世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【日本では個人が金を蓄えるしかない?】金(ゴールド)が日本人の老後を救う!?⑤

2015-12-29 00:00:23 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 前回、「いま」は「」(ゴールド)を買うのに良いときに思える、なんて個人的な見方を綴りました。で、「いま」と考える理由ですが、本稿そしてこちらの記事等で書いてきたように、世界経済の「リスクオフ」が極まって金融システム救済が不可避となり、前述した通貨制度の劣化すなわちドルを筆頭とした主要通貨が爆発的に増刷されるタイミングが近づくなか、現時点の金価格が(わたしの見立てでは)安値にとどまっているとみているためです。

 ご存知のとおりアメリカの中銀FRBは先日、利上げを再開しました。これは利息を生まない金にとってはネガティブ要素、ということもあるせいか(?)金の価格は低迷中です。しかし・・・こちらの記事等でも述べましたが、本来、アメリカはもはや金利の上昇に耐え切れないはずです。そんななか「いーや、耐えてみせる!」と精いっぱいの見栄(?)で強行された利上げはリスクオフの深化を速め、アメリカの首を締め上げるでしょう。で、結局FRBは、再利下げおよび4度目のQE(金融緩和策)発動に追い込まれる・・・。そのときドルは大きく切り下がることになります、そして金に対して。つまり金価格は急騰する以外に、ない!?

 ・・・そんな予想をしているために「いま」は金を仕込むタイミングとして良い頃合いなのではないかと・・・(投資等のご判断は自己責任でお願いします)。とくに国や公的年金ファンドなどには、長期的な国家財政の立て直しおよび年金原資の充実を図る観点からぜひ、金の買い増しをいまから進めてほしいものです。大都市直下型地震よりもはるかに発生の確率が高い(?)巨大リスクオフの津波に襲われても、金があればその損害をかなりの程度カバーできるうえ、それによって政府の社会保障関連の費用負担も軽減されるだろうと見込んでいるからです。

 もっとも「アベノミクス」・・・というよりは対米従属を続ける現在のわが国にはそんなことは絶対にできないでしょう。金を買うことはドルの価値を否定すること、そしてそれはアメリカの覇権を根底から揺るがすことを意味するからね・・・。なので日本としては、財務省(外為特会とか)でも日銀でも年金基金でもなく、わたしたち個人がこつこつと金を蓄えるしかなさそうです・・・。

(続く)

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【金は10年先を見越した年金的資産】金(ゴールド)が日本人の老後を救う!?④

2015-12-27 00:02:32 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 最近ではこちらの記事を含めて本ブログで何度も書いているように、わたしは財産保全の決め手としての「」(ゴールド)の保有を推奨してきました(投資のご判断は自己責任でお願いします)。その思いは変わることはないし、近ごろはさらに強まった感じです。その理由は、これまた本ブログのあちらこちらで綴っているとおり、バブルに走った世界主要国―――米英欧中―――が、ありとあらゆる資産価額をつり上げるためにおカネを刷り過ぎてしまった―――通貨価値の下落(つまりインフレ)リスクを極限にまで高めてしまったことに尽きます。

 そしてドル、ユーロ、ポンド、人民元は今後も・・・膨大な債務の穴を埋めるべく(資産デフレを防ぐべく)、爆発的に増刷されるしかないでしょう(具体的には、金融システム救済資金として)。となれば、それらのなかで相対的な規律を保っている日本のは他通貨に対して強くなり、円の尺度で測った外貨建て資産の価値はおのずと下がることになる・・・で、年金基金が超高値局面(円安外貨高局面)でしこたま抱え込んだ外債や株も円高株安で暴落するわけです。これを食い止めようと、円までが政策的に弱められて(増発されて)・・・

 ・・・みたいな流れですべての通貨が単位当たりの価値を薄めてその価値保存力を失うなかで唯一、増刷不可能な万国通貨こそが、金・・・ということで金の値段は上昇する以外にない、とみるわけです。ドルや円などの通貨が中銀の債務であるのに対して金は誰の債務でもない純粋な資産であること、そしてアメリカをはじめとする各国(の中銀等)が金を外貨準備として保有し続けていること、なども金に価値を見出す理由になっています。

 とはいうものの、金の価格は株や為替のように短期間で上下するものではありません。上記のような通貨システムの構造的な変化(ではなく劣化?)にともなってその価値が変化、というよりは必然的に高まる(?)ものだからです。したがって金は10年先、すなわちわたしたちの老後を支える年金的資産としてふさわしいものといえるでしょう。こちらの記事で、GPIFのような公的年金ファンドも金を運用資産に加えるべきだと書いたのはそのためです。

 もちろん金の資産としての重要性は個人にとってだけではなく、国や企業にとっても同様です。とりわけ国家にとっては、その通貨の信認を裏付ける資産として欠かせないもののはず(現にアメリカは世界一の金準備[8千トン超]でドルの信認を保っている)。よって個人的には、「いま」は日本国も企業もそして安倍首相や黒田日銀総裁を含む個人も、超不自然に高い(外貨建て)リスク資産を売って金を買うのが望ましいと考えています。もっとも、アベノミクス一色のこの国で、個人は別にして(GPIFを含めた)国が金を買い増すなんてことは絶対に、といってよいほどあり得ないでしょうが・・・

(続く)

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【「くじら」GPIFはリスクオフから逃げ遅れ必至!?】金(ゴールド)が日本人の老後を救う!?③

2015-12-25 00:01:13 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 「アベノミクス」(≒円安誘導)は進むも戻るも地獄―――先日もこちらの記事に書きましたが、アベノミクスは前回書いた「戻り地獄」逝き(年金基金の激減等)の発端が「円高株安」であることが分かっているために、これを回避するべく円安誘導のいっそうの強化(日銀の「追加緩和」等)に走るしかなさそうです。それはそれで「進み地獄」逝き、つまり円安インフレの激化による一億総窮乏化をどんどん進めるだろうことはこれまた前回指摘したとおりです。

 それでも・・・アベノミクスがどれほど(円安株高を維持しようと)頑張っても、世界経済「リスクオフ」の巨大インパクトはそれを凌駕し、市況は株安・・・そして円高に向かう確率のほうが高いでしょう(?)。そのあたりの根拠はこちらの記事も含めてたくさん書いているので、ここではその際にわたしたちの年金原資とそれを運用する年金積立金管理運用行政法人(GPIF)がどうなってしまうのか!?の個人的予測を記しておきます。

 結論から先にいうと、GPIFは逃げ遅れるだろう、とみています。つまりGPIFは、マーケットの急激な動きについていけず、その所有リスク資産に多額の評価損を抱える羽目になるだろう、ということです。世界のどこかでリスクオフ・イベント(デフォルト、それに付随するデリバティブの決済等)が発生したとき、個人投資家ならば手持ちの株とか外債を一気に売り払って円のキャッシュに逃れることができますが、しばしば「くじら」に例えられるGPIFは図体がデカ過ぎてそんな機敏な動きができません。兆円規模の外貨建て資産を短期間に高値で売り抜けるなんてできっこないわけです。で、モタモタしているうちにGPIFは、株・債券価格の下落損&為替差損をありえない規模に膨らませて年金積立金を激減させることになる・・・

 以上のようなトホホな顛末の結果、こちらの記事に綴ったような災厄―――年金支給額の大幅カット(とか、年金支給開始年齢の大幅な引き上げ)―――が国民に降りかかることに・・・。その原資が、新ポートフォリオ適用前の元本をはるかに割り込むくらいに(!?)減ってしまったわけだから当然、そうなります。このときはおそらく、どヘタな(高値掴みをしまくりの)リスク資産投資の大失敗の責任を問う声がGPIF幹部やアベノミクス関係者を突き上げるでしょう。これを受け、人格者ぞろいの彼ら彼女らは自らの不明を恥じ、「想定外だった」なんて言い訳を一切せず、国民に対するあまりの申し訳なさから年金基金への私財提供を次々に申し出るにちがいありません(???)。しかし・・・セレブな皆さんのそれら資産をどれほどかき集めても、その総額は(たぶん)億円単位にとどまり、数十兆円にも達する(!?)年金原資の巨大な毀損額をまったくといってよいほど埋め合わせてはくれないでしょう・・・

 こうして、肝心のGPIF基金に再起不能のダメージを被った日本の公的年金制度は事実上崩壊し、これに頼っていた国民多数はある日突然、老後資金のショートに追い込まれる・・・。まさに生き地獄(!?)ですが、アベノミクスとGPIFのこの先においては十分に「想定内」の事態です。

 ではどうしたらよいのか!?ですが、アベノミクス万歳一色のもとでは、もはや個人でサバイバル策を講じるしかないでしょう。で、その策とは・・・本ブログで何度目かの繰り返しですが・・・「」(ゴールド)を持つこと。

(続く)

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【進むも地獄、戻るも地獄のアベノミクス・・・】金(ゴールド)が日本人の老後を救う!?②

2015-12-23 00:00:59 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 それにしても・・・アベノミクス」(≒円安誘導)はすっかり「進むも地獄、戻るも地獄」になってしまった―――そんな気がしてなりません。

 「進むも地獄」とは、円安誘導の継続にともなう円安インフレがもたらす「一億総窮乏」地獄のこと。これについてはこちらの記事を含めて本ブログで書きまくっているので、ここでは一点だけ、「軽減税率」について思うことを記しておきます。

 現与党が合意した消費税の食料品への軽減税率の適用ですが・・・わたしは食料品をその対象とする方向性そのものには賛成ですが、本来ならば、つまり円安誘導などしていなければ、消費税率10%局面での軽減税率導入は不要だったと考えています。以下のイメージ(こちらの記事に書いたもの)のとおり、(日本:経常黒字国、アメリカ:経常赤字国、などから)為替が自然と円高に向かって輸入物価が下がるぶん、増税の前後で消費者の実質の税込み支払額に大きな差がなくなるからです。アベノミクス開始後、食料品価格は円安の影響で他の財を大きく上回って値上がりしています(アベノミクス実質開始の2012/11100としたとき、2015/10のCPI総合値は104.74、食料品は109.14!)。税率58%の3%弱の消費増税の影響を除いた6%あまりの政策的円安インフレがなければいまの食料品の価格で税率10%でも「おつり」が来るくらいだったはず・・・

 これに対してアベノミクス下の消費増税は下記のとおりです。この場合は上記と逆に、円安インフレに輪をかけるかたちで消費増税が財の上昇売価に上乗せされるわけだから税率引き上げが消費者にとって苛烈になるのは当然です。だから痛税感を和らげるために軽減税率を入れよう、とか臨時給付金を支給しよう、ということになってしまう。こうしてアベノミクスはエンゲル係数を意図的に引き上げて大多数の人々を苦しめるばかりか、財政再建までも遅らせて(金利上昇リスクを高めて)、結局は国家国民を地獄へと誘っているわけです・・・

 ・・・何だかすっかり長くなってしまいました。このあたりはいくらでもツッコミを入れられるところですが、本稿テーマからそれてくるので話を戻します。

 で、つぎは「戻るも地獄」について。これこそ前回書いた年金積立金管理運用行政法人(GPIF)が運用する年金原資のメルトダウンのことです。で、ここでいう「戻る」とは、上記の「進むも地獄」逝きを避けるため、アベノミクス唯一の取り柄(?)「株高」の推進エンジンである円安・・・を誘導してきた日銀の金融政策を引き締め方向に戻すこと。つまり現行の「異次元緩和」を、たとえば白川前日銀総裁時代の「ゼロ・金利・ベース」にまで戻す、というようなことです(以前から述べているとおり、個人的にはそうするべきだと考えています)。

 で、このように「戻す」と・・・円の実質金利が現行目標のマイナスからゼロ~プラス方向に戻るとの観測から円が買い戻されて円高ドル安になるとともに、ポジション転換を迫られる外国人投資家が日本株を一斉に投げ売り → 株安円高(外貨安)でGPIF運用資産の6割近くを占める高値掴みの(損益分岐ラインがメチャ高い)リスク資産が大ダメージを被る・・・ことに。そうなれば当然、厚生年金・国民年金の支給額大幅カット(こちらの記事の試算では3割ものカット!)は必至の事態となって・・・「一億総年金カット」地獄・・・。さらに加えると、アベノミクス&GPIFの投資大失敗のせいで「年金なんか当てにできない」との絶望感が広がって勤労者の多くは年金保険料を支払わなくなり、わが国の公的年金制度そのものが崩壊の危機に瀕するでしょう・・・

 かくしてアベノミクス・・・とこれに付き合わされる日本国民は「進む」も「戻る」も、どのみち地獄の無間地獄状態に陥った・・・とみるわけです。では、この先どうなる!?ですが、上記「戻り」地獄のほうがより現実的なのではないかと・・・。なぜなら、自分たちから(正気に!?)戻ろうとしなくても(円安誘導をやめようとしなくても)、世界経済情勢によってわが国は、否応なく(?)円高(外貨安・株安で、上記リスク資産安)状態へ引き戻されるだろうと予想しているからです。

(続く)

天皇陛下、お誕生日おめでとうございます。陛下のますますのご健勝をお祈り申し上げます。

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【年金基金の運用損は破滅への序章に過ぎない!?】金(ゴールド)が日本人の老後を救う!?①

2015-12-21 00:01:01 | 金(ゴールド)

  本ブログで何度も綴っている心配事が間もなく(?)現実の国民的災厄になりそうです。それから身を守る方法はもはやただひとつ(?)、「(ゴールド)」を所有すること・・・。本稿の結論は、コレです・・・(が、投資等のご判断は自己責任でお願いします)。

 先日(11/30)、わたしたちの年金原資(厚生年金・国民年金)を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が今年度第二四半期(79月)において対前期比で7.89兆円ものマイナス運用実績となったことを発表しました。おもな運用資産のうちプラス収益となったのは国内債券(日本国債等)のみ(約3千億円)。あとの3つはすべてマイナス(国内株式[4.3兆円]、外国債券[2千億円]、外国株式[3.7兆円])となっています。この間の「リスクオフ」モードで円高株安になったから、というのがその言い訳ですが・・・

 「たった1四半期のパフォーマンスだけで一喜一憂するべきではない」たしかにそんな見方もあるでしょう。年金積立金の運用は長期的視点に立って取り組むべきことだからです。それでも・・・個人的には以前からの懸念すなわち年金基金のメルトダウンがいよいよ始まった・・・と身震いせざるを得ません。すでにこちらの記事を含めて何度か指摘しているとおり、GPIFが多額の評価損を今回出したリスク資産(株と外債)を過剰に、しかも最悪のタイミングで抱え込んでいるからです・・・

 まずはリスク資産のボリュームです。GPIFの今回の公表資料によれば第2四半期末の各運用資産の配分比は国内債券38.95%、国内株式21.35%、外国債券13.60%、外国株式21.64%と、じつに57%近くがリスク資産―――そのときどきの市況によって価格が大きく変動する資産になっています。ということは「リスクオン」モードのときはリスク資産がもたらすリターンが大きくなって基金総額が増える可能性があるいっぽう、「リスクオフ」の際は逆に同総額が元本を大きく割り込むリスクもあるわけです・・・

 そこで重要になってくるのがそれらを仕込むタイミングですが・・・「最悪」といっても過言ではないでしょう。こちらの記事に書いたとおりGPIFは、国内債券中心(配分比60%)のそれまでのポートフォリオを廃し、上記リスク資産に傾斜配分した新しい運用方針(国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%)を、よりによって昨年10月末日、米FRBQE3終了を決めた日に発表しました。つまりこの日を境にGPIFはこの配分比達成を目指してリスク資産投資に本格的に着手したことになります。QE終了つまり世界的なリスクオンが天井を打ち、これからはリスクオフ(≒株安)に向かいますよ~というサルでもわかるターニングポイントで・・・

 ・・・当たり前ですがリスク資産投資はそれらが安値のとき(為替が円高外貨安のとき)つまり「リーマン・ショック」みたいなリスクオフの底のときに乗り出すべきものです。にもかかわらずGPIFは、日経平均が16413円(2014/10/31終値)、ドル/円が112円台(同)というタイミングでリスク資産に派手に手を付け始めました。それまで、そしてその後の世界経済情勢からすればこれは明らかに株高外貨高ピーク局面での「高値掴み」といえるもの。ようするにこのあと株価は下がり、ドル等の外貨は円に対して安くなる確率が高いわけです。で、GPIF・・・に上記の無茶な投資をさせた「アベノミクス」推進者もこのあたりが分かっていたから日銀「追加緩和」で不自然に円安株高を演出したつもりなのでしょうが、これって真夏に人工雪を撒くようなもの(のように自然の摂理に反すること)・・・で、その効果ははかなく雲散霧消してお約束のリスクオフへ・・・

 今回のGPIFの巨大評価損は、そんなアベノミクス流リスク投資の拙劣さの反映といえるでしょう。さらに・・・いまから不気味な予想をさせていただきます。マイナス実績は今回だけ、なんて甘すぎる! これは序章に過ぎない。年金基金崩壊のステージは、これからが本番だ!?

(続く)

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【「¥」が人民元に?】人民元の国際通貨入りで予想されること③

2015-12-19 00:00:42 | アジア

(前回からの続き)

 IMF人民元SDR構成通貨に採用→国際通貨となった人民元の価値は他国の通貨、とりわけ通貨安政策を続ける円に対して大きく上昇→中国による日本の不動産「爆買い」や企業買収が激増→日本人の多くが中国人所有物件の賃借人や中国資本に乗っ取られた企業の派遣社員になる・・・みたいな未来が「アベノミクス」日本を待ち受ける・・・。心配性のわたしはついついそんなネガティブな想像をしてしまうわけです(もちろんアベノミクス支持者はそれらがこの国の望ましい未来だと本気で信じているのでしょうが・・・?)。

 ・・・でも、実際にはこんなことが現実となる確率は低いでしょう(というより、低い、と信じたい・・・!)。繰り返しですが人民元は、実体としてはインフレ通貨であり、に対して減価し続けるしかないと考えているから。この構造的なトレンドは、人民元がSDRの「箔付け」をされたくらいで変わることはないでしょう。なので大丈夫、わが国が中国(を含む諸外国)のマネーに蹂躙されることはない、政策的な誤りを犯しさえしなければ・・・(って、それこそがいちばん心配だけれど・・・)。

 ところで、人民元がSDRの構成比において円を上回る地位を占めたことで個人的にちょっと気になっているのが「通貨記号」の扱いです。で、現在「」といえば通常は日本円(Yen:通貨コードJPY)のことであり、人民元(Yuan:通貨コードCNY)をさすケースは中国周辺を除けばそれほど見られませんが(と思われるが)、アベノミクスで日本経済がドル基準のGDP国富をすり減らしながら弱体化する一方、国際通貨となった人民元が今後、世界の金融マーケット等で存在感を高めるにつれて「¥」が日本円よりは人民元のほうを表すようになってしまうかも・・・

 まあ通貨記号は文字どおり記号に過ぎず、「¥」を人民元に取られてしまったからといって実害はないけれど、日本人としてやはり「¥」は「円」だろ、という思いはあります。そんな意味でも(?)日本の当局には、通貨の価値はちゃんと維持してもらいたい(自分の方からその価値を崩すようなことだけはやめてもらいたい)とここ最近は願ってばかりです・・・

(「人民元の国際通貨入りで予想されること」おわり)

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【政策的な人民元高誘導は危険なこと】人民元の国際通貨入りで予想されること②

2015-12-17 00:02:46 | アジア

(前回からの続き)

 前回、中国の通貨・人民元SDR通貨採用には欧州のみならずアメリカの後押しもあった、といった見方を綴りました(実際アメリカはIMFが認めるなら・・・といっている)。その理由ですが、これによって人民元の評価が高まり、その下落傾向に歯止めがかかって、中国が米国債を買い増す力を取り戻してくれたら、といった思惑がアメリカにはあるはずだ、と推測したからです。「南シナ海!」だ何だかんだ言っても、アメリカはチャイナマネーを取り込まないと国が保てませんからね・・・

 しかし、ここで晴れて国際通貨の仲間入りを果たしたといっても、米中両国が期待するほど(?)人民元は強い通貨になりそうもないし、したがって現状の世界金融秩序におけるその影響も限られたものにとどまるでしょう。そう考える理由はこちらの記事等で書いたとおりです。端的にいえば、中国は通貨増刷を続けるしかないし、資本流出が落ち着くはずもなさそうだから。この巨大なマネー動乱がもたらす人民元の弱体化は構造的なもので、それはSDRの「箔付け」程度のことで収まりはしないということです。

 他方、ドルや円などと並ぶ国際通貨に認められたことで人民元が準備通貨として各国によって買い支えられる可能性がちょっとはあるかもしれません。現時点で人民元は諸外国の外貨準備としてはほとんど保有されてはいないものの、今後は少なくともいまの日本円くらい、つまり数千億ドル(数十兆円)くらいは買われるかな(もっとも、他国に自国の通貨を持たれることは、他国に対して債務を背負うことを意味するから、当該通貨発行国にとってはリスクも大きいけれど・・・)。そうなれば人民元は他通貨に対して、とりわけ通貨安政策をとっている日本の円に対して強くなる(人民元高・円安になる)ことに・・・

 で、それが日本に与える影響ですが・・・個人的にはマイナス面の方が大きいと考えています。たしかに人民元高・円安になれば「爆買い」がさらに勢いを増すでしょう。でも、見た目の派手さこそあるものの、日本経済全体の収支という観点からは、たとえば前回書いたドル建てGDPの激減ぶりからも分かるとおり、爆買い(そして円安輸出振興)が円安の巨大なマイナス面をほとんど埋め合わせていないことは明々白々です。

 さらにいえば、強くなる人民元を武器に中国人富裕層が日本の不動産をいっそう買い漁る動きに出ることも懸念されます。まあ彼ら彼女らに円安バーゲンセールを仕掛ける「アベノミクス」支持者は大歓迎なのでしょうが、わたしはこれを国家安全保障上の脅威と捉えています。なにも中国人に限った話ではありませんが、外国人が東京都心を中心とした優良物件を次々に手中にしていくことはさまざまな意味で危険だし、円安物価高で貧しくなる一方の日本人が外国人所有の賃貸アパートに肩身の狭い思いで暮らすさまを絶対に見たくはないため。その意味でも、反中嫌韓の人々がどうしてアベノミクス(円安誘導)を支持できるのか理解に苦しむわけです。それは自殺行為に等しい―――アベノミクス万歳を叫ぶほど、わたしたちはチャイナマネー(円に対して強くなる人民元・・・や韓国ウォン)に支配されていくというのに・・・

(続く)

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【IMF、人民元のSDR通貨採用を決定!】人民元の国際通貨入りで予想されること①

2015-12-15 00:01:14 | アジア

 IMF(国際通貨基金)は先月30日の理事会で、懸案となっていた中国の通貨・人民元SDRSpecial Drawing Right:特別引き出し権)構成通貨としての採用を決定しました。これにより、新しいSDR通貨バスケット比率は以下のようになりました。

 ドル41.73%、ユーロ30.93%、人民元10.92%、円8.33%、ポンド8.09%

 (それまでは、ドル41.9%、ユーロ37.4%、ポンド11.3%、円9.4%)

 人民元は10.92%となり、ドル、ユーロに次いで3番目の地位を与えられました。最大の配分割合を占めるドルは変更前後でほとんど変化はありませんが、ユーロそしてポンドがこれまでの構成比(2010年に決定されたもの)から大きく下がりました(ユーロ17.3%、ポンド28.4%減)。日本円も9.4%から8.33%へと11.4%下がり、人民元の後塵を拝するかたちになりました。

 こちらの記事等で綴っているように、個人的には人民元はいまだにドルや円などの国際通貨が満たすべき要件(通貨発行国内外で自由な為替取引ができること、など)を十分に満たしているとはいえないと考えています。したがって今回のIMFの決定には違和感を禁じ得ませんが、まあ決まったものはしかたがない、といったところです。中国当局にはこれで手を抜くことなく、いっそうの金融自由化や過剰な公的介入の排除等を進めてほしいものです。

 で、この舞台裏では何があったのか・・・。まずは中国への依存を強める欧州、とくに英国が人民元のSDR通貨採用を強く支持したのでしょう。そのあたりは人民元のために10%分のポジションを差し出したかのようなユーロとポンドの大幅な配分比低下に反映されているような気がします。

 そして、おそらくアメリカも同調したものと思います。その理由を推察するにアメリカは、人民元の国際通貨入りを認めることで、人民元相場の安定を図ろうとしているのではないか。だからといってそれは、資本流出に悩まされている中国を救いたいというフレンドリーな意図からではなく、こうすることで中国にアメリカをファイナンスできる力を取り戻してほしいという願いから・・・だと考えています。

 先日こちらの記事に書いたとおり、今後の資金繰りがきわめて不透明なアメリカとしては、世界一の米国債ホルダーである中国にやっぱり頼りたい―――以前にも増して米国債を買ってもらいたい(おカネを貸してほしい)―――わけです。ところが中国はいま、人民元の下げ圧力に対抗するべく(?)、逆にドル・米国債を売り越す始末。この(中国はもちろんアメリカにとっても)悪い流れを逆転させるための一助として人民元に「箔付け」を・・・ということでアメリカは人民元のSDR通貨採用を許可することにしたのではないでしょうか。

 ようするに、米中両国はお互いを支え合っている―――以前から指摘していることですが、本件からもそんな実態が窺えるように思えます。

(続く)

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【経済成長の最悪の阻害要因は円安誘導だ!】GDP年10兆ドルの日本をめざせ⑧

2015-12-13 00:04:54 | 日本

前回からの続き)

 近いうち(?)、外国、とくにアメリカの資産バブル崩壊で円高ドル安が進み、ドルで換算した日本GDPは急拡大して年10兆ドルに達する(!?)なんて見通しを前回綴りました。

 もっとも、こちらの記事等を含めてたびたび指摘しているとおり、アメリカはもはやバブルの手仕舞いなんてできないので、遅かれ早かれバブルの無限(!)拡大に、つまりFRBQEに4たび、乗り出すしかないでしょう(?)。それはそれでドルの過剰散布からドル安円高を招くので、これまたわが国のドル建てGDPは膨らむ方向に進むだろうと考えています。

 以上により、アメリカのバブルがはじけようが、いっそうデカくなろうが、どのみち為替は円高ドル安になり、わが国は通貨高の後押しを受けた内需主導の経済成長路線に回帰できるのではなかろうか、といった楽観的な予想も成り立ちそうですが・・・

 そんなGDPの(ヘンな政策介入をせず、市場原理に委ねれば、という意味で)「自然な」上昇を妨げる要素としていちばん懸念されるのは、やはり円高NG!円安絶対維持!の「アベノミクス」(≒円安誘導)でしょう。上述のように、円安誘導の目論見がくじけたらアベノミクスは崩壊必至です。そうなったら「火遊び」まがいのリスク資産投資の大失敗が年金基金の巨大な評価損とか政府系金融機関(農〇〇金とか日銀まで!?)の債務超過というかたちで誰の目にも明らかになってしまいます。ここで年金支給額の大幅カットとか同金融機関への血税投入なんて事態になったら、「右翼」「左翼」「ノンポリ」の違いによらず、すべての日本国民は怒り心頭、安倍政権はもちろん、黒田日銀そしてアベノミクス万歳一色のメディア日本経済学会も厳しい非難にさらされて・・・

 ・・・といったような国家的危機、というよりは自分たちのメンツや失策の責任追及(「アベノミクス推進者は毀損した年金基金に私財を拠出しろ!」みたいな・・・)の危機を回避するために(?)アベノミクスは結局、「デフレ阻止!」を表向きの口実にさらなる円安追求に走るしかないでしょう(って、コワ~いデフレはバブルを膨らませたときの「資産デフレ」のことで、米欧中と違ってバブル清算[過剰債務と不良債権の処理]を終えた日本はいま、これに苦しめられてはいない。一方で円高原材料デフレのほうは国民の購買力を増やすので実体経済に大いにプラス・・・なのに、これを「阻止」してどーする!?)。具体的には青天井の為替政策(円売りドル買い介入)と金融政策すなわち日銀の「追加緩和」・・・って、もう国債購入が限界に近いなかでの追加策は、付利撤廃とか投信のようなリスク資産買い取りとか「ヘリコプター・マネー」(中銀が対価を取らずにマネーを刷って市中にばらまくこと)みたいな、金融面はもちろん財政面の規律までも吹き飛ばしかねない暴挙(!)くらいしか思いつきませんが・・・。これらの結果、日本のマイナス成長はさらに加速(!)してドイツを下回り、国民はますます窮乏化し、世界経済におけるわが国のプレゼンスはますます薄らいでいくことに・・・

 ・・・というわけでシツコク繰り返えさせていただきますが、こんな亡国的悪夢を政府・日銀によって実現させないようにするために、そしてもちろん国民が真に経済成長の恩恵を得て豊かになる方向に進むためにも、わが国はGDPのドル建て目標値(たとえば10兆ドル/年)、そしてドル建ての国富(家計金融資産等)の増加こそを高く掲げるべきだ、と考える次第です。

(「GDP年10兆ドルの日本をめざせ」おわり)

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【究極のQEバブルの次は「金」&「円」のバブルだ!?】GDP年10兆ドルの日本をめざせ⑦

2015-12-11 00:04:52 | アメリカ

前回からの続き)

 前回、1990年以降、ほぼ一本調子に上昇を続ける米GDPの推進力はバブル資産効果だ、という見方を綴りました。IT、サブプライムローン、そしていまのQEと、名前は違えど、いずれもバブルにほかなりません。これらバブルが実態を大きく超える資産効果を生み出して個人消費を煽ることでアメリカは経済成長を謳歌してきた面があるわけです。

 で、現在のQEバブルですが、これこそ究極のバブルといえるでしょう。それ以前のバブルは、ITならIT関連株、サブプライムなら不動産などと、バブルとなった資産が限定的でしたが、このQEバブルはアメリカ内外の資産と名の付くものすべて―――株、債券、不動産、商品、はては絵画や骨とう品の類にまで―――に及んでいます(ただし安価に捨て置かれた?例外が2つあり。後述)。どの資産の価額も実質的な価値をはるかに上回る水準に達しているということです。その異様さを象徴するのがこちらの記事以降、何度か指摘している株と債券の「双子のバブル」。両者がともに高値を付けるなど、常識的にはありえないでしょう。

 で、これらの意味するところは・・・たとえば以前のITバブルなら、それが崩壊しても不動産バブルを起こせばよかったが、全部がバブルのいまはもはや他のバブルに逃げ道を探すことができない、つまり遅かれ早かれバブルは崩壊し、すべての資産の価格が下がる恐怖の「資産デフレ」に陥るしかない(?)ということです。そして結局アメリカは、長年にわたって先送りしまくってきたバブルの最終清算に直面せざるを得なくなる・・・(!?)

 で、バブルが崩壊したときのGDPの成り行きが上のグラフ、日本のGDP(ドル建て)の推移に示されていると思います。わが国のGDPは1995年に約5.3兆ドルを記録したのち、本格的なバブル崩壊、資産デフレの深化と不良債権の増加、金融危機そして金融システムへの公的資金投入、といったバブルの後始末に苦闘したことで停滞を続けました。この1995年値を超えたのが15年も後の2010年(約5.5兆ドル)です(せっかくここまで回復したのにアベノミクスのせいで現在、急落中ですが・・・)。まさに「失われた20年」(lost 2 decades)・・・この長さにバブル(のツケ)がどれほど大きく恐ろしいかを実感させられるとともに、日本をはるかに上回る規模にまでバブルを膨らましてしまったアメリカ・・・のGDPの今後が非常に危惧されるわけです。これがどのような軌跡をたどるのか・・・? まあ、楽観的に見ても(?)当時の日本並み・・・の停滞かマイナス成長が20年程度継続、悲観的に見ればそれ以上の長期(lost generation・・・一世代分の50年くらい?)にわたってリセッションに苦しめられる、といったあたりなのではないでしょうか(って、後者になったらアメリカの覇権は・・・)。

 さて、もはや他のバブルなど考えられない、なんて上段で書きましたが、じつはこの世の中に2つだけ、あるんです。で、その2つとは・・・QEバブルを凌駕する真の究極バブルたる(!?)ゴールド)」と「」のバブル、すなわち金価格と円の暴騰です。おそらくこの場合は「アベノミクス」がいくら円安誘導を仕掛けても(無限のドル買い介入とか国債直接引き受けなどの円の「自殺行為」は除く!)マーケットの円買いの勢いがそれに勝り、ドル/円は現状の実質実効レート(10月現在で71.46円)を超えて円高ドル安に・・・もしかしたら1ドル50円にもなり得るのではないでしょうか。そのときわが国のGDPをドルに換算すると500兆円/50円で、10兆ドル・・・。

 前々回、日本のドル建てGDPは外国側の事情によって上向く、と書いたのは、こんな予想をしているからです。もっともこのとき、わたしたちの年金支給額は大きく減らされる可能性が高いでしょう。上述したように、いまアベノミクスが高値掴みをしまくっている外貨建て資産の大半が巨額の評価損を発生させるからです・・・

続く

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