■NTTドコモ関西 presents Access To The Music Special
FM802 2007年5月4日(金)10:00-18:55
DJ:スガシカオ/尾上さとこ
「スガシカオのアクセス三本勝負」
17時代ゲスト:佐野元春
Playlist
情けない週末 / 佐野元春
君が気高い孤独なら / 佐野元春
荒地の何処かで / 佐野元春
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■内容の一部を抜粋
・音楽バラエティー番組「MUSIG」出演
「最近ではテレビなんかでもよくお見かけしまして。よくあそこまで下りて来てくださいましたって感じなんですけれど」とスガシカオ。
「僕はね、下りたって感じが全然しなくて、すごく楽しくやってる。ただ僕はテレビはあまり出演の経験がないんです。テレビについてはテレビ・プロデューサーの言うとおりにやってる。まな板の上の鯉って感じですね」と佐野元春。
・スガシカオと佐野元春
つい最近までFM802でレギュラー番組を持っていたというスガシカオ。その中で歌詞がすごいと思う人の曲を紹介するコーナーがあったそうだ。そこで学生時代に佐野元春の影響を受けたと話したんだとか。これまで何度か佐野元春と会っていて、そのあたりについては佐野元春に話したこともあるそうだ。
FM802のイベント「Meet The World Beat」に矢野顕子とのジョイントで出演した佐野元春。その年、別ステージにスガシカオも出演していて、佐野元春は、ウィリッツアーとスガシカオのギターという二人でステージをやっているのを見ているそうだ。
スガシカオは、最後に出演者全員でステージに立つ場面で、佐野元春と同じステージに立てたことがうれしくて、友達に電話をしたそうだ。
矢野顕子と佐野元春が「SOMEDAY」を歌っていた時、雨がひどくて、矢野顕子の上に屋根に溜まった雨が落ちてきて、佐野元春は慌ててすっ飛んで行ったというハプニングを覚えていると話した。
・情けない週末
FM802のレギュラー番組で紹介した曲。
「歌詞が好きなのって他にも一杯あるんですよ。この当時の曲で言ったら『Young Bloods』とかも好きだし、他にもこれはすごいなっていうのはあったんですけど、『情けない週末』という曲の、何でしょうね、この説得力というか、それをみんなに聴いてほしくてこの曲を選んだんですよね」とスガシカオ。
「僕のデビュー・アルバム『Back To The Street』に入ってる。でも実際この曲を書いたのは僕が17歳くらいのことでしたね。ずいぶん背伸びした詩を書いたなぁと思ってましたけれども。だから今聴くとホントに何をこんなにつっぱって背伸びした歌を歌うかなという(笑)」と佐野元春。
「え~~っ、ウソでしょ~、これ17歳で書いたの~。コード進行もですか? ゲェッ~~。これつっぱってないじゃないですか」とスガシカオ。
「まあ、そうだね、純情な歌ですけどもね。はい」と佐野元春。
「僕、だから、あの雰囲気の曲でね、ふつうもっと重くなりがちじゃないですか、恋愛の歌でああいう曲だったら重くて然るべきなのに、一目惚れみたいなことをテーマにしている、そのリアルさ加減がものすごくグッと来ちゃったんですよね」とスガシカオ。
「そうですか。僕は東京で生まれて育っているんで景色は東京ですよね。パーキング・メーター、ウィスキー、地下鉄の壁なんてのが景色で出てきて、そういう舞台設定の中で、僕は当時本当に16歳、17歳でしたから、弱冠自分より年上の人に恋をしてしまったという曲なんです。ただ生活するのに僕は経済力ないですし、生活といううすのろさえいなければ僕は一緒に暮らして生きたいんだけれどもという、そういうなんか青年というか少年の純情を描いたつもりなんだけれどもね」と佐野元春。
・6月13日発売ニュー・アルバム『COYOTE』
「ひとつ前のアルバム『THE SUN』は複雑に練りこまれたアルバムだったと思うんです」とスガシカオ。
「スガくんとはあるステーションの別の番組でご一緒した時に、ちょうど『THE SUN』のプロモーションの頃で、『THE SUN』を持ってスガくんに会いに行った。で聴いてもらったのはいいんだけれど、スガくんが『佐野さん、曲はいいんだけれど、ちょっと難しいんだよね』って」と佐野元春。
「言ってないっスよ、オレ(笑)。そんなことって言ったっけ、言ってないスよ」とスガシカオ。
「僕ね、いろんな人から、どう言われようがいいんだけれど、同業者から言われると、『そうなんだよね』って妙に納得しちゃう自分がいるんです」と佐野元春。
「そう(笑)、複雑だったんですね、すごく」とスガシカオ。
「楽曲はR&B、JAZZYな、ちょっと複雑なこと、それは確かなんです。というのはホーボーキングバンドという10年、11年一緒にやってるんだけれど、ミュージシャンとしてのスキルが高い連中。彼らと一緒に自然にそういう音楽性に行っちゃう。で今回はね、10年来一緒にやっていたホーボーキングバンドにちょっとお休みしてもらって、僕よりもっとヤンガーなミュージシャンたち3人に集まってもらって、バンド形式で録ったそういうアルバムなんです」と佐野元春。
「たぶん一緒にやってる新しい方たちと僕は同世代くらい、深沼(元昭)さんと同い年なんで、たぶん同じくらいの世代。だから彼らも、僕もそうですけれど、一回アーティストとしての佐野さんを素人として聴いてから、たぶんミュージシャンになってるので、なんか自分なりの何かがある感じがあるんですよね。楽器の鳴らし方に、はい」とスガシカオ。
「それはね、言ってましたね。スタジオに入ってすでに僕がいるわけで、僕が持ってきた曲を一緒にリハ(ーサル)したり一緒に演奏したりするんだけれど、彼らは僕が何者かってことはよく知っていて、で佐野元春だったらこういうイディオムだろうみたいなものを僕にぶつけてきて、それがすごく的を得ていたりすると、なんで君は僕より僕のことをよく知ってるんだという世界にいったんだよね(笑)」と佐野元春。
「『COYOTE』という今回のアルバムの曲を聴くとすっごい『ナポレオンフィッシュ(と泳ぐ日)』の頃の匂いが、なんかどこからともなくしてくるんですよね」とスガシカオ。
「さっきスガくんから聞いて、すっごく新鮮なコメントとして受け取った。自分自身は現在進行形で作ってるから、自分の過去のどのラインに乗っかってるのか、よくわからないんだよね。でも、そう言われれば『あっ、そうかもしれない』って思いますよね」と佐野元春。
「後ろに鳴ってる音もね、だから、そこを聴かせようとしてる感じがすっごくするんですよね。で、今回の『COYOTE』というアルバムは、はっきりいってものすごくシンプルなロックンロールですよね。どの曲もホントに無駄のないシンプルなロックンロールになってて、それが余計に佐野さんの曲の良さというか、佐野さん節みたいなものが余計に前に出てくる感じが僕はすっごくしました」とスガシカオ。
「それはね、スガくんがホントに多感な頃から僕の音楽を聴いてきてくれたからこの『COYOTE』というアルバムがそうなんだって鋭く批評できる、それが僕にとってすっごく光栄です。そしてうれしいですね」と佐野元春。
・アルバムの作り方
「アルバムを作る時は曲をある程度バーって作ってセッションに入るのですか?」とスガシカオ。
「あのねアルバム毎に作り方は違いますね、振り返ってみますと。前のアルバム『THE SUN』はバンドとのセッションが先にあって、だから音楽的なものが先にあって、そこに言葉がついてきたんです。今回の『COYOTE』は言葉が先にあって、後から音楽が追随してきたという、こういう感じでしたね」と佐野元春。
・ロード・ムービー
「『THE SUN』っていう前のアルバムはいろいろな人の人生を歌ったんですよ。女の人もいるし、男の人もいるし、子どももいるし、そういういろんな人の人生を歌ったんだけれども、今回はコヨーテと呼ばれる男の視点で、その人にロードをさせて、その道行きを曲に落とし込んでいってみようと、こういう発想でしたね。すごく楽しかった。なんか一編の映画を作ってるような感じで楽しかった」と佐野元春。
「だからね、アルバムはアルバムとして一枚あるんだけれど、実を言うとスクリプトっていうか、映画のシナリオも一個僕は持ってるんだ。それを映画の監督に渡したら一本の映画が出来たらいいなぁと思ってるんだけれど」と佐野元春。
「昔から映画のサントラ盤を自分で作れたらいいなぁーって思ってたんです。だけど映画がないとサントラ盤できないから、どうしようか、サントラ盤だけ先に作っちゃえみたいな感じ」と佐野元春。
「もう自分で撮っちゃったらどうですか?」とスガシカオ。
「カメラ担いでね。う~ん、やっちゃおうかな。う~ん今度やってみる(笑)」と佐野元春。
「どうなるかわかんないですけど(笑)。映画とかホント全然わからないですけど。無責任なことを言いました」とスガシカオ。
・荒地の何処かで
「僕、1曲目聴いて、2曲目が鳴った瞬間に、『あぁ、なんか今回違うぞ』ってこの曲で思いましたね」とスガシカオ。
・ライヴ・ツアー
「夏に『COYOTE』のレコーディングに参加したミュージシャンたちと都市部かため撃ちでやって、秋以降は地方のホール・コンサートになるので、ホーボーキングバンドとロードに出ようかどうしようかというところ」と佐野元春。
・秋から立教大学で講師
佐野元春は母校の立教大学でこの秋から「言葉と音楽」というテーマに講義をする予定だとか。ヤング・ジェネレーションのために部外講座。