世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【ドルに利息を付けても金の価格上昇に追いつけないなら「おカネ」は自ずと金に…】あらためて「誰が大統領になっても変わらないアメリカ」②

2024-07-19 22:25:51 | アメリカ
前回からの続き)

 前述、そして本ブログで繰り返し論じてきたように、アメリカインフレに突き進む以外にない=その通貨ドルは劣化し続け(て最後は紙くずにな)るしかない、というところで、あらためて「誰が大統領になっても変わらない」し、変えようがないわけです・・・

 そのあたり、これまた、遅くとも昨年12月の記事「金に駆逐されそうなドル」でも念押し済みです。すなわち、ゴールド)は金利を生まない資産だから本来は金利が上昇すればその価値は下がりますが、実際は真逆もいいところ・・・って、そこは前回ご紹介の不動産価格とまったく同じトレンド、といった有様です。事実、ドル建ての金価格は、FRBの政策金利がゼロ%(~0.25%)だった2022年3月時点で1トロイオンス当たり1900ドル台(瞬間的に2000ドル台前半)をつけていましたが、同5.5%(もの、本来ならば相当な高金利状態)の現在は同2400ドル台半ばと、2年ちょっとで25%ほども値上がり・・・どころか(不動産価格と同じく)史上最高値付近に到達しています・・・って、この間のドル預金にはそこそこの利息が付き他方で金にはまったく付かないのに、です・・・

 こうなってしまうのは前記したとおりです。つまり・・・アメリカは不動産価格を永遠に上げ続けるしかないから、FRBとしては、これに下押し圧力をかけることになる金融引き締め(利上げ)はどうしても手加減をせざるを得ず、結果として金利が十分に上がらない(上げられない)ため、同価格はもちろん金価格(ドル建て)の値上がりもまた抑えられなくなる、ということ・・・

 この点は、本質的に「不動産」以上に重大です。というのも金は文字どおり金・・・って「おカネ」(マネー)だからです。ようするに「おカネ」としてのドルの価値を高めよう(悪くても維持しよう)にも上述からそれには「ガラスの天井」(≒これ以上に利上げしたら不動産価格の上昇率が長期金利に追いつかれるレベル)があるために金の価値にはもう届くことがない・・・から同じ「おカネ」なら金(ゴールド)を「持とう・使おう」となっていく・・・反面、ドルは「手放そう」となっていく、といった次第です・・・

 1980年前後、アメリカで激しいインフレ(ドル価値劣化)が巻き起こった際、当時のポール・ボルカーFRB議長は政策金利を最高で年20%(1981年)にまで引き上げました。これ「ボルカー・ショック」と称されるほどのキョーレツさで、あまりの高金利のために米景気は冷却化したもののインフレ率は大きく低下し、そこは評価が分かれるところですが、インフレ退治すなわちドル信認回復の観点からは、ドルの当時の最大の脅威(ドルに替わり得る法定通貨候補)であった「銀」(シルバー)を打ち負かした(銀の買い占め・価格つり上げを図った「ハント兄弟」ら投資家の同ポジションを金利引き上げで崩した)という点で、同氏はドルの守護者(中央銀行としてのFRBのトップ)としての責務を果たした、といえるでしょう。

 で現在。銀と金の違いこそあれ、それがドルの存在意義を激しく動揺させているところは当時と同じです・・・が上記からすると、当時とは違って、もはやこれを鎮静化できるわけがありません、たとえボルカー氏(故人)が生まれ変わって再登板したところで。ゆえにもうドルは・・・金に駆除されていく以外にない・・・

 ・・・って何の話でしたっけ?そう次期米大統領でしたね。誰になるのか?なんて予想等が、いかに不毛か、が分かりますね、このあたりからしても・・・

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【ドル劣化を止められないという点は誰が大統領になろうが同じこと】あらためて「誰が大統領になっても変わらないアメリカ」①

2024-07-17 20:48:16 | アメリカ
 さあ、どっちが有利?不利?結論は同じ、どっちがなっても・・・

 そのあたり、以前の記事「誰が大統領になっても変わらないアメリカ」で書いていますが、その後の経済・金融環境や、この間に本ブログで記した表現等を用いて、あらためて、かの国が「誰が大統領になっても変わらない」さまを以下、綴ってみましょう。

 で、その「さま」の本質は・・・ドルの信認維持はもはや不可能、ということになります。べつな言い方をすれば、アメリカの経済社会は(真性)インフレ(ドルの価値の恒常的な劣化)にますます陥っていく以外にない、といった感じですね、何度も指摘のとおり。

 実際、すでにアメリカは、インフレへの全面的な依存、具体的にはリスク資産とりわけ不動産の価額の政策意図的かつ永続的なつり上げで生じるキャッシュで資金繰りをつけるやり方(本ブログの表現で「不動産本位制」)にすっかりハマって(正確には、ハメられて?)います。それには当然、不可欠の条件としての低い不動産ローン金利・・・が保たれるべき金融環境が求められるわけで、実際、その不動産危機ともいえる2008年のリーマン・ショック直後から同環境演出のための米FRBによる量的緩和策による金利低め誘導(であるとともに同ショック前まで下落してきた不動産[および同債権]価額の再押し上げ誘導)が行われたわけです。

 もっとも同誘導のもとでは、ガソリン代などの物価(消費者物価指数[CPI])にも上昇圧力がかかりますが、これが過ぎると一般市民の物価高に対する不平不満感が高まって社会不安等をまねきかねません。そこでFRBは金融の引き締めに転じて利上げする・・・ものの、上記事情からそれは本気モードではない、ようするに高くても「不動産価格の上昇率-長期金利≧0」が絶対に維持されるあたり(つまり、不動産投資への合理性が保たれるギリギリのライン)で打ち止めにするしかなく、ゆえにさらなる利上げ(真のインフレ抑止)には踏み込めない・・・というより同価格および関連コストの値上がりトレンドは永遠に維持せざるを得ません。であれば、その圧が家賃の上昇等として結局はCPIにも波及するからインフレが収まらない・・・どころか高進一途に。それはイコール、ドルの価値は下落一途、にほかならない・・・

 といったことで、何度も論じていることを大急ぎで「おさらい」しました。ちなみに、上記はFRBの今般の利上げと不動産価格の推移からも裏付けられます。すなわち、FRBが現行の利上げを開始したのは2022年3月でその直前の政策金利は当然0%(~0.25%)ですが、同時点での米不動産価格指数(全米住宅価格指数ベース)は295でした(2000年100)。で同金利が5.5%(と本来なら不動産価格が同0%のときより大きく下がっているのが当たり前なくらいの高金利)の直近の同指数(今年4月)は320.4と同0%のときより8.6%も上昇!?して史上最高値!に達しています。さらに、この1年間の上昇率は6%あまり(2023年4月301.5)と米長期金利(この間、おおむね4%台)を上回っています。これらすべては、不動産バブル超~過熱状態を示唆しているから、常識的には、いっそうの金融引き締めでこれを鎮静化させなければなりませんが、上記のとおり、それ不可能・・・

 ・・・となれば、バイデンさん?トランプさん?それとも〇〇さん?のうちの誰が次期大統領になっても、アメリカはけっして変わらないし変えられない・・・ってインフレ(ドル劣化)に突き進むしかない、という点で・・・ってことが、あらためて認識できますよね・・・

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【誰が為に「死の鐘」は鳴る?・・・米テスラもそうだが、本当は…】早くも凋落のテスラが象徴する米産業と…のトホホぶり⑥

2024-07-11 22:28:13 | アメリカ
前回からの続き)

 前回、何よりもトホホなのが、あたかも米欧中(のモノやその交換券としての通貨)のほうがスゴいかのようにみせるため?自分のほうから沈んで(GDPや国民所得を世界でいちばん減らして)「物価賃金の好循環」などと得意になっている・・・ぶっちゃけ日本・・・の政府と日銀と指摘しました。そのあたり何度も繰り返しのとおり、その手段が日銀の現行金融政策「円安誘導」(超低金利誘導)になるわけです・・・

 本稿の文脈に沿って述べると、この政策はかの国々、とりわけアメリカドル「保護」政策といえますね。そこは上記や他記事で論じたように、それでマネーがかの国々に流入する、最低でも留まり続ける(大元の日本に回帰しない)ことで成り立ちます・・・が、その「保護」の度が過ぎたために金利上昇(≒ディスインフレ)への耐性が失われて、結局はインフレ依存を深めるしかなくなって最後は・・・(が、その「本当に本当の目的というのが本ブログの以前から変わらぬ推測ですが・・・)

 「death knell」(弔鐘)―――本稿1回目に紹介の、米テスラ車(含むアメ車全般)死滅を伝える合図(となり得る?中国メーカー製電気自動車の米市場への全面進出)を表すワード・・・とは、もっと大きなところは、そういう合図のことなのでしょうね・・・

(「早くも凋落のテスラが象徴する米産業と…のトホホぶりおわり)

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【テスラが「保護」ないと崩れるのはドルが「保護」ないと崩れるのと同じ…】早くも凋落のテスラが象徴する米産業と…のトホホぶり④

2024-07-05 21:36:16 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のように、電気自動車(EV)メーカーの米テスラ・モーターズは、同業他社との競争では、BYDをはじめとする中国勢に世界シェアをどんどん奪われ、トヨタ自動車を筆頭とする既存のエンジン車メーカーとの競争でもEV特有の課題(充電インフラの不足や価格の高さなど)の克服がいまだにできず、となって、客観的に見ても凋落トレンド入りといった印象です。唯一の強み?はホームの米市場・・・でしょうが、先述のとおり、それもまもなく始まる?BYDのメキシコ新工場からの輸出攻勢等で軽く崩されることでしょう・・・

 まあ・・・だからこその米政権のG7における中国に対する「過剰生産」批判やメイド・イン・チャイナへの関税強化なのでしょうが、そうでもして中華EVの流入を阻止して保護してやらないとテスラ車(含むアメ車全体)はホントに絶滅しかねない(existential threat)・・・くらいに「弱い」―――魅力がない、(くせに)価格が高い、って総合的な競争力がない―――ことを、ほかならぬアメリカ人自身が分かっているということですね(って、ずっと前から)・・・

 で、そんなテスラ・・・に代表されるアメ車の弱さですが、それはつまり米製造業(メイド・イン・USA)全体が「弱い」―――保護してやる/独占(寡占)の地位を許容してやる、としなければ、競争的な市場では(他国企業に)まず勝てない―――ということと同義であるのは、こちらの記事を含めて何度も指摘済み。であれば、その交換券である通貨ドルも、本来は「弱い」し「競争的な市場ではまず勝てない」となるわけです。にもかかわらず、いまドルが「強い」(ドル高な)のは、「保護してやる」から、つまり、本ブログでクドいほど述べているとおり、日本が(日銀現行金融政策で本邦金利を超低め誘導して日米金利差「米>日」を拡大してマネーがドルに向かうようにすることでこの価値を下支えするかたちで)ドルを「保護」しているからにほかなりません。そこは、モノ(自動車)とマネー(ドル)の違いこそあれ、「弱い」はずのテスラが「強い」(自動車業界では売上も販売台数も世界一のトヨタ自動車を上回って時価総額ではトップ!?)・・・かのように見えている?のと同じです・・・って、「保護」してやらなければ簡単に崩れちゃう、ってことです・・・し・・・

 ・・・「保護」すればするほどますます「弱い」ってことになっていくのも、また同じですね。ようするに、競争にさらされないように甘やかせば手を抜く・・・ってテスラ(アメ車)であれば(中国車との競争がユルいから)新モデルの開発・投入等を怠る、米連邦政府であれば(ジャパンマネーがファイナンスするから/日銀のおかげでマネーが日本に帰らない[アメリカからマネーが日本へ「キャピタル・フライト」しない]から)財政リストラ等を怠る・・・から、いずれも---メイド・イン・USAもドルも---結局は弱体化していく、といった具合です・・・

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【中国EVにもガソリン車等にも価格面や製品ラインナップ等で勝てないテスラは…】早くも凋落のテスラが象徴する米産業と…のトホホぶり③

2024-07-03 21:17:36 | アメリカ
前回からの続き)

 先述のように、昨年の販売台数こそ世界一だったもののBYDをはじめとする中国の電気自動車(EV)の攻勢に押される一方になりつつある?アメ車期待のテスラ・モーターズですが、今年に入ってさらに厳しい状況に直面しています。同社の第1四半期の販売台数は前四半期の20%減の約38.7万台と、市場予想の約46万台どころか前年同期42.3万台すらも9%ほど下回ってきました。直近の報道では今年度第2四半期の同台数は前年同期比で5.8%減の43.9万台で2四半期連続のマイナスと、低落トレンドが加速してきた印象です。そんなこともあって同社では、世界各地の工場周辺において、たった2つの既存モデル(Yと3)の在庫が積み上がり、新モデルの開発・投入どころではなくなって、それが選択肢の無さからテスラの魅力低下につながって・・・の悪循環に・・・

 これに対し、BYDは、中国市場での独フォルクスワーゲンとのシェア争いで優位に立つための値下げ等が響いて売上高こそ市場予想に届かなかったものの、その分、販売台数は押し上げられたか、EVとプラグインハイブリッド車の合計で前年同期比14%増の62万台強、輸出台数は9.8万台と153%も増加しています。このあたりEV業界においてはBYDを主役に価格面を含めた競争がますます激化・・・というより、正しくは、BYDをはじめとする中国勢がますますシェアを拡大し、逆に、これまでは上位の座にあったテスラやフォルクスワーゲンなどが転落していくプロセスに入ってきたといえそうです。

 そしてEVは現在、エンジン車(ガソリン車など)ともシビアなシェア争いを演じています。EVはエネルギー効率が高いとされていることなどから、中長期的にはガソリン車などに代わって普及していくのでしょう(?)・・・が、足元ではEVならではの課題、つまり充電インフがまだまだ不十分、信頼性への不安、そして何よりも価格がガソリン車と比べて安いとは言い難い、といったあたりが浮上し、それがシェア拡大に対する(短期的な?)障壁となっているもよう。であれば、自動車購買層の多くは、これらにおいてまだまだアドバンテージを維持するガソリン車の安いモデルでかまわない、あるいは、(燃費が良い)トヨタ自動車プリウスに代表されるハイブリッド車(HV)を選ぼう、等となってくるでしょう・・・

 以上を総合的に勘案すれば、EV車はBYD等の中国メーカーが米欧市場を含めて世界各地でいっそう存在感を高めつつ、これがトヨタを筆頭としたエンジン車(ガソリン車やHV車)メーカーとシェア争いを繰り広げ・・・といったあたりが今後の自動車マーケットのメインの図式になりそうです。ここでテスラは・・・上記からすれば、この図式の蚊帳の外・・・って敗者になるしかないのでしょうね、(中国に負ける)EV市場においても、そして(トヨタ等に負ける)自動車市場全体においても・・・

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【米市場未参入の中国BYDが対米進出したらテスラはまず勝てない…】早くも凋落のテスラが象徴する米産業と…のトホホぶり②

2024-06-27 00:01:19 | アメリカ
前回からの続き)

 中国メーカーによる電気自動車(EV)の「過剰生産」とその輸出販売を自国自動車産業にとっての存亡の脅威(existential threat)ととらえるアメリカですが、その脅威にさらされるのは具体的には・・・テスラ・モーターズとなるのでしょう。同社は言わずと知れたアメ車期待の星。実際、米自動車メーカー・・・ばかりか世界すべての自動車メーカーのなかでの時価総額は一番となっています・・・(ちなみに第2位はトヨタ自動車

 ・・・が、最近の同社のパフォーマンスと事業環境は・・・上記が懸念されるのももっとも、といった感じになっています。たしかにテスラは昨年、EVの販売台数が180万台と、通年では同シェアの世界一でした・・・が、第4四半期には、中国メーカーのBYDに首位の座を奪われて2位に転落しています(BYD52.5万台、テスラ48.5万台)。

 そのあたり、以下の点からもBYDは、現在の実績とポテンシャルの面で、テスラを上回ってきそうです。同社は昨年のEVの売り上げこそ157万台とテスラに及ばなかったものの、その対前年伸び率は73%にも達し、テスラ(同37%、131万台→180万台)との差を急速に縮めていることが分かります。そしてBYDは、テスラが作っていないプラグインハイブリッド車(PHV)も手掛けており、EVと合わせた販売台数は302万台と、これまた同62%増と勢いを感じさせます。さらに、決定的な点として、同社のEVはテスラ車よりも安価(1万ドル台~)で、EV/PHVのバリエーションも含め、より広範な購買層にアピールできるところも強みでしょう。これに対してテスラは、EVしかないうえ、選択肢も事実上2車種(モデルYとモデル3)だけで、そのうえ価格はいずれも4万ドル前後~もします・・・

 上記から常識的に判断すれば、テスラ(って、実質的に唯一のEVアメ車)がBYD(やシャオミ等の中華EV車)に勝つのは、まず無理でしょう。となればアメリカ市場ではBYDのシェアがどんどん拡大して・・・となりそうですが、それはあくまでも今後?のこと。じつは、BYDの上記の好業績は、ホームの中国とアジアおよび欧州等の市場でのもので、同社はここまで(一部車種を除いて)アメリカには進出してはいません。

 まあ・・・だからこそ、前述そして今回冒頭のようにアメリカ(って正確にはテスラの役職員&株主等)は、いまの勢いでBYDが(計画する?メキシコ工場からの輸出で)米市場にやってきたら・・・(テスラは軽く絶滅?)というおそれ&怯えが、すでに欧中間のEV競争が顕在化している欧州等よりも、ずっと強いのでしょう。だからといって、プライドの高い彼ら彼女らは、中国に(品質や価格や消費者満足度等の)競争で勝てません、と素直に言えないものだから、現政権とともに、かの国に対して過剰生産だの補助金だのと難癖?をつけてBYD等の参入を排除しようというのでしょう。そうやってアメリカは・・・消費者利益を失わせるのと引き換えに品質等の劣る自国メーカーを甘やかす・・・ために結局は国内外の人々に愛想をつかされるかたちで米業界全体が弱体化して市場淘汰されていく・・・って、それは・・・20世紀の対日貿易摩擦時でも見られたのと同じ構図ですね・・・

 さらにテスラ(・・・ばかりかBYDも含めたEV業界全体)は現在、EVに対する世界的な需要の減退にも悩まされつつあります・・・

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【メキシコから流入する中国企業製EVで米自動車産業は存亡の危機に】早くも凋落のテスラが象徴する米産業と…のトホホぶり①

2024-06-19 21:25:17 | アメリカ
 「相手」の過剰「生産」が問題?違うでしょ、自分」の「生産」の魅力の無さが問題なんだよね・・・。ホント、いろんな意味で涙が出ますよ・・・

 ご存じのように、今般の一連のG7(先進7か国首脳会議)のセッションでは、中国の「過剰生産問題」が主要議題のひとつになりました。5月の同財務省・中銀総裁会議は共同声明でこれに懸念を表明し、欧米メンバー国は、政府の巨額補助金で支援された中国企業が大量生産した電気自動車(EV)などを安い価格で売り込みをかけられているせいで、自国産業が脅かされていると批判しました。アメリカは同月、中国への対抗措置として、同国産EVへの関税を現行の4倍に当たる100%(!)に引き上げることを決定しました(8月より施行)。そしてEUも同EVに対する追加関税を暫定的に課す方針を発表しています。こうした動きを経て、G7閉幕における首脳声明は、経済安全保障に関して、EVの過剰生産を招いているとして中国の産業政策に懸念を表明するに至っています。

 このあたりは、とくにアメリカが中国製EVに警戒感をあらわにしている様子が窺えます。たとえば、全米製造業者連盟(Alliance for American Manufacturing)は、今年2月の報告書で、中国企業のメキシコ内の工場で生産されアメリカに輸入される安価なEVは米自動車産業にとって「死の鐘」(death knell)すなわちその存亡にかかわる脅威(existential threat)になりかねないと強い調子で警告しています。この点、同レポートは、同国メーカーのBYDがメキシコであらたなEV工場を計画していることに焦点を当てていますが、大げさ?とさえ思えるほどの上記表現から、これがいかに米EV産業に致命的な打撃になり得るかを超~心配する感情がひしひしと伝わってきますね。まあそこは・・・価格面も含めて米EVが中国産のそれに市場競争で勝てない(劣っている)せい・・・って正直に認めることができず、これを中国の過剰生産のせいということにしてG7という世界注目の場で問題視する・・・って、(EU以上に)やはりアメリカ(の今秋の大統領選挙を意識せざるを得ないジョー・バイデン大統領とその政権)らしいよな・・・などと感じる次第です。

 もっとも、アメリカが中国製EVにこうして神経をとがらせるのも分からなくはありません。かの国はここまでEVを自国産業の中核にしようとしてきたでしょうから。で、その自国の一番星?こそ・・・言わずと知れたテスラモーターズになるのでしょう・・・

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【アメリカの唯一の策は超インフレで対日債務を棒引きすること】日本の「体たらく」が示唆するドル「終わりの始まり」⑨

2024-04-01 00:02:12 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のように、いまや日本(政府・日銀・メディア・経済学会等)は、「体たらく」(の元凶である円安・・・誘導[日銀の現行金融政策])の限りを尽くして?ドル価値の下支えをしている(というより、させられている[ふりをしている]?)わけです・・・が、それでドルが高くなったところで、ドル安の環境と同様、しょせんはアメリカのインフレ激化、すなわちドルの「終わりの始まり」加速は抑えようがない、というのは本稿5回目で論じたとおりです。

 そして・・・それこそ、「体たらく」で「死んだふり」(GDPや実質所得の激減等)をして、さりげなく?ジャパンマネーの支え(「日本本位制」)を失わせて、かの国を不動産等バブル(によるマネー増発)に走らせ、制御不能のインフレを起こさせて自滅に追いやる、という、円安誘導の「本当に本当の目的・・・というのが本ブログの、ずっと前からの変わらぬ読み。さらに、これにはもっと大きな歴史的な意義―――そうやってアメリカ」・・・が象徴する「闇」つまり戦争や対立の古い時代を終わらせ、「日本」・・・が象徴する「光」つまり平和や友愛の新しい時代の幕開けを促すという、2千年前から?預言されていたプログラムとしての意義―――がある、とも・・・

 さて、これも本稿5回目でご紹介のとおり、現在アメリカは、高金利のもと、100日ごとに1兆ドル―――現在のレートで150兆円以上!?―――もの連邦債務を発生(米国債を発行)させています。これ世界一の対米債権国である日本の同保有分とほぼ同額の借金の証文が、わずか100日で振り出され続けていることを意味します。それだけで、もはやこの債務は持続不可能であることが常識的に理解できます。すなわち、その返済に必要な1兆ドルに年利5%ほどもの利息を加えた「巨額」を、将来の100日くらいの短期間で、かき集めて支払い続ける、それも永遠に・・・って、絶対にできっこない、ということ。

 であれば、だからこその上記ドルの「終わりの始まり」、すなわちアメリカは、この「巨額」を実質棒引きにして「少額」にするべく、債権者に対して圧倒的なほどのドル減価を仕掛けるしかない・・・って激しいインフレで、となるしかないでしょう(?)。もちろんそのターゲットたる債権者は・・・その筆頭であるとともに絶対にそれに文句を言わない(言えない日本・・・と、その通貨「」以外にあり得ません。つまり、1ドル150円のときに日本から借りた1兆ドル(150兆円)を、将来の返済時に―――たとえば1ドル50円となるときに―――50兆円あまり(含む利息)の返済で済ませる―――差額の約100兆円は日本にソンを被らせる、という手です。もはや(って正確には、「プラザ合意」の頃の昔もいまも)アメリカにはそれしかないし、日本にとっては(上記のように、誰一人として文句を言えないから)それは避けがたいところでしょう・・・

 唯一、その点における日本の救いは、10年以上も前から保有米国債の額が1兆ドルあまりからまったくといってよいほど増えてはいないこと。つまり、実質棒引きを余儀なくされるドル債券が1兆円程度のスケールに抑えられそうだ(?)というところです。これ、これまた本ブログで何度も述べているように、上記の日銀の現行金融政策(円安誘導)の、上記「本当に本当の目的」に加えた、日本にとっての最大の成果?といえるでしょう。もし同政策が行われなかったら、同開始前の2013年以降も円高ドル安が継続し(ジャパンマネーの対ドル資産購買力が強くなって)、いまごろはきっと米国債を・・・3兆ドル(1ドル50円としたときの現保有額に等しい150兆円分)くらいは抱えていたことでしょう(?)。であれば、同じ棒引きを食らうならば、1兆ドルのほうがずっとマシというものです・・・(?)

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【ドル「終わりの始まり」に追い詰めたのは日本「体たらく」の元凶「円安」】日本の「体たらく」が示唆するドル「終わりの始まり」⑥

2024-03-17 14:00:39 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のことからアメリカでは、その通貨であるドルが、他国通貨、なかでも「」に対して高くても安くても、どのみちインフレが激化していくしかありません。それは、こちらの記事に書いたとおり、FRBが利下げ(金融緩和)はもちろん利上げ(同引き締め)してもインフレを抑えられないのと同じことです。だからこそ、実際、上述のゴールド)価格が利上げ開始時の2022年春の時点よりも政策金利5%超の現時点で史上最高値付近にあるわけですが・・・

 かくしてドルは「終わりの始まり」すなわち、いよいよ第3コーナーを回って最後のインフレ(価値劣化)一直線コースに入ってきました(?)。そうなってしまったのは、まあ・・・双子の赤字(経常&財政)の拡大を放置し続けてきたアメリカ自身に最大の原因がありますが、他方でそれは・・・ドルに基軸通貨(≒石油交換券)としての価値を与えてきた1970年代初頭からの「石油本位制」、そして・・・それ以上に本質的に強力な、戦後ずっと機能してきた「日本本位制」がドルの信認を裏付け続けた(日本がドルの価値の減価を引き受け続けてきた)からこそ、かの国とドルは上記拡大を放置してきても、ここまで生き永らえてきた、ともいえる面があるわけです・・・

 で、これでうまくいっていた?はずなのに、ここにきて「終わりの・・・」になった大きな要因は、やはり「アベノミクス」(日銀現行金融政策開始)以降のわが国の「体たらく」・・・の元凶である「円安」(ドル高)でしょう。これが前述、そして、こちらの記事等に綴ったように、「日本本位制」の対米効力を失わせた、すなわちアメリカ(とFRB)を(ジャパンマネーの対米投資力減少等による)マネー不足(金利上昇圧力増大)に陥らせて「不動産本位制」(不動産等バブルでの錬金術)へと走らせ、もう二度とそれらの価格の下落に耐えられないように―――マネーを刷り続けるしかないように―――導いた、という次第ですね。

 以前から指摘しているように、アメリカの「アキレス腱」―――外国に頼らざるを得ない国家的弱点―――は「金利」ですが、「円安」は結果的に、かの国が外国・・・って、ぶっちゃけ唯一の「同盟国」である日本を十分に頼れないようにすることで、その「アキレス腱」を脆弱化させた―――「金利」(インフレ)コントロールを失わせた―――かたちとなりました。そのあたりこそ、もはや「日本本位制」で日本がドル減価という巨大損害を食らい続けるのはゴメンだ!という強い国家的意志のもと、日銀の上記政策の真に秘めた「本当に本当の目的」(アメリカにインフレを起こさせて自壊させること)なのですが(?)、まるでその逆、つまりドル高誘導によるアメリカ&ドルの支援こそがその「本当の目的」であるかのように振る舞っているのが・・・本邦政府&日銀の役者なところなんですけどね・・・(???)

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【ドルが高くても安くてもアメリカがインフレになっていく理由】日本の「体たらく」が示唆するドル「終わりの始まり」⑤

2024-03-09 15:05:11 | アメリカ
前回からの続き)

 ゴールド)の先物価格(ドル建て)は7営業日続伸し、8日のNY終値は2185.5ドルと過去最高値を更新しています。そのあたり、べつな見方をすれば・・・金に対するドルの価値がこうして下落の一途、ということで、まさに昨年末の記事タイトルのとおり、ついにドルは「金に駆逐」されていくプロセスに入ったというべきなのでしょうね(?)。というのも、これまた同記事で指摘したように、FRBは政策金利を2022年春のゼロ%付近から現在の5%超まで引き上げてきたにもかかわらず、永遠に利回りゼロの金の価格抑え込みに失敗・・・どころか逆に同ゼロ時よりも現在の5%超時の価格のほうを上記のとおり押し上げて(?)しまったからです。やはり、とっくの昔から書いているように、FRB、そしてアメリカ(連邦政府)には、ドル信認の維持すなわちインフレ制御が不可能なことがあらためて分かりますね、金を通してみれば・・・

 ところで先述のように、現在、為替レートは「円安」つまり・・・そのドルが円に対して(超がつくほど)高くなっているわけですが、米国民にとっては、いまや、このようにドルは円・・・をはじめとする他通貨に対してつねに高くあってほしいところでしょう。なぜなら、こちらの記事等でご紹介のとおり、かの国はすでに、「ボーイング」の航空機以外のほぼすべてのモノ(含む石油等)を他国から買うしかない―――自国に国民の需要を満たすモノ作りの産業等がないに等しい―――ためです。であれば、ドルは高いほう(ドルの他国産品の購買力が強いほう)がよいことになります・・・って、安くなると、全米のほぼすべてのモノ(≒輸入材)のドル価格が跳ね上がってインフレが激化してしまいますからね(って輸入代替(自国で製造等)ができるのは兵器・武器類くらいしかない?)・・・

 ところが・・・ドル高になると、今度は、かの国をファイナンスするべき(アメリカにとっての)マネーが不足し、「金利」上昇圧力が高まってしまいます。これまた既述、上述、そしてご存じのように、かの国は永遠の双子(経常&財政)の赤字国であるところ、他国からの借り入れが常時必須ですが、当該国の通貨がドルに対して安くなると、それだけ同国の米国債等の購買力が低下してしまう―――それだけアメリカは諸外国からのファイナンスを得難くなる―――ということです。

 そのあたりは、こちらの記事に書いたとおり、日銀の現行金融政策「異次元緩和」---事実上の円安誘導---開始時(2012年1月)から最近(2022年12月)までの10年あまりの間、日本の米国債保有額がまったく増えていない(むしろちょっとだが減ってさえいる)ことからも分かります。それなのに、この間、アメリカの(連邦政府)債務額は・・・2012年の約16.7兆ドルから2022年には約30.9兆ドルと、倍近くに膨らんでいます(現時点で約34兆ドル…)。しかもこの瞬間、かの国の国家債務は100日ごとに1兆ドルずつ増加し続けている(バンカメのアナリストの指摘)わけです。これほど巨額となれば、日本その他からの借金では賄いきれるワケがなく、その穴を埋めるべきマネーは・・・やはり「不動産」(およびその価格を押し上げるべきFRB緩和マネー)で生み出すほかないでしょう・・・

 こうして、通貨高という本来ならばディスインフレ的な金融環境さえもまたアメリカではインフレ喚起的になってしまいます。したがって上記からも・・・アメリカそしてドルはどのみち―――本稿の文脈では、ドルが高かろうが安かろうが―――インフレになるしかない、という毎度の結論が導かれる、という次第です・・・

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