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【GPIF運用大失敗が企業国営化を加速させる】「アベノミクス」共産化が進む日本だが・・・②

2016-08-29 00:02:30 | 日本

前回からの続き)

 前回、日銀およびGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人:わたしたちの年金原資を運用する公的年金基金)が、本邦産業界の「国営化」をめざす「アベノミクス」の意を汲んで(?)、主要企業の株式を着々と買い上げている様子をご紹介しました。

 で、今後はどうなる?ですが・・・おそらく両者はこれら株式の購入をさらに増やすものと予想されます。というのも黒田日銀そして安倍政権ともにアベノミクスの一枚看板「カブノミクス」(株のみ)をさらにあおらなければならない状況に追い詰められているからです。

 先日の報道にあったように、GPIFは今年第二四半期(46月)の資産運用で5.2兆円あまりもの巨額の評価損を計上。これでGPIF運用資産評価額は、新運用方針(国内債→リスク資産偏重型への変更)を発表した201410月時点のそれよりも1962億円も減ってしまいました・・・。この大損害はすべて円高のせい・・・ではけっしてなく、よりによって世界的なリスクオン(円安株高)からオフ(円高株安)へと転換する時点からリスク資産投資の「爆買い」に乗り出したアベノミクスの政策的な判断ミスのせいであることは、何度もシツコク指摘しているとおり。これでは株も外債も超高値掴みとなり、結果としてGPIFが巨額の評価損を被ることは目に見えていた・・・。

 これホント、公的投資の致命的な失敗といえるでしょう。というのも、これほど巨額の円換算の資産評価損をGPIFが埋め合わせるのは現状、困難を極めるから。このあたりは、これまたびたびご紹介している「(金>)円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(通貨の強さ:実質利回りの高い順を示す方程式)が教えてくれます。この式で分かるとおり、ドル以下の外貨(おもに外債)投資でこの損失の穴を埋めることはほぼ100%、不可能です。かといってかつての日本国債中心の安定運用に戻したところでその受取利息等は微々たるもの。上記大失敗にともなうダメージ額に相当する数(十?)兆円単位のプラスリターンなんて、望むべくもない・・・

 ・・・となるとGPIFに残された手は、一発逆転のリスクテイクすなわち「株」(日本株・外国株)投資に賭ける以外にない・・・(って本当は、わたしが個人的に勧める「金」の爆買いという奇手?があるが、実際にGPIFがこれに乗り出すことはまず、ありえない)。でも、いまのマーケットの地合いでは、何もしなければ株価が持ち直す可能性は小さいでしょう。

 ・・・そこで登場するのが、またも日銀・・・の金融政策ということになりそうです。つまり株高を促し、ドルやユーロ建ての債券の利回りが円債以上になるように(錯覚させるだけの?)円安誘導効果のある追加緩和をまたも発動するということ。本稿の文脈でいえば日銀は同追加策においてFTF購入のいっそうの増額も合わせて実行して、上記ダメージからのリカバリーを目論む同じアベノミクス仲間(?)のGPIFを支援したい―――GPIFの運用成績が持ち直すよう、アシストしたい―――。いま日銀はこんなことを想定しているのではないか・・・

 ・・・以上が実際に行われれば当然、日銀そしてGPIFによる日本企業の株式の保有比率はいっそう高まる、すなわち本邦産業界の「国営化」が進むというわけです・・・

続く

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