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【適当な運用先は日本国債しかない】日銀「異次元緩和」が終わっても国債暴落は起きない⑥

2014-08-11 00:03:45 | 日本

(前回からの続き)

 では、日銀当座預金口座に貯まりつづける緩和マネーの行き先はどこになるのか、ですが、やはり「日本国債」以外にありえないと考えています。本稿でこれまで述べてきたとおり、この口座に積まれた数十兆円もの大量のおカネを吸収できる適当な運用先が世界中どこを見渡してもほかに見当たらないからです。もっともいまは「異次元緩和」実施中の日銀が国債を買いまくっているので(国債価格が高すぎる・利回りが低すぎるので)、日銀以外の他者はなかなか手が出せませんが・・・。

 したがって、わが国の金融機関の多くは、文字通り「とりあえず」当座の日銀口座に預金をしながら、時期が来るのを―――以前のように国債がもっとスムーズに買える環境になるのを―――じっと息を凝らして待っているのではないでしょうか。結局、それまでの(長い?)間、国債「買い!」の潜在的なエネルギーはマグマのように膨らみ続けることに・・・。

 やがて日銀が異次元緩和を終え、「出口戦略」(異次元緩和のあいだに買い入れた国債等の資産を市場に放出していくこと)を実行に移すときが、そのマグマの動き出すタイミングとなります。国債価格はそのとき下落し、利回りが上昇するからです。そのとたん「待ってました!」とばかりに、わずか0.1%/年の付利で耐え忍んできた巨額のマネーは同口座からとうとうとあふれ出し、熱き奔流となって日本国債に殺到するでしょう。

 もちろんこの際には異次元緩和の開始直後と同じような混乱―――長期金利の乱高下は避けられないと予想されます。これは十分に気をつけなければならない事象です。しかし、日銀がフォワードガイダンス(いつ、どのように出口戦略を進めるのか、を前もってアナウンスしておくこと)等を適切に行えば、これは十分にコントロールできる範囲にとどまるだろうと思っています。なぜって、繰り返しになりますが、ありとあらゆるリスクに満ちたいまの世界で、日本国債以外にこれだけのマネーの受け皿を見つけることなんてできっこないですから・・・。

 長々と綴ってきましたが、以上のような理由から、日銀の異次元緩和が終わっても日本国債の暴落や長期金利の急騰はまず起きないし、それが原因で日本経済が重大な危機に瀕することはないだろうと考えています。本稿冒頭で日銀の異次元緩和で起こったことは「国債:金融機関→日銀」「マネー:日銀→金融機関」(金融機関→日銀当座預金口座)と書きましたが、「異次元緩和」終了後に起こる現象はその裏返し―――「国債:日銀→金融機関」「マネー:金融機関→日銀」となるでしょう。要するに単なる「行って来い」ということです。

(続く)


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