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【中国の爆「貸し」、単にリスク判断が甘いため?】中国:成長の足を引っ張る稚拙な投資②

2018-09-11 00:01:00 | アジア

前回からの続き)

 中国がトンガを含む太平洋島嶼国のインフラ建設向けに提供したローンが焦げ付きそうになっている、つまり同エリア各国が巨額の対中債務(およそ13億ドル)の支払いに窮してその帳消しを中国に訴えようとしている、という前述の、両者ともに何ともトホホな話ですが、これ、本ブログで何度もご紹介している「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(実質金利の高い順)に沿って考えてみると、あらためてその無茶ぶりが分かるというものです。

 ここで中国は上記の各島国に合計で約13億「ドル」を貸し付けているとのこと。この不等式では「ドル>トンガ等の通貨(新興国通貨)」になりますから、中国からしてみるとこの13億ドルはプラスリターンの確保・・・どころか元金が返還されることすらも危ぶまれるローン債権であるわけです。いっぽうのトンガ等にとっては、自国通貨よりもはるかに強いドルを稼いで返さなければならないので、非常に負担が大きな借金でした。これ、融資契約を締結した時点で両国とも分かっていたはず。したがって、今回の事態(トンガ等が債務返済に窮して中国にその帳消しを要請すること)はお互いに十分に想定できたことでしょう・・・

 そもそも、この手のプロジェクト(新興国のインフラ整備等)は、世界銀行等の融資とか日本等の先進各国の政府開発援助(ODA)によって進められるのが通常です。支払い能力等の面でカントリーリスクの大きな新興各国に対しては、民間企業等はなかなかおカネを出せません。よって、これら公的機関が各国の開発プロジェクトを低利の有償資金で支援することになるわけです・・・が、その融資金は、もとはといえば加盟各国の納税者の大事な資産です。ゆえに、いくらODAとはいえ、債権者利益を守る観点から、受け入れ国には一定の金利は払ってもらうし、事業ごとに採算性などが厳しく審査され、これにパスしないものにはローンを供与しない、といった条件があるわけです。もっともこのあたり、新興国にとって世銀等のローンはハードルが高くて借りづらいと感じられるところですが・・・

 そこに割り込んできたのが中国です。同国は融資提供の基準をユルくすることなどで、上記諸国やアフリカ各国等へのインフラ等融資を増やしてきました。どうして中国は焦げ付きリスクが高い国々に貸し込んだのか?ですが・・・よく言われるのは、各地域における自国プレゼンスの拡大、天然資源等の優先確保、各国の台湾との断交を後押しのため、などといったことのようですが、一番の理由は、単に投資案件の事業リスクの見極めが甘~い、ということなのかな、と思っています。日米欧の民間資本と違って共産党政権はプロジェクトのコスパ分析が不得手でしょうからね・・・

(続く)

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