世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【金に駆逐されそうな全通貨…も、日本と円だけは大丈夫】金に駆逐されそうなドル④

2023-12-21 21:39:03 | 日本
前回からの続き)

 上述してきたことから、ゴールド)のドル建て価格は、短期的には多少の上下動はあるでしょうが、中長期的には上がり続けるしかないでしょう。それは、米ドル価値の、金のそれに対する永続的な下落、となるから、当然ですが、世界に、通貨としてのドルの没落そして金の復権をイヤでも感じさせる動きとなるはず。

 そして同じことは、ユーロをはじめとする世界各国のほぼすべての通貨についてもいえます。(たとえば、ユーロについては、こちらの記事等で指摘したように)どの通貨(の「番人」たる中央銀行)も、もはやインフレを抑止できない・・・ために、結果として当該通貨建ての金の価格の上昇を防ぎ得ず・・・ということ。

 となれば、どの国家?どの国民?といった違いにかかわらず、今後、持つべきは金、となっていきそうな気がします。以前も書きましたが、これ、けっして平和な?こととはいえないはず。ありていに言えば、金の分捕り合戦を発生させかねないためです。そして、これに勝つのは・・・中国?ロシア?まさかのアメリカ???・・・ってあたりでしょうね、きっと。その逆、負けの筆頭格は・・・残念なことに、日本国・・・って、最近ではこちらの記事に書いた事情のために・・・

 ・・・けれど、ね、それでも本当は大丈夫なのですよ。わたしたちには「」があるから・・・

(「金に駆逐されそうなドル」おわり)

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【FRB、政策金利維持決定&来年3回の利下げをほのめかして「不動産売るな!」】金に駆逐されそうなドル③

2023-12-15 19:13:25 | アメリカ
前回からの続き)

 ご存じのように、FRBは13日の金融政策決定会合で、政策金利の誘導レンジを現行の年5.25~5.5%に据え置くことを決めました。まあそこは、先述した市場の予想のとおりだったし、メディア報道も同予想をなぞるような感じですね。

 けれど、本稿の文脈で解釈するなら、このたびのFRBの決定は、端的にいえば、もう限界、つまり、これ以上の利上げはもちろん、いまの上記の金利水準にも耐えがたい・・・って米「不動産本位制」の維持には、ということでしょう。前述のとおり、米不動産価格は、高金利下にもかかわらず、今年の9月時点で過去最高値に達しました・・・が、対前月上昇率(8→9月)の鈍化傾向は明らかなことから、足元ではすでに低下に転じているかも、という「おびえ」がジェローム・パウエルFRB議長らの胸の内にあったはず。これ不動産本位制の全面崩壊・・・を誘発しかねない第2第3の「SVB破綻」にダイレクトにつながるわけですから、その思いはイタいくらい分かるし、だからこそ、このタイミングで「予防線」を張るかのような発表をしたのでしょう。ちなみにFRBの政策委員は、インフレの先行きが不透明だからその必要なんてないのに?ご丁寧にも?2024年は3回の利下げを見込む、などと、ほのめかしていますね・・・

 そのへんは、米不動産価格(ケース・シラー住宅価格指数)の発表がリアルタイムよりも2か月ほど遅行するところも影響しているでしょう。今月下旬に予定の10月値がその「おびえ」のとおりになっている可能性がけっこうありそう(?)。つまり・・・同値が対9月で下落となったことが判明し「やはり、ついに下がったか。となれば12月のこの瞬間はもっと下がっているに違いない」などとなって市場は一気に「リスク・オフ」モードへ・・・となることは絶対に回避しなければならないので、上記のように来年は利下げ―――不動産的な実質マイナス金利を拡大―――しますからね(だからけっして不動産を売らないでね)、との先行メッセージをFRBは伝えるしかなかったはずで・・・

 かくして、ゴールド)のドル建て価格を抑えるファクター―――米利上げ&高金利―――はまったくなくなりました(?)。もはや、多少の上下動はあっても、ドル建ての金価格は上昇一途でしょう(実際、13日の上記発表直後、NY金現物は1トロイオンス1980ドル付近から2030ドル前後まで一気に跳ね上がっています)。それは、繰り返しになりますが、FRBの金に対する自通貨ドルの価値下落の黙認(以外にない)となるわけです・・・

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【FRB、金価格は上がってほしくないと願っているだろう、が…】金に駆逐されそうなドル②

2023-12-07 20:55:10 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のようにゴールド)のドル建て価格が、政策金利が年5%超もの高金利のもとで、史上最高値に至ったのは、今春の米中堅銀SVBの破綻およびその際の米当局の対応(不良債権の事実上の買い上げ等)をみた市場が、やはりFRBそしてアメリカにはインフレ抑制(ドルの信認回復)は不可能だ、インフレ高進ドルの価値劣化)しかない、となってマネーを金に移したことの結果といえるでしょう。

 その点は米不動産も金と同じ、ということは、こちらの記事で予想し、そして先日のこちらの記事で詳述したとおりです。FRBの昨年春の利上げ開始から夏ごろまでは、不動産価格は、その目論見のとおり(?)少しずつですが下がっていましたが、年明けを境に上昇に転じて以降、対前月で8か月連続のプラスを記録しこれまた金とともに史上最高額に至っています(直近9月時点)。

 このような金そして不動産の価格推移と現時点での同水準だけをみれば、インフレ圧力MAXということで、中央銀行は金融引き締めを早急かつ強力に推し進めるべきでしょう。そこはFRBだって分かっているに違いありません。ただし、FRBとしては、金と不動産では感じ方が次のように微妙に異なっているはずです。

 まず金ですが、FRBは、その価格は絶対にこれ以上は上がってほしくない、と素直に?願っていることでしょう。それは先記のとおり、このまま金価格の上昇が続けば、それに反比例してドルの価値の下落に歯止めがかからなくなり、インフレのさらなる激化、そして最終的に通貨としての金の復権そしてドルの消滅を招きかねないためです。それはドルの番人としてのFRB自身の存在理由が失われることでもあるわけですからね。

 他方で不動産は・・・繰り返しになりますが、上記の先日記事に書いたとおりになります。すなわち、米ドルは、わが国(の日銀現行金融政策)の強力なサポートもあって?すでに脱却不可能の「不動産本位制」(ドルの価値を米不動産の価額に裏付けるシステム)に基づいている以上、その価格が下がってしまっては―――不動産価格に照らした実質金利が上がってしまっては)―――ドルの価値そのものも下がってしまうのでNG、といったこと。もっとも、同価格がさらに上がっていってしまうのも、(家賃等の値上がりを通じて)インフレ圧力を高めるのでけっして好ましくはないでしょう・・・が、上記を考えれば、そこは目をつぶらざるを得ませんね。

 ということでFRBとアメリカには不動産本位制を極めていく以外の道はありません。それは必然的に金の価格のドルに対する上昇―――ドル価値の金に対する一段の下落―――の黙認やむなし、ということになりますね・・・

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【金価格が年5%の高金利下で史上最高値に達したことの意味】金に駆逐されそうなドル①

2023-12-03 17:44:18 | アメリカ
 まだ10日ほどもあるのに、ずいぶん前のめりですね・・・って、その気持ちは分かるけれどね、痛いほど・・・

 ドル建てのゴールド)の価格がついに史上最高額に達しました。1日のNY先物終値は1トロイオンス当たり2089.7ドルと、これまでのピーク値(2020年8月)を超えました。同日中高値は2095.7ドルと、2100ドル台がすでにターゲットに入ってきた感じです。

 で、この金価格の上昇ぶりについて海外報道筋は、マーケットの、米FRBの次の一手を先読みした動きと伝えます。つまり、米CPI上昇率の鈍化等を受け、FRBが今月の金融政策決定会合(12~13日を予定)でいまの利上げ路線の終了に言及するか、悪くても?現状の政策金利水準(目標誘導レンジ年5.25~5.5%)の据え置きを決めるはず、ということで(名目上の)金利はついに上げ止まり、そして近いうちの低下(利下げ?)が視野に、と判断したマネーが金に・・・、みたいな報じ方をしています。まあ、それはそうですが・・・

 ・・・上記が真に意味するところはそうではなく、ましてや絶対に地政学リスクの高まり(ウクライナイスラエルガザ?)なんぞでもなく・・・FRBはインフレファイトに完敗した、もっと正確には、こちらの記事を含めて本ブログではずっと前から指摘のとおり、FRBにはそもそもインフレ制御なんて不可能なことがあらためて広く強く認識された、ということでしょう。そこは、先日のこちらの記事で書いた金価格の推移、すなわち現行の利上げが開始された時点(昨年3月、政策金利:ほぼゼロ、金価格:1950ドル前後)と現時点(同5.5%)の価格が同記事時点でほぼ同じ・・・どころか上記のとおり、いまのほうがむしろ高くなっていることで明白です。本来ならば、金利が付かない実物資産としての金の価格は、利上げが進むにつれてどんどん下がっていかなければならなかったのに、そしてFRBも、中央銀行(インフレファイター・ドルの番人)として、そう目論んだに違いないはず、でしたが・・・このとおり、まったく逆の様相に・・・

 こうして、ドル(米国債)は年5%もの利回りをつけてやっても金・・・というインフレヘッジ資産にまったくかなわなかった―――ということで、やはりドルの価値の劣化・信認の喪失は不可避、すなわちインフレに向かう以外にない・・・から、いまのうちに金を買ってドルの「洪水」に備えておこう、となった次第、ですね・・・

 そのあたり米利上げ後の推移において見逃せない転換点は・・・やはり、この間の金融システミック危機・・・寸前となった?今春の米中堅銀SVBの破綻でしょう。詳細はこちらに書いたので省きますが、実際、その発生より少し前の昨年9~10月あたりの金価格は1600ドル台にまで下がっていて、そこは、利上げ→ドル・米国債の利回り上昇→名目金利ゼロの金の価格が低下&ドル信認回復&インフレ鎮静化へ、という、FRBが思い描いていたであろう展開になりそうでした(?)。が、その後、金価格は上昇に転じ、もみ合いを経て、今般あらたな高みへ、となってしまったわけです。それは、同破綻を目の当たりにして市場が、これまた上記そして以前記事のとおり、ほらね無理だよFRBにもアメリカにもドルにも・・・って(実質)金利を上げることに耐えられっこないよ、となって、マネーの価値をドルから不動産そして金に移したことの反映といえるでしょう。

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