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【米FRBのヘリマネ&EU「共通債」発行決定で金価格、青天井か?】最終章?ペーパーマネー大増刷②

2020-07-25 00:01:03 | 世界共通
前回からの続き)

 前述のように、このほど欧州連合(EU)は、新型コロナウイルス感染拡大でダメージを被った域内経済の再生を目的に、総額7500億ユーロもの復興基金の創設を決めましたが、その資金はEU(の欧州委員会)が発行する「共通債」で市場から調達するとのこと・・・ですが、その主要なおカネの出し手は中国・・・とECB欧州中央銀行)くらいしかいないでしょう。

 で、その中国については、現在、アメリカ・・・のドナルド・トランプ政権が対中強硬策を連発しているところ、同国の同盟者としてEUもこれに歩調を合わせる必要があるでしょう。実際、フランスなどは、アメリカにならい(?)、自国の5Gから中国IT企業の華為(ファーウェイ)を除外するもようで、今後、他のEU加盟国もこれに続く可能性がありそうです。これに対して中国は、上記のようにEUがチャイナマネーを超~当てにしているのを見透かしているはず。なので、EUがアメリカに同調するなら、われわれにも考えがある!などと、暗に上記共通債への投資(EUへの貸付)を手控えるそぶりを示してEUを揺さぶる、なんて手に出そうです(?)。こうされるとEUは苦しいので、中国に厳しく当たることができず、結果として対中戦略においてアメリカとEUは一枚岩になれない、みたいな・・・

 上記は、ECBが共通債をどのように扱うのかが現時点で不明確な面とも関連してきそうです。今般、アメリカでは、コロナ禍対策に伴う連邦政府の大規模な財政出動を受け、FRBが国債を無制限に購入するという超緩和的な金融政策を実行しました(って、その功罪はともかく)。ですがこの種の政策の是非が、いまのEUとECBのルールでははっきりしていない、つまり、ECBは特定のEU加盟国の「財政ファイナンス」(ECBによる特定国の国債の直接引き受け)はしないことになっているけれど共通債はどうするの?チャイナマネーを当てにしているの?中国が素直に買うと思っているの?ということです。

 こちらの記事を含め、本ブログでは以前からこう予測してきました―――EUでは(コロナ禍があろうがなかろうが)どのみちECBが実質的な「財政ファイナンス」をせざるを得なくなるだろう、ただしEUの内規上、財政危機に陥った特定国の国債だけを買い支えるわけにはいかないから、当該国にはESM欧州安定メカニズム:EUの財政・金融セイフティーネット)が財政資金を融資し、その原資調達用にESMが振り出す債券をECBが引き受ける、みたいなスキームにして、「ECBが買うのはESM債で、当該国の国債を買うわけではないので、これ財政ファイナンスには当たりません」みたいな(苦しい)弁明をするだろう―――と・・・

 今回の共通債は、名前やコロナ禍対策限定?という違いはあっても、その枠組みは上記ESM債と同じです。そして、スケールが巨大であること、また上記の中国をめぐる微妙な状況等もあることから?とても市場で無難に(金利の急騰を招かずに)消化されるようには思えません。よって上記予想のとおり、ECBがこれを購入せざるを得なくなるに違いない、と考えるものです。その際のクリスティーヌ・ラガルド同総裁の言い訳?がいまから楽しみ?ですが・・・

 さて、このEUの共通債構想の発表直後に一段と上昇したのがゴールド)価格。それはそうでしょう、ただでさえ米FRBの上記ヘリマネ政策でドルが市中にあふれているところ、ドルに次ぐハードカレンシーであるユーロもまた、こうして大量に吐き出されることが決まった(?)わけですから。となると、もはや金価格上昇の頭を抑える要素なんてどこにも見当たらないというものです。ちなみに現時点(日本時間24日22時過ぎ)の金先物価格(CMX8月限)は1トロイオンス1900ドルをついに上回り、ドル建て価格の史上最高値1923ドルに迫ってきました。これを抜き去り、2千ドル台(という通過点?)に乗るのも、まもなくのことでしょう・・・(?)

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