世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【米財務長官「ドル安は良いこと」発言真意】リスク投資手仕舞い、「戻り地獄」ダメージを最小化せよ①

2018-01-29 00:03:12 | アメリカ

先日の長期金利ジャンプアップに続き、政府幹部のドル安好感?発言・・・。ドルそしてアメリカの揺らぎがいよいよ大きくなってきた感じですね。わたしたちもこれに対応していかないと・・・「(戻り)地獄」へ道連れになってしまいますよ?

 「(米貿易にとって)弱いドルは良いことだ」(A weaker dollar is good [for U.S. trade].)―――24日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の記者会見におけるムニューシン米財務長官のこの発言を受けてドルユーロそして人民元に対して大きく下落しました。その後25日、ドナルド・トランプ大統領がこれを打ち消そうと(?)「ドルはますます強くなるだろう。究極的には強いドルを望む」(The dollar is going to get stronger and stronger, and ultimately I want to see a strong dollar.)と述べたせいか、ドルは上記下落前の水準に戻りました。もっともドル円は先週末時点で1ドル108円半ばと、先般の「日銀、超長期国債買い入れ減額!」(1/9)直前の同113円台への「回復」どころか、さらに一段、しかも急速にドル安円高方向に進んでいますが・・・

 さて、ムニューシン長官の発言真意をどう推し量るか、です。まずはドル安ドル高のどちらがアメリカにとって良いのか・・・は、トランプ大統領がご指摘のとおり、間違いなく「ドル高」です。なぜなら、ドルが強いほうが外国からの輸入品をそれだけ安く購入できるからです。

 では、いっぽうの「ドル安」はどうでしょう。「アベノミクス」的に考えると、対外売り上げのドル換算額が多くなるのでアメリカからの輸出には有利、となりそうですが、じつはそうはなりません(?)。もう長い間かの国は、基軸通貨国の特権を利して、自国品ではなく、ドルをひたすら刷り続けて日本や中国、欧州などの産品を買って消費するほうに慣れてしまい、国際競争力のあるメイドインUSAの多くを失っているためです。これでは通貨安をテコにした輸出振興なんて、いまさらできるはずがない・・・

 ゆえに、いまのアメリカ(の貿易)にはドル安は良いことにはならない・・・どころかドル建ての輸入品価格が高くなるだけ米国民の実質所得が減少し、貿易収支もさらに悪化する恐れが大きいことから、ドル高よりもずっとリスキーな状況といえそうです。にもかかわらず、どうして同長官はドル安を容認するかのような発言をしたのか・・・ってこれ、この先のドル安はもはや不可避だから、せめて貿易(輸出)にはgood!みたいな通説を語ることで、ドル下落=インフレが喚起する人々の不安感を少しでも抑えよう、といった意図から、なのではないか?

前稿でも書きましたが大減税政策発動&中国等のドル・米国債離れのなか、ドルおよび米国債価格の低下(長期金利押し上げ)圧力はすさまじいほどに高まっています。そのプレッシャーをいまのアメリカでもっとも強く感じる人は誰か?となれば・・・まさに「火の車」米連邦財政の総責任者、というわけでムニューシン長官の危機感がじつにはっきりと伝わる(?)上記コメントでありました・・・

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【米長期金利じり高2.6%台、日銀正念場、操作できるか?】米の命運=長期金利を「操作」する?日本⑦

2018-01-27 00:01:35 | 世界共通

前回からの続き)

 前述のとおり、自身の大減税策(財政赤字膨張策)、そして中国などのドル米国債離れにともない、アメリカ長期金利のすさまじい上昇圧力にさらされています。これ、先述した日銀の、邦銀を犠牲にした献身的なサポートでも支えきれるものではないでしょう・・・

 ということで結局はいつもの結論―――FRB4度目のQE量的緩和策)・・・という名の「財政ファイナンス」(国債の直接引き受け)に踏み切る、となるわけです。このとき世界の金融市場がどのような反応を示すのかまったく見当がつきません。まあ・・・米長期金利は急落(米国債価格は急騰)するでしょうが、ドルユーロそして人民元に対して暴落、いっぽうでドル建ての原油価格価格は爆騰し、「もう付き合い切れん!」と腹をくくった中国「決断」を大いに早めるでしょう。これらによってドルの信認は一気に低下、産油国の一部が原油代金としてのドルの受け取りを拒否、かわりに人民元やビットコインなどが次々に受け入れられ、ドルはついに「石油交換券」=基軸通貨の地位を失うことに・・・?

 ・・・みたいな展開、けっして「ブラック・スワン」ではないはずです(?)。だからこそアメリカは長期金利を、QEなんてしなくてもいいような水準に留めたいし、そのためにこれを必死の思いで「操作」している日銀の役割が極めて重要というわけです・・・が、既述の状況から、その努力も無駄になりつつあるような・・・?

 もっとも、いっぽうでアメリカがこのような状態になってしまった―――長期金利のコントロールがもはや自分でできず、日銀にやってもらうようになってしまった―――のは、ほかならぬ日銀のせい、ともいえます(?)。その理由はこちらの記事に書いたとおりです。おそらく日銀幹部には、アメリカをバブルで自壊に導こう、なんて野心はないのでしょう(???)。むしろ、麻薬の禁断症状に苦しむ親友に麻薬を差し出してしまったのと同じで、結果としてアメリカを軟着陸が不可能なバブルの高みに押し上げてしまったことへの自責の念が同国を何としても支えようという気にさせているのかも・・・?

 ・・・などと、気ままに綴っていたら、いつの間にかアメリカの長期金利はさらに上がり、足元では2.6%台に乗ってきています(日本時間26日22:00時点で2.64%)。これじつにビミョ~な水準ですね、米借金バブルがこれ以上には膨らまないように、かといってこれが急激に弾けないように、ってバランスの観点からすると・・・。したがって、この急上昇のトリガーを引いたかたちとなった日銀はいま、非常にナーバスになっているのではないでしょうか・・・(?)

 こちらの記事などにも書きましたが、一般的に、様々な要因で決定される長期金利は中銀にはコントロールができないと考えられていますし、実際にFRBは先述のとおり、できていません。にもかかわらず「いーや、できる!」(「長短金利操作付き・・・」)とばかりに敢然と長期金利(って、アメリカの、だけど?)の操作に乗り出した最強の中央銀行・日銀・・・。この通説を打破できるか、それとも通説どおり制御不能に陥るか、いよいよ正念場が迫ってきたって感じですよ~~!?

(「米の命運=長期金利を『操作』する?日本」おわり)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【日銀の献身的努力も米減税&中国米国債売りで水の泡…】米の命運=長期金利を「操作」する?日本⑥

2018-01-25 00:00:37 | 世界共通

前回からの続き)

 おそらく先述のような国債買いオペを展開して日銀は、アメリカの命運=長期金利を一定のレンジ内(2%台半ば~2.9%くらい、3%超は絶対阻止!)に必死に留めようとするでしょう、邦銀を泣かせながら・・・(?)

 しかし・・・そんな日銀の献身(?)も知らないで(?)アメリカ・・・のドナルド・トランプ政権はこのほど、今後10年間で1.5兆ドルを超える額の大型減税政策の開始を決定しました。その景気浮揚効果のほどはともかく、それだけ財政収支が悪化するのは間違いなさそうです・・・

 そして中国の動向も気がかりです。日銀オペで米長期金利が跳ね上がった9日のすぐ後、同国の外貨準備担当者が諸情勢をふまえて米国債の購入を減らすか停止することを勧告、なんて報道が流れて一時、ドルが円やユーロに対して売られました。対米貿易でドルを稼いでいる中国が実際に即、同投資を止めるといった事態は考えにくいですが、こちらの記事等で書いたとおり、中国はいま、アメリカから通貨・金融面で真に独立するべく、通貨・人民元を裏打ちする資産をドルからゴールド)等に転換している最中です(?)。であれば中国が今後ドル・米国債の保有をこれ以上増やす理由は乏しいわけで、ゆえにこのニュース、中国のアメリカに対する「けん制」以上の意味合いがありそうです・・・

 これらにともなう、凄まじいほどに高まりそうな(?)米長期金利の上昇圧力(米長期国債価格の押し下げ圧力)、さすがの日銀でも抑え込むことは困難に思えます・・・が、それはあくまで現行の金融政策のメニューでの話。じつは日銀は近い将来、こちらの記事に書いた「奥の手」すなわち「米国債購入で円貨を発行」って策に踏み切るのではないか、と予想しています。いわば、日銀による「財政ファイナンス」、ってアメリカの。これなら米国債の価格低下を食い止められるし、同金利急騰も和らぎ、アメリカ様を支える一助になりそうですからね・・・

 でも・・・いくら何でも限度があります。アメリカをサポートっていっても、日銀が日本国ではない外国債を買って無制限に円を吐き出すなんてできないはずです(?)。したがって万一これをやっても一定規模に留めざるを得ず、やがてはこの奇策も通じなくなり、米長期金利は再び上昇軌道へ・・・でしょうね(?)。それに、この機に乗じて、アメリカ(ドル)ばかりか日本(円)をも対人民元で暴落させるべく、中国が米国債を売り浴びせてくるのは避け難いし・・・?

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【「円>ドル」ゆえ日は米の金利操作が可能?】米の命運=長期金利を「操作」する?日本⑤

2018-01-23 00:01:00 | 世界共通

前回からの続き)

 以上、日本(の日銀)だけがアメリカの「命運」=長期金利の上げ下げを思い通りに(?)操作できる様を、今月9日の市場動向をふまえて綴ってきました。繰り返しになりますが、FRBが金融引き締め(利上げ路線)を進めるなかでも、なかなか上げられなかった米長期金利を、たった200億円ポッキリ(の超長期国債の買い入れ減額)で、いとも簡単に(?)ジャンプアップさせることができたのは日銀だけ。そんな意味で市場は、日銀こそが米金融政策をリードしているとあらためて認識したはずです。てことで・・・FRBは完全にメンツをつぶされちゃいましたね、日銀に・・・(?)

 ・・・って、じつはこれ、本ブログでたびたび登場させている通貨の強さ(実質金利[=名目金利-予想インフレ率]の高さ)を表す不等式「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」に基づけば当然の現象といえます。先般の日銀オペで日本の実質金利が上がればマネーが「」に向かうから「ドル」(米国債価格)が安くなって米金利が上がる、といった具合です(同日、円に対するユーロや新興国通貨の下げ幅がドルより大きかったのも、この不等式[円>ドル>ユーロ]のとおり)。二次元のアニメの世界を、その上にいる三次元のわれわれが自由に表現できるのと同じように、上位通貨国は下位通貨国の金融情勢を自在にコントロールできる(?)というわけです。

 その典型例が、FRBが利上げした際の各通貨の対ドル値動きです。このときドルより下位の通貨はほぼすべてドルに対して安くなる・・・のに対してだけは、(まあ瞬間的にドル高円安に振れても)日米金利差拡大にもかかわらずドルに対して安くならない・・・どころか逆に上がったりすることに・・・。その理由は本質的に「円>ドル」だから、です・・・

 こんな感じで、良し悪しは別にして、わが国は超~畏れ多くも覇権国アメリカ様の手綱を握らされちゃっているわけです(って、「マネーの神様」に?)。何度も指摘していますが、世界最大の純債務国アメリカのアキレス腱は「(長期)金利」にほかなりません。これを唯一操作できるのが、(残念ながら)自身=FRBではなく、世界最大の純資産国・日本であるのは、まあ当たり前ではあります、が・・・このようにアメリカ様をコントロールさせていただくってお立場、死ぬほどの緊張感だと思うんですよね、日銀幹部各位・・・

 さてその米長期金利、当面は2%台半ば~後半の一定レンジ内を上下するのでは、と予想しています(自信はまったくありませんが・・・)。その根拠は、最強通貨「円」の発行体である日銀がそのような誘導をして―――前述オペを展開して―――(邦銀各行に犠牲を強いてでも?)アメリカを必死になってサポートするだろうから、です。でも・・・ 

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【日銀の配慮割合「米6:邦銀4」で米支援優先か】米の命運=長期金利を「操作」する?日本④

2018-01-21 00:01:34 | 世界共通

前回からの続き)

 深刻な運用難に苦しむ邦銀を救うためにも、日銀は早急に金融緩和を縮小するべきだ、まずは買い入れ国債の平均残存期間は「最長で10年までとする」くらいに変更し、10年超長期国債は同対象から至急、除外するべき―――と前回、書きました。

 しかし・・・いっぽうでこれ、マーケットから完全にテーパリング異次元緩和縮小)と捉えられてしまいそうです。そうなったら円高ドル安が進むとともに、アメリカ長期金利をさらに押し上げることになりかねない・・・ってことは本稿1回目で書いたように今回、はっきり分かりました。先述のとおりこれこそ真にヤバい事態です。米長期金利は現時点ですら微妙な水準にあるのに、日銀が邦銀(とその預金者や株主)に配慮して上記実行を決めたら3%以上に跳ね上がってしまうのではないか。これ、いまのアメリカには耐え難い高さといえます・・・(?)

 というわけで日銀はいま、極めて難しい選択を迫られています、邦銀?それともアメリカ様?どちらの希望を叶えるべきか・・・?

 ・・・って、以下は個人的な推測ですが、日銀はおそらく「アメリカ:6」「本邦金融機関:4」くらいの割合で「心配り」をするのではないでしょうか。具体的には(日本の、ではなく)米長期金利の動きを鬼のように凝視しつつ、国内金融各社に配慮して10年超国債の買い入れ額を慎重に減らしていく、といったオペを進めるだろうということです。このとき、同金利を3%寸前(2.9%くらい?)にまで上げてしまったらアメリカの耐久限界ライン接近!と判断し、日銀はただちに同・国債の購入量を増やして米金利の引き下げを促す、みたいな・・・。もちろんこれで日の丸銀行の経営は再び苦しくなりますが、ここは「米6>日4」つまりアメリカ様が逝ってしまう(米金融危機が起こる)よりはマシ・・・ということで、各行およびその株主や顧客には我慢を強いる・・・って感じ?

 これにより、邦銀各社はいよいよ苦境に陥り、先述「口座管理料」を預金者から徴収したり、なかには「新規預金お断り!」なんてところも出てくるかもしれません。これらに国民の多くは反発し、一斉に日銀(≒安倍政権)に対する非難の声を上げるでしょう。したがって、いまから対応策を講じる―――まずは「銀行は高い人件費等にコストダウンの余地あり」つぎに「デフレ阻止のために止む無し」さらに「口座管理料は欧米の銀行では当たり前」トドメは「そんなことより『北』だろ」などと本邦メディアに繰り返し報道させ、人々に「仕方ないか・・・」と認識させることで、世論が反アベノミクスに傾かないように誘導する―――ことがよろしいかと思いますので、政府・日銀にはこれらの速やかな実施をお勧めいたします(?)。

 ―――以上、先日の市場動向から学んだ日銀は、米経済および金融マーケットの動揺を食い止めることができるのは、やはりわれわれだけだ、との強い覚悟と自負をもって、上記等によって断固、アメリカの命運=長期金利の「操作」に乗り出す―――これこそ日銀が現行金融政策の名称に「金利操作付き」のフレーズを入れたことの真意だった、というわけです(?)。FRB(米の中銀)を差し置いて(?)アメリカ様をお支えするなんて日銀、いまや世界最強の中央銀行なんじゃね!?

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【邦銀「口座管理料」徴収寸前で日銀、国債買い減額決断か】米の命運=長期金利を「操作」する?日本③

2018-01-19 00:02:20 | 日本

前回からの続き)

 日銀が今般、超長期国債の購入を昨年12月よりも減額したのは―――こちらの記事に書いた意図にしたがってアメリカ様を・・・ってことではなく―――邦銀各行に対して当該減額分に相当する同国債を投資対象として提供しようという意図からでしょう。

 こちらの記事等に書いたとおり、日銀「異次元緩和」が始まって以降、とくに「マイナス金利政策」導入後、銀行の経営環境は厳しさを増していましたマトモな投資先が日本国債くらいしかないのに、日銀の買い漁りのせいでこれがマーケットから消滅してしまい、投資先を失った各行は利ザヤを稼ぐことがますます困難になってしまったためです。これではお客さまからおカネを預かったところでリターンを得る運用が極めて難しいばかりかコストがかかるだけ、ということもあって先日、銀行大手が「口座管理料」を預金者から徴収することを検討中、なんて報道が流れたところです。

 で、本当に同管理料が取り立てられることになったら、どうなるか?・・・かなりの数の顧客は口座を解約、おカネを文字通りの「タンス預金」に回すでしょう。となると、銀行が持つ金融仲介機能が損なわれ、マネーの貸し手・借り手間の融通がスムーズにいかなくなって、肝心の金融システムが動揺することになりかねません。それが金融恐慌時ならいざ知らず、よりによって日銀すなわち中銀という「通貨・金融の番人」の施策がもとで起ころうとしている(?)わけで、もはや「異常」としかいいようがありません(いや、「異次元」というべきなのでしょうが)・・・

 といったことで、日銀はこのあたりを相当に気にしている、と推測しています。つまり、メガバンク等が一斉に口座管理料を導入するような非常事態になったら、一般国民(預金者)からも日銀の超低金利政策に対する批判が噴き出すに違いない、といった懸念。さらにおそろしいことに(?)これ、「アベノミクス」すなわち安倍政権や自公両党に対する支持の一層の低下に直結しかねません。事態がそんな政治的危機?に発展する前に手を打とう、つまり、各行がせめて同費用の聴取をしないでも利益を上げられるようにしよう―――というねらいに沿って決定されたのが冒頭の購入減額だった、と解釈しています(?)。

 ですが・・・これでは―――たった200億円ではお話になりません。こんな少額では「焼け石に水」で、邦銀の運用環境はまったくといってよいほど改善しないでしょう。もっと市場に国債を流通させないと・・・。せめて、現行「長短金利操作付き量的質的金融緩和」の購入対象国債に関する「平均残存期間の定めは廃止」(ようするに、10年超でも買い占めちゃうもんね!という意味?)との方針を、超~最低でも「同残存期間は10年までとする」―――日銀は10年超はもう買いませんよ、そうなれば超長期国債は安くなるから銀行のみなさん、これ買って利ザヤを稼いでね!―――くらいに早急にあらためていかないとね・・・(?)

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【日銀政策「長短金利操作付き・・・」とは米金利操作のこと?】米の命運=長期金利を「操作」する?日本②

2018-01-17 00:00:46 | 世界共通

前回からの続き)

 前述のように先週9日、日銀が超長期国債の買い入れ額を減らしたことで、米長期金利10年物国債金利)が跳ね上がりました200億円程度のわずかな減額、それも減らされたのが「日本国債」のほうだったのに、海の向こうの「米国債」の価格がこれほど急落(利回りが急上昇)したわけです。このことは新年早々、マーケットに大きなインパクトを与えたものと思われます。つまり、日本(だけ?)がアメリカの長期金利の上げ下げに大きな影響を及ぼしていることがあらためて認識された、ということです。

 こちらの記事を含めて何度も指摘しているとおり、政府、企業、家計のすべてのセクターが膨大な債務を背負っているアメリカにとって、金利上昇こそは北朝鮮の核ミサイルを上回る(?)最悪のリスクです。当然ですが、金利が上がれば返済負担が雪だるま式に増えるうえ、返済原資ねん出のための株や債券や不動産などの資産売りが誘発され、これが各資産の価額をさらに下落させ、金融システムに不良債権が積み上がり、大手米銀が債務超過に転落して巨額の公的資金注入が不可避となって・・・連邦財政破綻、金利暴騰、ドル暴落へ・・・などとなりかねないからです。よって米当局は、上記借金で空前のデカさに膨らんでいるバブルを前に、金利とりわけ制御が難しい長期金利のケアには細心の注意を払っていると思われます。

 ここのところアメリカでは金利のスティープ(平坦)化現象が注目されています。FRB(米中銀)の利上げを受けて短期の金利が上がる一方、これがリスクオフ・モードを喚起するために長期金利は上がらず、両者の差が縮小、平坦化に向かっています。FRBの本心は、バブルのこれ以上の膨張は回避したいので、長期金利のほうもちょっとは上がってほしい・・・けれど上がり過ぎちゃ困る、みたいな超~難しい(というか、まず不可能な?)かじ取りが求められているところです。実際、FRBは自身の政策(利上げ)で、長期金利を期待するレンジ(2%半ば~同後半くらい、でも3%超は絶対にNG!といったあたりか?)に持っていくことができないでいたわけで・・・(?)

 ・・・それを―――米FRBができなかった米長期金利の高め誘導を―――今般、日銀が軽々と?やってしまいました、上のような日本国債のオペで。これ、FRBはプライドが傷つけられた思いではないでしょうか。日銀の米市場に及ぼす影響力に対する自身の非力ぶりを思い知らされたかたちになりましたからね、結果としては・・・(?)

 いっぽうの日銀は、自らの(というより円の)強さを痛感したものと思われます。ホント「雀の涙」200億円、超長期の国債購入を減らしただけでコレですからね・・・。このあたりの様子に、日銀の現行政策「長短金利操作付き量的質的金融緩和」が謳うところの「金利操作」の対象とは(日本のそれはともかく)米金利のことだったことにはじめて気づかされましたよ・・・(?)

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【日銀の国債買い減額が米長期金利を跳ね上げた!】米の命運=長期金利を「操作」する?日本①

2018-01-15 00:02:36 | 世界共通

  米金融市場の熱狂を支えているのは、同景気や企業業績への期待などではなく、先述のとおり、やはり日本・・・の日銀だった、ということなのでしょうね・・・

 先週9日の米債券市場では米国債価格が急落(利回りが急上昇)しました。米長期金利10年物国債価格)は前日から7ベーシスポイント(bp.:0.07%)も跳ね上がり、昨年3月以来9か月ぶりに2.5%のラインを越えてきました。日本時間10日昼間の時点では2.55%前後と、直近1か月の利回り上昇幅は18bp.0.18%)ほどと大きなものになっています。

 このように米金利が急上昇、となれば日米金利差が急拡大してドル投資の妙味が増すだろうから、ドルが買われて円が売られる―――急激にドル高円安が進む・・・と思ったら、さにあらず、まったくその逆で、米為替市場ではがドルに対して一気に買われ、前日比で0.5%も円高ドル安水準の1ドル112.56円になりました(その後、10日の日本市場ではさらに円高が進んで同111円台に突入)。

 なお同日、ドルは円以外の他の通貨に対してはおおむね上昇しています。1ユーロは1.1939ドル、1英ポンドは1.354ドルと、いずれも0.2%、ドルに対して安くなりました。このあたりは「法則」のとおり、つまりマネーが金利の高いほうへ―――ユーロ等から国債利回りが上がったドルへ流れた結果という解釈が成り立ちそうです。

 ちなみに、この日のゴールド)ですが・・・N.Y.金先物相場は続落し、同商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前日比で0.5%安の1トロイオンス1313.7ドルになりました。これまた上記と同じく、米金利が上がったことで、これを生まない金の魅力が下がったことの反映でしょう。当然ながら金は円に対してはもっと下げ幅が大きくなりました。

 以上により、当日の米市場の各値動きからもっとも注目すべき現象は、アメリカの金利が上昇するなかでも、が金をも含むすべての通貨に対して買われた―――高くなった、ということかと思います。ではこの日、何があったからこうなったのか・・・

 じつは日本時間の同日、日銀は10年超長期国債の買い入れ額を昨年1228日よりも200億円ほど減らしました。マーケットでは、これが現行の「異次元緩和」(長短金利操作付き量的質的金融緩和)の手仕舞い開始(テーパリング)の合図なのではないかとの憶測を呼び、同国債価格が低下(利回りが上昇)したので円高ドル安になったもようです。

 日銀の同購入減額は、たった200億円―――これが何と!?海の向こうのアメリカの長期金利の急騰(米長期国債の急落)まで引き起こしてしまいました・・・

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【英中両国、空母建造の代わりにコレしたら?】「空母」で沈む?英国と中国⑥

2018-01-13 00:00:35 | 世界共通

前回からの続き)

 ・・・って、表題「英国」「中国」からすっかり離れてしまいました。本稿の終わりに両国の空母について個人的に思うことを蛇足で追記しておきます。なお、一生懸命にこれ作っている関係各位にはたいへん失礼ながら、先述のとおり、本来の目的どおりには使えないという意味で空母を保有する必要はないという点では英中とも同じだと思っています。

 まず英国ですが、円換算で5千億円近くもの大金をかけるのであれば、空母「クイーン・エリザベス」(Q.E.)建造ではなく、現在の同国にとって真の「空母」(虎の子)・・・といっても過言ではない「金融システム」すなわち英銀への資本注入資金に充てるべきと考えます。もっとも5千億円くらいではぜ~んぜん足りない(?)とは思いますが、Q.E.などよりはよほど有効な出費かと。まあとにかく、早く腹をくくって動かないと「空母」全艦、轟沈してしまいますよ・・・(?)

 そして中国ですが、同国の空母は・・・ひょっとしたら戦いの場に出撃するのではないか・・・って、南シナ海におけるバトルなどではなく、内乱鎮圧向けに・・・なんてイヤな予感がします(?)。ということで、大きなお世話でしょうが、中国には何と!海はともかく川!?を航行できる空母を作ってみたらいかがかと。わたしの脳裏には、内陸部の反乱軍を成敗するために長江(揚子江)をさかのぼる瀋陽軍?旗艦「遼寧」の雄姿(?)が浮かんで仕方がありません。王朝国家のカルマが回る、かの国のこと、両者はきっと中流付近で激突するのでしょうね、赤壁(レッドクリフ)あたりで・・・?

(「『空母』で沈む?英国と中国」おわり)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【空母「赤城」「加賀」の幻が米を追い詰める?】「空母」で沈む?英国と中国⑤

2018-01-11 00:01:57 | アメリカ

前回からの続き)

 太平洋戦争を戦った「赤城」「加賀」「翔鶴」「瑞鶴」といった旧日本海軍の空母は当時の世界最強でした。激闘の末にこれらを沈め、勝者となったアメリカは、基本的にいまもそのときの陶酔感を引きずっていると考えています。その表れが、前回書いた同国の超~過剰&高コスト低パフォーマンスな空母打撃群です。この瞬間も各群は世界中に展開し、ミッドウェー海戦前夜よろしく、永遠に現れることのない(?)敵空母機動部隊の来襲に備えているのではないでしょうか・・・

 いっぽう「大日本帝国」は敗れました・・・が、じつは・・・長い年月をかけてようやく帝国所期の目的を達成しつつあるのではないか。どういうことかというと、当時の敵国「アメリカ」が、恐竜が自らのデカ過ぎる図体を支えられずに滅んだように、対日戦勝ユーフォリアにまかせて作り上げてしまった自身の巨大過ぎる軍事力(≒財政負担)の重みにいま、押しつぶされようとしている、ということです。こうなってしまった最大の敗因(?)は、水平線のはるか彼方からやってきた日本の「赤城」や「加賀」・・・の幻影。そんな意味で、聯合艦隊は物理的には消滅したけれど、目に見えない次元では、米艦隊をいよいよ追い詰めつつある―――自壊へと導きつつある―――のではなかろうか、なんて気さえするわけです。

 もちろんいまの「日本国」にそんな意図があるはずはありません。何だかんだ言っても、いまのわたしたちにとってアメリカが第一の友邦であることに変わりはありませんからね。それでも・・・空母の歴史には、これを使いこなすことのできた、世界でたった2か国―――日本とアメリカ―――の不思議な因縁を感じずにはいられないのです・・・

日本は空母をとっくに卒業しました。アメリカ(や英国や中国等)は空母にいまもこだわり続けています。70年あまり前の、その選択の違いがもたらす結果の差が、新しい時代の「旗艦」役が誰なのかを世界に知らしめるときが近づいている―――そんな予感がしてなりません。

(続く)

(上記海戦で亡くなられたすべての日米両軍の戦士に謹んで哀悼の意を表します)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする