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【日銀・GPIF、金融市場の価格決定メカニズムを破壊】「アベノミクス」共産化が進む日本だが・・・③

2016-09-01 00:01:57 | 日本

前回からの続き)

 前回、アベノミクス」唯一の取り柄(?)である株の資産効果を維持させるため、そしてリスク投資失敗が発生させた大損害(巨額評価損!)を取り戻すために、黒田日銀公的年金基金(年金積立金管理運用独立行政法人:GPIF)はいずれも、日銀の追加緩和との合わせ技で(?)日本株のいっそうの買い上げ(買い支え)に走るだろう、なんて個人的な見通しを綴りました。これは当然、両者による主要企業の株式の持ち分比率の上昇をもたらし、その結果、本邦産業界の「国有化」がますます進むことになるのでしょう。まさにこれって旧ソ連や中国といった共産主義国のスタイルで、このあたりにアベノミクスが左翼的と本ブログで以前から指摘している理由の一端があります。

 さらにいうと、日銀・GPIFの上記の株買いが、マーケットの地合いをほとんど無視したものであるという点も左翼的。本来、健全な株式市場では、個々の企業の株価はマーケット原理に基づいて内外の投資家の売買が均衡する水準で決定されるべきもの。そこに両者が巨大マネーを抱えて割って入り、ETF(上場投資信託)を通じてその構成株式を買いまくるわけです、「この銘柄は買い時か、それとも手を出したらヤケドしそうだから見送りか」みたいな投資家として当然の判断を一切することなく(?)・・・。となれば、日本の現在そして今後の上場企業の株価が妥当なのかが市場参加者の誰にも分からなくなってしまいます

 同じことは、こちらの記事に書いたように、日本国債(および長期金利)についてもいえます。異次元緩和」の開始以来、日銀が国債を爆買いしているせいでその価格は、これってマトモ?と皆が首をかしげたくなるくらいに高く(金利は低く)なってしまった・・・とりわけ「マイナス金利政策」導入以後は。社債等の他の債券の価格も、この影響で「つれ高」(利回りは低下)になり、それら本当の市場価値がどのあたりにあるのか、まったく見当がつかない・・・

 こうして、いまの日本の株式・債券マーケットは、アベノミクスの過剰介入によってマヒ状態・・・合理的な価格形成機能を果たす市場メカニズムが失われた状態に陥ってしまった・・・って、これまた共産圏の市場みたいにしているわけです、安倍政権・黒田日銀は。こちらの記事で、両者のやっていることは、金融当局を通じた市場管理を強める中国と実質的に同じだ、なんて記したのはそのためです。

 非効率と不条理―――市場メカニズムが排除され、政府によって管理された経済・社会を覆うのが、これです。日本もそうなっていく瀬戸際にある。そもそもの意味での「右派」(≒自由主義者)が「左派」(≒アベノミクス主義者!?)を嫌悪するのは、そのためだったはず・・・。わが国がそんな共産主義の世の中になることなく、合理的な経済判断がまかり通る国であってほしい・・・と心底、祈る思いです。

続く

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2 コメント

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Unknown (w)
2016-09-02 15:29:07
日銀・GPIFは将来も株を売れないですね。売ったら下がります。しかし買うならトヨタとかの優良企業を買い占めてほしい。優秀な独自技術を持つ会社とか。外国人株主比率50%を越える会社こそ25%くらい買ってほしい。

日経平均維持はまったく無意味。まあ塩漬け株を抱えて泣いていた人に、売り逃げの場を与えたという救済の意味では良かった。しかしこの人らは、またこりもせずに株に手を出すからだめですねえ。
円安は亡国政策です。
日本破綻説にだまされて、ドル、ユーロをたくさん抱えていて、たまたま病気になり休業。収入赤字。ドル売り円買いで生活費にせざるを得なかった私には身につまされてわかります。まるで歳老いて、日本に帰えって来た、ドルを抱えている、アメリカの年金暮らしの日本人の立場とまったく同じでした。115円で買ったドルを80円でうるときの断腸の思い。125円になり、安心していたら、ココへきて又100円。何、この強さ。いままた困っています。まさかのユーロ安で大損状態。
多くの人は日本円の強さがわからない。
これだけの自爆行為をしても、なかなか、円安にならずにすぐ円高に戻る、この円の強さ。
日本が破綻するというアホな説。ふつうでは、アメリカ、EUがさきに破綻します。ただ、日本はアメリカの属国なのでまさかというのはありえると少しは考えています。だから余計に、
たよれるのは唯一、gold。
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Unknown (コメントありがとうございます)
2016-09-12 21:53:15
 ご指摘のとおり、そして何度も綴っているように、わたしも「Gold」だと考えています。日米欧中いずれの中央銀行とも、もはや紙幣を刷る以外に策がないわけで、それらの単位当たりの価値の目減りすなわちインフレは避けられそうもないわけですからね。必然的に、紙のように増やせない何か別なものに通貨価値の裏付けをさせよう、とならざるを得ず、それは・・・やはり「金」しかないでしょう。
 まあ世界の主要中銀で日銀だけはマネタリーベース拡大なんてする必要はなかったのに、いまはQE一時停止中のFRBやECBなどよりもずっと派手に資産を買い漁ってマネーをばらまいています。どうせやるならいっそ・・・日銀は外債(絶対にダメ!)などではなく、来るべき新秩序に備える意味でも(?)「金」を買いまくればいいのにな~なんて思う次第です。
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