以前から何度も書いているように、やがてわたしたちが「アベノミクス」の「戻り地獄」(≒アベノミクス各位が高値掴みした資産価額の大暴落)に引きずり込まれ、巨額の損害を被るのは避けられない情勢です(?)。それはたとえば、以下に綴ることからも十分に予想がつくことかと思うのですが・・・
この4月1日より、「ゆうちょ銀行」の預入限度額が、これまでの1300万円から2600万円に引き上げられます。具体的には通常貯金と定期性貯金とを合わせて1300万円だったものが、同日以降、それぞれの限度額が1300万円となり、合計で2600万円までの預け入れが可能になるというもの。これ、昨年12月、政府の郵政民営化委員会が取りまとめた2600万円への同引き上げを求める意見書を受けた総務省と金融庁が準備を進め、安倍政権の閣議決定等を経て今般の実施となるわけです。
ご存知の通り、ゆうちょ銀の上記限度枠の拡大には、以前から民間金融機関から「民業圧迫だ」とする強い批判がありました。それはそうでしょう。将来の民営化が予定されてはいるものの、ゆうちょ銀は現時点で「国営銀行」つまり国が株式の過半数を保有する日本郵政の子会社であり、その貯金等には事実上の政府保証が付きます。であれば金融マーケットにおいて公平な競争は望めません。だからこそ、ゆうちょ銀の貯金額には上限が設定されてきたわけですが、これが今般、増額されることに・・・ってそれだけでも驚きですが何と!?倍増されるわけです。そのあたりの狙いに関して上記委員会の岩田一政委員長は「重要なのは郵便貯金が使いやすく質の高いサービスになること」(日経)と強調したそうな。ちなみに同会の議論では当初、通常貯金の限度額撤廃を検討していたというのですから、スゴイとしか言いようがない。そこまでしたいのだったら委員会の名称を、いまとは真逆の「郵政『国営化』委員会」に変更すればいいのに・・・
ところで、ゆうちょ銀行とは何か、ですが、「銀行」と名乗ってはいるものの、民間の銀行等が行っているような個人や企業等への「貸し出し」等はできません。ということでやっているのは「運用」、つまり集めたおカネを金融資産等に投資して利ザヤを稼ぎ、その運用益を利息として貯金者に支払う、という、銀行というよりはヘッジファンドのようなコトをしているわけです。ここで、上記額が倍に増やされるということは、政府が、ゆうちょ銀に対して「運用資金を2倍にせよ!」と指令しているようなもの。ではアベノミクス各位が、ゆうちょ銀に対し、これほど巨額の運用原資を貯金者から預からせて、いったい何に投資させたいのか、といえば・・・