世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【いまや日本が抱えるドル債権は政府に集中…】米「不動産本位制」が暗示すること⑦

2023-10-19 21:09:35 | アメリカ
前回からの続き)

 本稿1回目でご紹介のとおり、アメリカ不動産価格(ケース・シラー値)はこの7月、史上最高値に達し・・・てしまいました。本稿の文脈でいえば、これ前述のように、かの国の「不動産本位制」(土地本位制)に基づくマネーの大増刷が当然のようにもたらす結果ですが、こうなるよう、それを側面から・・・って、いや全面的にサポートしたのが日本・・・の日銀の現行金融政策「円安誘導」になります。繰り返しになりますが、円安に導いてジャパンマネーの対ドル投資余力を大幅かつ意図的に削ぐことで、永遠の対外債務国アメリカをマネー不足(金利上昇圧力増大)に直面させて、日本(円)に替えて自国の不動産に裏付けてマネーを刷らせ続けた・・・という具合。

 もっとも、わが国(政府&日銀)の側は、日銀の上記政策はその「本当の目的」に沿って、つまりアメリカとドルの「日本本位制」に忠実に従って行ってきた、と信じ込んでいるはず。でないのなら、前記したような、(「円高リスク」を大義名分にした手前、逆の円安に向かう局面で政府が「ドル買い」市場介入ができなくなった代わりに)政府の事実上の子会社である「ゆうちょ銀行」「農林中金」そして公的年金基金に「ドル」(米国債や米不動産担保証券などのドル建て債券)の買い支え・買い増しを促すようなことをするわけはありませんからね・・・

 そのあたり、本当本当に本当?のいずれの目的なのかはべつとして、いまや日本が抱える米国債の大半は「政府」に集中してしまっています。それは、ようするに、「民間」(投資家)にとっては低利回り・・・どころか元本割れリスク(為替差損リスク)に満ちているから顧客や株主のためにも買えない資産・・・だからこそ「政府」がそれらを買い支えている、ということになります(・・・って、しかも、最近のそのドル投資は、こちらの記事でご紹介のような、オソロシ~ほどの「高値掴み」で・・・)。現に、この本邦政府のドル買いがわたしたちにとって経済的に利益になる(日本国債以上の実質プラス金利をもたらす)ものではまったくないことを、本稿4回目でご紹介の、ドル資産を日本政府が売らない理由をアメリカそして米経済が世界経済に与える影響を考慮するため、との趣旨の橋本龍太郎元首相の発言からも簡単に読み取れるわけで・・・

 とはいえ―――日本政府がこうしてドルの買い支えとホールドに(おそらくはいまも)全面協力しているとはいえ―――上述、そしてこちらの記事等でも書いたことから「円安」が対米サポート力を大きく失わせたこと、そしてそれによってアメリカが「不動産本位制」への依存度をいっそう高めざるを得なくなってしまったことは否めないでしょう・・・

 で、そうしたなかでのこの瞬間の米不動産市場は今回冒頭のとおりですが、「達してしまった」というのには、米FRBが利上げを進めてきたにもかかわらず、といったニュアンスが含まれています。であれば本来なら(金利上昇で)同価格は大きく下がってくるべきなのに、となります・・・が、やはりもう「不動産本位制」しかありませんからね、そこは長期金利(7月時点で年4%ほど)よりも価格上昇率(ケース・シラー値:1月292.9→7月310.2で、たった半年で5.9%!!)のほうがずっと上(不動産投資に、なお妙味アリ!?)、ってことで・・・

 となれば、やはりアメリカは・・・この方向---「分断」拡大---に逝く以外にないでしょうね・・・(?)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  【「日本本位制」の効力は、... | トップ |  【不法移民者問題を深刻化さ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アメリカ」カテゴリの最新記事