世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【1970年以降、ほぼ一貫して価値を高めた「円」】強い円はやはり最大の国益だ①

2018-11-09 00:04:35 | 日本

 「貯蓄から投資へ」? う~ん、これではやはり難しいでしょうね・・・

 先日、アベノミクス」は「カブノミクス」(私的造語:取り柄は「株のみ」)であり、安倍政権・黒田日銀のアベノミクス推進各位は「株セールスマン」と化して、国民のマネーを円預金から株投資に振り向けようと躍起になっている、みたいな記事をこちらに綴りました。ですがこれ、相当にハードルが高い―――具体的には、円預金の利回りを超えるリターンを株投資で確保し続けるのは難し過ぎる、という印象です・・・

 このあたりがイメージできるのが下記のグラフです。これは1970年から今年までのドル(キャッシュ)、ドル預金、円(キャッシュ)、円預金の4つについて、1ドルを基準にどれだけ増減してきたかを示すものです。当然ですが、ドルのキャッシュは1970年も2018年も「1」(ドル)のままです。ドル預金は3%の複利で計算しています(その時々で預金金利は上下しますが、煩雑になるために3%としました)。

 ところで、本グラフの時間軸起点である1970年では、為替レートがまだ1ドル=360円(=35トロイオンスの金[ゴールド])に固定されていました。したがって円はこの固定レートからスタートさせます。アメリカ人A氏がこのとき1ドル分の日本円360円を買った、といったイメージです。で、翌年(1971年)に起こった「ニクソン・ショック」で円は一気に同308円まで切り上がったので、A氏の360円の評価額は1.17ドル(=360/308)になります。1972年から現在まで(変動相場制移行以降)のレートは年平均レート(19721979年は年終値)で計算しています。円預金は1%複利としました(以上、データは「世界経済のネタ帳」および邦銀外国為替HPより)。

 ・・・一目瞭然ですね、円がどれほど価値を高めてきたのかが・・・。2012年すなわちアベノミクスが開始される直前の円預金の評価額は6.85! ということはA氏が円預金をしていたとしたら7倍近くもドルを増やすことができた計算になります。1ドル分(=360円)の円のキャッシュでも、ドル現金の4.5倍! これ3%複利のドル預金(3.46)を軽~く上回る「運用」(?)成績になるわけです。つまりA氏は「タンス預金」でも、これほどのドルをゲットできたということです。別の言い方をすれば、円の現ナマにさえこうして負ける米銀のドル預金のパフォーマンスって、いったい・・・ってこと・・・

 このように、わたしたちの通貨「」は、預金はもちろん、キャッシュでさえも、基軸通貨ドル(含むドル預金)に対する価値を1970年以降、ほぼ一貫して高めてきました。最近ではとくにリーマン・ショック以降の伸びが顕著でした(円キャッシュは20083.4820124.514年間で30%の上昇!)。この意味するところは様々ですが、後述のように、日本経済がこのおかげでアメリカほどインフレの害を被らずに済んだことが重要だったと考えています。

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【日本カー‣オブ‣ザ‣イヤー、前回受... | トップ | 【この40年間で石油価格上昇... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本」カテゴリの最新記事