世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【日が米欧英と協定する理由】中韓通貨交換協定:あらためて意識される「円>ドル>他通貨」④

2017-10-29 00:04:00 | アジア

前回からの続き)

 前述した理由から、韓国が通貨スワップ協定を結ぶべきパートナーとしてもっとも頼りになる国は、日本となります(というか、下記のようにすべての国にとってそうですが・・・)。

 これも「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」の不等式で次のように説明がつくところです。韓国の通貨ウォンはここでは最弱の新興国通貨カテゴリーに入ります。これに対して「円」は基軸通貨ドルをもしのぐ世界最強通貨。ということは万一の、いや近いうちに必然の(?)世界金融危機の際、ウォンはドルやユーロに対して著しく減価し、それだけこれら通貨建て債務の資金繰りが厳しくなります・・・

 他方、円はこのとき・・・独歩高を演じる、すなわちウォンはもちろんドルやユーロに対しても大きく値上がりすることになります。その際、もし韓国が日韓協定を締結していて日本からの1兆円の融通枠を持っていたとしたら、これ、危機が深化すればするほど、ドル換算の価値が高まることになる。つまり1ドル100円のときは100億ドル、同80円のときは125億ドル、同50円(!・・って、十分にあり得るよ、この先?)のときは200億ドルなどと、どんどん膨らむわけです。それだけ韓国はこの円貨で対外債務の支払いに充てられるドルを得ることができることになります。こんな頼もしい通貨、円以外にあるものか・・・(?)

 まあ実際に韓国がこうしたかたちでドル借金の返済に追われることになるのかどうかは分かりませんが、少なくとも韓国が日本からの円融通というセイフティーネットを持っていれば、欧米投資家の「韓国売り」はずっと緩やかになるでしょう。同国に円が提供された瞬間にウォン等は反転上昇し、これにカラ売りをかけていた場合は大損することになるから、彼らは韓国ショートのポジションが取れなくなるためです(?)。

 上記の理屈は韓国のみならず円より下位の通貨・・・国のすべてに当てはまること。アメリカだってそうです。だからこそ日本(日銀等)はアメリカ、欧州連合、スイス、イギリスなどの世界主要国・・・の中銀等に円貨を提供するスワップ協定を結んでいる・・・って、「」がこれらの中で最上位にあるから、実質的には日本が各国に金融安全網を提供するかたちになるわけです。当然、日本はこれとは逆にドルユーロスイスフラン等を融通してもらえる立場にありますが、世界一の純資産国たるわが国がそんな緊急事態に陥る可能性はまずあり得ない。厳密にいえば、日本以外のすべての諸国―――円未満の通貨国がすべて破綻する(≒インフレで沈む)のが先になるわけですからね・・・

 このように、」は最強です。だからこそ日本は世界から上記のとおり頼られる。ドル覇権が生き永らえているのも、唯一その上位に君臨する円・・・の日本がアメリカを支えているから。そしてこれこそが・・・わが国第一の国益であり核兵器にも匹敵する(いや、凌駕する?)国防手段です。

続く

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【真に頼れるスワップ相手は…】中韓通貨交換協定:あらためて意識される「円>ドル>他通貨」③

2017-10-27 00:01:08 | アジア

前回からの続き)

 先述したように、韓国が結んでいる現状全ての2国間通貨スワップ協定はいずれも当該国通貨すなわち国際通貨ではない通貨同士を融通し合うもので、いざというときに役立つとはいい難い―――相手方の通貨がドルとかユーロ建ての債務の支払いに充てられないうえ、(ウォンはもちろん)これらが国際通貨に対して著しく減価するために十分な返済原資になり得ない―――と思われます。

 このあたりは本ブログでたびたび登場させている通貨の強さを表す不等式(実質金利の高い順)「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」で説明ができます。つまり、韓国らのスワップ協定は弱者連合すなわち上記「新興国通貨」の枠内での通貨交換にとどまっているため、それらより強い通貨の資金繰りに供せない、といった感じです。金融危機時には、この「>」(両者の差)がますます拡大するのでなおさらです・・・

 こうした意味で韓国(およびパートナー国)は、同危機の際の自身の支払い能力を高めたいのならば、スワップ相手を追加する必要があります。つまり自国よりも強い通貨―――ドルユーロ―――を持つ国と協定を結ぶべき、ということです。これらの強い通貨でスワップ額を積み上げたとき、はじめて韓国は真に安全網を強化できたといえるでしょう。もっともその相手にメリットはほとんどないけれど、自国(円・ドル・ユーロ)>韓国(ウォン)だけに・・・

 じつは韓国にはドルを融通してもらえる枠組みがあることはあります。これ「チェンマイ・イニシアティブ」(CMI)といってアジア諸国(日・中・韓・ASEAN10か国の計13か国)が共同で作った外貨融通システムです。CMIの現在の総資金枠は2400億ドルで、韓国はそのうち自身に割り当てられている貢献枠16%分、384億ドルを引き出すことが可能です。とはいえ、これだけではまだまだ心もとないところ。なので同国としては上記の上積み実現に向けて動くしかありません。

 ここで一番望ましいのはアメリカと本協定を締結すること。韓国の外貨建て債務の多くはドル建てでしょうから当然です。これでドルが相当額、融通されれば債務支払い余力がそれだけ補強されることになりますからね。ですが、どうもアメリカはこれにリラクタントな気配です。現に米韓スワップは2010年以中断されて以降、再開の兆しが見えないとのこと。その本当の理由は分かりませんが、おそらくアメリカは自国企業等が韓国に持つ各種権益と同国の信用力とを天秤にかけた結果、当該協定は国益にならないと判断しているのでしょう。このへん、アメリカはしっかりしていると思いますよ。

 まあユーロでもOKでしょう。「ユーロ>新興国通貨(ウォン含む)」ですからね。でも実際に韓国と協定しようという国が欧州から出てくる確率はきわめて低いと思われます。ユーロ圏のなかでこの手の資金融通をしてほしい国々が多数ある(?)のに、いちいち域外の、それも信認の劣る国とそんな協定を結ぶゆとりなんてないよ、といったところでしょう、たとえドイツでも(?)。

 となってくると、韓国が真に頼れる国は・・・やはり上記不等式で最強通貨「」の日本しかない、ということになりそうです・・・(?)

(続く)

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【「弱い者同士」の協定では…】中韓通貨交換協定:あらためて意識される「円>ドル>他通貨」②

2017-10-25 00:01:59 | アジア

前回からの続き)

 前回、このほど延長された中国韓国との通貨交換協定は、実質的には中国による韓国救済の枠組みであり、中国にはこれによって韓国に恩を売るとともに、人民元の国際金融界における地位向上を図ろうとの意図がある、といった見方を綴りました。

 で、これで韓国は緊急時の備えが十分に整ったといえるのでしょうか?・・・って、けっしてそうではないと思います。たしかに同国は世界各国とこの手の連携を進めてきてはいます。韓国メディアによると現在、中国のほか、インドネシア(100億ドル)、マレーシア(47億ドル)、オーストラリア(77億ドル)、アラブ首長国連邦(UAE)(54億ドル)と同協定を締結済です(UAEとは現協定を延長の予定)。これらの合計は838億ドル相当で、かなりの額といえるでしょう。

 しかし・・・同国が結んだ上の2国間スワップはすべて双方が自国通貨を交換する仕組みとなっています。ということは万一の際、韓国が融通してもらえる通貨は・・・人民元、インドネシアルピア、マレーシアリンギット、オーストリアドル、UAEディルハムとなりますが、問題なのはこれらのなかに国際通貨いわゆるハードカレンシーがひとつも含まれていないこと。これ、おもに以下の2点でこのスキームの銃弱性が指摘できるところです。

 1点目が、これらでは外貨建て債務の返済に充てるのは難しいこと。いざというときに韓国が返さなければならないのはドルとかユーロ建ての借金です。上記通貨はいずれもこれに該当しないため、たとえば・・・せっかくルピアを融通してもらったところで欧米の債権者はこれを直接は受け取ってはくれないでしょう。

 2点目が、こうした通貨はいずれも国際通貨よりも弱い通貨だということ。金融危機になると強い通貨(支払い能力が高い国の通貨)が買われ、弱い通貨(同低い国の通貨)が売られることになります。で、この場合、ウォンを含めた上記通貨はどれも弱い通貨のためにドルユーロに対して大きく減価し、それゆえ、貸してもらったルピアでドルを調達しようにも必要な量を到底確保できない可能性が高いはず。

 ついでにいえば、同危機時は上記協定のパートナー国も韓国と同様の非常事態―――資本流出トリプル安に見舞われ、外貨建て債務の支払いに窮する事態―――に陥るでしょうから、どこも韓国に金融支援する余裕なんてない・・・どころか逆に韓国に「おカネを貸してくれ~!」と懇願したいくらいなのではないでしょうか・・・

 このように考えてみると、韓国の上記スワップはその思惑どおりにワークしそうにないと予想されます。もう少し正確にいえば、韓国は本来の願いをかなえてくれるスワップ相手と結ばれていない、といった感じでしょうか・・・

続く

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【実質は中国の韓国救済策】中韓通貨交換協定:あらためて意識される「円>ドル>他通貨」①

2017-10-23 00:04:43 | アジア

 以前から書いている通貨の強さを示す不等式(実質金利の高い順に並べたもの)「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」があらためて意識されるニュースでしたね・・・

 報道によれば韓国銀行(中銀)はこのほど、韓国中国が緊急時に資金を相互に融通する「通貨交換(スワップ)協定」を3年間延長することで中国側と合意し、中国人民銀行と契約を結んだと発表しました。同期間・融資限度枠(3600億人民元・64兆ウォン)ともにこれまでの契約と同じです。

 2009年に始まり2011年に現行規模にまで拡大されていた本協定は今月10日が期限でした。ご存知のように中国と韓国は、米軍による高高度迎撃ミサイルシステムの韓国配備をめぐって関係が悪化しており、そのために韓国では中国の反対で本協定が消滅するのではないか、と心配する声が上がっていました。そんな中での延長合意ということで、下記セイフティーネットをとりあえずキープできた形の韓国はさぞかしほっとしたことでしょう。

 こちらの記事を含めて何度か書いているように、韓国・・・経済の最大の弱点はこのあたりにあります。つまり、同国には金融危機の際に大規模な資本流出が起こって通貨ウォンが暴落し、外貨建て債務の支払いに窮して最悪、デフォルトに追い込まれるリスクがあること。これに備えるために、まずは外国人投資家のウォン売りに対抗できるだけの十分な外貨を持つ必要があります。ということで韓国は現在(8月末)3848億ドルの外貨準備を保有するに至っています。これ、世界第9位というスケールだそうで、これだけあれば大丈夫なのでは、と思いたいところですが、実際にはそれでも不安がぬぐえません。2008年のリーマン・ショック直後、同国は2000億ドル以上もの外貨準備高があったにもかかわらずウォンは対ドルで急落し、デフォルト寸前(?)に追い詰められたためです。

 そこで次の手が上記の通貨スワップ。これがあれば、外貨が枯渇した場合でも協定締結国からマネーを融通してもらって資金繰りをつけることができるし、当該セイフティーネットがあること自体が信認強化につながって「韓国売り」を緩和させる効果も期待できる、といった具合です。

 以上のように考えると、今回の上記協定は、実質的には中国による韓国救済のための枠組みと解釈するべきでしょう。こちらの記事等でも書いたとおり、まあ中国にも資本流出リスクはあるものの、同国の外準は世界一の額ですから、これが底をつく事態は考えにくいわけですからね。したがって、中国としては本件で韓国に恩を売って朝鮮半島情勢に影響力を保持しつつ、いっぽうではこのスキームを通じて人民元の国際通貨としての地位向上を図ろう、といったねらいがあるものと想像されます。

(続く)

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【「金」先生こそ最高の政治家&経済学者】衆院選:経済論争スルーの日本が堕ちる「戻り地獄」③

2017-10-21 00:03:22 | 金(ゴールド)

前回からの続き)

 これまで述べてきたように、肝心の経済―――アベノミクス・・・の本質である日銀「異次元緩和」の是非―――が今回の衆議院議員選挙の論点にまったく浮上しないため、アベノミクス「加速」(!)の掛け声のもと、黒田東彦同総裁らは安心して(?)同金融政策の異次元度さらに深めていくでしょう(?)。その結果、やがて必達する(?)世界バブル崩壊の大津波にわたしたちの年金原資や日銀等の純資産は押し流され、国民の多くが経済的な巨大損失を被ることになるのではないでしょうか・・・。いまこれに対する懸念とか備えの重要性を語る候補者がいれば、たとえその方が当選しなくても、その所属政党が政権を取れなくても、この声をふまえて一定の対策が講じられ、上記ダメージが少しは緩やかになるかもしれないのに・・・(?)

 ・・・以上、このような悲劇がちょっとでも起こり得ると予想する方は、やはり自衛するしかなさそうです(?)。つまり・・・毎度毎度の結論ゴールド)」の保有です。その理由は本稿、そしてこちらのカテゴリー他でたびたび書いているとおりです。

 テレビや新聞、ネットでは日々、論戦に値しない空虚なスキャンダル突き合いや揚げ足取りに終始するセンセイ各位の饒舌ぶりや芝居がかった(?)姿が映されます。そんな喧騒のなか、あらためて痛感するのは・・・金は最高の政治家であり経済学者だということ。寡黙なこの方こそ、真に雄弁なポリティシャンでありノーベル経済学賞の受賞者をはるかにしのぐ叡智です、わたしにとって・・・

 というわけで、混迷の日本そして世界にあって、これからもわたしたちを間違うことのない方向に導いてくださいね、金先生!―――(っても「Kim」ではなくて「Gold」のほうですからね、念のため

(「衆院選:経済論争スルーの日本が堕ちる『戻り地獄』」おわり)

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【バブル崩壊で地獄堕ちに気づく・・・】衆院選:経済論争スルーの日本が堕ちる「戻り地獄」②

2017-10-19 00:00:26 | 日本

前回からの続き)

 個人的には、戻り地獄」と表現して前述したリスクへの対処がいま、わが国喫緊の経済的課題のひとつだと思っています。すなわち年金基金は外債とか株といったリスク資産の利益確定を急ぐべきだし、政府系金融機関はバランスシートの圧縮に着手すべき。両者ともに少なくともこれ以上、そのときの損害を膨らませる「高値掴み」は厳に慎まなければならないと考えています。

 で、上記「そのとき」とは・・・これまた本ブログのあちこちで書いている世界的な資産バブルの崩壊です。そのときは株や債券外債ジャンク債など)も、不動産そして資源も・・・いずれの価格も「半値八掛け二割引」(もとの32%)になってもおかしくはありません。よっていまのうちに―――これらがピークをつけているうちに―――のキャッシュに戻しておく必要がある、といった感じです。

 このあたり、こちらの記事に綴ったように、」(企業&家計)は適切な投資判断がおおむねできているわけです(一部オーナー系企業等で円安外貨高だというのに現在、海外M&Aに突っ込んでいるところはマズいことになりそうですが・・・?)。だからこそ「キャッシュリッチ」になっている。これ、「政治」(安倍政権・黒田日銀)がそうなるように仕向けているのだから当然の現象です。したがって一部の政党が、貯まる一方のこのおカネを投資に振り向けさせようと、企業の内部留保に課税せよ!なんて言うのは本末転倒の話。投資を促したいのなら、それを妨げている政治の方が引けばいい―――民間が現金にしがみつく以外にないような不自然きわまる演出をさっさと止めればいいだけですからね・・・

 いっぽうで心配なのは上述の「」、つまり政策をダイレクトに利かせられるセクター。ここで安倍首相周辺は有権者にアベノミクス「加速」を訴えます(って、これこそ「進み地獄」逝き・・・ってことはこの人たち、マ、マイナス成長をさらに加速させようってか!?)。まあ立場的にそうなるのは当たり前(?)でしょうが、それだとこれまで論じたように戻り地獄のダメージがさらに大きくなるので、この政策を一刻も早く手仕舞い、あるいは軌道修正する方向にもっていってほしかった・・・けれど、そんなことをしそうな候補者も政党も現れる気配、なし。ゆえに同加速≒大損必至の高値掴みに歯止めはかからず、上記リスクは拡大の一途・・・

 先月、自民党の二階俊博幹事長は森友・加計両学園に関する疑惑について「小さな問題」との認識を示しました。安倍政権や同党を擁護するつもりではありませんが、個人的にはそのとおりだと思うわけです、上記の桁外れに「大きな問題」と比べれば。なので政治家にもメディアにも、何が国家国民にとっての重大事なのか、頼むからもっと真面目に考えてほしいと願うものです。それ本当に「モリカケ」ですか?これが解決すれば年金大幅カットや大増税が回避されるのですか?

続く

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【日銀金融政策に誰も疑問を呈さず・・・】衆院選:経済論争スルーの日本が堕ちる「戻り地獄」①

2017-10-17 00:04:03 | 日本

 思ったとおり、肝心の議論はスルー―――やはり、この国の政治家に経済を論じるのは無理だ、ということなのでしょう・・・が、このままだと日本は・・・

 先日のこちらの記事「⑨」で以下のように綴りました:

 (引用はじめ)---------------いっぽうが政府のアベノミクス=「GDP600兆円/年・実質マイナス金利推進(インフレ年率2%)」なら、他方は前述「GDP10兆ドル/年実質金利≧0(ゼロインフレ~緩やかなデフレ)」・・・これだけで現状からは大きな進歩です、国民にはアベノミクス以外の選択肢ができるわけだけだから。もちろんわたしは・・・「後者」を標榜してくれるのなら、それがどこの政党であっても支持する所存。---------------(引用おわり)

 ―――今回の衆議院議員選挙で、上記「後者」に同じ or 近い主張を掲げる政党は、残念ながら(?)皆無・・・なようですね。ゆえに個人的には、いったいどこに投票したらよいのだろう、と途方に暮れるばかり。なぜなら現状では与野党の別なく(?)すべての候補者がアベノミクス、もう少し厳密にいえば現行の日銀異次元緩和」に賛成の(少なくとも反対はしない)立場だからです。となると、これに当初から否定的な見方をしているわたしとしては、自分のこの思いを託せる方が誰もおらず、白票を投じる以外にない(?)ということになるわけで・・・(って、選挙には必ず行くつもりですけど)

 以前こちらの記事に、アベノミクスは「進むも地獄、戻るも地獄」と書きました。くどくなるので詳細は省きますが、端的には日本は後者、すなわち「戻り地獄」に向かう可能性のほうが高いと論じたものです。その私的な予想は変わりませんが、このリスクとかダメージが少しでも小さくなるような政策とか考え方を語る人が今般、どなたか出てこないものかと、ちょっとでも期待したが、甘かった・・・

 ・・・ということで、現与党ばかりか野党の多くも上記のとおりだから、今回の選挙結果がどのようになっても、実体経済面ではネガティブでしかない(と個人的に確信している)金融政策が停止ないしは軌道修正を迫られることは、まずないでしょう。となれば戻り地獄の痛みは、さらにヒドイものになってしまうのではなかろうか・・・(?)

 で、その戻り地獄とは何か、ですが・・・手短に繰り返すと、アベノミクスの超「高値掴み」のせいで巨大な為替・評価損が必然的に(?)発生、年金給付額の強制切り下げや大増税といった災厄が全国民に降りかかる、という悲劇。すなわち、異次元緩和が市場原理に判じて無理に円安(外貨高)株高を演出した局面で、公的な年金基金や金融機関が外債とか株をしこたま買い入れたものの・・・伸び切ったバネが戻ろうとするように為替が本来あるべきところに向かうなか、自ずと円高(外貨安)株安となって、これらリスク資産の円建て評価額が暴落、同基金の運用資産や、日銀などの政府系金融機関の自己資本が激しく毀損し、巨額の含み損発生&資本注入=国民負担が避けられなくなる、といったことです・・・

続く

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【スペインは財政権移譲を、カタルーニャは独立断念を】カタルーニャ「独立」で分かるユーロ圏の根源的矛盾⑥

2017-10-15 00:04:55 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 前述のとおりユーロ圏は、財政統合の方向にも、共通通貨ユーロ以前への回帰つまり財政のみならず通貨や金融も各国が別々に持つ方向にも進まず、どっちつかずの現状のままでとどまろうとする―――こう予想しています。ユーロ圏が抱える「通貨・金融は統合なのに財政は不統合」という根源的な矛盾を完全に消滅させる手は、この2つのいずれしか考えられませんが(?)、どちらを選択するにしても凄まじいプレッシャーがかかるため、これに耐えられそうもないユーロ圏の為政者らはおのずと問題を先送りにしようとする―――自身の任期の間だけは何も起こらないようにするだろうと考えるためです・・・

 では、いまの状態がすっと続くのか、といえば、これまた難しいでしょう。その理由はこちらの記事などに書いたとおりで、豊かな側(ドイツなどの国々や北イタリアなどの特定国内のなかで経済力が強いエリア)、豊かではない側(ギリシャなどの国々や南イタリアなどの特定国内で経済力が弱いエリア)の双方にとって、このままでは自分たちが抱く欲求不満が永遠に(?)解消されることはないから。したがって、我慢の限界を超えた国とか自治体などが、独立や各種権利の拡大をユーロ圏本部とか所属国に強く訴えるような事例が今後、頻発するのではないでしょうか・・・

 そんな意味で、あくまでもうまくいけば、ですが、目の前のカタルーニャのケースは、上記どっちつかず状態に陥っているユーロ圏に不可避の(?)、この手の対立に折り合いをつける場合の良きモデルになり得るのかもしれません。もっともこれ、失敗に終われば悪しきモデルになってしまう―――最悪はバーストつまり流血の抗争勃発となりかねない・・・

 ということで、スペイン&カタルーニャに上記文脈に沿った事態打開策を提示して本稿の結びにしたいと思います。すなわち、スペインはカタルーニャに対して財政上の権限を大幅に移譲すること。このなかには先述、法人税の徴税とか税率決定の権利なども含めます。そのうえでカタルーニャは独立を断念すること。かなりの程度、財政の自主権を認めるのだからワガママ(?)もほどほどにしなさい!ということです。両者ともに痛いが・・・これくらい思い切って歩み寄らないとホント、マズいことになってしまいますよ・・・

(「カタルーニャ『独立』で分かるユーロ圏の根源的矛盾」おわり)

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【2つに1つ、統合か、バラバラか、だが・・・】カタルーニャ「独立」で分かるユーロ圏の根源的矛盾⑤

2017-10-13 00:00:35 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 ユーロ圏根本的な矛盾―――通貨・金融が統一されているのに財政は不統一―――が解消されない限り、スペインにおけるカタルーニャとかベルギーにおけるフランドル地方のような周辺よりも豊かなエリアが独自の財政権を得るべく独立しようとする動きは今後も続くものと予想されます。この場合、当然ながら独立しようとする側(≒豊かな側)と、これを阻止しようとする側(≒豊かではない側)の間で激しい対立が起こり、最悪のケースでは暴力沙汰が起こらないとも限りません・・・(って、スペインがそうならないように望みたいところですが)。

 この矛盾を完全に解消させる手は、先述のとおり「財政も統合」か、「財政・通貨・金融を各国が個別に持つようにする」か、のいずれかとなります。前者はユーロ圏全体を一つの「国」にするようなものです。すでにユーロ圏は国家が具備すべきおもな機能等が統一されていて、その最後の「糸」である財政が織り込まれれば、晴れて(?)「ユーロ共和国」という1枚のタペストリーが出来上がる、といった感じ。美しいと「は」思います。いっぽうの後者は・・・なんてことはない、みんなでユーロ導入以前の状態に戻ろう!ということ。これまでの苦労はいったい何だったの・・・って感じですが、各国は民族・言語・文化・宗教等がおおむね同じ者同士でまとまるわけだから、まあ折り合いをつけてやっていくしか―――自前の通貨・金融・財政を整えて国家を運営していくしか―――ないでしょう・・・

 で、上記2つですが・・・いずれも実現は超~困難。前者は・・・ユーロ圏の盟主ドイツが絶対に認めようとはしないわけです。財政統合をいいことに、フランス「以下」の「州」が放漫財政に走り、その尻拭い(財政の穴埋め)をドイツ「州」がする羽目になるから。それに、万一ドイツが超妥協して統一共和国が誕生しても・・・きっと内部で上記カタルーニャみたいなことが頻発する―――ユーロ共和国のなかの豊かなエリアが自治権(≒財政権限)の拡大を中央政府に次々に要求する―――ため、共和国が国家として安定することはないでしょう・・・

 では後者は?・・・って、今度はギリシャとかイタリアのようなユーロ圏の重債務国がけっしてこれを受け入れはしません。なぜならこれはせっかく手にいれたユーロという名の、実質的にはドイツ経済によって裏付けられた強い通貨を失い、ドラクマやリラといった以前の自分たちの弱い(インフレな)通貨に戻ることを意味するからです。そうなればガソリンなどの輸入必需品の価格は急騰、ローン金利なども上がって人々の生活水準は一気に下がり、政治・社会不安が起こって、国家国民そろって悲惨な局面へ・・・

 というわけで、上記2つのいずれもユーロ圏には選択不可能・・・でしょう(?)。じゃあ、どうしたらいいんだ~!って・・・だらだらと問題先送り、バーストまで・・・ではないでしょうか・・・

(続く)

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【カタルーニャvs.スペインは独vs.仏西伊と類似】カタルーニャ「独立」で分かるユーロ圏の根源的矛盾④

2017-10-11 00:01:10 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 住民投票での圧倒的な賛成票数を根拠にスペインからの独立をめざすカタルーニャ(自治州)と、違憲だとしてこれを絶対に認めない姿勢のスペイン・・・。両者の対立が今後、どうなっていくのか予断を許さない状況にあるわけですが・・・これと同様のケースは今後、ユーロ圏のあちらこちらで発生し得ると考えています。つまり、特定の地域が財政上の自主権を勝ち取るべく独立(あるいはこれに近い自治権を獲得)しよう!という動きです。

 先述のとおり、通貨や金融政策や通商上の取り決めといった国家が備えるべき基本的なルールの多くが統一されているユーロ圏でほとんど唯一(?)、加盟国が独自に(勝手に?)決められるのが「財政」(に関連する税制や年金制度など)になります。これまで論じたようにカタルーニャの場合、伝統的な反目に加え、従属する(?)スペイン全体の平均よりも経済規模が大きいため、自分たちの稼ぎとか富の多くが持っていかれている!といったネガティブな感情をスペインに対してどうしても抱きがち。であれば、これらを自分たちだけで使えるよう一人立ちしようよ、との声が住民の間から上がるのも、まあ分からなくもないな、といったあたりでしょう・・・(?)。

 こう考えてみると、ユーロ圏で現在、独立問題がくすぶっているところ―――たとえばベルギーのフランドル地方とかイタリアの北部地方など―――はいずれも上記と同じであることに気が付きます。同じ国内のうち豊かなエリアだけで国を作ろう(≒独自の財政権を奪取しよう)としている点で、このカタルーニャのケースに類似しているということです。逆に、貧しいほうのエリアは豊かな彼ら彼女らに出ていかれると困るので、理屈は違憲でも何でもいいからその独立を阻止しようとしがちです、スペインのように。

 じつはこの構図―――通貨・金融等が一本化されているにもかかわらず、財政は各国バラバラ状態が許されているがために、経済力のある国とか地方が財政の自前主義に固執する構図って、ユーロ圏各国の関係そのものでもあるわけです。要するに・・・財政基盤の比較的強固なドイツ、オランダ、フィンランドなどが、これが弱いイタリアやギリシャなどの財政支援に、つねに及び腰だということ。別の言い方をすれば、豊かなドイツ等に自分のところの財政資金を出させようという意図がミエミエの?仏西伊ら提唱「ユーロ圏共同債」構想を、ドイツが「自分が必要とするカネは自分の信用で調達するべきだ(他国の財政資金をウチが負担するつもりはない)!」と突っぱね続ける、といった感じでしょうか。まあ、どっちもどっち、ですけどね・・・

 独仏西伊といったユーロ圏の大国同士の関係がこんな具合ですから、上記スペインとカタルーニャの関係も似たようになるのはもっともです(この場合、カタルーニャがドイツの立場、スペインが仏西伊の立場になる、といった感じ)。これらはどれもユーロ圏が根源的矛盾―――通貨・金融統一なのに財政は不統一―――を放置しているがゆえの対立といえるでしょう。このままだと、第二第三の「カタルーニャ」が欧州各地で新たな対立を引き起こしかねません。で、解決策は二つに一つ(?)。一つ目は、ユーロ圏全体で通貨・金融に合わせて財政も一本化すること、そして二つ目は、通貨や金融(中銀)を財政と同様、各国が個別に持つようにすること・・・って、共通通貨ユーロ導入以前の体制に戻す、ってことになりますが・・・

(続く)

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