世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【日本はアメリカを如何様(ファイナンス?それともインフレ自壊誘導?)にもできるから…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味⑩

2023-06-29 21:24:27 | 日本
前回からの続き)

 前回、スゴい、と形容したのは、アメリカ(とドル)をインフレ逝きに、それもあたかも「捨て身」で支えるかのように装いながら導いたためです。まあ・・・かの国の(先述支配階級)からしたら、どう見たって助けてもらっていると感じるし、よって、それに真逆の狙いが秘められているなんて夢にも思わず、といったところでしょう。加えて、何もできない政治メディアも、コレを称えることすれ、「捨て身」の苦しさ(原材料インブレや実質所得の大幅減等)の元凶として非難する(結果、やめさせられる)ことなんて絶~っ対にない、とヤる前から確信できていた、というあたりも合わせてスゴい・・・くらいに狡猾だよな~と勝手に想像をめぐらす次第・・・って、コレすなわち日銀・・・の現行金融政策に、です。

 そのあたりのバロメーターとして以前から本ブログで注視している米不動産価格ケース・シラー値)ですが、先日4月値が公表されました。対前月比でプラス1.3%と、2→3月とほぼ同率で、年率換算だと16%超もの急上昇ぶりです。これ・・・いかにマーケットがよく分かっているかを明確に示していますね。そうです、彼ら彼女らはFRB(と自国アメリカ)にインフレ退治(金融引き締め)なんてできっこない(というより本心はする気がない)のを知っていたところ、直前の3月に中堅銀SVBの資金繰り破綻と当局・FRBの過大な?マネー供給等(実質的な量的緩和再開)があったのを受け、ほらね、といわんばかりに、このタイミングで不動産投資を拡大していった、というわけでしょう。そこは前述のとおり、不動産価格の永続的な上昇こそ、先日決定の米連邦債務上限の引き上げを受けて「いま」から増やすべき借金の充当用マネーの捻出に不可欠の条件ですからね・・・って、ジャパンマネーのファイナンスに頼ら(れ?)ないで10年以上もそうしてきたのだから、そうやって逝くしかないでしょ、ってことです。まさに目論見のとおりですよね、BOJ・・・

 「いま」全世界の金融市場で起こっていること―――日本に関するところでは好調な株価(実体経済とはほぼ無関係に、マネーゲームよろしく超低金利の円を元手に外国人投資家が利ザヤ稼ぎにふけっているということですよ!)とか今般の日韓通貨スワップ協定の再開(日本のマネー融通で韓国に資金繰りのための米国債売りをさせないようにすること[米金利上昇≒資産デフレ堕ちを食い止めること]ですよ!)などなど―――は、何もかも、といっても過言ではないくらいに「いま」以降の米インフレのいっそうの激化(実質マイナス金利幅のさらなる拡大)を予感させています・・・

 ・・・と同時に、その演出すべてに、わが国、日銀、そして(超低金利マネー)が関係しているわけです。つまり、このマネーがすべての「いま」の世界にあって、韓国はもちろん(どうでもいい?)ですが、アメリカをも(ファイナンスしてあげることも、勝手にインフレを起こさせて自壊に誘導することも含めて、)本当は如何ようにもできる(???)ポテンシャルわたしたちにはあるのですよ。であれば・・・それを胸に秘めつつも(って、アブないので表に出さないで)その力を戦争(≒ド〇)なき新しい世界作りに活かしたいところですね・・・って、上記のように、もうやっているし、十分に効いてきているけれどね・・・(?)

「米債務上限引き上げが『いま』決定されることの意味」おわり)

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【米国債購入マネーを捻出するためにも資産バブル=インフレ永続しかない…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味⑨

2023-06-27 00:01:11 | アメリカ
前回からの続き)

 前述したことからアメリカは、さらに膨張させるべき借金(連邦債務)をFRBに引き受けさせる以外にないでしょう。それは量的緩和策QE)という名の「財政ファイナンス」(中銀の国債の直接引き受け)、つまり何ら資産的な裏付けのない&超低金利な(事実上のマイナス金利な)ドルのいっそうの散布となり、これに乗っかった株や不動産などのリスク資産投資&利ザヤ稼ぎのチャンスが拡がるためにアメリカ国民・・・の一握りの現支配層は大いに喜ぶはず。

 その反面、当然ながらこれでインフレは抑えようがなくなり―――実質金利のマイナス幅はさらに大きくなって―――かの国の人々の大多数は生活必需的なモノ・サービスそして医療費や学費等のさらなる値上がりに苦しむ羽目に・・・。かくして両者間の「分断」はますます拡大し、それが治安の悪化から内乱等に発展し、最終的にはテキサス州独立・・・みたいなアメリカ国家の解体に至る・・・予定

 本稿上段で紹介のように、米連邦債務は「いま」総額約31兆ドルです。これに対して、世界一の純資産国(つまり世界一多額のおカネを他国に貸すことができる国)である日本米国債保有額(≒米連邦政府に貸している金額総額)は、外国勢としては1位ではあるものの、10年も前とほぼ同じ1兆ドルあまりに「しか」なりません(1/31・・・って、たったの3~4%)。その深すぎる?理由はこちらの記事等で推測したとおりですが、わが国からのマネー流入がこのように増えないなか、その間も「いま」まで増加一途の米財政の「穴」を埋めたのは上記FRB・・・という名のドル札印刷会社(みたいなもの)になるわけです。

 もっとも、それでもFRBの「いま」(今春)の米国債保有額は約5.2兆ドルに過ぎません。そして日本を筆頭とする諸外国のそれは合計7兆ドルあまり。となると、残りの多くは金融機関や投資家等の「アメリカ」自身が保有していることになります。あれ?かの国って純債務国すなわち外国から常時借金するしかないんじゃなかったっけ?だから自国民に米国債を購入できる余裕なんてないんじゃなかったっけ?その割にけっこうな額を自分たちで持っているよね・・・(上記データ出典:Statista HP等)

 ・・・ってソコが資産バブルの「錬金術」なのでしょう。つまり・・・上記リスク資産の売買や利子・配当等で得られたマネーの相当部分が米財政赤字のファイナンス(米国債投資等)に回っているということ。となるとこの「錬金術」、拡大していくしかなくなります・・・って「いま」から増加させるべき借金を確保するには、アメリカは不動産バブルに頼るしかない(その捻出源となるべき自国不動産等の価額を永続的に上昇させなければならない)ということ。そのあたりもまたQEが必須となる事情といえるでしょう・・・って、これで住宅ローン金利を引き下げていかないとならない・・・ってことで。もちろんそれは(実質金利のさらなる引き下げを促すことで)・・・「金利」(上昇への耐性)の喪失とインフレ高進を黙認することになりますが・・・

 このようにアメリカは―――とりわけ上記上限の枠が事実上ハズされた「いま」からは―――どこまで逝ってもインフレインフレ・・・にならざるを得ないでしょう。それほどまでに、手を染めてしまったQEの麻薬性は強烈だった、ということですが、(カネ持ち層が自身のカネ儲けしか関心がないことに加えて)そのへんも見越して、かの国を「いま」に誘導したわけですから、スゴいですね、やはり・・・

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【国家国民のためはそっちのけ、金持ちのため、となるのが米の宿命…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味⑧

2023-06-19 20:04:36 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のとおり、アメリカの一握りの現支配層(金融機関等の大企業経営者・大口投資家その他資産家や政治家等)は、本心ではインフレ、より正確には超低金利環境のほうがずっとありがたいと思っているはずです。それはアメリカ国家・国民にとって望ましいから・・・ではなく、自身らの資産や利益の極大化にとって好都合だから―――おカネを超低金利で借りて株や不動産などのもっと利回りが高い資産等に投資して利ザヤを稼げるから―――でしょう。であれば、彼ら彼女ら(ほどの富裕層)にとっては、蚊に刺されるほどのダメージにもならない生活コストの上昇(ガソリン代とか家賃代などの物価高)は抑制するべき・・・ではなく、むしろ逆に、原油先物取引での儲けや不動産収入の増額に向けて、もっと煽り立ててほしい、となってきます。

 上記のように考えると、本稿前段で述べた、円高に誘導してジャパンマネーの対米投資力を高めることでこれに「いま」から増える米債務を引き受けさせて・・・なんて策は上記資産家層にはNGでしょう、とりわけ「いま」は。というのも、これには日銀金融政策の超緩和から引き締め(っても「ちょ~っぴり」に過ぎませんが)への転換すなわち日本長期金利の上昇が促され、その結果、「いま」の世界の金融マーケットで唯一の投資の元手となっている超低金利マネーが失われるため、です。そこは、彼ら彼女らの「ホーム」でFRBが(建前に過ぎないまでも)利上げを進めてきてきて、「いま」名目上の政策金利が年5%ほどにもなっているので、日本&の上記「唯一」感は突出していますから・・・

 ・・・ということで、NG。じゃあ「いま」からその債務を引き受けるのは?・・・って、上記のとおり自明です。前回紹介の不動産価格の今春の下げ止まり&一転上昇そして同加速はそれを先読みした動きといえるでしょう。そのあたり、こちらの記事にも書いたように、米中規模銀行の破綻を受け、事実上、量的緩和策が再開されているわけですから当たり前ですね・・・ってFRBによって・・・

 以上を本稿の文脈に沿って手短にまとめると、世界一の対外債務国アメリカは「いま」から借り受けるマネーを、国家国民のため・・・ならば本来なら外国、それも世界一の純資産国・日本から円高誘導によって調達する・・・べきなのを断念して、おカネ持ちの(カネ儲けの)ためにFRBに刷ってバラまいてもらうことにした、といった感じになります。それでどうなるか、は本稿を含めて本ブログでシツコク指摘済みです・・・って、各位ウハウハでしょう・・・って、「真性インフレ」が激化(実質マイナス金利がいっそう低下)しますからね・・・

 ・・・って、その陰で、かの国では「国家国民のため」がないがしろにされて「分断」―――インフレでトクをする者とソンをする者の資産&所得等の格差―――がますます拡大していくしかないでしょう・・・が、上記からすれば、これ何とかしないと、なんて正義感のある人が、少なくともパワー階級からは・・・。まあ・・・こちらの記事に書いたようにアメリカは、自由・・・ではなく平等・・・でもなく博愛・・・のはずもなく、カネ・・・を唯一の崇高なる理念と信じる人々が集って作った(中国と同種の)人工国家だから、こうなるのは宿命的なことですが・・・

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【日本にもっと対米投資を、となる前にFRBにもっと緩和を…が本心】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味⑦

2023-06-15 20:19:01 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のやり方でアメリカは、世界一の純資産国である日本からさらに借金することが可能、それも(日本政府を通じて「」[ゆうちょ銀農林中金および公的年金基金]が掴んだ米国債を売らせないよう圧をかけることで)金利の上昇を抑えることもできるでしょう(?)。それは、かの国にとって・・・純債務国としての自身の宿命で対外債務は増やす以外にないなかでもインフレを抑制、悪くともこれ以上の激化を食い止め得る唯一の策といっていいでしょう・・・

 しかし、です。それでもアメリカにはできない絶対にできっこない・・・はずです。何が?って・・・インフレの制御が、です。なぜなら、そのインフレ・・・という大多数の米国民が嫌悪する金融環境(実質マイナス金利[名目金利-インフレ率<0]が現出するほどの超低金利環境)だからこそ膨大な利益を享受できた、数的には一握りといえる人々(大企業経営者・大手金融機関・大口投資家そしてそれらからの多額の献金で潤う政治家等)がアメリカの現支配層だから。であれば、それらの誰がその力なり立場をインフレ退治に向けてまじめに行使しようなんて気になりますか、というものです。実際は真逆もいいところで、もっと利益を・・・増やせることができる(投資環境にする・戻す)よう、(投資元本の借金がしやすくなるよう)金利を低めに誘導してほしい、というのが彼ら彼女らの本心でしょう・・・

 このように、かの国を牛耳っているのがインフレでトクをする層である以上、母国を救うべき上記唯一の策の実行等で母国を救おう・・・となる前に米FRBの金融引き締め停止・同緩和への転換を促して自分たちだけで救われよう(利益再極大化を図ろう)、となるのがオチというもの。建前―――インフレ抑制――――はいいかげん止めて、本音―――インフレ喚起―――で逝こうよ、というわけ。そんなことの繰り返しでアメリカは遅くともリーマン・ショック以降から「いま」まで、そして「いま」からもインフレに依存するしかありません・・・って、こちらの記事を含めて何度も指摘のとおりです。

 このへんでもっとも注視するべきが米不動産価格ケース・シラー値)なのですが、先日の記事で紹介のとおり、それは今年2月時点ですでに再上昇に転じ(てしまい)ました。そして3月はたった1か月(対2月値比、293.390→297.077)でプラス1.3%もの急騰ぶりです・・・って上記引き締めの最中なのに・・・?。その意味するところは・・・米不動産市場はFRBが利下げすなわち(不動産投資を煽るべき)インフレ路線に回帰する以外にないとみているということ、それも年初あたりから。でなければこんな結果になるはずはないでしょう・・・

 ご存じのように、このたびのFOMCでFRBは利上げを見送りました。上記見地からしても、案の定、というべきですね・・・

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【米、ドル下落局面でも本邦政府にドル債売却しないよう圧力かけて…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味⑥

2023-06-13 21:26:34 | アメリカ
前回からの続き)

 前述のとおり、もしアメリカが「いま」から増やすべき連邦政府債務をジャパンマネーに十分にファイナンスさせる気ならば、日銀に現行金融政策(円安誘導)の転換をさせることで(日本の長期金利の一定の上昇を許容させて)ドルの対円レートの意図的かつ相当な切り下げ、具体的には1ドル約80円前後(10年あまり前の日銀の同政策開始直前の水準)・・・なんて生易しいレベルをはるかに超える同50~30円あたりまで下落させるでしょう(?)。でないと上記ファイナンス額が期待されるところにまったく届かず、金利上昇を抑えるべく足りない部分をFRBの量的緩和策(≒財政ファイナンスドルの大量印刷&散布)で埋めざるを得なくなる・・・ってなればインフレが・・・となってしまいますからね。

 結局、上記の為替レート是正によってもたらされる1ドル30円(くらいの円高???)は、日銀の上記政策が行わなければこの10年のあいだに比較的穏やかかつ自然に(市場原理にしたがって)到達していたであろうラインに、短期間で一気に達する、といったことになるような気がします(?)。

 他方、これを日本からみれば、この間にしこたま掴んだドル建て資産(とくに米国債)の円換算額が急激かつ大幅に減価してしまうことになります。その意味するところは、当然ですが・・・巨額の為替損の発生。そしてその大半が本邦政府・・・傘下の「ゆうちょ銀行」「農林中金」の2行および公的年金基金の保有ドル建て債券において生じるでしょう。そのあたりは以前のこちらの記事を含めて繰り返し書いているとおりです・・・

 ここで、アメリカにとってこれらが「日本政府」であることの何が好都合(?)なのか、といえば・・・ドルの対円での急落局面でも絶~っ対に米国債等を投げ売るんじゃねーぞ・・・的なプレッシャーをかけられるから、そして政府もそれに素直に従うから、です。それは「ニクソン・ショック」や「プラザ合意」等をあげるまでもなく、戦後から「いま」まで何度も繰り返されてきたことの再現です。かくしてアメリカは日本から140円(1ドル)を借りて30円(同)???を返すだけで済む―――1ドルで110円分の借金のボー引きに当たり前のように成功する―――わけです・・・って、日本はこうして借金を踏み倒されるわけですね、かの国に、何度でも・・・ね。もちろん文句は・・・政府・日銀・メディア・経済学会はこぞって「円高」にぶつける(ことで自分たちがアメリカの言いなりであることを国民に気付かせないようにする)わけですが・・・

 ・・・といったようにしてアメリカはあらたな債務を日本に、それも「いま」まで抱えさせた債務の売却をさせることなく(金利上昇圧力を高めることなく)、「いま」から負わそうとする・・・のではないでしょうか。しかし・・・

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【米、日銀の金融引き締めを容認してJマネーの対米投資を促進させて…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味⑤

2023-06-09 19:55:13 | 日本
前回からの続き)

 前述からすれば、このほど債務上限額の引き上げを決めたアメリカが、インフレを抑制しながら財政赤字を増加させるという離れ業・・・的な経済運営を進めるには、FRB・・・(の量的緩和策)ではなく日本からの借金を増やす(日本に米国債をもっと買わせる)以外にあり得ませんが、その最大の障害になっているのが「いま」の為替レートの極端な円安ドル高です。円に対してドルが不当に高すぎてジャパンマネーがドル債務をアメリカが必要とするだけファイナンスすることがまったくできない、といった感じ。なので、かの国としたら、わが国・・・そして円に対して戦略的なドル減価策をそんな「いま」こそ実行したいところでしょう(?)。

 で、ここで留意しておきたいのが、これ、かつての「ニクソン・ショック」とか「プラザ合意」など似ている・・・ようで違っている点でしょう。これらはどれもドルの切り下げといえる面がありますが、「いま」から実施?のソレは、円に対してだけ、ようするにの対ドル独歩高を演出させようというものになる気がします。他方でユーロに代表される円以外の主要通貨に対してドルはそれほど下落しない・・・というより、させられないでしょう。その場合、ドルは全面安となって、アメリカが実現させたいインフレ鎮静化が果たせなくなってしまいますから。それに、上記のとおり、日本以外の欧州その他の国々にはそれらの通貨を対ドルで切り上げたところで対米投資額を増やすなんて余裕はないでしょうし。これらに照らすと、うまくいきそう?なのは、円だけ、という次第で・・・

 では、どうすれば円のみがドルに対して値を上げるのか、ですが・・・アメリカにすれば?簡単です。日銀に「いま」と逆のことをさせればいいだけ。前述、そして本ブログでさんざん書いているように、いまの円安は日銀(の現行政策)が誘導した結果で生じていること。であれば当然、日銀にはその逆も容易にできることになります。具体的には・・・長期金利の現行の誘導目標上限(年0.5%)を超える水準を許容する・・・ことで日米金利差の縮小を図る、といったこと。かの国がソノ気になってヤレ、と指令?すれば日銀も本邦政府も応じる(以外にない?)でしょう。これで必然的に進むであろう円高・・・に比例するかたちで購買力が高まるジャパンマネー(「民」のマネー)によるドル建て米債務の引き受け額は急増するでしょう(???)し、おそらく政府・日銀は、かつての「プラザ合意」後と同じような勢いの円高のなか、メディア各社に「円高リスク」を喧伝させ、これを大義名分として相当程度の為替介入(「官」のマネー)でドルを買ってこれで米国債に投資する、といったことをするでしょう(???)。

 このように、わが国の官民による米債務の引き受けが進むことで、アメリカはそれだけFRBによる「財政ファイナンス」に頼らずに済む―――インフレ圧力を和らげることが可能になる―――(かもしれない?)というわけです。でこの場合、どのあたりまでの円高になるのか、ですが・・・ドルが「全面安」にならずに円に対してだけ高くなるなら、アメリカはかなりの円高水準まで認めるのではないか(?)。なのでおそらく・・・日銀の上記政策が開始される直前の1ドル80円前後・・・を軽~く抜き、いまの倍の同70円あたりも通り越して、同50~30円あたりにまで、比較的短期間でいくのでは・・・って、少なくともそれくらいまで円が強くならないと上記の目論見のとおりになりませんから・・・(???)

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【米が財政赤字膨張とインフレ抑制を両立させるには…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味④

2023-06-07 19:13:31 | アメリカ
前回からの続き)

 前記からすれば、先般決定されたアメリカの新しい債務上限ラインに向かって増加する(しかない)であろう政府債務を引き受けるのは、FRB(米中銀)をおいてほかになさそうです。つまり、量的緩和策QE)という名の「財政ファイナンス」(中銀による国債の直接引き受け)ということですね。

 そのあたり現行の金融引き締め(利上げ)スタンスと真逆の方向ですが、最近のこちらの記事で紹介のように、米QEは事実上、再開されている、といえるわけです。そこは何度も指摘するとおり、そして本稿で述べたように、このたびのことで、かの国にはあらためて「いま」コレ以外の選択肢&進むべきコースがないこと、すなわちインフレまっしぐら必然なことが明らかになった、ということなのでしょう・・・

 ですが・・・これまた既述、このインフレこそ「いま」のアメリカの国家国民の一体感を蝕みつつある「分断」の元凶です。そして、それが分かっているからこそFRBは「いま」まで・・・実質的には表向きにすぎないものの?利上げを続けてきたはず。よって、これ以上の分断深化を食い止めるべく、FRBと米当局には「いま」、財政赤字を増やす(しかない)けれど他方でインフレも食い止めたい、悪くともそれを少しでも和らげたい、という矛盾きわまる思いを実現させる必要に迫られています。財政赤字額の膨張とインフレ抑制を両立させる???・・・って、そんなことができるのか・・・

 ・・・で、行き着く唯一の策が、本稿冒頭で書いたとおりです・・・って、FRBではなく日本に米国債を買わせる、です。上記から、「いま」FRBがQE(≒何らの価値の裏付けのないドルの大量散布)を再開したら、「真性インフレ」(実質マイナス金利が恒常化しつつある経済環境)の発現でただでさえ抑圧困難なインフレの加速を食い止めることは完全にできなくなってしまいます。が・・・同じ債務&ドルでも日本すなわちジャパンマネーに裏打ちされているものは、QEドルなどとはまったくの別物で、インフレ(≒通貨価値の下落)を抑えるだけの価値が認められることに・・・

 かくして、さらに借金することを決めたアメリカが、インフレを抑えながら、という困難な条件付きでこれを実現させるには上記しかないことになります。しかし・・・ここで重大な支障があります。それこそ本稿2回目に書いた、「いま」の為替レートの極端な「円安ドル高」です。日本にドル債務を「いま」から大量に引き受けさせる・・・には「いま」のがドルに対して安すぎる、ということです。なので・・・このあたりを是正しよう―――ジャパンマネーの対米ファイナンス力を回復させよう―――というアクションが近いうちに開始されるのではないか・・・って、それは「ニクソン・ショック」や「プラザ合意」などと同じ意図ですが・・・

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【日本のファイナンスが激減した分を引き受けたのはFRB…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味③

2023-06-03 18:47:30 | アメリカ
前回からの続き)

 前述、そして本ブログでしばしば指摘しているように、ここのところの日本が歴史的なマイナス経済成長を達成するとともに国際収支を大幅に悪化させるに至った最大の要因は「円安」、より正確には為替レートの円安ドル高を演出する日銀の現行金融政策「異次元緩和」(長短金利操作付き量的質的金融緩和)のせい(おかげ?)です。

 よって先記の、日本の対米ファイナンス力の激減ぶり(円安に導くことで、ジャパンマネーに、それまでは買えていた米国債をはじめとするドル建て資産を買えなくすること)は当然、日銀が政策的に意図したとおりの展開とみるべきでしょう。つまり、日銀は2013年から「いま」まで継続してきた円安誘導で、世界一の純資産国である日本の超過貯蓄(≒経常黒字額)すなわち対米投資原資を、円換算額はもちろん、とくにドル換算額で大きく減らすことで、ジャパンマネーがこれ以上アメリカに向かえないように―――対米投融資等に回らないように―――仕向けて?きました。実際、その(狙いの?)とおり、この10年間のわが国の米国債保有額は増えることがなかったのは先日のこちらの記事で紹介のとおりです。かくして、かの国はついにマネー枯渇に至って・・・というのが「いま」、ということなのでしょう・・・

 もっとも、日銀の上記政策が開始され(、それと同時に本邦対米ファイナンス力が低下に転じ)たのは10年も前。であれば、上記の理屈からすれば、アメリカはその直後から今回のように資金繰りに窮していてもおかしくはなかったはず。けれど・・・少なくとも表向きは、そんなふうではない印象ですね。ということはこの間、日本に代わってアメリカにマネーを融通したヒトがいたということになります。ではそれは誰?やっぱりサウジ?それとも中国?はたまた・・

 ・・・などと、ここで勿体ぶっても仕方ありませんが、それはFRB(アメリカの中央銀行)になります。最近のこちらの記事を含めてもう何度も書いていますが、そのあたり日本もダメ、となれば「最後の貸し手」(last resort)たる自分・・・の中銀しかない、ということ。具体的にはFRBは量的緩和策(QE)を実施、つまり米国債(および不動産担保証券等)を米連邦政府から事実上、直接買い上げることでこれにドルを供給(刷って渡)してきました。こうしてアメリカは、本来ならもっと早くマネー切れになるところを、このFRBの「財政ファイナンス」によって「いま」(先日の債務上限)までやりくりしてきた、という次第・・・

 ・・・って、やりくりできた・・・わけではないのはいうまでもありません。かの国はそれだけ、イタすぎる代償を食らい続けてきた、ということ。つまり上記ファイナンスの分だけ紙切れ・・・に等しいくらいの、何らの資産的な裏付けのないドルが市中に吐き出された結果、アメリカ(国民の大半)はインフレ―――それも「真性インフレ」(実質金利が恒常的にマイナス圏に沈んだ状態)に苦しむハメになりました。まあ、だからこそFRBは昨年来、利上げを続けてはいる・・・ものの・・・

 そんな「いま」、アメリカが債務上限ラインの引き上げを決めた・・・ことが何を意味するのか・・・って、上記からすれば自明ですね・・・

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【肝心の日本までも対米ファイナンス力を大きく喪失…】米債務上限引き上げが「いま」決定されることの意味②

2023-06-01 00:01:14 | アメリカ
前回からの続き)

 というわけで、このほど決定された?新しい債務上限ラインに向けて外国からの借り入れをいっそう増やす以外にない世界一の経常赤字国(&同財政赤字国)アメリカがすがることができそうなのは、産油国(サウジアラビア等)・・・ではなく中国・・・でもなく、かといってEU諸国・・・でもアジア・アフリカ諸国でもない・・・となれば必然的に日本しかない、ということになりそうです。

 ところが、です。その唯一のマネー源となるべき?わが国もまた、じつは上記各国と同じく、そうしたアメリカの期待に十分に応えられそうもありません。というのも、日本は「いま」、対アメリカを含む対外投資等の余力を大きく減少させているからです・・・

 そのあたりを示す具体的なデータが直近(昨年)の本邦国際収支。貿易収支は15.8兆円と過去最大の赤字、そして経常黒字額も前年(2021年)比でマイナス10.1兆円とこれまた過去最大の減少幅をそれぞれ記録するほどの落ちぶれぶり。さらにGDP(ドル換算)に至っては、率で約15%、額では0.8兆ドル(2021年:5.0兆ドル→2022年:4.2兆ドル)もの超マイナス成長をわずか1年間で達成?するという体たらくです。そんな「岸田ビジョン」?が見事に具現中の「いま」のわが国に、ヨソ(ぶっちゃけアメリカ)におカネを貸そうかな(投資しようかな)、なんて余裕があるはずがありません(以上のデータはNHK報道・財務省国際収支統計等)。

 もっとも、それでも日本は昨年11.4兆円あまりの経常黒字を確保しました。そこは本邦経済の真の底力を感じさせられるところですが、「いま」のままではそれも危ういでしょう。上記のように、この国は1年で同黒字額を軽~く10兆円も減らしたのだから、「いま」からの1年間でこれを同額あるいはそれ以上減少させても不思議ではありません。それは・・・最終防衛ラインといえる(と個人的には考えている)経常収支まで崩される―――同赤字に墜ちる―――という、非常に由々しき事態が現実となることを意味しますが・・・

 ・・・「って、そりゃそうだよね。そのとき日本はマネー不足に陥るから、外国資産を換金売りするとか、外国から借金するとかしないとならなくなるからね」まあ・・・それもそうですが、本稿の文脈に基づくと、「由々しき事態」というのは日本・・・ではなく、むしろ(もっとず~っと)アメリカにとって、ということ。つまり・・・経常赤字転落で日本が完全に対米ファイナンス力を失う・・・ことでアメリカは「いま」から増やそうとしていた借金の出し手を失う、という意味です。これは、かの国にとってたいへんイタいところでしょう、上記のように産油国も中国も欧州その他の国々も頼りにならないなか、当てにしていた肝心かなめの日本までダメとなるのですから。となるとアメリカの対外債務増額計画は画餅に帰することになりかねない・・・

 ・・・って、どうして「いま」日本もアメリカもこうしたことになってしまっているのでしょう。そこは・・・本ブログで何度も書いているから、いうまでもありませんね。「円安」、より正確には円安を誘導し続けている日銀の現行金融政策「異次元緩和」(長短金利操作付き量的質的金融緩和)のせいです

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