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【ゆうちょ銀に米国債を買わせるのが狙い】ゆうちょ銀の預入限度額倍増が暗示する「戻り地獄」の悲惨さ②

2019-04-01 00:01:05 | 日本

前回からの続き)

 本日4月1日より「ゆうちょ銀行」の預入限度額が、これまでの1300万円から2600万円へ何と!2倍に増額されますが、これを決定したアベノミクス政府の狙いはたった一つ、つまり・・・事実上の国営ヘッジファンドである同行に対して、本措置でさらに集まるであろうマネーで・・・「米国債」(等のドル建て金融資産)を買わせよう!というものだと理解しています。

 以前から郵便貯金の肥大化には民業圧迫との批判があり、だからこそ政府は郵政民営化委員会での議論等をふまえて日本郵政の民営化を進めてきました。したがって、その本来の流れからいえば、実質的な政府保証が付く、ゆうちょ銀貯金の同限度額はせいぜいが据え置きか、むしろ以前の1千万円程度にまで引き下げてもおかしくはなく、今回のように増額・・・どころか一気に2倍増だなんて、上記趣旨からすれば逆行も甚だしく、ありえない!はずでした(?)。にもかかわらず安倍政権が今般、上記に踏み切った理由は、(こうした金融国営化につながる政策に積極的だという)その社会主義的な政策スタンスもありますが、下記の金融情勢の下、こうでもしなければジャパンマネーに米国債投資を促せないため、なのでしょうね・・・

 ご存知のように、日銀の金融政策「異次元緩和」の影響で、わが国の金融機関はいま、深刻な運用難に陥っています。このあたり何度も本ブログに書いていることですが、その理由は、日銀が同政策によって、それまでの主要な投資対象であった日本国債を説明がつかないくらいの高値でかつ大量に買い上げてしまっているため。これによって国債市場では適当な価格で購入できる国債が払底し、本邦銀行は預かったおカネの運用に行き詰ってしまったわけです。もちろん各行は新規ローンを開拓したり、わずかに残された超長期債などに投資したりと、少しでもプラスリターンを得ようと企業努力をしているでしょう。とはいっても無茶をしてリスク投融資に突っ込んで失敗し、結果として自己資本を傷つけるわけにはいきません。当然ですが各行にはステークホルダーの目があり、ヘタなことをやって会社に損害を与えたら、その経営者らは株主代表訴訟を起こされかねませんからね・・・

 さてここで、事実上、投資が困難になった日本国債に替わる新たな運用対象候補として外国の債券、中でも流動性があって格付けも高い米国債(や、米国債に準ずる格付けを持つ不動産担保証券など)が浮上することになります。これらなら安全で利回りも日本国債より大きいからイイのではないか、って、ついつい感じてしまいがち。けれど・・・実際にはこちらもまた日銀政策のせいでスゴイ高値になってしまっているわけです。要するに実質実効レートから大きく乖離するほどの円安ドル高になっているということ、であれば、ドル円がやがて本来のレートに至る―――円高ドル安に向かう―――ことが十分に予想されるので、高値掴みのリスクを考えれば、いまはドル債に手を出すべきではない(むしろ逆に売却するべき)、となるのが「金融のプロ」としての常識的な投資判断のはずです・・・っていうか、金融や経済の「ド素人」でさえもそう思うでしょうが・・・

 さらにいうと、米国債の実質利回り(=名目金利-インフレ率)が日本国債を下回ることにも注意が必要です。これ本ブログで何度も書いている「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(実質金利の高い順を示す不等式)のことで、つまりよほどタイミング等を上手に捉えないと、米国債投資で日本国債投資以上のリターンを得るのは難しいということ。で、そのタイミング、現時点はどうか、ですが・・・上記のとおりで超~NG!でしょう・・・

 以上のような金融情勢の下では、必然的に投資に回らないのキャッシュが積み上がることになります。そのあたりはこちらの記事でご紹介の数字等にハッキリと表れています。実際、民間金融機関の合理的な投資行動としては、市中にわずかに残った日本国債を高値承知で買うか、残りは日銀当座預金口座に「ブタ積み」するか、くらいしかないでしょう。それでも・・・各社が外貨建て債券等を買い増したりはしていなそう(?)な分だけ、まだ救いがある、といったあたりではないでしょうか(?)。

(続く)

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