど、つまりアメリカがソロバンをはじくほどは行わないだろうと考えられるから。これでは同国の膨大な債務を穴埋めするに足るマネーが十分に集まらず、金利上昇圧力がかかってしまうことになりそうですが・・・

 そんな危険な気配が高まるなかで、アメリカから極秘の要請でもあったのか、あるいはアメリカ様を助けよう!という気遣いなのか(それとも単にわたしの色眼鏡なのか)は判然としませんが、本稿冒頭に記したように、ここのところの日本の経済・ビジネス系メディアでは「ドルを買いなさい!」的な、アメリカへの投資を推奨するものが急に増えてきたような気がしてなりません。もちろんその真意は上述のとおり、つまりわが国のリッチな企業や個人のおカネを少しでもドル・米国債の買い支えに回したい!といったあたりなのでしょう。で、そんな見出しがやたら目につくということは・・・それだけアメリカがテンパっているということか!?

 ですが・・・個人的にはこのタイミングでの対米投資はまったくお勧めできませんね。これまた綴ってきたように、ドル、株、債券、そして不動産のどれをとっても現在のアメリカ資産はバブル価格の高みにあるうえ、為替レートも人為的かつ極端なくらいのドル高円安だから。したがっていまうかつにドル建ての資産に手を出したら年金基金と同じくダブル高値掴みとなってしまう危険性「大」でしょう。きっと資産バブル崩壊&ドル/円暴落のWパンチでひどい目に遭いますよ~!?(投資等の判断は自己責任でお願いします)

 ・・・といったネガティブな見通しが成り立つ(?)ことから、やはりジャパンマネーもそれほどアメリカ買いには向かわないと思われます。以上、中国、産油国、そして頼みの日本も力不足となれば・・・何度か書いているように結局はココしかない、すなわちFRB・・・のQEという名の米国債直接引き受け「財政ファイナンスです。そう、どう考えてもそれ以外の手はなさそうで、これとは正反対の金融引き締め策すなわち「利上げ」再開なんて無理筋もいいところ・・・というのが以前から変わらない個人的な予想ですが、はたしてどうなりますが・・・

(「米国債買い手不在!?で窮地のアメリカ」おわり)

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【米国、日銀追加緩和に多くは期待できず・・・】米国債買い手不在!?で窮地のアメリカ④

2015-11-13 00:00:52 | アメリカ

(前回からの続き)

 日銀当座預金口座にむなしく「ブタ積み」されている約250兆円もの巨額ジャパンマネー米国債投資に向かわせたい、そのために、同口座におカネを預ける根拠になっている付利を撤廃(あるいは引き下げ)させたい―――アメリカはそう望んでいるはずだ、なんて見方を前回、綴りました。

 しかし、実際にはこの付利撤廃は難しいと思われます。その理由はおもに以下の2つ。

 第一は、当の日銀自身が付利の撤廃に否定的な見解を示していること(あくまで、いまのところは、ですが・・・)。このあたりについてはこちらの記事に書いたように、そもそも現行の日銀の金融政策「量的質的金融緩和」(異次元緩和;QQE)のねらいはマネタリーベースを増やしてインフレを起こそう、というところにあって、これには同預金残高の積み上げも含まれているわけですが、付利をなくすこと、つまり同預金へのインセンティブをなくすことはこの目的自体を否定することにつながってしまいます。よって日銀は自身の金融政策の整合性を保つ立場から、同撤廃を言い出せないのではないか・・・

 第二の理由として考えられるのは、ひょっとしたら政府内にはこれ以上の円安(ドル高)にはしたくない、という思いが募っていると推察されること。先日こちらの記事でご紹介した政府による携帯通信料引き下げの検討開始には物価高を是正しようという方向性があり、これまでの「アベノミクス」のスタンスに反するものです。ここでわたしは「自己矛盾だ!」なんていいませんよ、「君子豹変す」(インフレ万歳→デフレ万歳)でいいじゃないですか、安倍首相! ということで大っぴらにはいえないまでも、エネルギー代や食料品価格を中心としたいまのインフレ、とくにその最大の元凶となっている人為的な円安は、いいかげんこのくらいに止めないと・・・という、ようやくマトモな判断が安倍政権に芽生えつつある・・・(?)。となれば、円安をいっそう加速させかねない日銀の追加緩和≒付利撤廃はNGだろ・・・という政府側の空気を日銀は感じ取っているかも・・・(?)

 実際にどうなるかはわかりませんが、こうした事情とか気配があるので日銀は動けなくなっている、つまり追加緩和、そのなかでもジャパンマネーのドル投資誘導にもっとも効果がありそうな付利の撤廃には踏み出せないだろうと予想、というよりは希望する次第です。以前からシツコク書いているとおり、QQEがもたらした円安こそが日本経済の成長とか国民生活の向上に立ちはだかる最悪の阻害要因だと認識しているためです。

 で、こうなると―――日銀の追加緩和が発動されないか、発動されても小規模なものにとどまり、ジャパンマネーが期待どおりに得られないとなると―――アメリカは苦しくなってしまいそう。まあたしかに、日本の年金基金などは(よりによって資産バブルのピークで!)けっこうたくさんのドル資産を(メッチャ高値で!)買っていくれたからよかったけれど(日本国民にとっては年金原資が膨大な評価損を被るリスク大!?)、それはこれまでのことであって問題はこれから先なわけです、上記のとおり・・・

(続く)

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【日本のドル投資は超高値掴みだ!?】米国債買い手不在!?で窮地のアメリカ③

2015-11-11 00:02:23 | アメリカ

(前回からの続き)

 先述の状況から、米国債がマーケットに大量に供給される懸念(?)が高まるなか、足元でこれを買い支えることができるバイヤーは広い世界で唯一、日本だけだろうと考えています。中国産油国といった主要な米国債保有国とは違って、わが国には現時点で米国債を手放さなくてはならない特段の理由がない―――通貨防衛の必要はないし、これらを売ってドルを現金化するニーズもありません(個人的には、外為特会の膨大な為替含み差損の一部解消のため、現在は円高時に購入したドルを売るチャンスだ!なんて思いもありますが・・・)。

 そして何といっても日本には長年の経常黒字等がもたらした潤沢なマネーがあります。たとえば・・・以前は日本国債に蓄えられていたそれらが「アベノミクス」のいまは新たな投資先を求めて日銀の当座預金口座に約247兆円(10月末時点)も!積み上がっているわけです。このマネーを何とか借り受けたい、米国債投資に向かわせたい!とアメリカが欲するのはもっともでしょう。なぜなら繰り返しですが、日本以外の各国は、そしてFRBも、いまは米国債を買い増すことができないためです。

 しかし、はたしてそんなアメリカの思惑どおりにいくのかどうか・・・。というのは、たしかにドル債を買うおカネはあるけれど、日本にとってそれが利益を生む投資かどうかは別―――つまり日本から見て、米国債をはじめとするドル資産投資にはやはり妙味が乏しい、それどころか為替差損を被るリスクが今後はとくに高いので、常識的には手が出せないはずだからです。

 実際、実質実効為替レート(日銀公表)をみると現在(9月)は72.59円(!!)をなっており、名目上のレート(同約120円)とのかい離率は1980年以降ではもっとも大きくなっています。つまりいまは「超円安・超ドル高」といえる状態・・・。しかもこれは日米両国のファンダメンタルズを反映したものではなく、日銀の金融政策「異次元緩和」がいわば力づくで演出した不自然きわまる環境だから、市場メカニズムが機能する正常モードに戻ったら何が起こるか、簡単に想像ができるというものです。で、こんな異常なときにドル資産を買うのはチョ~高値掴みもいいところでしょう。そんな軽率なことをして株主や顧客に損害を与えるわけにはいきませんからね・・・。

 おそらくわたしのこの感覚は、わが国のおもな投資家(邦銀や生保等)に共通のもので、だからこそ上記口座にこれほど多額の円貨が滞留しているのでしょう。本当にドル投資がオイシイのなら、このマネーはとっくにアメリカに行っているはず。それがたった年0.1%の付利と引き換えに日本に留まり続けているということは、つまりそういうこと―――ドル投資のリターンはこれよりも劣るということを皆、とくに民間金融機関はよーく分かっているということです。そしてその判断は正解だと感じます。

 こうなってくると駆け引きですね(?)。まあそのへんの事情もアメリカは承知でしょうから、このあたりを何とかしてほしい、と水面下で日本に働きかけをしているのではないだろうか、なんてうがった見方をしています。具体的には、日銀は同口座に凍り付いているマネーが外ににじみ出るような手を打て!といったこと。

 そこで浮上してくるのが、以前こちらの記事に書いた日銀当座預金の付利の撤廃(あるいは引き下げ)でしょう。利息がまったく付かないとなると同口座預金は「タンス預金」と同じなので、金融機関は運用のプロとして、他に利回りの得られる投資対象を探さざるを得なくなる・・・で、その一部はしぶしぶ(?)、ドル資産の買いに回るのではないか・・・

(続く)

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