世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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【外資に対する審査強化、対米投資をシュリンクさせる恐れも?】保護主義的政策で自身の首を絞めるアメリカ②

2018-06-29 00:00:57 | アメリカ

前回からの続き)

 このほど、欧州の対米報復関税にともなうコスト増を回避するため、米国内から欧州に生産拠点を移すことを発表したオートバイメーカーのハーレー・ダビッドソンに対する米ドナルド・トランプ大統領のツィート攻撃が続いています・・・

 27日、同氏は「ハーレーは100%アメリカ国内にとどまるべきだ」と訴えました。前述のとおり、同社がこのままのやり方―――米工場で生産した製品を欧州へ輸出するやり方―――だと年間で最悪1億ドルのコスト増になると嘆いているにもかかわらず、です。そもそもハーレーがここまで追い詰められたのは、ご自身が打ち出した一方的な鉄鋼・アルミ製品関税措置がきっかけと考えられるのですが・・・

 トランプ大統領はさらに「わたしはあなた方のために非常に多くのことをしてきた。なににこれかよ(and then this)。他の企業は属しているところに戻ってきているぞ」と綴っています。こういうところをみると、同氏はハーレーのビジネスとか置かれた状況に対するご認識がずれているように思えてなりません。同社は大多数のバイクを米国内で製造してはいるものの、他方でブラジルやインドなど、海外にも生産拠点を構えているとのこと。これ、最適なリソース配分を追求した合理的な経営判断の結果であるわけだから、もし同社にアメリカに留まらせたいのなら、そうさせたくなるような「合理的な」手を打たないと・・・

 いっぽうでトランプ政権は、せっかくのアメリカへの投資活動に水を差しかねない政策をスタートさせそうです(?)。これは、米企業や知的財産の買収につながる外国企業等の対米投資を安全保障等の観点から審査しようというもの。実施機関である対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を強化して、外資による重要技術およびインフラの取得となる株取得などを調査対象に加えるほか、外国政府の持ち分が25%以上の企業が米企業の株式を25%以上取得するときはCFIUSの審査を義務付ける、といったもののようです。

 名指しこそ避けてはいるものの、上記が中国(政府)を意識した策であるのは間違いないところでしょう。まあチャイナマネーを脅威視する気持ちは分からなくもありませんが、他方でこれ、外国企業の対米投資意欲を減退させる方向にも作用するおそれがあるのではないか。以前から書いているように、アメリカは海外マネーを受け入れていかないと国が保てません。逆にいえば、外資とかその商品に対してオーブンな市場環境こそがアメリカの良いところであり、それが同国を発展させ、かつ同国の雇用を創出してきた面があるはずで・・・

 そんな自身の長所を消しかねない危険性が、この投資への政治介入(?)にはあるような気がしますが・・・

(続く)

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【米ハーレー、欧州向け生産拠点を米から欧州へ】保護主義的政策で自身の首を絞めるアメリカ①

2018-06-27 00:03:48 | アメリカ

 「白旗」などではなく、とても真っ当な経営判断であり、むしろそうさせているのはご自身だと気が付くべきなのでは・・・

 アメリカの二輪車メーカー「ハーレー・ダビッドソン」がこのほど、欧州向けオートバイの生産拠点をアメリカ国外に移す方針を明らかにしました。アメリカが欧州連合(EU)などに今月から適用した鉄鋼・アルミニウム製品の輸入関税に対抗し、EUはオートバイを含む米製品に25%の報復関税を発動しています。これにともなうEUでのコスト増加に、値上げではなくEUへの生産拠点の移転で対応することにした、という次第のようです。

 同社によれば、EUの上記措置によってアメリカから欧州に輸出するオートバイ1台当たりのコストは平均で2200ドルほど上がるそう。そして会社全体では年間で最高1億ドルの費用増が見込まれるとのこと。ハーレーは「拡大するコストを販売業者や顧客に転嫁すれば、欧州事業に即時で永続的なダメージが及ぶと確信している」との認識を示しています。

 ハーレーの上記方向性、企業として至極妥当なものと思っています。このまま「米で生産→EUへ輸出販売」の枠組みにこだわっていたら同社はコスト増で顧客も利益も失ってしまうでしょう。であれば「EUで生産→EUで販売」つまりEUで売るものはアメリカではなくEUで作ることで高額の関税分を負担しないで済むようにしよう、となるのは理に適った対応であり、同社の株主にも理解できるところだと考えられます。

 これに対してドナルド・トランプ大統領は、米欧間の貿易戦争で最初に降伏したとハーレーを批判しました。同氏は「すべての企業のなかでハーレーが白旗を振った最初の企業になろうとは驚いた」(Surprised that Harley-Davidson, of all companies, would be the first to wave the White Flag)とツィートし、「わたしは彼らのために懸命に戦った。そして最終的に彼らは欧州への輸出に関税を払わなくて済む。われわれは欧州との貿易でひどく痛めつけられてきた。税金はハーレーのただの言い訳だ。耐えろ(be patient)!」と綴りました。

 ・・・って、これハーレーの置かれた状況に対する理解と配慮に欠けたツィートと言わざるを得ませんね(?)。同社は何もトランプ氏らとともにEUとの貿易戦争を戦おうとしているわけではないし、したがってEUに白旗を振ったとの認識もないでしょう。シンプルに上記対応が企業として合理的だからそうするまでであって、唐突に「耐えろ!」って怒鳴られても戸惑うばかりに違いありません(?)。それって、EUが先に音を上げるまで―――「参りました、アメリカさんの貿易赤字が増えないよう、EUは鉄鋼等の対米輸出をしないから、どうか関税率を下げてくださいな」とか言うまで(?)、ハーレーに理不尽な関税コストを負担させようということ?

(続く)

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【国防手段「マネー力」増強に平和憲法は不可欠?】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由⑥

2018-06-25 00:01:02 | 日本

(前回からの続き)

 「強い円こそ最強の国防『兵器』」といった表現を含め、日本にとっては世界最強のマネー力が国益、すなわち国を本当に守る手段となり得るといったことを本ブログでは何度も綴っています。これはすなわち「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(実質利回りの高い順に並べたもの)のことであり、日本・・・の通貨「円」は覇権国&世界一の軍事大国アメリカのドルをも上回るパワーを持っている・・・からこそ、こちらの記事に書いたようなこと―――アメリカの命運を左右する長期金利の操作等―――すら、できてしまうわけです。同国でさえこうして動かせるのだから、上記不等式でドル「以下」の通貨の国々をどうにかするのなんて簡単です!? よってこれを国防そして領土問題解決に上手に生かさない手はない、ということです。

 たとえば、竹島を不当に占拠し続けている韓国。同国の弱点はマネー、具体的には家計の膨大な債務であり、ひとたび経済危機が起こるとキャピタルフライトに見舞われて急激なウォン安になり、国民の多くが破産の瀬戸際に追い込まれるわけです。であれば、竹島を早急に返してほしい立場のマネー大国・日本はどうするべきか・・・想像がつくところです。まあさすがに露骨な意地悪(?)はするべきではないでしょうから、こちらの記事に書いたくらいで留めておきつつ、あとは近い将来必達の(?)世界金融恐慌が自ずと・・・といった感じでしょう(?)。しかしながら、いまの日本政府・安倍政権は韓国から要請があればいつでもおカネを融通する用意があるみたい(?)。ワル~いわたしと違って、各位の何と親切(お人よし?)なことか・・・

 北方領土に居座るロシアはどうするか、ですが・・・こちらの記事に書いたように、かの国の唯一の外貨獲得源「石油・天然ガス」の動向次第だと思っています(?)。このあたり石油の時代はもう少し続きそうですが、わが国由来の新エネ等技術の展開によって人類が石油を卒業する時が必ず来ることでしょう。いやそのず~っと前に、石油の供給過多でその価格が暴落し、同国は深刻な経済不振に陥るでしょう。そうなればロシアは、自分たちでは作れない車や電気製品や薬品などを買うために、デカすぎる国土を切り売りせざるを得なくなります(!?)。日本としては、そうなってからでも返還交渉は遅くはないかな、と思っています。まあそれまではヘタな対立はせず、かといって余計な手助けもせず、といった距離感でロシアと付き合っていけばよいかと・・・

 といった具合に、わが国はマネー最強国らしい方法で領土問題の解消を図るのが正攻法だと考えています。その戦略遂行に欠かせないのが現「平和憲法。この堅持、すなわち上述のようにコスト等ばかりかかるだけで何らの利益をもたらさない戦争に参加しないという立場を守り続けることが結局は日本をますます強くする―――マネー力の増強につながる―――と確信しているのですが、いまの政権・・・ばかりか日本中こぞって「円安バンザイ」大合唱ですからねぇ・・・

(「『平和憲法』が合理的な国防手段になる理由」おわり)

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【憲法のおかげで海外派兵に伴う人や国富の喪失を免れた】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由⑤

2018-06-23 00:10:33 | 日本

前回からの続き)

 前回、わが国が戦後、経済大国になれた理由のひとつが、平和憲法の縛りで貴重な国力を軍事関連に費消することを免れたため、と書きました。これに関連することとして、自国周辺の紛争はもちろん、日本から遠く離れたエリアへの派兵等をせずに済んでいるという点も重要と考えます。

 朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争、イラク戦争、そして現在のシリア等における戦いなどなど―――第二次大戦終結の日からこれまで世界のあちこちでじつに様々な戦争等が起こっていて、多くの国々がこれらに参戦し、軍隊等を戦地に送っています。でも・・・主要国ではおそらく日本だけはこれらに軍事参加してはいません。いうまでもなく、これが憲法の「戦争の放棄」等に違反している可能性が高いためです。ゆえにわが国は海外派兵にともなう膨大な支出を負担せずに済んでいるといえます、憲法のおかげで・・・

 ・・・って書くと、このあたり日本はズルいんでは?各国と同じように兵を出して国際社会と協調するべきでは?なんて意見が出てくるように思います。たしかにそういった見方もできるかもしれません。でも個人的には・・・やはりいまのままのスタンスで良い、すなわち現憲法を堅持して海外の戦争には関与しないという国是を保つのが得策、と考えています。その理由は単純で正直、上記のどの戦争も実質的には主要対戦国の権益拡大とかその維持等のために行われているから(現在のシリアの戦争はその典型例?)です。であれば、べつに戦争が行われている地域に権益等を多く持っているわけでもないわが国がどうして他国の利益のために貴重な人命やおカネを失うリスクをかけて参戦する必要がありますか?ということ。したがって、これまでのとおり「憲法で禁じられているので・・・」などと言い訳して手出しをしないのが日本としては一番カシコイやり方といえるでしょう。これぞ「君子危うきに近寄らず」そのものです(?)。

 こんな感じで、わが国は平和憲法を引き続き維持することが適当と考えるものです。でもそれだけでは・・・奪われた(?)領土の回復はかないそうもないし、諸外国の脅威等に対する備えも心もとないのでは、などと国民が不安に感じてしまうのも、またたしかでしょう・・・

 ・・・って、大丈夫です(?)。日本には世界一のコレがある・・・すなわち「マネー力」です

(続く)

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【日本が経済強国になれたのは憲法の縛りのおかげ?】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由④

2018-06-21 00:01:18 | 日本

前回からの続き)

 前述した理由から、肝心の同盟国アメリカが、日本とロシア(あるいは中国)との間の戦争等には絶対に参加しないので、いくら改憲して交戦権を確保しても、わが国は奪われた領土を武力で奪還することはまず不可能なはずです。

 ちなみにこのあたり、北朝鮮との紛争でも同じことだと思っています。改憲の有無によらず万一、日本がかの国と何らかの武力衝突に至ったとしたら、これまた中国が、アメリカが日本に軍事加担することのないよう、手持ちのドル米国債の売却に踏み切るだろうからです。たとえ中国が実際にそうしなくても、金融市場がそう連想するために米国債が投げ売られ、前記と同様のことが起こりかねません。よってわが国は、アメリカ様にご迷惑がかかるので北朝鮮とも戦争をすることはまず無理、と考えるべき。そもそも日本は朝鮮戦争の当事国ではないし、日朝両国間に領有権を巡る争いは現実には存在せず、したがって北朝鮮と戦争する理由は一切ありません(戦争したら現地の拉致被害者が危険にさらされるだけです)。

 ということで憲法第9条の改正(≒戦争ができる国家への移行)は、実質的な利益をわが国にもたらすことはないと考える次第です。むしろ・・・交戦権を得た以上、日本はさらに軍備を増強するべきだ!なんて勇ましい(?)主張が国内外から湧き起こって・・・結局は価格バカ高なだけで上記理由からけっして使えない兵器武器を諸外国から無駄に買わされるのがオチです(?)。日本は世界一のおカネ持ち国(純資産国)なのだから、兵器類を売り込みたい企業とか人々は欧米を中心にごろごろいるし、すでにこうした動きがある(?)のは日本人なら誰にでも感じられるはずです。もちろんその代金は消費増税で徴収!ってことで・・・!?

 わたしたちは引き続き平和憲法を堅守するべきと考えるものです・・・っても、各国がお互いに信じあって平和な地球を築きましょう!ってわけではありません。それが理想ではありますが、現実にはなかなかそうはいきませんからね。むしろ現憲法の「戦争の放棄」を戦略的に活かそうよ!ということ。理由は2つ。一つ目は上記のとおり、日本には戦争という選択肢が意味を持たないため。そしてもう一つが、近現代の世界では戦争状態にあるか、戦争に備えて巨大な軍事力を抱えた国々は最終的に滅ぶか著しく衰退するかのいずれかだからです。逆にいえば、日本が戦後大きく発展し、経済強国になれたのは、幸か不幸か(?)憲法の縛りで貴重な国力をこれらに費消することを免れたため、といえそうです(?)。

 それらゆえ、戦争を放棄する、という憲法の条文は「みんな仲良く!」ということ以上に合理的で賢明な理念だと思うわけです。

(続く)

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【中露との領土紛争、米は絶対に日本に軍事加担しない?】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由③

2018-06-19 00:02:36 | 日本

前回からの続き)

 前回書いたことを違った風に表現すると次のようになります:

尖閣諸島の占領を目論む第三国に宣戦布告ができるよう憲法を改正するべきだ」

―――では尖閣諸島が実際に外国に占領されたら、あるいは占領されそうになったらどうするのか? 「当然、武力攻撃による排除もいとわない」

―――ということは北方領土および竹島を現にいま、不当に占拠し続けている国々に対しても軍事攻撃を仕掛けるということか? 「それは・・・」

といったように結局、言葉に窮してしまいます・・・って、これ絶対に実行不可能だから。北方四島や竹島に居座る外国人たちに対してできないことが、尖閣を侵略しようとする国々には、なぜかできる、なんてあり得ない。いったん取られてしまったら、これら島々と同じでそれで終わり。あとはトホホな返還交渉しか手がありません・・・が、これがいかに空しいことか、わたしたちにはよ~く分かっているはず・・・

 だからこそ、国土防衛とか失地の奪還に向けた改憲すなわち交戦権の回復(再軍備等)は意味を持たないと考えるわけです。それよりも現実的な策を打つべき。たとえば尖閣であれば、有人防衛化を真剣に検討するべきでしょう。それは・・・島というよりは岩礁に近い竹島に某国が大した武装もせずにへばりついているのと同じ理由です。つまり、いくら係争地とはいっても、人がいる土地を流血覚悟で武力で奪おうとすることは許されない、といういまの国際ルールを上手に国防に生かす、という意図です。これ、だからこそけっして使えない価格バカ高のミサイルやら戦闘機などよりもはるかに安価で実効性の高い防衛手段であるとともに、激烈な議論で世論を二分して改憲などしなくてもいますぐにできること。だって、尖閣諸島はけっして国際紛争の舞台ではなく、わが国の固有の領土であって、そこに何を作ろうが諸外国にあれこれ文句をつけられる筋合いはないのですから・・・

 さらにわが国にとって、自らが交戦権を得ることの意味が乏しい別の重大な理由が、これが同盟国アメリカ様に多大なご迷惑をおかけする事態を引き起こしかねないこと。すなわち、改憲後の日本が、領有権を巡って戦争等することが想定されるロシア中国が、日本との戦いにその友邦アメリカが軍事加担することがないよう、保有する米国債の大量売却に動くのは避けられないということです。

 こちらの記事等に書いたように、アメリカ最大のアキレス腱は「金利」であり、米国債売りこそはその弱点に対するダイレクトアタックになります。これ食らったらアメリカは金利急騰&ドル暴落でたちまち国家存亡の危機に陥るのは必至。そこでアメリカはどうするか・・・って、改憲論者が願うように日本とともに北方四島へ軍事侵攻・・・なんて甘い甘い! そんなトモダチ作戦(っても、超~有料?)みたいなことなんて絶~っ対にするわけがなく、「日本め、よけいな戦争でオレたちを苦しめやがって!」などと内心で毒づきつつ日本に対してロシア等との戦争を止めさせようとする・・・は良いほうで、場合によっては日本の頭越しに勝手にロシアとの和解すなわち米国債売却停止要請に動くか、最悪ハシゴ外しに走る―――日ロ間の争いに中立を宣言したりする―――かもしれませんよ(?)。

 ―――以上により肝心のアメリカ様が加担してくれないので、わが国は改憲するしないに関係なく、領土問題等の解決に戦争という手段を選ぶことはけっしてできないし、許されない―――こう考えています。

(続く)

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【仮想侵略に超強硬ならばリアル侵略に話し合い、はあり得ない】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由②

2018-06-17 00:02:29 | 日本

前回からの続き)

 改憲論者の真の狙いは前述のとおり、日本国憲法9条の改正で交戦権を回復させ、わが国にとって現時点で最大の侵略国である核大国ロシアに対して宣戦を布告、日本の固有領土たる北方四島に「(円安)日本軍」を派遣してこれを武力で奪還することです(?)。

 「んなアホな!そんな物騒なことは考えていない!」そうでしょうか? そのあたりは・・・尖閣諸島をみれば、やはり改憲論者各位には・・・そんな勇まし過ぎる(?)意図があるとしか考えられない、ということが分かります。それはこういうことです―――

 ―――現在の改憲とか安保に関する議論で必ず想定されるのが中国の軍事的脅威であるのは間違いのないところ。それらのなかでも重大なのは、これまた本邦固有の領土にあたる尖閣諸島の同国による侵略になります。中国も同諸島の領有権を理不尽かつ強硬に主張しているため、その懸念はもっともです。したがって、当該侵略には軍事力による反撃も辞さないくらいの安全保障の強化が必要で、そのためには国権の発動たる中国相手の戦争を選択できるように憲法を改正するべきだ!という理屈なのでしょう(?)。

 で、ここで留意する必要があるのは尖閣諸島の現状です。これ、たしかに中国の侵略にさらされてはいます・・・が、実際には日本の(超はかなげな?)実効支配下にあって同国が占領等しているわけではありません。つまり上記の主張は、あくまでも現時点では未実現の「将来想定し得る侵略」に対するものになります。ということは・・・そこまで強気ならば、すでに「いまそこにある侵略」に対しては、さらに強硬な措置の行使すなわち戦争に訴える、となるのが筋の通った流れでしょう・・・って、まさか、ヴァーチャルな侵略(侵略「」)には超強気、リアルの侵略(侵略「」)には一転、矛を収めて仲良く話し合いで、はありますまい(?)。では現実に日本人が目にしている侵略とは?そして侵略者は?となれば・・・尖閣でも中国でもなく冒頭のとおり、になるわけです。ね、とてもロジカルでしょう(?)。さあ、憲法を改正してロシア(および韓国)と戦争して北方領土(および竹島)を取り戻そうではありませんか・・・って、もちろん同盟国アメリカ様とご一緒に!?

 ―――わたしたちがいま真剣に考えるべきは、こんなことが本当にできますか?ってことです。これ・・・絶~っ対に不可能だし、いまの世界ではけっして許されることではないことくらい子どもにだって分るでしょう。つまり・・・憲法改正による交戦権の回復は、失われた国土の奪還とか侵略に対する武力反撃等に関しては、何らの効力も意義も持たない、ということです・・・

(続く)

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【改憲論者、交戦権回復後はロシアとの戦争を画策か!?】「平和憲法」が合理的な国防手段になる理由①

2018-06-15 00:03:19 | 日本

 のっけから超~物騒な(?)、けれどロジカルに考えていけば当然そうなる、という架空の話から―――

 日本国憲法が別名「平和憲法」と呼ばれるのは、下記の「第2章第9条」があるためです:

 第2章 戦争の放棄

 第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 憲法改正を主張する方々が改正するべきとする箇所が上記になります。では具体的にどうしたいか、ですが、端的には、国の交戦権の回復つまり国際紛争の解決手段として戦争を選択できるようにしたいわけです(「自衛隊」の条文への明記など、そこに至るステップのひとつに過ぎない)。

 で、晴れて憲法がそのように改正され、わが国が交戦権を取り戻したら、さっそくこれを行使することになるでしょう。そのときに想定される第一の対戦国は中国、北朝鮮・・・のいずれでもなく、ロシアになるのは明白です。なぜなら、ロシアこそはこの瞬間、わが国の固有領土を不当に占拠している2か国(もう1か国は韓国)のうちのひとつで、韓国(竹島)よりもはるかに広大な本邦エリアすなわち北方四島(歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島)を領有しているからです。他方で中朝両国は現時点で日本の国土を侵害等してはいないので、仮想敵国としての順位はロ韓両国よりもずっと下がります

 日本は戦後これまでの数十年間もの長きにわたって同国(旧ソ連)と北方領土の返還交渉を続けてきました・・・が、実質的には何らの成果もあげられていません。いっぽうで当該交渉が進展しない場合にこれを実力で取り返す術がありませんでした。憲法の上記条文が領土紛争を解決する手段としての交戦権を認めていないためです・・・

 ですが同改正後は、この呪縛から脱し、ロシアに対する武力行使が可能となります。よってわが国としては、憲法改正から時を置かずして同国に上記交渉打ち切りを通知するとともに宣戦を布告、日本にとって最大の侵略者を排除するべく北方四島に電撃反攻、同盟国アメリカの手厚い軍事支援を得ながら各島を奪還、最後は四島東端の択捉島は単冠湾(真珠湾攻撃の前に旧帝国艦隊が集結したところ)に円安日本海軍が高々と勝利の旭日旗を掲げる・・・といったシナリオを実現させたいところ・・・

 ―――憲法改正論者の本当の目論見は上記のとおり、ロシア(および韓国)相手の交戦権の獲得と行使そして奪われた北方領土(および竹島)の武力による回復です。中国や北朝鮮の脅威なんぞは真の敵ロシアそして味方をも欺くブラフに過ぎません・・・???

(続く)

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【本邦投資家、ECBのQE終了局面でユーロ資産を売るべし?】イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし④

2018-06-13 00:01:05 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策(QE)を近々終了させそうだ、との見方が市場に広がっている模様です。以前も何度か書きましたがこれ、先述不等式「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」(国債価格を高い順に並べたもの)のうち「フランス未満」国々をサポートするのが主目的の政策です。すなわち、ユーロ圏のなかで支払い能力が弱いこれらの国々の国債等を買い支えて金利を低めに誘導し、投資・・・って、ぶっちゃけ不動産等投資を喚起してバブルを発生させ、これによって債務負担を減らしてあげよう、というもの(?)。ですが・・・こちらの記事に書いたように、バブルを欲する国ではそれが目論見どおりには膨らまず、逆に不要な国のほうで余計なバブルが起こっているわけです。そんなときにECBがQEを手仕舞ったら、まあドイツあたりは良いとしても、イタリアらは・・・

 う~ん、こんな感じで、どう想像してもユーロ圏といういまのスキームがうまく機能するとは思えませんね・・・。このあたり、わが国としてもユーロ圏への投資に当たっては十分に意識しないとなりませんよ。ただでさえアベノミクス円安の現在、ユーロ建て資産は不自然に高いほか、今後はユーロが対円で大きく値下がりしそうだし、このエリアの民心や治安までも不安定になっていくような気がしてならないので・・・(?)。したがって当面、コスト回収等が長期にわたる直接投資等は避け、短期間での利確が可能な金融資産投資を、あくまでも少々、といったくらいが無難かと・・・

 で、その具体例ですが、たとえば・・・上記QEの終了が発表された直後(為替が円安ユーロ高に振れるタイミング)に手持ちのユーロ圏各国債をいったんすべて売却します。で、すぐにまたどこかでユーロ離脱(とか政治経済不安)等が取り沙汰されるから、その際に同国債を安価(円高ユーロ安&国債安)で買い戻す。どうせ同残留が決定される(あるいはユーロ圏とかECBによる大甘な支援等が決定される)ので、ユーロも同価格も上がったところでまたこれを売る、みたいなことを繰り返します。こうすればその都度、それなりのリターンを得られそう・・・(?)

 とまあ、本邦投資家にとってこれ、相手の動揺を利用したおカネ儲けになるため、けっしてキレイとはいえない感じですが、ユーロ圏が上記のようになるのは必然なので(?)、ちょっとくらいなら、ということで・・・って、本来ならばもっと効率的で健全なユーロ圏投資ができるはずなのに、政府日銀にこれを封じられているからね・・・

(「イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし」おわり)

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【仏以上の国も以下の国も、相手に対して不満が募るEU圏】イタリアにはユーロ圏従属以外の道なし③

2018-06-11 00:00:49 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 前回までに綴ったように、このほど発足したイタリアのコンテ新政権が掲げる急進的改革2つ―――最低所得保障と不法移民排斥―――は同国がユーロ圏にとどまる限り、実行は極めて難しいはずです。では、出ていけば・・・って、たしかにそうすればユーロ圏の縛りから自由になって財政バラマキ政策とか移民排除みたいなことができるかもしれません、が、いっぽうでその際は共通通貨ユーロの使用はけっして認められず、やむなくスタートさせた独自通貨(新リラ?)はユーロに対して暴落して同国経済と国民生活は破壊されてしまいます。となるとユーロ圏離脱はイタリアには絶対にできず、結局は圏内ルールに従わざるを得ません。よって上記急進的改革は・・・やはり実現不可能、が結論になるわけです・・・(?)

 これ、何もイタリアに限った話ではありません。先般来ご紹介、ユーロ圏各国の支払い能力の序列を示す不等式「独>蘭>仏>西>伊>・・・>ギリシャ」においてフランス「未満」(いや、「以下」?)の国々―――イタリアはもちろん、スペイン、ポルトガルキプロスギリシャなど―――は皆さん同じことです。要するに、バラマキ政策(公務員給与引き上げとか年金増額など)も移民流入抑制策の執行も独自にはできないなか、限られた歳出とさえない景気のもと、それにふさわしい、つましい生活水準に耐えていく以外にない、ということです。

 他方、上記でフランス「以上」の国々―――ドイツ、オランダ、オーストリア、フィンランドなど―――も不満感を募らせているはずです。つまりユーロ圏では、各メンバーの国力の平均を取ったような政策(たとえばECBのQEなど)が採用されがちになるので、それが「フランス以上」の国の実態には合わなくなる、具体的には金利が下がり過ぎて景況がバブルやインフレ気味になったりするわけです。かといって・・・その原因を生んでいる同「未満」の国をユーロ圏から追い出すことも実質的にはできません。仲間内のコンセンサス作りは難航を極めるでしょうし、万一放逐できても、あるいは勝手に出ていかれても(って、これはまず考えられないが?)、今度は自国の金融機関が経営危機に陥ってしまいます。それらがしこたま抱えた当該国のユーロ建て国債等が紙クズ(?)になってしまうためです・・・

 以上のことからユーロ圏は、これに加盟する誰にとっても、自分のいまの状態に適した政策がけっして選択されることのない枠組みになっています。よっていつも、すべての加盟国がフラストレーションを抱えることになるわけです。そうなっている最大の原因はおそらく・・・「財政の不統合、通貨・金融統合にもかかわらず」・・・でしょう。では財政も統合すれば、ってこれこそ「一つの欧州」実現に向けた最大の一歩になるはず・・・ですがこれにはフランス「以上」の国々が絶対に賛成しません。それは彼らが同「未満」の国々の借金の埋め合わせをさせられてしまうためです・・・

 ・・・こうしてユーロ圏は、統合を深化させることも分離に向かうこともなく、いまの中途半端な同居状態を続け、イタリアのような「フランス以下の国々」で繰り返される経済危機に合わせてECBが通貨ユーロをダラダラと刷り続けて・・・結局はインフレに沈んでいくわけです・・・(?)

(続く)

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