世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

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【またも米債券投資の失敗で巨大増資を検討】農林中金「高値掴み」損害が示唆する「日本国債しかない」①

2024-05-29 20:03:53 | 日本
 高値掴み」―――これにつきますよ、何度も指摘のとおり。そして、その責任の所在の明確化と償いはちゃんとさせないといけませんよ、さもないと・・・「一億総損害」となるでしょう・・・

 ご存じのように、農林中央金庫(農中)が1.2兆円もの増資を検討していることが明らかになりました。大量に保有する米国債が大幅に減価したことで巨額の含み損が発生し、これによって来年3月に5000億円規模の大赤字を計上せざるを得なくなったもよう。現在、おもな出資者である農業協同組合(JA)に対して、9月の合意を目途に、期限付き劣後ローン2000億円の追加出資を求めているとのこと。

 農中は、2008年のリーマン・ショック直後の2009年3月にも6000億円近い赤字を計上し、これによって約1.9兆円の巨大増資を行いました。当時は米不動産債券等の高リスク有価証券への投資に傾倒していたために大損失を被ったとの「反省」?から、それ以降は、日本で低金利環境が続くなか、おもな運用対象を(あくまでも名目上の)金利が相対的に高くて安全とされる?米国債にシフトしてきたわけですが、「想定を超えるような金利の引き上げ」(農中理事長)つまり保有米国債価格の想定以上の下落でこのたびの損害に至った、という次第です。

 なお、HPによると、農中の市場運用資産は昨年12月末時点で55.9兆円に上りますが、このうちの約4割が外債、つまり、上記から、大半が米国債と推測されます。だからこそのこのたびの損害なのでしょう。もっとも昨今の円安ドル高モードで外債の円換算額はそれなりに増えたものと思われますが、それでも上記評価額下落および増加した外貨調達コスト等にともなうマイナスをまったく埋められなかったのでしょう。ちなみに農中の同時点の自己資本(連結ベース)は約5.4兆円で、昨年3月末時点(約5.7兆円)からは3075億円ほども減少しています・・・

 このあたり昨年度決算で、3メガバンクが史上最高益を計上、そして地銀の7割が増益、といったニュースが流れるなかで、農中の上記状況は真逆といえます。その理由は、これらの報道のとおり、(本邦金利上昇の恩恵[融資や日本国債のリターン増]を得られた)これら民間銀行とは正反対で、農中が外貨建て資産とりわけ米国債に偏った資金運用をしてしまったためといえるでしょう。

 もっとも、上記の米国債の値下がりリスクは、かの国の「真性インフレ」(≒実質金利が恒常的にマイナスになる状態)現出状況からすれば、わたしのような金融のド素人でも予見できたこと。つまり、FRBは、本音では同インフレの解消が不可能なことを知りつつも、中銀としての建前上、金融引き締めスタンス(利上げおよび政策金利の高め維持)を継続せざるを得ない・・・から米国債の価格は下落するだろうことが余裕で想定内だったわけで、とすれば農中幹部の上記「想定を超える」(米金利の上昇)との言い訳は、やはりいただけないですよね、金融のプロ(なんですよね?各位)としては・・・

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【金本位制:最終的に日本に金が集中するから、実際の制度化は困難だろう】価値が高まる金(ゴールド)・・・「手放せないこと」が最大の弱点⑦

2024-05-15 20:44:36 | 金(ゴールド)
前回からの続き)

 実質利回りで「金≒円」そして「円>>>ドル等外貨」・・・以上、本ブログのずっと前からの結論(に、どう考えてもなってしまうわけ)ですが、ドル等がゴールド)によって駆除、つまりインフレ高進で信頼&使用に耐えないようになっていくなかでも、本稿で述べたように金が貴重過ぎて「手放すこと」―――モノやサービスの支払い用通貨になること―――が現実的にはできないのなら、ドルに代わって金・・・本位制のような金に基づく通貨金融システムがマトモに運営されるはずもなく、したがって金ではなく、これと同等の価値を保ち得る通貨を用いるしかない、となって・・・がいっそう選択されるようになっていく、というのが、まあ・・・市場論理というもの、でしょうね・・・(?)

 なお、金本位制ですが、本来なら、もっとも合理的な通貨通商システムと考えます。しかし、いまの世界経済を見れば分かるように、この制度のもとでは、金は結局は経常黒字国に集中するいっぽうで同赤字国からは失われるばかり、となるため、後者ぶっちゃけアメリカは、1971年まで継続された金ドル本位制のときのように、つねに経常黒字となる(金を増やし続ける)特定国(って、どこ?)には金の支払いをしない、といった不公平を平気でする?だろうから、その意味でも、これがマトモに機能することは・・・やはり、ないでしょう。であれば、わが国としては、上記のように円がいま以上に(基軸通貨なみに)流通する(円の価値が金に準ずる、あるいは、ときに金を上回る)ような経済金融環境が望ましい(国益にかなう)はず。そしてそれは、おのずと・・・市場メカニズムに委ねれば、実現できる・・・わけですけれどね・・・

 この瞬間も、金のドル等建て価格は、さらなる高みをめざして史上最高値付近で値固め中、そして直近(2月)の米不動産価格(ケース・シラー値)は対前月で再上昇に転じて、こちらもまたMAX値更新は時間の問題・・・って、5%超もの「高金利」(本来ならインフレ抑止的な)環境にあるはずなのに、です。このように、何度も指摘のとおり、(日銀のせい/おかげで?)アメリカとドルのインフレはもう止めようがない・・・

 ・・・ということは・・・自明ですよね・・・(?)

(「価値が高まる金(ゴールド)・・・『手放せないこと』が最大の弱点」おわり)

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【日本の「円」だけが他国の投資をまったく必要としない通貨】価値が高まる金(ゴールド)・・・「手放せないこと」が最大の弱点⑥

2024-05-13 20:22:13 | 日本
前回からの続き)

 前述のように、ドルユーロなどの世界のほぼすべての通貨の価値が今後、ゴールド)のそれに恒常的にかなわなくなるなか、唯一、日本のだけが「円>金」にさえ、誘導し得る―――利上げによって実質金利を金以上に引き上げることができる―――通貨となります。

 この点について捕足すると・・・ドルなどは、不良債権急増→金融危機勃発に耐えられない(これに対処するための財政資金をまったく集められない)ために、通貨価値を維持あるいは高める目的の利上げ(金融引き締め)に上限(それも、たいへん低いレベル[政策金利がせいぜいインフレと同率程度])が生じるため、実質利回りが(中長期的には)どうしても金を下回ってしまう、といったこと。であれば、今後、各種の商取引で用いられる、価値の媒介物としての通貨は金・・・もそうですが、扱いやすさ等も考慮すれば、経済合理的には、円くらいしかないように思えます。受け取ってありがたいおカネ―――安全確実(元本割れリスク小)で実質プラス金利をつねにもたらしてくれる資産―――は上記のように円のみ、ですからね、金(と、もしかしたらビットコイン等)を除けば。

 もっとも現実は・・・相変わらずドル(とかユーロ)が第一の国際通貨(基軸通貨)です。が、それすら日本の「『円』出」(演出)であることは上記、そして本ブログで何度も指摘済みです。ドルは、こちらの記事に書いたように、戦後一貫して本質的に日本と円にその価値を裏付けられている通貨だし、中国の人民元(をはじめとするすべてのドルペッグ通貨)はそのドルに紐づけられている通貨・・・ということは、これまたドルを介して円に支えられている、ということになるわけです。逆にいえば、円はドルにも人民元にも裏打ちされていない・・・って、そうした外国(の通貨等)のサポート(対日投資等)をま~ったく必要としない、わたしたち日本人の総合力だけで価値が高められていく通貨だということ。ちなみに、このあたりはユーロや英ポンドなどの欧州諸国の通貨は(日本にそれほどファイナンス等されてはいないため)ドル等とはちょっと違います・・・って、やはり同じですね、どれも実質金利で円をしのげない、という点で。

 なお、この瞬間の「『円』出」とは・・・日銀の現行金融政策による円安ドル高誘導・・・によって、ドルの価値が実態よりはるかに高いように見せることでドル&アメリカを支援すること・・・と、かの国に油断?させておいて、その実、そうすることで文字どおり、「円」をアメリカから退「出」、つまり対米戦略的な?円安でジャパンマネーによる米国債投資のドル換算額が増えないようにしてアメリカを不動産バブル(によるマネー増刷)に走らせて・・・これがもとで起こるインフレで自壊させる、といったことになります、繰り返しになりますが・・・

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【実質金利「円>金」現出可能な日本だけが金を「手放す」ことができる】価値が高まる金(ゴールド)・・・「手放せないこと」が最大の弱点⑤

2024-05-09 20:01:38 | 金(ゴールド)
前回からの続き)

 前述した、ゴールド)を(各国の金融通貨政策の良否を伝える)「成績表」に見立てたときに「及第点」となる国そして通貨は・・・「日本」そして「」以外にありません。その理由等は、こちらの記事等で以前から論じているとおりで、端的には、わたしたちの通貨「円」だけが「円>金」、すなわち金をも上回る実質利回りをもたらし得る通貨だから、ということになります。

 ここまで述べたように、ドルユーロなどの円以外のすべての通貨は(多少の上下動はあっても中長期的には)もはや恒常的に金の利回りを下回る・・・って、より正しくは(こちらの記事で指摘した米ドルが示すとおり)金の利回りを超える水準にまで金利を引き上げることができないおカネになってしまいました(それほどに各国は債務を膨張させすぎてしまった、ということ)。であれば、欧米諸国にモノやサービスを「売る側」は、対価として得たその瞬間から減価するいっぽうの(インフレな)ドルやユーロを一刻も早く金に換えるのが経済合理的、となります。え?金ではなく米国債やEU諸国債を購入?それでマネーが米欧に還流?(そりゃちょっとはあるけど、十分には)ないない、だって上記のとおり、それらの利回りが金に勝ることはないから、です。よって上記「売る側」の代表格である中国は金の爆買いに走る、という次第。もっとも、かの国は、その金が貴重すぎるがゆえに「手放す」(過剰流動性を吸収するために市中に放出する)ことができず、結局は金の代わりにドルやユーロを、それらが金にかなわないインフレ通貨であることを承知で、通貨金融政策の原資とするべく引き続き一定量(っても、中銀[中国人民銀行]のB/Sの6割ほどを占めるくらいの巨額)を保有せざるを得ませんが・・・

 「ふ~ん、でも円建ての金価格もスゴ~く値上がりしているよね。ということは円の利回りもドルやユーロと同様、金のそれに追いつけていない、ということでは。」たしかにそのとおり。ですが、それは本来の市場原理のありようではなく、同原理に反した金融環境つまり日銀の現行金融政策による超低金利誘導のせいです。その「本当の目的」が「アメリカ支援」つまり「ドル>円」(日米金利差を大きくしてマネーがアメリカ[米国債等]に流れるようにさせること)なところ、いまは明らかに実質金利が「金>ドル>円」なのだから、上記は当然です。そして・・・日本だけがこれを覆す(というか、市場原理に委ねる)ことができる―――上記政策を方向転換して利上げ(それも金以上の実質利回りを確保できるくらいの)ができる―――ことも、繰り返し指摘済みです。となれば、同金利はおのずと「円>金>ドル」になりますが、それが意味することは・・・日本(円)だけが(当局&一般市民とも)金を「手放す」・・・ことで円を得て、これを預貯金(≒日本国債で運用)すれば金以上の実質利回りを享受し得る、というわけです。このとき(外貨建てでは上昇一途の)金の価格は、唯一、円建てだけは・・・それほど上がらない(金≧円)、どころか(いまが極端な円安ドル高金高な分、その巻き戻しで)むしろ下がる(円>金)局面さえ現出するくらい、となるでしょう・・・

 このように、上記「及第点」を取れる、つまり今後、金に近い価値を保ち得る通貨は「円」のみ、といえます。もっともこれ、いまは、いちばん「体たらく」通貨ですが、じつはこれこそ「本当に本当の目的」(支援に思わせておいてアメリカ&ドルをインフレで自壊に導くこと)を達成するための「死んだふりなんですけれどね・・・(?)

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