(前回からの続き)
先述のように、日銀の現行金融政策「異次元緩和」(長短金利操作付き量的質的金融緩和)とは、前世紀つまり「戦争の世紀」の主役アメリカに自らインフレを喚起させて自壊に導く・・・ことでその玉座?からの自主的な退去を促して今世紀すなわち「平和の世紀」への道を開く、という、単なる一国の金融政策の枠をはるかに超える、世界と時代を前進させるほどの大仕掛け・・・とみることもできそうです・・・
そのあたり、そうした「本当に本当の目的」を途中で見抜かれ、それによって同政策を停止させられることがないよう、かの国の支配層(≒保有資産額で全米のトップ1%層)にはトクをさせる(リスク投資の元手となる超低金利マネーを供給等し続ける)ことでその「本当の目的」があたかもアメリカを利することであるかのように、さらに日本国民には「表向きの目的」として同策がもたらす円安モードに起因する輸入原材料インフレ年率2%程度の発現が「(アベノミクスは)100%正しい」などと信じ込ませる、という前記「三段構え」の備えを施す、という念入りさも感じます。だからこそ、この国の政治家や報道機関や(自称?)経済学者らは誰一人として?上記「本当に本当の…」に気が付けない、せいぜい上記「本当の…」に気が付いた・・・と180度勘違いする?ことになって、これ10年間もの長きにわたって継続され・・・た結果、その所期の目的がおおむね達成されるに至った―――アメリカを「真性インフレ」墜ち(実質金利が恒常的にマイナス圏に沈んで二度とゼロ以上に浮上しない経済状況)に導くことに成功?した―――わけなのでしょう、きっと・・・(?)
以上のようにみてくると、そんな「異次元緩和」をリードしてきた日銀の黒田東彦前総裁は、本稿1回目で記した「その金融政策で一国の経済を史上もっともマイナスさせたセントラルバンカー」・・・というのはGDPとかNI(国民所得)といった客観的な経済指標からみてそのとおりではありますが、それ以上に、前述したことと合わせれば「その金融政策で『戦争の世紀』から『平和の世紀』へと時代を導いたセントラルバンカー」(戦争が存在理由といえるアメリカ[ドル]をインフレ喚起で自壊させることで戦争[≒アメリカ≒ドル]が不要な時代に道を開いたセントラルバンカー)と評価されるべき・・・なのかも、と思う次第です。
であれば黒田東彦氏が・・・本稿のタイトルのとおり「『21世紀の人』ハルヒコ・クロダ」と世界から称えられるようになってもおかしくはないでしょう・・・(っても、それはもうちょっと?先のことでしょうが)