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【欧州中銀、1月より資産購入規模を半減でQE手仕舞いか?】ユーロ圏のインフレ依存も止まらない①

2018-03-11 00:00:58 | ヨーロッパ

 今年9月でQE(量的緩和策)は終わる・・・ことはなく、アメリカと同様に欧州もまた、資産インフレにどっぷり依存した道を歩むしかないでしょう、このままだと永遠に・・・?

 この1月から、欧州中央銀行ECB)は現行の資産購入プログラム(QEの一環:APP)について、国債等を含む月間購入額をそれまでの600億ユーロから300億ユーロに縮小しています(9月まで実施予定となっている)。したがってマーケットでは、米FRBに続いてECBもいよいよテーパリング(緩和策縮小)に入ったか、との見方が広がり、それが足元のドルに対するユーロの上昇の一因となっているように思えますが・・・

 さて、ECBが上記QEをスタートさせたのは3年前の20153月でした。それ以降ECBは、APPやマイナス金利政策等を通じて金利の低め誘導を行って投資を刺激・・・というか、ぶっちゃけ資産バブルを醸成しようとしてきました。こちらの記事等に書いたように、ユーロ圏・・・のなかでもギリシャに代表される、支払い能力が低くて経済・金融基盤がぜい弱な重債務諸国はバブル、とりわけ不動産バブルの資産効果で景気を浮揚させたいという思いが強いわけですからね。

 いっぽう、ドイツを筆頭とする債権国サイドはこれらとはまったく様相を異にします。つまり、経済の実態に照らして金利が低くなり過ぎ、不必要なバブルが発生してかえって危険ということになります。したがってECBにはすぐにでもQEを止めてもらいたいところでしょう。

 まあECBは、こうしてユーロ圏各国のファンダメンタルズがまったく違っているなか、どうしても全体の中間点を取ったような政策を選択せざるを得ません。となると・・・上記の前者にとっては金利が高過ぎ、期待する大きさにバブルは膨らまず、他方の後者ではリスキーな水準にまで住宅等価格が上昇してしまい、どちらにとっても欲求不満が解消されることはない・・・といったことはこちらの記事などで綴ったとおりです。

 なお、これまた何度か指摘した点ですが、上述の違いは各国の国債価格=利回り差に表れてきます。同価格が高い順(長期金利が低い順・支払い能力が高い順)に並べると「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」といったようになります。現時点(3/9)の長期金利はドイツが0.64%、ギリシャが4.14%と、同じ域内の共通通貨ユーロ建て国債であるにもかかわらず、3.5%もの金利差があります。そんなバラバラ状態のユーロ圏で、ひとつの金融政策を展開することが、いかに無理のあることか、容易に想像ができるところです・・・

(続く)
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