世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【GPIF運用大失敗が企業国営化を加速させる】「アベノミクス」共産化が進む日本だが・・・②

2016-08-29 00:02:30 | 日本

前回からの続き)

 前回、日銀およびGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人:わたしたちの年金原資を運用する公的年金基金)が、本邦産業界の「国営化」をめざす「アベノミクス」の意を汲んで(?)、主要企業の株式を着々と買い上げている様子をご紹介しました。

 で、今後はどうなる?ですが・・・おそらく両者はこれら株式の購入をさらに増やすものと予想されます。というのも黒田日銀そして安倍政権ともにアベノミクスの一枚看板「カブノミクス」(株のみ)をさらにあおらなければならない状況に追い詰められているからです。

 先日の報道にあったように、GPIFは今年第二四半期(46月)の資産運用で5.2兆円あまりもの巨額の評価損を計上。これでGPIF運用資産評価額は、新運用方針(国内債→リスク資産偏重型への変更)を発表した201410月時点のそれよりも1962億円も減ってしまいました・・・。この大損害はすべて円高のせい・・・ではけっしてなく、よりによって世界的なリスクオン(円安株高)からオフ(円高株安)へと転換する時点からリスク資産投資の「爆買い」に乗り出したアベノミクスの政策的な判断ミスのせいであることは、何度もシツコク指摘しているとおり。これでは株も外債も超高値掴みとなり、結果としてGPIFが巨額の評価損を被ることは目に見えていた・・・。

 これホント、公的投資の致命的な失敗といえるでしょう。というのも、これほど巨額の円換算の資産評価損をGPIFが埋め合わせるのは現状、困難を極めるから。このあたりは、これまたびたびご紹介している「(金>)円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(通貨の強さ:実質利回りの高い順を示す方程式)が教えてくれます。この式で分かるとおり、ドル以下の外貨(おもに外債)投資でこの損失の穴を埋めることはほぼ100%、不可能です。かといってかつての日本国債中心の安定運用に戻したところでその受取利息等は微々たるもの。上記大失敗にともなうダメージ額に相当する数(十?)兆円単位のプラスリターンなんて、望むべくもない・・・

 ・・・となるとGPIFに残された手は、一発逆転のリスクテイクすなわち「株」(日本株・外国株)投資に賭ける以外にない・・・(って本当は、わたしが個人的に勧める「金」の爆買いという奇手?があるが、実際にGPIFがこれに乗り出すことはまず、ありえない)。でも、いまのマーケットの地合いでは、何もしなければ株価が持ち直す可能性は小さいでしょう。

 ・・・そこで登場するのが、またも日銀・・・の金融政策ということになりそうです。つまり株高を促し、ドルやユーロ建ての債券の利回りが円債以上になるように(錯覚させるだけの?)円安誘導効果のある追加緩和をまたも発動するということ。本稿の文脈でいえば日銀は同追加策においてFTF購入のいっそうの増額も合わせて実行して、上記ダメージからのリカバリーを目論む同じアベノミクス仲間(?)のGPIFを支援したい―――GPIFの運用成績が持ち直すよう、アシストしたい―――。いま日銀はこんなことを想定しているのではないか・・・

 ・・・以上が実際に行われれば当然、日銀そしてGPIFによる日本企業の株式の保有比率はいっそう高まる、すなわち本邦産業界の「国営化」が進むというわけです・・・

続く

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【日銀・GPIFが続々と主要企業の大株主に】「アベノミクス」共産化が進む日本だが・・・①

2016-08-27 00:03:28 | 日本

 アベノミクス」のもと、日本の「共産化」(!?)がどんどん進んでいる感じがします。

 こちらの記事等で指摘しているとおり、安倍政権黒田日銀が進めるアベノミクスとは本質的には「左翼」の政策といえます(?)。経済・財政的には・・・日銀の「異次元緩和」(円安誘導)にともなう輸入インフレと消費増税のWパンチで民間需要の柱・個人消費を激しく抑制(というか、K..?)するかわりに、「地方創生」を旗印に公共事業の前倒しといった政府需要のほうのプレゼンスを高めてきました。そして以下に綴るように金融的には、日本政府・・・に準じた組織といえる日銀そして公的年金基金によって主要企業の株式の買い上げ、すなわち国営化(?)が進められています

 先日のブルームバーグの報道によると、日銀は8月時点ですでに日経平均株価を構成する225企業のじつに75%で株主順位の上位10位以内に入っているそうです。これは、日銀が2010年から行っているETF(上場投資信託)の買い入れを上記異次元緩和の開始以降、急増させてきたことにともなうもの。729日には日銀はETFの保有残高を年間約3.3兆円から約6兆円増やすペースで買い入れることを決定するなど現在、日銀は過去最高の勢いでETF買いを通じた主要企業株の購入を進めています。もしこのままのペースが続ければ、2017年末には55企業と全体の約1/418年末には82銘柄と同1/3もの企業の筆頭株主が「日銀」になるとのこと。これってまさに日銀による日本企業の「官製化」といえそうです。

 日銀だけではありません。公的年金基金もまた日銀と並んでこれら企業の大株主になりつつあります。これもブルームバーグの試算ですが、年金積立金管理運用独立行政法人GPIF)はすでに3メガバンクやホンダといった主要企業の筆頭株主になっているほか、トヨタなどの企業でも大株主になってきたとのこと。これらを含めてGPIFはすでに日本株の6%近くを保有しているそうです。こちらの記事等で何度もシツコク書いていますが、GPIFは201410月に資産運用方針を変更して以降、日本株を含めたリスク資産の「爆買い」に乗り出しており、これが結果として上記保有率の増加につながっています。

 加えていうなら、日銀・GPIFの双方ともにこれら株式をチョ~高値の局面で仕込んでいるのも市場にKYな左翼的なところ。実際、大半の投資家がリスク投資の手仕舞いに移るタイミング(米QE停止)から両者は逆にこれらを買い上げていったわけです。その結果が大やけど、膨大な評価損!で、そんなヘタクソな(?)官製投資のツケを年金カットとか大増税のかたちで(?)払わせられるのは、わたしたち・・・。さあそんなアベノミクスにうかれた日本国民よ、覚悟せよ!?

続く

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【石油・武器作りに依存の米に引導を渡すのは・・・】通貨の価値はモノ・サービスの価値⑤

2016-08-25 00:00:28 | 世界共通

前回からの続き)

 本稿の冒頭でご紹介した札幌市の時計台。わたしが訪れたときは中国や韓国からの旅行客でにぎわっていました。それはそれで大いに歓迎すべきことだし、観光を通じて日本好きの中国人・韓国人が増えていくことは、外交や経済の面、そしてわが国の安全保障の面からも望ましいことだと感じます。

 でも個人的には、本稿の文脈に沿えばアメリカの人々が、この時計台にもっと来ればよいのに、なんて思っています。というのは、ここの立派な塔時計を作ったのが自分たちの先輩であることを知るのは、いまのアメリカ人にとって有意義であろうと考えるため、彼らにはぜひ、130年以上にわたって異国で現役を続ける「メイド・イン・USA」に接して、かつては世界に誇ったアメリカのモノ作りの心意気を再び呼び覚ましてほしい・・・なんてカッコつけてしまいましたが、これ実際には難しいでしょう。そのためにはモノ作りを担う未来の人材を育成する公教育システムが欠かせませんが、いまのアメリカにはコレが失われているからね・・・

 じつはアメリカには唯一(?)、他国の追随を許さないモノ作りの分野がいまもあります。それは・・・軍事セクターつまりは兵器・武器の製造です。これこそ世界一、いやマジメな話、宇宙一かもしれません。地球ほど兵器・武器が「進化」した星はないでしょうから・・・。なのでアメリカとしては、引き続き「正義」(?)のための兵器製造&販売で国を繁栄させることができるかも・・・!?

 ・・・それでもこの先、アメリカの軍需産業は先細り必至でしょう。そのおもな理由は以下の2つ。一つ目は、アメリカの次期大統領にもっとも近い(?)ドナルド・トランプ氏が指摘するとおり、軍産品の最大の購入先である米連邦政府にはもはや、巨額の軍事コストを支払う余裕がないため。

 そして二つ目は、武器弾薬が使用・消費される大半の戦争や紛争の根源そして「金づる」となっている「石油」の時代が近い将来、きっと終わるから。石油が不要な世界となれば・・・石油権益を巡る領土紛争の大半は無意味化するし、石油の闇取引で潤う武装勢力の多くは十分な武器調達資金を得られなくなります。こうなれば軍事物資の需要は激減し、軍需セクターは自ずと小さくなっていくしかない。そして、そんな争いの元・石油への依存から人類を解放し、結果として石油と兵器作りに頼るアメリカ、およびそれらの交換券「ドル」に引導を渡す(?)のは・・・「メイド・イン・ジャパン・・・

 ・・・こうした意味でも、アメリカが真に畏怖する国は、中国でもロシアでもなく、やっぱり日本なのでしょうね・・・

(「通貨の価値はモノ・サービスの価値」おわり)

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【石油依存社会を終わらせるのも「Made in Japan」】通貨の価値はモノ・サービスの価値④

2016-08-23 00:00:32 | 世界共通

前回からの続き)

 そう遠くない未来、人類は「脱石油」を成し遂げるでしょう。その際の主要なエネルギー源と供給システムはおそらく、太陽光などの再生可能エネルギーと電池(リチウム電池や燃料電池など)とのコンビネーションになるのではないか。プラスチックとか繊維などの原材料も、いまの原油から、特定の植物などの素材による代替が進むでしょう。これらにより、世界中で石油の消費量が劇的に減少し、窒素酸化物やCO2等の排出も少なくなって、大気汚染や地球温暖化にも歯止めがかかるかもしれません・・・

 そんな石油を必要としないクリーンな社会作りをリードするのは・・・いうまでもなく、わが国発祥のテクノロジーであり、「メイド・イン・ジャパン・・・。もうこれ以外にあり得ない、誰がどう想像しても。わたしは個人的に、日本はこのポスト石油時代の先頭に立つよう、母なる大地によって運命づけられている、とすら思っています。

 他方、石油にすがりついてきたアメリカ・・・の通貨「ドル」は、脱石油の進展に反比例するかたちでその価値を喪失していくしかありません。石油がもはや使われなくなって「石油交換券」が不要となったとき、ドルは本来の通貨の定義「その通貨国のモノ交換券」にしたがって「メイド・イン・USA」との交換券に戻ることになります。しかし、上述のようにアメリカ産品は多くの分野で、とっくの昔に日本をはじめとする他国製品との競争力を失っています(というか、アメリカではすでに作られなくなってしまったモノも多くなっている)。となれば世界の人々は(や人民元?)のような、価値あるモノを提供してくれる国の通貨を選ぶいっぽうでドルを見放していくことに・・・(?)

 ・・・「資源の呪い」という言葉があります。石油などの天然資源に恵まれた国は、これを輸出すれば十分な収入が得られることから、ついつい自国の産業振興を怠ってしまう、といったような意味です。これになぞらえるとアメリカは「ドル(≒基軸通貨)の呪い」に囚われている、といった言い方ができるかも。石油交換券たるドルを刷って渡せば外国からいくらでも物資を調達できるので、アメリカは自らの製造業育成をサボってしまった、といった感じです。その間、アメリカのモノ作りは進化し続ける日本のそれに大きく水をあけられたばかりか、後発の中国製品にもどっぷり依存せざるを得ないほどに落ちぶれてしまった・・・(?)

 自動車産業に代表されるように、20世紀後半、アメリカのモノ作りは「メイド・イン・ジャパン」の米市場席巻によって斜陽化しました(というよりも、アメリカの消費者に支持されたのが日本製品のほうだった、といったほうが正確ですが・・・)。そして近い将来、今度はアメリカ最後の(?)拠り所である石油依存社会もまた「メイド・イン・ジャパン」が終わらせようとしている・・・。

 こう見てくると、アメリカの日本に対する思いがいかに複雑かが分かるというものです。

続く

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【「石油交換券」米ドルだけは別】通貨の価値はモノ・サービスの価値③

2016-08-21 00:02:49 | 世界共通

前回からの続き)

 前回、「通貨発行国のモノとの交換券」という個人的な通貨の定義に照らせば、多くの産業分野ですでに競争力を失った欧米諸国の通貨―――ドルユーロポンド等は、いまやそれら通貨自体の現在価値にふさわしい彼らの産品に裏付けられていないという意味で、中身のともなわない抜け殻みたいだ・・・なんて私的な印象を綴りました。

 で、このままだとこれら諸国は「なんだ、アナタの発行通貨を手にしたところで価値あるモノと交換できないじゃん」とみなされて通貨を投げ売りされ、激しいインフレ長期金利の暴騰で破綻してしまいます。そんな破局を食い止めるためには、内外の投資家に引き続き自分たちの通貨を持ってもらうよう、それと交換できる自国製品に魅力をつける必要がありますが、トホホなことに彼らには付加価値の高いモノを作れない。で結局、大半は「地べた」くらいしか売り物がない、ということになって・・・「いーえ、わが国の通貨があれば、わが国の高級不動産を買えまっせ!」みたいに不動産バブルにどっぷりと依存することになるわけです・・・(?)

 ただし、「ドル」だけは別。たしかに上述のとおり、メイド・イン・USAの多くには現状のドルの価値に見合うだけの付加価値が見い出せないのは事実(?)。でもドルには、他の通貨にはない「石油交換券」としてのスペシャルな機能があります。ドルがあれば、WTI等のアメリカ産石油はもちろん、ドル発行国ではないサウジアラビアやロシアなどの石油をも買えるということです。現代社会における最重要の戦略物資である石油と交換できる通貨―――これこそがドルであり、ドルが「基軸通貨」たる所以。ということでドルは、その発行国のモノすなわちメイド・イン・USAというよりはむしろ石油の価値に裏付けられる通貨になっているわけです。

 ドルが石油に結びついた具体的なプロセスはここでは書きませんが、アメリカが世界政策的に両者のリンケージを進めてきたことは間違いないところ。このあたりの裏を返すとアメリカは、自分に実力が無いことが分かっていた―――本来はドルの価値を支えるべき自国産品に付加価値も競争力も乏しいことに早くから気が付いていた。だからこそアメリカはドルを、それらの代わりに世界の誰もが必要とする石油の唯一の交換券に仕立て上げ、ときには戦争という手段を取ってでも(?)、その特権を死守してきたわけです。こうしてドルの価値は、アメリカ製品の魅力低下に関係なく、いまに至るまで一定レベルに維持されてきたという面がある・・・と思っています。

 ・・・いっぽう、上記ドルの特別な地位は、アメリカ製造業を弱体化させる要因になったともいえるでしょう。石油交換券のドルは誰もが受け取ってくれるため、アメリカは他国産品を買うのにドルを印刷して渡すだけでよいことになります。となればアメリカ人は、何も苦労して自国製品の品質向上等に努めなくてもドル払いで外国から買えばいいや、となって、モノ作りを怠ってしまうことに・・・

続く

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【モノの裏付けを失った欧米通貨は抜け殻のよう?】通貨の価値はモノ・サービスの価値②

2016-08-19 00:04:20 | 世界共通

前回からの続き)

 前回ご紹介のとおり、札幌市のランドマーク「時計台」の中枢であるアメリカ製の塔時計は、動き始めてから130年以上たった現在でも立派に時を刻んでいます。そんな優れた「メイド・イン・USA」、そしてその交換券である「ドル」は、世界の誰もが手にしたいモノであり通貨であり続けました、明治の当時から、戦後のある時点までは・・・おそらくは1950年代くらいまでは・・・

 ・・・いまメイド・イン・USAは、世界最大の自動車メーカーだったGMの破綻(2009年、その後は一時国有化を経て、現在は再建途上中)に象徴されるように、明らかにかつての輝きを失いました。これにかわって、1970年代あたりからモノつくりの頂点に立ったのは、言うまでもない「メイド・イン・ジャパンだったわけです(2番目あたりがドイツ製品とか)。その後は、日本から多くを学んだ(というよりは、パクった?)中国とか韓国のメーカーが、おもに価格勝負で一部の日本製品のシェアを奪うなどの経緯があり、現在では安価で加工度の比較的低いモノはメイド・イン・チャイナ、付加価値が高く精緻なモノ(機械等の基幹部品等を含む)はメイド・イン・ジャパン、みたいな国際分業体制サプライチェーンができている、といったあたりでしょうか。

 上記のモノ作り産業の発展に比例する形で、それらのモノとの交換券となる日本(やドイツ、中国など)の通貨は価値が高まりました。逆にこの間、モノ作りが衰退したイギリスの通貨ポンドやアメリカの通貨ドルは他通貨に対して、とりわけ日本円に対して大きく減価します。「通貨発行国のモノとの交換券」という個人的な通貨の定義に照らせば、モノ作りの比較でアメリカが日本にかなわなくなれば、その通貨ドルの円に対する価値が大幅に低下するのは当然です。これはドルに限らず世界の主要通貨すべてにいえること。これら外貨に対する円の上昇には、各国製品に対するメイド・イン・ジャパンの相対的優位が反映されている面があると考えています。

 ・・・このように見てくると、ドル、ユーロポンドといった通貨の売買は、日本人のわたしには、いずれもモノの裏付けを失った抜け殻の取引にさえ思えます。だって、これら通貨には交換券としての価値が見い出せない―――これら通貨を手にしたり殖やしたところで、買いたい「メイド・イン・米英欧」なんて、ないんだもの(ドイツ車を除けば?)・・・って、だからこそ彼らは、自分たちの通貨が抜け殻ではなくて中身があるように見せようと―――交換券としての価値を高めようと(あたかも価値があるように思わせようと)「地べた」すなわちロンドンやNYの不動産価格をメチャ高のバブルにしているんですけどね・・・(?)

続く

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【札幌時計台を支える米製塔時計】通貨の価値はモノ・サービスの価値①

2016-08-17 00:02:32 | 世界共通

 先日、所用で北海道を訪れました。その際、有名なメイド・イン・USAに接し、感じることがありましたので以下に記してみたいと思います。

 北の大都会・札幌市のシンボルは言わずと知れた「時計台」(正式名称は旧札幌農学校演武場)。その中枢は、アメリカ・ニューヨークにあった「ハワード時計商会」が制作した塔時計です。現在でも毎時、澄んだ鐘の音を響かせている現役のこの時計が動き始めたのは明治14年と、いまから130年以上も前になります。

 「ハワード社の塔時計は素晴らしいものでした。シンプルで無駄のない設計、鋼や真鍮を使った部品の材質の良さ、正確さと耐久性を考え抜いて作られた時計です。丁寧な保守を行えばいつまでも動き続けてくれるはずです。」―――札幌市時計台のHPにはこうあります。日本人の時計技師らによる日々のきめ細かなメンテナンスがあるとはいえ、寒さ厳しく湿気も多い札幌の気候の下でこれほどの長期間、働き続けているのは驚きです。実際、機械部分は、ワイヤーロープなどの消耗品以外は明治以降、一切交換されていないそうです。この時計、それだけ丹精込めて作られているということなのでしょう、小さな歯車一つから、アメリカ人の手によって・・・

 ・・・この塔時計に代表されるメイド・イン・USAは間違いなく世界の一級品であり、わたしたち日本人にとっての憧れであり、良きお手本・・・でした、明治維新のころから、遅くとも1950年代くらいまでは(?)。そして、それらアメリカ製品を入手するために必要だったのが、同国の通貨「ドル」ということになります。

 こちらの記事を含めて以前から書いているように、通貨には「その通貨発行国の財・サービスとの交換券」という重要な役割があると考えています。その意味でドルにはたいへんな価値があったわけです、かつては(いまから130年前は)。何せ上記のように優れたアメリカ製塔時計を購入するためにはドルが必要となるわけですからね。であれば自然に、通貨を持つならメイド・イン・USAの交換券である米ドル!ということになったはずです。

 ・・・このあたりについて別な考え方をしてみると、本当に大切なのはモノそしてサービスのほうであり、通貨それ自体には価値があるわけではないことにも気づかされます。なぜならそれは交換券という「紙切れ」に過ぎないわけだから。

続く

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戦争の犠牲者をさらに減らすために

2016-08-15 00:00:12 | 世界共通

 「にわかに信じがたいかもしれないが、わたしたちは人類史上もっとも平和な時代に生きている。日々世界で起きる紛争・殺戮の報道を尻目に、じつは暴力は日に日に減っているのだ」―――2011年に出版された「The better angels of our nature – why violence has declined(邦題:暴力の人類史)」の著者である心理学者のスティーブン・ピンカー氏はこう指摘しています。同氏は狩猟採集時代から現在に至るまでの人類史をたどりながら、その時々の10万人当たりの戦争によって殺された人数を比較して、いま(2011年前後)がいちばんその割合が低いことを見出しています。

 たしかに、その後に起こったシリアでの内戦やイスラム国(ISIS)を相手取った戦いにおいては多くの犠牲者が出ています。それでも世界全体で見れば、戦争や暴力の減少傾向は続き、今年2016年は、シリア停戦合意の継続等といった前提にもよりますが、戦死者の数がここ数年にもまして抑制されることが期待できるとのこと。

 戦争で死ぬ人が減っている―――その最大の理由は、国家同士が総力を挙げて戦争することができなくなったからでしょう。世界主要国は、核を含めて兵器・武器を持ち過ぎてしまい、自らが多大な犠牲を被ることなく相手に戦いを挑むことができなくなりました。そしてもう一つは、多くの国が金融・財政的な窮地にあるなか、何らの付加価値も生み出さない戦争行為に巨額のおカネをつぎこむだけの国力を失ったこと。アメリカがその典型例です(?)。

 ・・・終戦記念日の今日、このトレンドが続き、地球上から戦争がどんどん無くなっていってほしいと願っています。で、さらに戦争を減らすために現実的に有効な手は・・・原油価格の低減を図ること。ISISなど、この瞬間に戦争に関与している武装勢力のほとんどは原油の周りに存在し、その闇取引で戦費を賄っています。であれば世界各国とりわけ日本を含む非産油国は、彼らを利する行為すなわち彼らの資金源たる原油の価格を押し上げてしまうような行為を一致協力して排除していく必要がある・・・。

・・・そんな意味でも―――戦争を抑止するためにも―――わが国には政策を改めるべきところがある・・・そう思っています。

(「戦争の犠牲者をさらに減らすために」おわり)

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【考えたいアベノミクス推進者の金銭的責任】とっくに限界!?日銀「異次元緩和」⑦

2016-08-13 00:00:34 | 日本

前回からの続き)

 先日のテレビニュースによると、足元の為替の円高ドル安傾向を受け、一部のスーパー等では円高還元セールが行われているそうです。インタビューに答えた複数の消費者はこれを家計にプラスと好意的に捉えていました。まあ当然ですね、日々の食品やエネルギーの価格が下がるのは誰にとっても大歓迎でしょう、一握りの人々を除けば。これらの支払額が減った分だけ、レジャーや貯金などの他の用途に使えるおカネが殖えるわけですからね。それによって個人消費は活性化するし、預貯金の増加すなわち長期金利の上昇リスクの低減が図られるし、貧困の深刻化にも一定の歯止めがかかりますよ

 なお上記の報道は、今後さらに円高が進むと輸出に悪影響が出るリスクがある、といった指摘をしていましたが・・・個々の企業の収支等は別として、日本経済トータルでは全く問題ないと考えます。こちらの記事に書いたように、わが国の輸出産業と産業構造はとっくの昔に為替変動に大きな影響を受けない体質に変化しているからです。大半の自動車メーカーは輸出台数よりも現地生産台数のほうがずっと多いくらいですし。いっぽう、円高は円建て輸入原材料の輸入額の減少をもたらすので、円安で輸出振興を図ろうという手よりも、差し引きの貿易収支や経常収支にとっては、ずっと有益です。このあたりは本稿の上段で指摘した同収支の好転にもはっきりと示唆されています。

 ということで日本経済は大半の人々にとって「2014年の夏」よりも「いま」のほうが少しは居心地が良さげに思えるのですが・・・これを上記「一握りの人々」は我慢ならないみたいです。もちろんそれは、円安インフレで貧富差の大きな社会づくりを目指す(?)「アベノミクス」推進者たる安倍政権であり黒田日銀。おそらくみなさん、上記報道等に接して「くそ~、もう一度インフレを巻き起こしてやる~」と息巻いているに違いありません。その表れが今月上旬に話題となった麻生財務相と黒田日銀総裁の意見交換・・・って、テーマは「デフレ脱却」ですからね。ようするに日銀が追加緩和を発動すなわちさらなる円安誘導で輸入インフレを再喚起しようというのでしょう。

 ・・・もう勘弁してほしい・・・つくづくそう思います。上述のとおり、異次元緩和≒円安誘導は、わが国の実体経済そして大半の家計(個人消費)にはネガティブに作用するばかりだし、当の日銀自身ひいては国家の根幹である金融・財政の信認を揺るがしかねないほどの危険きわまる金融政策(?)。これほど危ないことが平然と行われているのは、その実行者すなわち黒田総裁をはじめとする日銀の現役員が、その意思決定がもたらす破局的事態に対して金銭的な責任を取らされないことに由来している(?)と考えています。そんな彼らの代わりに、彼らが空けた巨大な穴≒日銀純損失の埋め合わせをさせられるのは、わたしたち一般国民になってしまうのか・・・(?)

 ・・・アベノミクスの2大災厄(?)―――年金基金のリスク投資失敗にともなう巨大評価損は安倍政権関係者が、日銀の上記ダメージは日銀役員が、それぞれ私財をもって償う―――これこそが安倍首相がしばしば口にする国民に対しての「責任」の果たし方だと思うのですが・・・

(「とっくに限界!?日銀『異次元緩和』おわり」)

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【異次元緩和、経済にも日銀純資産にも打撃!?】とっくに限界!?日銀「異次元緩和」⑥

2016-08-11 00:01:25 | 日本

前回からの続き)

 本稿で綴っているように、経常収支経済成長率といったマクロ指標で見る限り、日銀の「異次元緩和」すなわち「円安誘導」の帳尻は、日本の実体経済にとって明らかにマイナスだと考えています。もちろんミクロ面―――その代表であるわたしたち家計の面から見ても、この日銀の金融政策がもたらした結果は、こちらの記事等に綴ったとおりの惨状、つまり実質賃金の急減でありエンゲル係数の急上昇だったりします・・・。もっとも黒田日銀そして安倍政権がこの国を中国みたいに貧富差の大きな社会に変えていこうとしているのならば、この円安誘導策は大成功といえるのでしょうが・・・

 さらにいえば異次元緩和、とりわけマイナス金利政策は、こちらの記事に書いたように、ほかならぬ日銀自身・・・の自己資本にダメージを与えるおそれが非常に高いものです。

 ・・・そもそも法人経営者が株主資本を食いつぶすような経営判断を下すことはありえないし、意図的であるかどうかにかかわらず結果として純資産が毀損するような意思決定をした経営者は、株主から訴訟を起こされ、場合によっては私財でもってその穴を埋めさせられるほどの責任を取らされるわけです。

 もちろん日銀だって立派な法人(財務省の認可法人)です。ゆえに、その経営陣すなわち総裁を筆頭とする日銀役員は、その出資者―――過半は政府ようするに日本国民―――に対して上記と同様の責任を負うべきだ、というのがわたしの思い。かりにそうであるのなら同役員は、自身が出資者から訴えられるのをおそれ、日銀の自己資本を目減りさせるばかりのマイナス金利なんて導入できなかったはず。でも実際には実施されている・・・ということは黒田氏らは、現行の政策が日銀に与える損害に対して一切、弁済をするつもりがないとみるべきでしょう。

 これはじつにコワイことだと思います。黒田氏ら日銀役員の失策の「尻拭い」をわたしたちが代わりにさせられる羽目になるかもしれない―――このまま異次元緩和が続けられ、そのせいで日銀が過小資本ないしは最悪、債務超過に陥り、日銀への資本注入が必須になったとき、その巨額の(?)おカネを(日銀役員ではなく)財政≒国民が拠出せざるを得なくなるかもしれないためです・・・

 このように日銀の異次元緩和は、国民経済にネガティブに作用するばかりか、当の日銀自体を破綻のふちに追い込み、わが国の金融そして財政の健全性までをも失わせようとしているわけです(?)。そんな危険きわまる(?)金融政策の旗振りを、財政を知悉しているはずの財務官僚OBがやっていていいの?

 このあたり、現役の財務官僚の本音をぜひ、聞いてみたいものですが・・・

続く

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