(前回からの続き)
ということで、「アベノミクス」の亡霊・・・ともいえるインフレ年率2%超(直近の報道によれば9月の消費者物価指数は同3%上昇!)を日本に降臨させた日銀の現行金融政策(異次元緩和:長短金利操作付き量的質的金融緩和)は、じつはアメリカのほうにより強いインフレ圧力をかける方向に作用してきました。そのおかげで(せいで?)、かの国が年率8%を超える・・・というより前代未聞の実質金利マイナス4~5%もの「真性インフレ」(実質マイナス金利がけっして解消しない)状態に陥ってしまったことは本稿、そして以前から繰り返しているとおりです。
先週末時点でアメリカの長期金利は4%を大きく超えてきています。これを受け、国内外のメディアは、金利上昇に伴う米景気の減速が懸念される、みたいな報じ方をしていますが、上記からすれば、この水準でも「低すぎ」といえるレベル。にもかかわらずこうして心配されることのほうがずっと異常です。それほどまでに、かの国は金利上昇への耐性を失ってしまった・・・わけで、そこに追い込んだのが日銀・・・って、支援しているフリして(?)、という次第。
と見てくれば、上記「アベノミクス」の亡霊は、それが出現しなければ―――日銀の現行政策がなければ―――アメリカもこうなることがなかった、逆にいえば、アメリカがこうなったことの裏返しで出現した、ということになりますね。となるとこの亡霊、一見すると悪霊・・・のようで、じつは・・・(???)