<01月03日プレイリスト>
[新春放談(ゲスト:大瀧詠一)]
CALIFORNIA DREAMIN'/THE MAMAS & THE PAPAS '66
BLUE MOON OF KENTUCKY/ELVIS PRESLEY '54
SUN ARISE/ROLF HARRIS '62
青空のように/大瀧詠一 '77
恋するふたり/大瀧詠一 '03
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■内容の一部を抜粋
・900回
「Saturday Song Book」時代から通算して本日で900回目となった。
「2010年いちばん最初が900回でございましてですね。これもひとえにリスナーのみなさまのご愛顧の賜物と厚く厚く御礼を申し上げます。2010年もはりきって950回、そして1000回を目指してがんばって参りたいと思っております。なにとぞよろしくお願い申し上げます」とタツローさん。
・新春放談
毎年恒例となった、「Sunday Song Book」がはじまったときから、お正月はずっーと続いているプログラム「新春放談」。大瀧詠一さんをゲストに迎えて、今週来週2週間の特別番組。1984年からはじまった新春放談も今年で26年目。
・CALIFORNIA DREAMIN'
ダンヒル・レコードのコレクションがないとタツローさん。ママス&パパスの1枚目のファースト・プレスはジャケットにトイレの便器が写っていた。当時イメージが悪いとその便器の部分を隠したジャケットに変更されて現在も販売されている。タツローさんはそのファースト・プレスを3年近く探しているが見つからないという。
・BLUE MOON OF KENTUCKY
タツローさんはアルバム世代だが、大瀧さんはシングルで覚えている世代だと話す。大瀧さんの頃はシングルが330円、アルバムだと1500円だったそうだ。エルヴィスは大瀧さんが中学2年から3年にかけて、1962年から1963年にかけて、みんなでシングルを集めて全部聴いたのだとか。
タツローさんは今になってサン・レコード時代のよさがわかるようになったと話す。大瀧さんはサンとかRCAとか、区別して聴いてはおらず、アルバムの中の曲として聴いていたのだそうだ。アルバムに一緒に入ってたのだという。サン時代のエルヴィスにはドラムが入ってなくて、「D.J.フォンタナ(ドラマー)が入ったことは革命的なことだった」と大瀧さん。ナッシュビルのスタジオにD.J.フォンタナが来てマイクのレベルが振り切ったことが当時のスタジオの最大の悩みだったという。ロイ・オービソンやエヴァリー・ブラザーズ以前の話で、カントリーがだんだんロックになってゆく時代。すべてはエルヴィスが持ち込んだのだそうだ。「BLUE MOON OF KENTUCKY」がロックの誕生だと言えると大瀧さん。
・SUN ARISE
大瀧さんは先日はじめて金子マリさんと会ったのだそうだ。打ち上げの席で「悲しき」と邦題が付いた曲の話題になり、パット・ブーンのヴァージョンで有名な「悲しきカンガルー」について話していたら、オリジナルのロルフ・ハリスに話がおよび、B面だった「SUN ARISE」を同時に歌い出したという(笑)。
・リマスタリング・エンジニア
最近、大瀧さんは1975年当時のFUSSA STUDIOを再現しようと思ってリマスタリング・スタジオの調整をはじめているという。「これからようやくリマスタリング・エンジニアの一歩を、これから踏み出そうというふうに。今までずいぶん出してんだけど、申し訳ないんだけれど、今まで出してんの全部習作でございまして(笑)。すべからくナイアガラ・レーベルのものはデモ・テープだと言われた時代があるけれど...」と大瀧さん。
・ナイアガラ・レコード30周年アーカイヴ・シリーズ
今年は大瀧詠一作品集をリリースする予定だとか。人に書いた曲のコンピレーションが19年目だから端折ってということ。ソニーのほうからも大瀧さんが集めた曲以外の曲を集めてコンピレーションを作る予定だそうだ。
・ハードの変遷
最初のCD、DH1盤はアナログの基準信号を-20dbで録ったという。CD選書盤は-16db、2001年のリマスターは-12dbで録っているそうだ。はっぴいえんどのときは『ゆでめん』が4チャンネル、『風街ろまん』が8チャンネル、『HAPPY END』が16チャンネルでレコーディングしたとか。どういうわけかハードの変遷とぶつかると大瀧さん。DSDとかBlu-Rayとか全然興味がないそうだ。
・青空のように
2015年のナイアガラ・レコード40周年はもうリマスタリングをやらないそうだ。『NIAGARA MOON』は再びリマスタリングを行い、「これぞ原音でござい」とするものの、アーカイヴとして全ナイアガラ・レコードのカタログをオリジナル通りの曲順で収録した『NIAGARA BOX』を作り、その中に入れる計画だという。「あとはその原音をどうにか配信でも何でもいいから、してちょうだいということです。それで終わろうと思ってます。30周年記念事業で音楽は終わりです、私。『EACH TIME』30周年の2014年でとりあえず、今までのものは終わる予定でございます」と大瀧さん。『NIAGARA BOX』はできるだけ廉価にするためボーナス・トラックは入れない方針。『BLACK BOX』も『NIAGARA BOX』に収められる。『NIAGARA CALENDAR』のようにリミックス・ヴァージョンがあるものは2枚になるそうだ。要するに公式に発表されたヴァージョンのまま収められるということらしい。「青空のように」のようなシングル・ミックスがある場合はシングル・コレクションを考え中だとか。
・ナイアガラ音頭
三十代のリスナーは『NIAGARA CALENDAR』と『ロンバケ』を並列で聴いていると大瀧さん。『NIAGARA CALENDAR』とかは発売当時、酷評されたものだがと。タツローさんは「それは時の試練に耐えたということではないですか?」と話した。大瀧さんは「ナイアガラ音頭」の違和感が30年経ってどうなったのかについて興味があるそうだ。「それを商業的にすればパフュームになるんじゃないですか?」とタツローさん。
・恋するふたり
シングル・オンリーの曲は'90年代に1枚、'00年代に1枚。「幸せな結末」はカップリングの曲も書いたので実質2曲だが、「恋するふたり」はカップリングがインストなので1曲。2曲、1曲だから2010年代は0ということを暗示していると大瀧さん(笑)。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
2010年01月3日・10日は、年頭恒例「新春放談(ゲスト:大瀧詠一)」
http://www.smile-co.co.jp/tats/