世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【ドル資産の不良債権化こそ最大のリスクなのに…】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を⑧

2022-06-29 21:40:02 | 日本
前回からの続き)

 日本にとってインフレドル価値の崩落)を回避することは先述の方針転換によって容易にできるはずです。当たり前ですが、それによってがドルに対して(数倍も)高くなることで輸入物価が急落するとともに、わが国は真の、そしてアメリカを含む他国を凌駕するほどの大幅なプラス成長を成し遂げるからです。

 しかし・・・この際、これまた当然ながらドルが円に対して急落するために大量のドル建て資産(はもちろんユーロ建てなどのすべての外貨建て資産)が不良化するわけです。これこそがドル暴落が引き起こす最大のリスクであろうことは、こちらの記事を含めて何度も書いたとおりです。具体的には・・・ゆうちょ銀行農林中金の2大政府系金融機関の救済に巨額の血税が必要となること、そして年金原資の多くが失われるために年金支給額の減額が余儀なくされる(かもしれなくなる)こと等です。これらはどれも「官」(政府セクター)が、これまでの人為的な円安ドル高局面でドル資産を高値掴みしたことが元凶のダメージというのが、何ともやりきれないところです・・・

 そのあたり、国家国民的な損害はもはや避けられないものの、これを少しでも小さくするための策もまたこちらの記事等で書いています。が、それが実行される可能性は高くはないでしょう、その実行(いまのうちに売り抜けるということ)そのものが自分たち(本邦政府・日銀)の政策の否定につながりかねないからです。結局は逃げ遅れ、損害が膨らんで、「すべては円高(ドル安)が悪いんだ」などと弁解して上記高値掴みの責任追及から逃れようとするに違いありません(?)。もちろん本邦マスコミも政府・日銀を擁護する側に回るでしょう。上記で「やりきれない」としたのは、そのあたりがミエミエだからです・・・

 ということで、やはり日本は夜明け前のいちばん黒いときにいるのだな、と嘆息するしかありません。が・・・それでも光は届くでしょう、運命づけられている(?)わたしたちは圧倒的に強いからね・・・

(「ドルのとめどもない劣化に備えた行動を」おわり)

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【日本にとってインフレ(ドル劣化)の損害回避は難しいことではない、が…】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を⑦

2022-06-27 21:46:05 | 日本
前回からの続き)

 前記のように、そして最近ではこちらの記事を含めて何度も論じたとおり、アメリカはもうインフレに向かう―――米ドルの価値・信認は劣化の一途をたどる―――しかないでしょう。そうなってしまったのは、根本的には当のアメリカ自身に一番の原因があるわけですが、同国をこのルートに強く追いやっているのは前述したように日本・・・の日銀の現行金融政策(異次元緩和:円安誘導)になるわけです。そしてその所期の目的は達成されつつあるといっていいでしょう。かの国ではとうとう真性インフレ(≒永続的な実質マイナス金利状態)が現出してしまったわけですからね・・・

 わたしたち日本国は、この不可避の事態にどう対処するべきでしょうか・・・っても、理論上はそんなに難しいことではありません。上記、そして本ブログで何度も述べていることですが、為替レートの円高ドル安を容認すること、つまり円安を促している日銀の超緩和的な現行金融政策を引き締め方向・・・っても「ゼロ金利」程度へとちょっぴり利上げすればすむ話です。それによって円の実質金利(=名目金利-インフレ率)はゼロと、同マイナスのアメリカやユーロ圏よりも高くなるために円高となって、いまわたしたちを苦しめている(エネルギーをはじめとする輸入原材料)インフレはたちどころに収束するばかりか、国民の実質所得は回復・上昇し、国際収支も改善し、などなどと日本経済は真のプラス成長軌道に乗っていくでしょう。まあ当然ですよ、強い円こそ日本の最大の国益ですから。

 ちなみに・・・そのあたりについて、上記政策の転換により日銀が債務超過に陥って・・・という議論があります。たしかに、日銀は現行政策開始以降現在まで、国債を超高値で買いまくってきているところ、この価額が金融引き締めで下がったら日銀の純資産が減少し、場合によっては債務超過になってしまうかもしれず、これポジティブなこととはいえません。ですが・・・(かなりキワドイですが)そこはこちらの記事に書いたような帳簿操作?みたいなことをすれば、実質的な損害(金利上昇等)は回避できると考えています。そのあたりは日銀のB/S・・・ではなく日本国全体(中央政府・日銀・民間等)の連結B/Sで見たとき、その純資産が世界一強固である点にフォーカスすれば、その程度のことでわが国は揺らぎようもないことが分かるでしょう。

 にもかかわらず上記のような議論が出てくるのは、(国債価格の低下・金利上昇で日銀のB/Sは劣化してしまいますよ、)だから日銀は現行政策を止められない(金融緩和を続けるしかない)、といいたいからにほかなりません(?)。まあ日銀政策の本当の目的が「アメリカ支援」だと超誤解(?)しているからそう訴えるのでしょう・・・が、その本当に本当の目的は「・・・に見せかけてアメリカを真性インフレ・貧富の格差拡大・分断そして内乱(?)等に導いて自壊を促すこと」だってことなんですけどね・・・(?)

 といったように、日本はインフレ(≒ドルの価値・信認崩壊)を回避しようと思えば容易にできるわけです。が・・・

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【円高ドル安放任でJマネーの米国債投資額は増えそう?だが…】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を⑤

2022-06-23 00:00:25 | 世界共通
前回からの続き)

 上述したことから、アメリカ、つまり米ドルを救うには、その価値の劣化(インフレ)をもたらすFRBの量的緩和(QE:米国債の実質的な直接引き受け)に同国が頼る必要がないくらい米国債を誰かに買ってもらう必要があるわけですが、前回書いた理由等から中国や産油国の投資程度ではまったく足りません。となるとあとは事実上、欧州すなわちユーロ圏諸国と日本しか候補になり得ません・・・

 ・・・が、前者(ドイツやフランスなど)もまたパワー不足でしょう。こちらの記事に書いたように、その共通通貨ユーロの価値はドルと大して変わらない・・・どころか、構造的にインフレ(通貨価値劣化)になるしかない仕組みに基づいているためにドル以上に弱い通貨になるおそれすらあるわけで、ともかくユーロ圏が対米投資をアメリカが求めるほどに急増させることなんて、できるはずはありません。

 となって、やはりわが国しかない―――アメリカをファイナンスし続けることができるのは日本だけ、ということになります。そのあたり、日本は世界一の純資産国だから当然ではありますが。もっとも、そのためには絶対の条件があります。それは、ドルに対してが強くなるのを許容すること。つまり、いまの為替レートが1ドル100円だとして数年後(いや、数か月後?)に同50円になることを放任する(市場原理に委ねる)、ということです。となれば、同じ100兆円で、、いま1兆ドル分しか買えないのが、数年後(数か月後?)は倍の2兆ドル分が買えることになるわけです。これアメリカからすれば、いまよりも1兆ドルもよけいに日本からおカネを借りられる―――FRBのQE(通貨増発[インフレ喚起])に頼らなくて済む―――ということで、たいへんありがたいはずです。ただし日本の投資家としては、上記の場合、数年間(数か月間?)でドルが円に対して1/2に減価してしまうために、米国債投資で円建てのプラスリターンを得るのは非常に難しい(ためにアメリカが期待するほどジャパンマネーは米国債を買わない可能性もある)でしょうが・・・

 他方、こうして日本が米国債の購入総額を2兆ドル、3兆ドル・・・と増やしていける、ということは・・・円がどんどんドルに対して強くなり、その結果、日本のドル換算のGDP額もまた急増していくことを意味します。それはきっと中国を抜き返してアメリカのGDPに次ぐ地位に返り咲く・・・ばかりか、そのアメリカをも凌駕する・・・って、GDP世界一になる(なってしまう?)可能性すらあると予想しています。逆に、それくらいに円がドルに対して価値を高めないと、日本はアメリカをファイナンスできない―――アメリカはQEに依存する必要が生じる(インフレになる)―――となるわけで・・・

 このあたりでアメリカは、日本こそ最強の同盟国である・・・とともに最強の仮想敵(?)とみているはずです、自分を抜き去って世界一の経済大国になり得る唯一の国、ということで・・・(?)

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【中国や産油国がドルの救世主になれない理由】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を④

2022-06-19 00:02:56 | アメリカ
前回からの続き)

 あらゆるモノ&サービスの価格が上昇一途(つまりはドル価値が劣化一途)のアメリカですが、前述のように、直近ではインフレ率以上に急騰してきていた不動産価格が、米FRBの利上げを反映したローン金利の上昇等によって一転、というか、(おそらく)リーマン・ショック以降ではじめて(そして本格的な?)下落に転じるおそれが出てきました(?)。なので、今後の関連指標(ケース・シラー住宅価格指数等)は要注視でしょう。もし本当に下がったら、それは・・・ローレンス・サマーズ元財務長官が懸念する恐怖の資産デフレ(・・・に耐えられっこないのでFRBがマネー刷りまくりのハイパーインフレ)に向かう不可逆プロセスのスタートになりかねませんからね・・・

 というように、最近ではこちらの記事を含めて何度も書いたとおり、アメリカにはインフレ高進以外のルートはなさそうですが、それはすなわち、ドルの価値・信認の崩落を意味するわけです。FRBの利上げでソフトランディング?これまたシツコク繰り返しているように無理無理。いまのマーケットを見れば誰でも分かるでしょう?実質金利マイナス5%(=長期金利約3%-消費者物価指数8%あまり)という超~異常な低金利環境にもかかわらずこうして資産バブルが破裂寸前になっているのだから。あとはもうノーリターン(金融緩和オンリー)で逝くしかありませんよ、ドルは・・・(?)

 ・・・って、ドルは本当に救いようがないのでしょうか。まあ・・・そうだと予想しますね。けれど、確率はわずかでしょうが、たった一つだけ救済策があります(???・・・って超~自信はありませんが)。それは・・・FRBに代わる誰か・・・って、ぶっちゃけ日本米国債を買い支える、です。そのあたり以前からいろいろ述べていますが、ここであらためて、それしかない、と思うところを書いてみましょう。

 上記、そして本ブログ過去記事で繰り返し論じているとおり、いまのアメリカの激しいインフレ(ドル劣化)は、もとはといえば、遅くともリーマン・ショック以降のFRBによる量的緩和(QE)・・・という名の財政ファイナンス(中銀による国債の直接引き受け)がもたらしたドルの超~過剰散布に起因します。となると、これを食い止めるには・・・FRBがQEをせずとも米連邦政府がマーケットメカニズムでファイナンスされることが絶対に必要な条件となります。

 「そのあたりは、対米貿易で稼いでいる中国や、エネルギー高で潤う産油国が、手にしたドルで米国債投資をする、ということで満たされるのでは?」そうですね。たしかにこれら諸国は相当量の米国債を購入するでしょう、金利収入が得られるから。しかし、彼らが持つ1億ドルで買える米国債は当然ながら約1億ドルのところ、そうこうする間もアメリカは追加の米国債を1億、2億・・・と次々に振り出していくわけです。であれば、よけいに出てきたこの米国債をファイナンスするマネーの出し手はいない(って、そもそもマネーが[投資家が株や不動産などのリスク資産を売却して現金化でもしない限り]市場にない)から、(米国債価格急落・金利急騰を防ぐために)結局はFEBがQEでマネーを乱発して・・・となってしまい、インフレ(ドル価値下落)は回避できません。この点で、中国や産油国は(って、まあ、ある程度は助けているが)アメリカ&ドルの真の救世主にはなり得ない、といえるでしょう・・・

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【FRB利上げが始まっているのに米不動産価格は上昇、だが…】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を③

2022-06-17 00:01:08 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のように、真性インフレ」(実質金利が恒常的にマイナス圏に没入し続ける状態)すなわちドル劣化を根本的な原因として、ガソリン価格を筆頭にあらゆる物価の上昇がやまないアメリカですが、モノばかりかサービス価格のほうもどんどん値上がりしています。そのあたり、5月において前年同月比で5.2%も上がった家賃が代表例として挙げられるでしょう。

 でその背景にあるのは、当然ながら不動産価格の上昇です。もっとも不動産はたいていの場合、多額のローンによって購入されるもの。したがって、金利上昇(借金支払い負担増)はその価格にはネガティブに作用するから、米FRBが今般の金融引き締めに移る少し前あたりから下がってきていてもおかしくはないはず、と思っていたら・・・逆に上がっているわけです、直近も基本的には・・・

 そのへん、S&P/ケース・シラー住宅価格指数でみると、今年3月の値は294.5(2000年1月を100)と、前年同月比で20.6%も上がりました。これ、昨年3月時点での同比上昇率13.5%を大きく上回る恐ろしいほどの勢いです。しかもこの1年の間に、FRBが利上げを開始したことで価格の頭が抑えられそうになったにもかかわらず、です。そうしたなかでも、なぜ米不動産価格の上昇は加速したのか・・・

 まあそこは上述、そして本ブログでは何度も指摘のように、利上げが始まったとはいってもアメリカは実質マイナス金利状態にあるわけです。であれば、借金の利払い額を差し引いても住宅投資でプラスリターンが得られそうだ、ということでマネーが引き続き不動産市場に流入した結果、こうしてその価格が上がっている、ということなのでしょう。でもそうなると、不動産の購入者は、借金を無難に返し続けるためにも、不動産から得られる収入をいっそう増やさなければならない、ということで家賃額を値上げする必要があり・・・

 といった感じで家賃が上がっているものと思われます。こう見ると、家を借りているほうはもちろんですが、貸しているほうもきっとタイヘンですね。家賃収入が増やせないと、今度は自分がローン返済の資金繰りに窮してしまうでしょうし、だからといって家賃額を引き上げたら借家人が次々と出て行ってしまいかねないし・・・

 ・・・って、そんな状態、どう考えても持続可能なはずはありません。つまり・・・上記利上げが住宅ローン金利の押し上げをもたらして、これが不動産価格を下落に向かわせて・・・という局面に(とりあえず?)いよいよなってきそうだ、ということです。米メディアによると、30年固定の住宅ローン金利の今週の平均は6.2%あまりと、2008年の金融危機以来の高い水準に達したとのこと。そんなこともあって新規の同ローンの月々の支払額の中央値は昨年から50%以上(!?)も上昇したとの由です。となると、米経済はどうなっていきそうか、は本ブログで何度も述べているのでここでは省略しますが、行き着く先だけ書いておくと、上記「とりあえず」(不動産価格の下落→資産バブル崩壊・悪夢の資産デフレ現出)の局面を経た後(って、いや経ることなく?)、現在以上にすさまじいインフレが巻き起こって・・・となる(しかない)でしょう(?)。

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【米ガソリン価格、初めて1ガロン当たり5ドルを超えたことの意味】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を②

2022-06-13 22:13:43 | アメリカ
前回からの続き)

 前回、真性インフレ」―――実質金利(=名目金利-予想インフレ率)がマイナス圏に沈み、もはやゼロ以上に浮上しない状態―――とは、マネーとしてのドルの価値・信認の転落が食い止められない事態、といったことを書きました。そのへんは、上述のアメリカの物価&サービス価格のほとんどが上昇一途な様子をみれば明らかですが、このドルに象徴的に関連するところでは・・・やはり原油価格・・・の象徴で、アメリカの生活において絶対に欠かせないガソリン価格の急騰ぶりが指摘できるでしょう。

 12日のトムソンロイター記事によれば、11日、アメリカのガソリン価格が史上初めて1ガロン(約3.8リットル)当たり5ドルを超えました。ジョー・バイデン現政権は、戦略的な石油備蓄の放出や石油輸出国機構への増産要請など、あらゆる手を使ってその価格抑制に努めているが、需要が回復しているところにウクライナ危機が起こって原油の需給がひっ迫する懸念が高まった、などにより、同価格に上昇圧力が高まっている、との由です。

 これ、まさに上記の反映といえますね。ようするにドル、すなわち本ブログでいう「石油交換券」の価値の下落が石油、なかでも第一に重要なガソリン価格の上昇として顕著に表れている、ということです。コロナ禍からの経済回復で?ロシア産原油の禁輸措置で?何度も書いていますが、違いますよ、それらは表向きの理由であって、真因は実質マイナス金利(ドル<モノ[≒エネルギー]の利回り)の存在、そして、これがけっして解消されることのない真性インフレという金融環境にあるのですから。

 したがって、ガソリン・・・が象徴する石油の価格がドル建てで下がることは今後、まず見通せない、と覚悟しておくべきでしょう、アメリカ人ばかりか世界中の人々は。そのあたり上記ロイター記事によると、一部のエコノミストが、ガソリン価格がここまで上がると需要が減少する可能性がある、と指摘したとのことですが、どんだけ甘いんだ、と思わざるを得ませんね。車社会のアメリカでは、いくら値段が上がったからってガソリンの使用量を減らすことが困難なのはもちろん、このとおり同価格の上昇は、需要の増減などではなく真性インフレ(実質マイナス金利)のせいで、というべきですからね。これに照らせば、需要減で価格が下がるかも、なんて期待?、淡すぎでしょうに・・・

 ガソリン価格の高騰は石油(エネルギー)価格の高騰と同義です。これらの全体としての燃料費の上昇は、光熱費や物流コスト等の上昇をもさらに促し、ただでさえ実質賃金の低下が続く米家計の生活水準をいっそう悪化させていくでしょう。これを食い止めることは・・・もう(って、とっくの昔から?)不可能だろう、と思っています。

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【アメリカの真性インフレは解消不可能】ドルのとめどもない劣化に備えた行動を①

2022-06-11 21:36:30 | アメリカ
 もう崩落は時間の問題でしょう。その前提で動かないとね・・・

 ご存じのように、10日に発表されたアメリカの5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.6%もの上昇(前月比では1%の上昇)と、4月の同8.3%をさらに上回って同比の伸び率の大きさを40年ぶりに更新しました。でその内訳ですが、ブルームバーグなどによると、生活必需品価格が2桁の上昇率を記録、エネルギー価格は前年比34.6%でとくにガソリン代は約49%も上がりました。電気代も12%上昇と2006年8月以来の上げ幅。そして食品は前年比11.9%上昇で、1979年以来の高い伸び率・・・などなど、となっています。

 となると・・・当然ながら生活コストが上がるから、米勤労者の実質賃金は急速に減ってきています。インフレ調整後の平均時給額は5月において年初から3%マイナスと、2021年4月以降で最大の落ち込みとなりました。これで実質賃金は14か月(1年以上!)も連続でマイナスとなっています・・・

 そんな、高進やまないインフレ、そして下げ止まらない米国民の実質賃金&ご自身の支持率(直近の調査によると支持39%、不支持58%等)にイライラ感&無力感を募らせたのか?ジョー・バイデン米大統領は、現下のインフレに関連して「食品とガスの両方に課されたプーチンの税金のようなもの」(anything like Putin’s tax on both food and gas)などと語り、これを(ウクライナに軍事侵攻した)ロシアのプーチン大統領のせいにしてみせました。が、それが間違っているのは、たとえば家賃が前年同月比で5.2%も上がっていることなどからも明らかでしょう。いくらプーチン氏でも、NYのアパートのそれを跳ね上げることなんてできませんって・・・

 といった具合で、ウクライナ危機なんぞと何らかかわりなく・・・って、ようするに同危機が起こっていなくても(?)、アメリカではこうしてあらゆるモノとサービスの価格が上がり続けているわけです。ではその真因は?ですが・・・最近ではこちらの記事で書いた、実質マイナス金利状態・・・をアメリカはもう二度と(?)解消することができないため、ということになるでしょう。だからこそマーケットそして米国民は、あえて借金をしてでも、モノやサービスを買う・投資するという行動に出ることになります。

 で、これを別の視点から捉えると・・・アメリカでは、あえて借金をしてでも、モノやサービスを買う・投資する・・・ほうがトクあるいはマシ、ということで、つまりは「真性インフレ」すなわちマネーとしてのドルの価値・信認の転落は食い止めようがない、というわけですね・・・

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【ロシア(エネルギーを持つ者)に勝利できるのは日本だけ、だが…】ロシアの要求受諾:ウクライナ危機長期化回避へ⑦

2022-06-05 20:46:12 | 日本
前回からの続き)

 上述のとおり、わが国としては、北方領土を不当に占拠し続けているロシアを、ウクライナ危機で実質的に勝利(クリミアとドンバスの主権確保等)する(?)からといって、これ以上増長?させてはなりません。ではどうしたら?・・・って、その戦略の方向性としては明確です。つまり、インフレ抑止・・・って、もっとはっきりいえばエネルギー価格を抑え込む効果のある政策を展開する(・・・って、間違っても押し上げるような政策は行わない)、ということ。これに尽きるでしょう。なぜなら、こちらの記事を含めて何度も指摘しているように、ロシアは「エネルギーだけの国」だからです。であれば、その価格が上がれば同国は強くなるし、逆に下がれば・・・となるのは当然なわけで・・・

 そのあたり、シツコク論じているとおり、ウクライナを支援して(間接的にロシアと戦って)いるアメリカ欧州も(ついでに中国も)インフレを抑えること―――実質金利をプラス圏にもっていくこと―――がもはやできません(・・・って、だからこそロシアの勝利になるわけです)。となると、これが可能な日本だけが唯一、ロシア、すなわちエネルギーを持つ者に打ち勝つことができる、ということになりますね。具体的には、実質金利(=名目金利ー予想インフレ率)の最低ラインがゼロ(以上)になるように誘導すること(ゼロ金利政策)によって、です・・・

 ・・・って、これやったらロシア敗北・・・というよりウクライナ危機に関与する諸国が全敗北、そして・・・わが国の圧倒的一人勝ち、になってしまうところが・・・かえってコワいかもしれませんね・・・(?)

(「ロシアの要求受諾:ウクライナ危機長期化回避へ」おわり)

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【欧米、ウクライナの体面を保った形での敗戦受諾を画策?】ロシアの要求受諾:ウクライナ危機長期化回避へ⑥

2022-06-03 00:02:02 | 世界共通
前回からの続き)

 これまで述べてきたことを総合すると、ウクライナ危機の収拾は、やはり本稿のタイトルのとおり、ウクライナロシアの要求を(ほぼ無条件で)受諾することでしかなし得ないと考えています。そしてそれは・・・ウクライナを支援する立場の欧州もアメリカも本心ではそう思うところでしょう。というのも両者は、財政消耗戦を一刻も早く終わらせたいとともに、とくに欧州にとっては同収拾後の対ロシア経済制裁の解除によってロシア産エネルギーを危機前のように安価かつ安定的に購入できるようにしたいから、です。

 となると欧米諸国としては、事実上の敗者となるロシアのプーチン大統領・・・ではなくウクライナのゼレンスキー大統領に、いかに早く、そして体面を保ったかたちでこの「敗戦」を受け入れさせるか、が重要となってきます。これ、誰がどう見てもウクライナの負け(クリミアドンバスの主権喪失等)だから取り繕う?のは難しいところですが、ロシアと勇敢に戦った結果、(現時点では「捕らぬ狸の皮算用」に過ぎませんが)先述した欧州向けロシア産天然ガスのウクライナ領内経由分の増量(ガス通過料の増収)を勝ち取った!みたいなあたりを少し大げさに?アピールしつつ、他方でこのまま戦争を続けたら欧米を巻き込んだ(って、欧米が参戦することは絶~っ対にないですが、)第三次世界大戦は避けられないから(ウクライナとしてはしぶしぶ停戦することとした)、などと弁解すれば、ウクライナ国民も(圧倒的に?)ロシアに有利な停戦合意にも納得するのではないかと・・・(???)

 まあともかく、ウクライナ危機の結末はどのみち同じ?でしょうから、関係各国は中途半端に長引かせることなく、(ロシアもそうだが、それ以上に)ウクライナのダメージがいっそう大きくなる前に、上記に沿った、ゼレンスキー大統領らの名誉を維持できるスタイルでの着地を目指すのがよろしいかと思いますけどね、すべての納税者のためにも・・・って、アメリカドイツも超~タイヘンでしょ?何かと・・・

 ところで、こうしてロシアが所期の目的を達成してウクライナに対して勝利する、という事態は、わが国にとって歓迎できることではありません。以前・・・って今次危機で本邦マスコミが騒ぎ出すずっと前から指摘しているように、ロシアこそは(韓国と並んで)日本の固有の領土(北方領土)を不当に侵し続けている国で、その意味では、わたしたちにとっては最大の仮想敵といえる相手だからです。もちろん、だからといって、これを戦争で取り戻す、なんてことが無謀なのはいうまでもないところ。しかも、この国は安倍政権以降いままでに政策意図的に自ら国防力を大きく削ぎ落して自画自賛?する始末なのだから、なおさらです。

 では、日本は、ウクライナそして欧米諸国(の経済制裁等)に打ち勝って(しまうであろう)?得意気なロシアにどう対処していけばいいのでしょうか・・・

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【EU、年内の(ロシアペースでの)停戦合意を念願か】ロシアの要求受諾:ウクライナ危機長期化回避へ⑤

2022-06-01 00:01:07 | 世界共通
前回からの続き)

 前述のようにウクライナ危機は、ウクライナが同危機前よりも自国主権が及ぶエリア(おもにクリミアドンバス)を大きく失うかたちで―――ロシアがウクライナに代わってこれらのエリアに自国主権を及ぼすかたちで―――収拾することとなるでしょう・・・って、遅かれ早かれ・・・

 で、ここでの問題は「遅かれ」となること、つまり、ウクライナ危機の長期化・・・といわれている、上記結末に至る時間が、より多くかかってしまいそうだ、ということでしょう。そのあたりは、先日のこちらの記事で書いたように、これでは関係国は全者必敗の?(財政)消耗戦となるために、ウクライナ・ロシアの両国はもちろん、ウクライナがロシアに万一?勝ったところで得るもの(領土とか)がない欧米諸国(の納税者)にとっては非常に虚しいところでしょう、自身の血税が結局は敗北するしかない?ウクライナ政権に延々とつぎ込まれ、雲散霧消していくのですから・・・

 このへん、とくに欧州は、本音では一刻も早くウクライナに上記内容で(も何でもいいから?)ロシアと停戦合意させたいはずです、マクロン仏大統領らがそう動いたように(?)。それは、欧州諸国が肝心のエネルギーのロシア依存率が高すぎ、どれほど頑張ったところでこれを短期間で一気に下げることなどできはしないため、やはり近いうちに、以前と同じようにロシアから堂々とこれらを買えるような情勢にしなければ、ということで、具体的には対ロシア経済制裁を解除したい、という願いがある、ってことでしょう(?)。

 そのあたりの期限ですが、欧州は、長くても今年いっぱい、を見込んでいるものと推察されます。というのも先般(30日)EUが合意した追加の同制裁によってロシア産原油の90%がEUに入ってこなくなるのが、年内中だから、です。つまり、それまでに「ロシアの戦争マシーンを止めたい」(We want to stop Russia’s war machine.)(EUのミシェル大統領)・・・って、ようするに、年末をデッドラインに、それまでに(ロシア産原油の輸入を禁じた)対ロ経済制裁を止めたい、ってことでしょう、戦争を止める―――ウクライナにクリミア・ドンバスの主権をロシアに移管することを呑ませる(?)―――ことで・・・

 そこはアメリカも欧州と似たようなものでしょう(?)。たとえば、バイデン米大統領はこのほど、ウクライナが熱望していたロシア領内への攻撃が可能な長距離ロケットシステムの同国への提供を明確に否定しました。これ、アメリカのウクライナ支援はあくまで防衛用に留まるとの姿勢を示したものと解釈されているようですが、ようするにアメリカのそれはやはり中途半端―――けっこう多額だがロシアを負かすには遠く及ばない規模―――だということですね。こんなことではウクライナはロシアをけっして自国外に押し返せないでしょう。そしてそれが分からないアメリカでもないでしょう。つまり・・・米バイデン政権もまた欧州と同様、ロシアのペースで上記のようにコトが進むのを黙認しつつある・・・って中間選挙も近いし、となってきたのでしょうね・・・(?)

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