Sunday Songbook #1593

2023年04月23日 | Sunday Song Book

2023年04月23日プレイリスト「『変わった声のシンガー』で棚からひとつかみ」
1. HEY! REPORTER / 山下達郎 "フォー・ユー" 05月03日アナログLP・カセット再発
2. THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN' / BOB DYLAN "THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN'" '64
3. IT'S A HEARTACHE / BONNIE TYLER '78
4. NOTHING TO HIDE / CHRIS MONTEZ '69
5. SPRING SONG / LINDA LEWIS "LARK" '72
6. STAND BACK / STEVIE NICKS '83
7. 電話線 / 矢野顕子 "ジャパニーズ・ガール" '76
8. こまっちゃうナ / 山本リンダ '66
9. 五番街 / 布谷文夫 "悲しき夏バテ" '73
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■内容の一部を抜粋
・近況
新しい曲のデモ作りが終わって、今度は本チャンのレコーディング。まだアレンジの段階と歌詞でウンウン言ってるという。

・『変わった声のシンガー』で棚からひとつかみ
レコーディングに入ったので、先週に引き続いて「『変わった声のシンガー』で棚からひとつかみ」。二週目になるとレパートリーが少なくなり、ベタなものが混じるとか。

・HEY! REPORTER
達郎さんは声を加工して変な声で歌ってる作品が何曲かある。来月5月3日に40年ぶりにLPが再発される『FOR YOU』から「HEY! REPORTER」。ファンク・チューンなので声をいじって作ったそうだ。

・THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN'
達郎さんが中学生になった頃、いちばん印象的な声だったのがボブ・ディラン。ミネソタのボビー・ヴィーになりたかった青年がニューヨークに出てきて、折りしも公民権運動の真っ只中。そんな中、フォーク・ミュージックでデビューし一世を風靡した。アメリカでもメジャーなフィールドではなく、もうちょっとサブ・カルチャーのフォーク・ムーブメントとか、アフリカン・アメリカンのブルース、そうしたアメリカのルーツ・ミュージックに繋がる人たちの歌唱法は、慣れ親しんでいるいわゆる洋楽とは違うテイストだった。1964年のサード・アルバム『THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN'』のタイトル・ソングで「THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN'」。東京オリンピックの年で達郎さんは小六。実際に聴いたのはもう少し後だったが、「なんだろうな、この歌い方は」と、その当時はみんなそう思ったが、今聴くと普通な感じだけれど、あの頃は本当にすごかった。歌の内容もすごかったが、メロディーはとてもキャッチーで、ひじょうに印象に残ったという。ディランの曲、何を選曲しようかと思ったが、今のご時世で「時代は変わる」。若者が年寄りに「もう時代は変わるんだ」そうやって言ってる歌だけれど、年長者になった今はいろいろと考えさせられる歌になった、と達郎さん。

・IT'S A HEARTACHE
ボニー・タイラーはイギリス、ウェールズ出身。今回初めて達郎さんはイギリス人だと知ったという。初めは普通の声だったが、ポリープの手術をして、お医者さんの言うことを聞かず、治り切らないうちに歌ったので、こういう声になったが、それが逆に功を奏してヒット曲がたくさん生まれた。日本でいちばん知られている1978年の一作「IT'S A HEARTACHE」。全英、全米3位。

・NOTHING TO HIDE
先週かけ損なったのがクリス・モンテス。もともとリッチー・ヴァレンスのようなロックンロール系のシンガーとしてデビュー。A&Mに移籍してから中性的な歌い方になってヒット曲がたくさんある。1969年のアルバムのアルバム『WATCH WHAT HAPPENS』に入ってる「NOTHING TO HIDE」。日本とヨーロッパではヒットしたがアメリカではチャートに入ってない、よくあるパターン。邦題は「愛の聖書」。

・SPRING SONG
リンダ・ルイスは90年代まで日本でほとんど知られることのなかったイギリス・ジャマイカ系の黒人女性シンガー。とってもかわいい声をしている。1972年のセカンド・アルバム『LARK』は彼女の最高傑作。発売当初はほとんど話題にならなかったが、だんだんカルト的な人気が出てきて、90年代にようやくCD化されて一般に知られるようになった。達郎さんは運良くUK系の音楽に強い知り合いがいたので、70年代の終わり頃に、すごく高かったがアルバムを買った覚えがあるとか。アルバム『LARK』から「SPRING SONG」。

・STAND BACK
70年代、80年代で達郎さんがいちばん変な声だなと思った人はスティーヴィー・ニックス。フリート・ウッドマックのメンバーだが、スティーヴィー・ニックスはアメリカ人だったことを後で達郎さんは知ったという。1983年、全米5位、でもイギリスではチャートに入ってない「STAND BACK」。

・今後の予定
このところリクエスト・カードが鬼のように来てるので来週は「リクエスト特集」。

・TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection
RCA時代のカタログ8作品をアナログ盤とカセットで再発することになった。76年から82年までの作品を『FOR YOU』から遡るかたちで順次発売。第一弾は5月3日。
5月3日に『FOR YOU』。
6月7日に『RIDE ON TIME』。
7月5日に『MOONGLOW』と『GO AHEAD!』。
8月2日に『SPACY』と『CIRCUS TOWN』。
9月6日に『IT'S A POPPIN' TIME』と『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』。
5ヶ月連続リリース。
詳しくは山下達郎RCA/Airイヤーズ・ヴァイナル・コレクションの特設サイトにて。
https://www.tatsurorcaairyears.com

・電話線
日本で変わった声、変わった歌い方というと何と言っても矢野顕子さん。1976年の名盤『JAPANESE GIRL』から「電話線」。

・こまっちゃうナ
邦楽で「声」という意味でいちばんインパクトがあったのは山本リンダさん。1966年のデビュー曲「こまっちゃうナ」。
曲をかけ終えて。
「変わった声というよりは舌足らずなんですね、発音が。そういう系譜があって木村カエラさんに連なる感じですが。超絶的と言いましょうか。これまだ大人しんですよ。この後トンボのメガネとか、もう大丈夫かっていうのがたくさんありますが」と達郎さん。

・五番街
今日の最後は身内の方。やはり超絶的な歌声で知られる布谷文夫さん。1973年のアルバム『悲しき夏バテ』から「五番街」。

■リクエスト・お便りの宛て先:
ハガキ
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
メール
https://www.tfm.co.jp/ssb/

2023年04月30日は、「リクエスト特集」
http://www.tatsuro.co.jp
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