Sunday Songbook #1604

2023年07月09日 | Sunday Song Book

2023年07月09日プレイリスト「『MOONGLOW』『GO AHEAD!』特集」
1. FUNKY FLUSHIN' / JUICE=JUICE 7月12日発売
2. FUNKY FLUSHIN' / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
3. RAINY WALK / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
4. 愛を描いて -LET'S KISS THE SUN- / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
5. TOUCH ME LIGHTLY / 山下達郎 "ムーングロウ" '79 アナログ&カセット7月5日発売
6. 潮騒 / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78 アナログ&カセット7月5日発売
7. PAPER DOLL / 山下達郎 "ゴー・アヘッド" '78 アナログ&カセット7月5日発売
8. SYNC OF SUMMER / 山下達郎 7月26日発売ニュー・シングル
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は前倒しで収録しているそうだ。6月30日のさいたま市文化センター、7月2日の中野サンプラザの公演を終えた時点での収録。
「なんとか初日が開きまして、新しいギターの鳥山くん、だんだんだんだん馴染んできております。お楽しみに」と達郎さん。

・山下達郎 PERFORMANCE 2023
全国ホール・ツアー「山下達郎 PERFORMANCE 2023」は18都市39公演。6月30日から11月6日まで。
チケットの一般発売日などの詳細は山下達郎オフィシャル・サイトにて。
https://www.tatsuro.co.jp/live/

・『MOONGLOW』『GO AHEAD!』特集
先週、7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』のアナログ盤とカセットが発売されたので今週は2枚のアルバムから選曲。

・FUNKY FLUSHIN'
Juice=Juiceのニュー・シングルは「FUNKY FLUSHIN'」のカヴァー・ヴァージョン。今週、7月12日の発売。

・FUNKY FLUSHIN'
44年ぶりに再発されたアルバム『MOONGLOW』(1979年)から「FUNKY FLUSHIN'」。「いわゆるリズム&ブルースというかディスコというか、ポリリズムです。ポリリズムって若干ちょっと弱いので、なかなかライヴの演奏が難しいんですが。最近あまりやっておりません(笑)。弱点があるのはなるべくやらないという感じ(笑)。年です」と達郎さん。

・RAINY WALK
「RAINY WALK」はアン・ルイスさんのアルバムをプロデュースしたときのアウトテイクを買い取ってアルバム『MOONGLOW』に収録。その当時のアン・ルイスさんのレコーディング・メンバーで、高橋幸宏さんドラム、細野晴臣さんベース、佐藤博さんキーボード、そして松原正樹さんギターというメンバーで演奏されている。

・愛を描いて - LET'S KISS THE SUN -
1976年にソロ・デビューしたが売れないミュージシャンだったのでシングルは一枚も出せなかった。1978年のアルバム『GO AHEAD!』のときに初めてシングルになったのが「LET'S DANCE BABY」。続いて『MOONGLOW』のアルバムから初めてタイアップが付いた。日本航空、JALの沖縄キャンペーンのタイアップだったが、その頃は曲作りのスランプ。詳しくはライナー・ノーツでとのこと。今でもときどきライヴでやるけれど、いわゆるブロック・コードで弾きまくる、ドラムも四つ打ち。これをアンコールのお仕舞いでやると、みんな息が切れて大変。年を取る前からそう言ってるので演奏疲労の高い曲、「愛を描いて - LET'S KISS THE SUN -」。

・TOUCH ME LIGHTLY
『MOONGLOW』のアルバムから村上"PONTA"秀一さんのドラム、岡沢章さんのベース、松木恒秀さんのギター、そして佐藤博さんのキーボードという達郎さんの好きなメンバーでのレコーディング。アルバムにはそのメンバーでレコーディングした曲が、2曲入っていて、そのうちの1曲が「TOUCH ME LIGHTLY」。もともとはキング・トーンズに書いた曲のセルフ・カヴァー。
曲をかけ終えて。
作詞はクリス・モスデルさんで、歌詞が先に来たので作るのに苦労したという。「この頃はまだ耳英語なので結構適当です(笑)。恥ずかしい」と達郎さん。

・スピーチ
さて、この度、私のオフィス、スマイルカンパニーと業務提携をしていた松尾潔氏が契約終了となり、そのことについて私の名を挙げたことで、ネットや週刊誌等でいろいろと書かれております。私はツイッター、フェイスブック、インスタといったものを一切やっておりませんので、ネットで発信することができません。そのため私の唯一の発信基地である、このサンデー・ソングブックにて私のお話をみなさんにお聞きをいただこうと思います。少々長くなりますがお付き合いください。
まずもって、私の事務所と松尾氏とはですね、彼から顧問料をいただくかたちでの業務提携でありましたので、雇用関係にあったわけではない。また彼が所属アーティストだったわけでもなく、したがって解雇には当たりません。弁護士同士の合意文書も存在しております。松尾氏との契約終了についてはですね、事務所の社長の判断に委ねるかたちで行われました。松尾氏と私は直接、何も話をしておりませんし、私が社長に対して契約を終了するよう促したわけでもありません。そもそも彼とは、もう長い間会っておりません。年にメールが数通という関係です。今回、松尾氏が、ジャニー喜多川氏の性加害問題に対して憶測に基づく一方的な批判をしたことが契約終了の一因であった、ということは認めますけれど、理由は決してそれだけではありません。他にもいろいろあるんですけれど。今日この場ではそのことについては、触れることを差し控えたいと思います。ネットや週刊誌の最大の関心事はですね、私がジャニーズ事務所への忖度があって、今回の一件もそれに基づいて関与しているのでは、という根拠のない憶測です。今の世の中は、なまじ黙っていると、言ったもの勝ちで、どんどんどんどん嘘の情報が拡散しますので、こちらからも思うところを正直に率直にお話ししておく必要性を感じた次第であります。
今、話題となっている性加害問題については、今回の一連の報道がはじまるまでは、漠然とした噂でしかなくて、私自身は1999年の裁判のことすら聞かされておりませんでした。当時私のビジネスパートナー、ジャニーズの業務を兼務していましたけれど、マネージャーでもある彼が一タレントである私に、そのような内情を伝えることはありませんでした。性加害が本当にあったとすれば、それはもちろん許しがたいことであり、被害者の方々の苦しみを思えば、第三者委員会等での事実関係の調査というのは必須であると考えます。しかし、私自身がそれについて知っていることが何もない以上、コメントの出しようがありません。自分はあくまで一作曲家、楽曲の提供者であります。ジャニーズ事務所は他にも、ダンス、演劇、映画、テレビなど業務、人材も多岐にわたっておりまして、音楽業界の(笑)、片隅にいる私にジャニーズ事務所の内部事情など、まったく預かり知らぬことですし、まして性加害の事実について、私が知る術は全くありません。
私は中学生だった1960年代に、初代ジャニーズの楽曲と出会って、ジャニー喜多川さんという存在を知りました。何年か後に、初代ジャニーズの海外レコーディング作品を聴いて、私はとても感動して、このサンデー・ソングブックでも特集したことがあります。1970年代の末に、私の音楽を偶然に聴いたジャニーさんに褒めていただいて、そのご縁で数年後に私のビジネス・パートナーが近藤真彦さんのディレクターとなったことから「ハイティーン・ブギ」という作品が生まれました。その後も、ジャニーズに楽曲を提供する中で、多くの優れた才能と出会い、私自身も作品の幅を大きく広げることができ、成長させていただきました。たくさんのジャニーズのライヴに接することができたおかげで、KinKi Kidsとの出会いがあって、そこから「硝子の少年」という作品を書くことができて、昨年の「AMAZING LOVE」まで彼らとの絆はずっと続いております。
芸能というのは人間が作るものである以上、人間同士のコミュニケーションが必須です。いや、まぁ、どんな業界、会社、組織でも、それは変わらないでしょう。人間同士の密な関係が構築できなければ、よい作品など生まれません。そうした数々の才能あるタレントさんを輩出したジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません。私の人生にとって一番大切なことはご縁とご恩です。ジャニーさんの育てた、数多くのタレントさんたちが、戦後の日本で、どれだけの人の心を温め、幸せにし、夢を与えてきたか。私にとっては、素晴らしいタレントさんたちや、ミュージシャンたちとのご縁をいただいて、時代を超えて、長く歌い継いでもらえる作品を作れたこと、そのような機会を与えていただいたことに、心から恩義を感じています。
私が、一個人、一ミュージシャンとして、ジャニーさんへのご恩を忘れないことや、ジャニーさんのプロデュサーとしての才能を認めることと、社会的、倫理的な意味での性加害を容認することとは、全くの別問題だと考えております。作品に罪はありませんし、タレントさんたちも同様です。繰り返しますが、私は性加害を擁護しているのではありません。アイドルたちの芸事に対するひたむきな努力を間近で見てきた者として、彼らに敬意を持って接したいというだけなのです。
ですから、正直残念なのは、例えば素晴らしいグループだったSMAPのみなさんが解散することになったり、最近ではキンプリが分裂してしまったり、「あんなに才能を感じるユニットがどうして?」と疑問に思います。私には何もわかりませんけれど、とっても残念です。願わくばみんなが仲よく連帯して、素晴らしい活動を続けて行ってほしいと思うのは私だけではないはずです。KinKi (Kids)、嵐、他のグループもみんな、末永く活動していってほしいと思うばかりです。先日、男闘呼組の再結成といううれしいニュースがありましたが、同じようにいつか近い将来、SMAPや嵐、キンプリの再集合も実現するような日が来ることを竹内まりや共々に願っております。
性加害に対する様々な告発や、報道というのが飛び交う今でも、そうした彼らの音楽活動に対する私のこうした気持ちに変わりはありません。私の48年のミュージシャン生活の中でたくさんの方々からいただいた、ご恩に報いることができるように、私は、あくまでミュージシャンという立場からタレントさんたちを応援していこうと思っております。彼らの才能を引き出し、よい楽曲を共に作ることこそが、私の本分だと思ってやってまいりました。このような私の姿勢をですね、忖度、あるいは長いものに巻かれていると、そのように解釈されるのであれば、それでもかまいません。きっとそういう方々には、私の音楽は不要でしょう。以上が、今回のことに対する、私からのご報告です。長々失礼しました。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

・潮騒
1978年のアルバム『GO AHEAD!』から「潮騒」。

・PAPER DOLL
1978年のアルバム『GO AHEAD!』から「PAPER DOLL」。アルバム用の曲ではなくて、その前の、春先にレコード会社から「シングルを出せ」と言われて書いた曲だが、レコード会社からボツられたとか。それがアルバムに入ったけれど、今では人気曲になっている。

・SYNC OF SUMMER
7月26日に通算53枚目のシングル「SYNC OF SUMMER」が発売される。キリンの「午後の紅茶」のCMソング。今回はひとりで全部やってるそうだ。フルサイズは本邦初オンエア。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
詳しくは山下達郎RCA/AIRイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・今後の予定
「来週は『棚つか』のつもりですが、ティナ・ターナーと坂本くんをやりたいんですが(笑)。もうちょっと先。未定。よろしくお願いします」と達郎さん。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

2023年07月16日は、「極私的・坂本龍一追悼特集 PART 1」
http://www.tatsuro.co.jp
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