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【金価格が年5%の高金利下で史上最高値に達したことの意味】金に駆逐されそうなドル①

2023-12-03 17:44:18 | アメリカ
 まだ10日ほどもあるのに、ずいぶん前のめりですね・・・って、その気持ちは分かるけれどね、痛いほど・・・

 ドル建てのゴールド)の価格がついに史上最高額に達しました。1日のNY先物終値は1トロイオンス当たり2089.7ドルと、これまでのピーク値(2020年8月)を超えました。同日中高値は2095.7ドルと、2100ドル台がすでにターゲットに入ってきた感じです。

 で、この金価格の上昇ぶりについて海外報道筋は、マーケットの、米FRBの次の一手を先読みした動きと伝えます。つまり、米CPI上昇率の鈍化等を受け、FRBが今月の金融政策決定会合(12~13日を予定)でいまの利上げ路線の終了に言及するか、悪くても?現状の政策金利水準(目標誘導レンジ年5.25~5.5%)の据え置きを決めるはず、ということで(名目上の)金利はついに上げ止まり、そして近いうちの低下(利下げ?)が視野に、と判断したマネーが金に・・・、みたいな報じ方をしています。まあ、それはそうですが・・・

 ・・・上記が真に意味するところはそうではなく、ましてや絶対に地政学リスクの高まり(ウクライナイスラエルガザ?)なんぞでもなく・・・FRBはインフレファイトに完敗した、もっと正確には、こちらの記事を含めて本ブログではずっと前から指摘のとおり、FRBにはそもそもインフレ制御なんて不可能なことがあらためて広く強く認識された、ということでしょう。そこは、先日のこちらの記事で書いた金価格の推移、すなわち現行の利上げが開始された時点(昨年3月、政策金利:ほぼゼロ、金価格:1950ドル前後)と現時点(同5.5%)の価格が同記事時点でほぼ同じ・・・どころか上記のとおり、いまのほうがむしろ高くなっていることで明白です。本来ならば、金利が付かない実物資産としての金の価格は、利上げが進むにつれてどんどん下がっていかなければならなかったのに、そしてFRBも、中央銀行(インフレファイター・ドルの番人)として、そう目論んだに違いないはず、でしたが・・・このとおり、まったく逆の様相に・・・

 こうして、ドル(米国債)は年5%もの利回りをつけてやっても金・・・というインフレヘッジ資産にまったくかなわなかった―――ということで、やはりドルの価値の劣化・信認の喪失は不可避、すなわちインフレに向かう以外にない・・・から、いまのうちに金を買ってドルの「洪水」に備えておこう、となった次第、ですね・・・

 そのあたり米利上げ後の推移において見逃せない転換点は・・・やはり、この間の金融システミック危機・・・寸前となった?今春の米中堅銀SVBの破綻でしょう。詳細はこちらに書いたので省きますが、実際、その発生より少し前の昨年9~10月あたりの金価格は1600ドル台にまで下がっていて、そこは、利上げ→ドル・米国債の利回り上昇→名目金利ゼロの金の価格が低下&ドル信認回復&インフレ鎮静化へ、という、FRBが思い描いていたであろう展開になりそうでした(?)。が、その後、金価格は上昇に転じ、もみ合いを経て、今般あらたな高みへ、となってしまったわけです。それは、同破綻を目の当たりにして市場が、これまた上記そして以前記事のとおり、ほらね無理だよFRBにもアメリカにもドルにも・・・って(実質)金利を上げることに耐えられっこないよ、となって、マネーの価値をドルから不動産そして金に移したことの反映といえるでしょう。

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