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"SHO-CO-SHALL BE RELEASED ~いろいろあったよ20年~"

2008年07月04日 | Live

6月8日、鈴木祥子"SHO-CO-SONGS VOL.1~1988~1990"発売記念ツアー"SHO-CO-SHALL BE RELEASED ~いろいろあったよ20年~"梅田シャングリラ公演を聴きに行きました。ネタばれになるのでツアーが終わるまで公開をひかえてました。今週末には横浜サムズ・アップでアフター・パーティーがあるのですが、ツアーはひとまず終了しているので「"SHO-CO-SHALL BE RELEASED ~いろいろあったよ20年~"」について書いてみようと思います。とはいえ、もう1ヶ月近くが過ぎて記憶も薄れてきているのですが。。

6月8日(日) 曇り。

テレビで阪神の勝利を見届けた後、梅田へ。
鈴木祥子"SHO-CO-SONGS VOL.1~1988~1990"発売記念ツアー"SHO-CO-SHALL BE RELEASED ~いろいろあったよ20年~"の初日を聴きに行った。前回ライヴを見たのが2006年12月なので1年半ぶりとなる。

開演前の客入れのBGMはローラ・ニーロ。
ステージはかみてにボニー・レイット・モデル。
http://www.psychederhythm.com/1-7_suzukis96st.htm

しもてにピアノ。鈴木祥子は真っ赤なドレスに編みタイツ、ブーツという姿。ドレスの色は大阪仕様だとか(笑)。

『SHO-CO-SONGS collection 1』は1988年から1990年までに発表したアルバム4作品を完全収録したパッケージ。鈴木祥子デビュー20周年を記念して制作された。長らく廃盤となっていたエピック・レコード時代のアルバムに、最新のデジタル・リマスタリングを施し、当時制作したPVや未発表ライヴ映像を収録したボーナスDVDが付いて3枚組仕様となっている。来年の3月まで3回シリーズでリリースされるその第一弾である。今回のライヴはこの時代の作品を中心に、公式サイトのリクエストボード「WE GET REQUESTS」に寄せられたリクエストを反映したセットリストだった。

僕が鈴木祥子を知ったのは『Long Long Way Home』の頃で、僕としては思い入れのあるアルバムだが、鈴木祥子自身としては試行錯誤していた時期の作品でよい思い出がないのだという。そんなわけでこれまでのライヴではあまり『Long Long Way Home』からは歌ってくれなかったが、今回はなんと3曲も演奏してくれた。本当にうれしかった。

アルバム『風の扉』に収められた「Swallow」は僕のオール・タイム・フェイバリット。今回はグッと胸に迫ってきました。なんといっても声がいい。今回は初期の作品が中心ということで「Swallow」からはじまるストーリー仕立てにしたらいいんじゃないかと妄想してしまった。

なごやかな、とても雰囲気のいい中で行われたライヴだった。鈴木祥子のピアノ弾き語りが中心であったが、観客の反応が良く、ステージの上と下でつくられたライヴだと思った。「東京じゃ考えられない盛り上がり」と自嘲気味に話してましたがリップ・サービスでしょう。最後はスタンディング・オべイションが起こり、本人も感激した様子でした。

■鈴木祥子"SHO-CO-SONGS VOL.1~1988~1990"発売記念ツアー
"SHO-CO-SHALL BE RELEASED ~いろいろあったよ20年~"
2008年6月8日(日) Shangri-La
整理番号Shangri-La39番
鈴木祥子(Vocal/Piano, Guitar)
http://syokosuzuki.sakura.ne.jp/index.html

Setlist
01 危ない橋[風の扉]
02 もういちど[あたらしい愛の詩]
03 あじさい[SNAPSHOTS]
04 Swallow[水の冠]
05 ささやかな奇跡[風の扉]
06 愛はいつも[風の扉]
07 月とSNAPSHOTS[SNAPSHOTS]
08 Sickness[Love, painfil love]
09 風の扉[風の扉]
10 最後のファーストキッス[水の冠]
11 わたしの望み(Ambition)[Love, painfil love]
12 あの空に帰ろう[Long Long Way Home]
13 完全な愛[私小説]
14 Father Figure[absolutely ALONE IN 京都拾得 2007.12/30,31]
15 5years, / AND THEN...[absolutely ALONE IN 京都拾得 2007.12/30,31]
16 Get Back[水の冠]
17 光の駅[Long Long Way Home]
Encore
18 モノクロームの夏[SHO-CO-JORNEY]
19 メロディ[Long Long Way Home]
20 プリヴェ[私小説]
21 Circle Game[風の扉]
22 忘却[鈴木祥子]
23 サンデー・バザール[水の冠]

●「Swallow」
鈴木祥子の1990年のライヴ映像です。DVDに入れてほしかったですね。佐橋くんがチラっと映ってますね。このときのバンドでライヴが見たかった。



おおはた雄一 アコースティック・ライヴ & サイン会

2008年07月02日 | Live

6月29日(日) 雨のち曇り。
おおはた雄一のカヴァー・アルバム『Small Town Talk ~"アコースティック・ライフ"カバーズ~』の発売を記念して行われたタワーレコード梅田NU茶屋町店のインストア・イベントを聴きに行った。

インストア・イベントはアコースティック・ライヴ & サイン会と銘打たれボブ・ディランのカヴァー「Don't Think Twice It's All Right」ではじまった。おおはた雄一は独自の日本語詞を交えて「Don't Think Twice It's All Right」をカヴァーしている。ギブソンの古いギターを抱えて歌うその姿にディランの若かりし頃の姿が重なった。

おおはた雄一の「Don't Think Twice It's All Right」の最後はこんなふうだ。

"鶏が鳴き出すころに/目覚めた君はなんて思うだろう/とにかく新しい朝だよ/だからさ/くよくよはしないでよ"

思わず拳をくっと握りしめた。しびれた。リハーサルでは「Browin' In The Wind」を1コーラス歌っていたが、通常のライヴでは定番曲として毎回歌っているとか。いつか聴きに行きたいと思った。

「Don't Think Twice It's All Right」ですっかりおおはた雄一に心を奪われた。実を言うと僕は今回のカヴァー・アルバム『Small Town Talk ~"アコースティック・ライフ"カバーズ~』を、萩原健太選曲のコンピレーション・アルバム『Acoustic Life』の姉妹編ということと、カヴァーの選曲が好みだったという理由だけでたまたま購入したに過ぎず、おおはた雄一のことはほとんど何も知らなかった。こんなに素晴らしいパフォーマンスをするとは知る由もなかったのだ。

さて、そんなふうに僕を魅了したおおはた雄一が次に歌ったのが高田渡の「コーヒーブルース」だった。今この曲を歌うのって僕はほかに山下達郎くらいしか知らない(この日の『サンデー・ソングブック』山下達郎アコースティック・ミニライヴ特集Part.3でも「NG集」としてオンエアされていた)。おおはた雄一はメドレー形式で「仕事さがし」を続けて歌ったが、こんな感じで高田渡の曲なら5、6曲続けてやれると話していた。

かまやつひろしの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」をカヴァーすることにしたのは、かまやつひろしがアメリカを横断して、ロックンロールの聖地を巡るというテレビの旅番組を見たのがきっかけだったのだとおおはた雄一は話した。西海岸からニューヨークまで、かまやつひろしはほとんど飛行機を使って移動していたのだという。"何事も無理をしないのがムッシュ流"だとか(笑)。

そんなムッシュは一体どんな音楽をやってるのかと興味を抱いて聴いてみたら、へなへなとしたヴォーカルでタワー・オブ・パワーと共演していて、「この人は面白いな」と思い、カヴァーすることにしたのだという。レア・グルーヴの名曲だが、それをおおはた雄一はギター1本で表現していて、凄まじい勢いで言葉を連ねていたので、自然と身体が揺れた。

井上陽水の「海へ来なさい」は一転してしっとりとした演奏。iTunes Storeではアルバム『Small Town Talk ~"アコースティック・ライフ"カバーズ~』の限定トラックとして細野晴臣の「ろっかばいまいべいびい」が収録されている。今回のカヴァー・アルバムのためにいろいろな曲を歌ったのだとか。どうしてもうまくいかなかったのはTULIPの「青春の影」なんだそうだ。 今回のアコースティック・ライヴではアルバムのアウトテイクとなった「My Blue Heaven(私の青空)」を特別に披露してくれた。間奏でおおはた雄一は口笛を吹いた。

最後はボトルネックを装着して「Goodnight Irene」を日本語詞でカヴァー。歌の内容にあわせて舞台の照明を落とし、暗くなった空間にスライド・ギターの音色を響かせた。実に気持ちのいいライヴだった。

終演後のサイン&握手会で「ディランのカヴァーがかっこよかったです」と告げると「ありがとうございます」と言って手を強く握り返された(笑)。おおはた雄一本人も相当なディラン・ファンらしい。



■おおはた雄一 アコースティック・ライヴ & サイン会
2008年6月29日(日)
タワーレコード梅田NU茶屋町店 整理番号23番

おおはた雄一(Vocal, Guitar)
http://www.yuichiohata.com/

Setlist
1 Don't Think Twice It's All Right
2 コーヒーブルース~仕事さがし
3 ゴロワーズを吸ったことがあるかい
4 海へ来なさい
5 My Blue Heaven
6 Goodnight Irene

おおはた雄一はYouTubeでもあまり動画がアップされてないみたいです。前にブログにエントリーした記事の中で彼の演奏シーンを紹介してました。坂本美雨との共演です。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/26879715b4bbbb40a4fe041f11cf10ec

美雨ちゃんのブログにもよく登場します。
http://blog.excite.co.jp/miuskmt/8430421/

この記事の中で右に写っている女性と会場入りしてました。下の写真のようにギター・ケースとキャリー・バッグを持って。

●iTunes Storeでアルバム『Small Town Talk ~"アコースティック・ライフ"カバーズ~』を購入する。

おおはた雄一 - SMALL TOWN TALK~“アコースティック・ライフ"カバーズ

イノトモ×笹倉慎介 In Store Live

2008年06月25日 | Live

■イノトモ×笹倉慎介 In Store Live
2008年6月22日(日) タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
笹倉慎介(Vocal/Guitar)
http://sasakurashinsuke.com/

イノトモ(Vocal/Guitar)
http://inotomo.com/

曇りのち雨。
たまたま訪れたタワレコNU茶屋町で、イノトモのインストア・ライヴが行われることを知り、せっかくなので観覧することにした。イノトモを観るのは1年8ヶ月ぶり。前回は滋賀県大津市の雲住寺で開催された第十三回俵藤太と百足供養会の奉納ライヴ『バンバンバザール・イノトモ』。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/a0ea668c05cfdc55384d9c9fead93f5f

今回は笹倉慎介という'60~'70年代のミュージシャンに憧れ入間市の米軍ハウスに移り住んだ27歳の青年とコラボレーションだった。僕は彼のことを全く知らなかったので、ライヴはあまり期待してなかったのだが、なかなかよかった。

今回のインストア・イベントはCD購入者優先入場だったのだが、開演30分前になっても入場の呼び込みがはじまらなかった。もしかしたらCD購入者に配布されてるイベント参加券がそれほど出てなかったのかもしれない。僕はCDを買わず自由参加で観覧することにして開演を待っていた。すると驚くことに笹倉慎介のリハーサルがはじまった。開演が遅れるのかとも思ったが、そういうことでもないようで、笹倉慎介は何曲か演奏したあと、いきなり入場待ちの一団に、「今のは本番ではやらない曲です」と話しかけた。

イノトモがサウンド・チェックのために出てきてギターやギタレレの音を出したりしている間も、笹倉慎介は何気ない感じで「本番は4曲くらいしかやらないので、所属している草野球チームのテーマ・ソングを歌います」と縦横無尽なノリで歌いだす始末。イノトモもコーラスをつけていたりしていたが、それでイノトモのリハーサルは終了してしまった。

その後はまた笹倉慎介のひとり舞台。とはいってもまだリハーサルなのだが(苦笑)。開演10分前になってようやく入場がはじまると「サヨナラCOLOR」を一節歌ってサービスしたり、「時間前ですけどはじめましょうか」とか「このまま本番になだれ込みましょうか」と気さくに話しかけて場を和ませていた。スタッフに促されて一旦ステージ裏に引っ込んでから、改めてインストア・イベントは開演した。

まず笹倉慎介のステージ。ギター弾き語りでデビュー・アルバム『Rocking Chair Girl』からの曲を披露した。タイトル・ソングの「Rocking Chair Girl」はニール・ヤングの影響が窺えるような曲。そういえば髪型も服装もなんとなくニール・ヤングっぽい。

他の曲を聴くあいだ僕は、どうしたらこの新人が売れるようになるだろうかと考えていた。よけいなお世話なんだが、なんかこのままでは一般受けしないような気がした。昔、渋谷陽一はデビューしたばかりの佐野元春に「佐野くん、君のような音楽はこの国では売れないんだよ。やりたいことはわかるんだけどね」というふうなことを言ったのだそうだ(後に謝罪することになるのだが。ちなみに渋谷陽一に売れないと言われたら売れるというジンクスがあるらしい)。僕も笹倉慎介を見ていて同じようなことを思った。笹倉慎介はいい曲を書くので売れてほしいと思った。

Setlist
1 Rocking Chair Girl
2 花ざかりの通り
3 南風がふくと
4 カントリー・メード

今回のインストア・イベントはコラボレーションではなくて交代でステージを務める形式だった。ふたりは『イノトモ×笹倉慎介 LIVE [赤い傘]ツアー』を行っていて、この夜はダイニング・カフェ marthaでライヴが開催されるらしく、ふたりのコラボレーションはそちらで披露するとのことだった。ただ僕は野暮用があって夜のmartha公演は聴きに行けなかった。
http://www.marthanet.com/

笹倉慎介が「カントリー・メード」を歌いながらバック・ステージに去ってゆくと、しばらくしてイノトモが現れた。今年デビュー10周年を迎えたイノトモは5月に10周年記念のベスト盤をリリースし、6月にオリジナル・フル・アルバム『夜明けの星』を発表した。今回の[赤い傘]ツアーは偶然アルバムの発売日が近かったので一緒にツアーすることになったらしい。

イノトモのステージは椅子に座りながらのギター弾き語りだった。自分にとっていちばんおいしいコロッケは母親が作ったナツメグが隠し味のコロッケで、自分も大切な人にナツメグが隠し味のコロッケを作って食べさせたい、そういう思いで作ったのが「愛のコロッケ」という曲だそうだ。ただ最近はコロッケを作ってないらしい(笑)。

「わたげのお散歩」はNHKの「みんなのうた」のために作った曲で、ちょうど今月再放送されているらしい。「要チェックですよ~」とイノトモ。ふんわりとした包み込むような歌声に、どこからかやって来た小さな子どもがじっと耳を傾けていた。

Setlist
1
2 愛のコロッケ
3 夜明けの星
4 わたげのお散歩
5 虹色

終演後、NU茶屋町を出ると雨が降っていた。いいライヴを見て気分がよかったのか、まぁ、それもいいかなと思った。

共鳴野郎スペシャル LIVE "FIRST FINALE"

2008年04月15日 | Live

4月4日(金) 晴れ。
関西ローカルの深夜番組「共鳴野郎」が開催したスペシャル・ライヴを聴きに行った。
http://www.ytv.co.jp/kyoumei/index.html

「共鳴野郎スペシャル LIVE "FIRST FINALE"」は大阪読売テレビの深夜番組「共鳴野郎」が開催したイベントだ。「共鳴野郎」の出演者Dr.kyOnと佐橋佳幸がDarjeelingというユニットを組み、番組にゲスト出演した4組のミュージシャンと2時間45分に渡るライヴを繰り広げた。番組自体は3月で一旦終了したが、イベントのタイトル "FIRST FINALE"が示すように、「共鳴野郎」の第一期が幕を閉じたに過ぎず、この先も「共鳴野郎」は何らかの形で継続するとされている。このイベントはそれを記念して開催された。

開演前にはDarjeelingが番組内で毎月新曲を書き下ろし披露した「The Road To Darjeeling ~ダージリンへの道~」の演奏シーンが次々とスクリーンに映し出された。そのまま 番組おなじみのナレーションがあり番組テーマ・ソング「spider code」がながれ開演した。タキシードを着て登場したDr.kyOnと佐橋佳幸。まずはDarjeelingが山本拓夫、スパムからなる共鳴野郎バンドと「Two Pigs」と「遥かなる故郷」を演奏した。

Dr.kyOnと佐橋佳幸のユニットがなぜ「Darjeeling」という名前なのかは結局最後まで明らかにされなかったが、彼らが毎月書き下ろした新曲は「Darjeeling」という名前にちなんでお茶に関連したタイトルが付けられていた。すべてインストゥルメンタルなので、タイトルがどういう意味かまでは知ることができなかったけれど。

□バンバンバザール
最初の共鳴者はバンバンバザール。タキシードのDr.kyOnと佐橋佳幸に対抗して真っ白なスーツ姿で登場した。最初は共鳴野郎バンドとのセッションで「シカーダ」。

「あとは若い人たちだけにして...」なんて佐橋佳幸が言って バンバンバザールだけで最新アルバム『One Day,One Month, One Year!』から「ハミーゴ! NO アミーゴ!!」を披露した。アルバムではアナム&マキが歌っていた大阪弁のパートは、明石出身のギターの富永が担当していたが、地元だけあってひじょうにウケていた。

再び共鳴野郎バンドとのセッションでジャズのスタンダード「On The Sunny Side Of The Street」の日本語カヴァー「明るい表通りで」を披露した。この曲は「共鳴野郎」出演時にDarjeelingとセッションした曲だ。オールド・タイミーな演奏がすばらしかった。

□平原綾香
次の共鳴者は平原綾香。赤い衣装で登場した。最初はバンバンバザールと一緒にジャズのスタンダード「COME ON A MY HOUSE」をセッション。「ゔぇぇぇー」と独特の厚みを持った声がすごかった。

セットチェンジの間は「共鳴野郎」の名場面集がスクリーンに映し出された。平原綾香は記念すべき番組の最初のゲストだった。

Dr.kyOnと佐橋佳幸は同じ美容室で髪を切っている。PIPPALAは「共鳴野郎」の第一回の共鳴地(ロケ地)となった場所だ。Darjeelingの"聖地"とさえいわれるほど番組には何度も登場した。
http://www.hairmake-pippala.com/

リハーサルで平原綾香出演回の名場面集を見て、佐橋佳幸は彼女と同じ髪型にしてくれとヘア・メイクのPIPPALAの内田雄二さんに言ったとか(笑)。

Darjeelingと平原綾香は彼女の2006年に行われたインストアライヴ以来の共鳴となる。そのときは平原綾香とDr.kyOnが偶然同じ色のヴェルベットの衣装を持って来ていて、それを見た佐橋佳幸が「同じ色のヴェルベットの服を持ってるから」と家まで取りに帰ったことがあったそうだ。「ベッチン・トリオ」になったというエピソード。

その話題のときにDr.kyOnが京大でへヴィー・メタルを専攻していたという話になった(Dr.kyOnは工学部で金属の勉強をしていたのだが、重金属を英語にするとヘヴィー・メタルになるので専攻はへヴィメタになるというネタ)。それで「話のポイントはそこではなく」とDr.kyOnが佐野元春の口真似をした(笑)。けっこうウケていたところをみると、客席には佐野元春ファンが多かったのかもしれない。

平原綾香はサザンのカヴァーで「いとしのエリー」をボサノヴァ・タッチで、NASAがエンデバーのウェイク・アップ・コールとしてながした「星つむぎの歌」(http://www.sannichi.co.jp/space-poem/)を共鳴野郎バンドとセッションした。「Jupiter」はDr.kyOnのピアノと佐橋佳幸のギターだけによるアコースティック・ヴァージョンだった。

平原綾香のしっとりとしたステージの後にセット・チェンジがあった。そのあいだはスクリーンに「共鳴野郎」の名場面集をダイジェストでながした。

実質的な第二部はDarjeelingのオリジナル曲で幕が開いた。Dr.kyOnと佐橋佳幸がピアノで連弾する「2nd Anniversary Floating Party」と、共鳴野郎バンドで陽気な南米音楽の「China Cup Manbo」が披露された。

□岸田繁(くるり)
くるりの岸田繁は番組でセッションしたローザ・ルクセンブルクの「橋の下」のカヴァーを披露した。Dr.kyOnのアコーディオンをフィーチャーした素晴らしい演奏だった。くるりの曲で「宿はなし」はフォーク・ソング・タッチの曲でDr.kyOnのアコーディオンと佐橋佳幸のペタル・スチール・ギターをフィーチャーしていた。岸田繁は素晴らしいソングライターだ。

直流から交流にインバータで変換するときに出るノイズをケータイやラジオが拾うというマニアックな電車話があった後はくるりの最新アルバム『ワルツを踊れ』から「ハム食べたい」が披露された。

□仲井戸"CHABO"麗市
最後の共鳴者仲井戸"CHABO"麗市が紹介されて岸田繁とセッションがあった。Dr.kyOnがチャボに「やったらどうですか」と勧めた曲は古井戸時代にチャボが書いた「何とかなれ」だった。『闘牌伝説アカギ』という麻雀のアニメに使われた曲で、Dr.kyOnは深夜にテレビで偶然見たらしいが、アニメと曲がピタリと合っていたので今回選曲したのだという。「ギャンブルというのは人生のメタファーのようなもの」とDr.kyOn。

岸田繁がステージから去り、続いて披露されたのは「テニス」。Dr.kyOnがレコーディングに参加した曲。ライヴではあまりやらない曲だとか。

新宿で生まれ育ったチャボだが、今夜の出演者の中でバンバンバザールの福島康之も新宿生まれだという。虚しい青春時代だったがチャボのブルースを聴くことによって救われたと福島康之は言った。二人の初共演は十代のイノセンスをテーマにしたチャボの曲で「ティーンエイジャー」。山本拓夫が吹くハーモニカがせつなく響いた。

チャボの最後の曲は「共鳴野郎」でDarjeelingとセッションしたザ・バンドの「Twilight」。チャボが書いた日本語詞には"夕暮れに俺を一人にさせないでくれ / だって夕暮れはいちばん寂しい時間だから"という一節があった。57歳になるというチャボが同年代に向けて書いた歌詞だと思った。

チャボとの共鳴の後は出演者全員をステージに呼び戻し番組テーマ・ソングの「spider code」をセッションした。それぞれがソロを弾いた。平原綾香はサックスを吹いた。

最後は共鳴野郎バンドでDarjeelingのオリジナル「月光浴組曲」。山本拓夫のソプラノ・サックスをフィーチャーしたセレナーデ。スパムのヴィブラフォンはDr.kyOnのピアノに寄り添い美しい調べを奏でた。

Dr.kyOnと佐橋佳幸がステージを去った後、スクリーンにエンドロールがながれた。二人の名前に続いて佐野元春の名前がクレジットされていた。この月一の音楽番組にDr.kyOnと佐橋佳幸を起用したということは、すなわち番組関係者がホーボーキングバンドの存在を知ってたということになるのだと思う。今回は佐野元春の出演が叶わなかったが名前がドンと出て僕はうれしかった。ひょっとしたら佐野元春も見に来ていたのかもしれないなと思った。クロージング・テーマはDarjeeling最後のオリジナル曲「Hello again」だった。

■共鳴野郎スペシャル LIVE "FIRST FINALE"
http://www.ytv.co.jp/kyoumei/firstfinale/index.html

2008年4月4日(金) なんばHatch
1階G列18番

出演:
Dr.kyOn
佐橋佳幸
山本拓夫
Spam Kasugai

バンバンバザール
平原綾香
岸田繁(くるり)
仲井戸"CHABO"麗市

Setlist
01 Two Pigs(リプトン家の孤児)/ダージリン
02 遥かなる故郷/ダージリン
03 シカーダ/バンバンバザール
04 ハミーゴ ! NO アミーゴ !!/バンバンバザール
05 明るい表通りで/バンバンバザール
06 COME ON A MY HOUSE/平原綾香+バンバンバザール
07 いとしのエリー/平原綾香
08 星つむぎの歌/平原綾香
09 Jupiter/平原綾香
10 2nd Anniversary Floating Party/ダージリン
11 China Cup Manbo/ダージリン
12 橋の下/岸田繁(くるり)
13 宿はなし/岸田繁(くるり)
14 ハム食べたい/岸田繁(くるり)
15 何とかなれ/仲井戸"CHABO"麗市+岸田繁(くるり)
16 テニス/仲井戸"CHABO"麗市
17 ティーンエイジャー/仲井戸"CHABO"麗市+福島康之・黒川修(バンバンバザール)
18 Twilight/仲井戸"CHABO"麗市
19 spider code/岸田繁+仲井戸"CHABO"麗市+バンバンバザール+平原綾香
20 月光浴組曲/ダージリン

正月に「共鳴野郎」のサイトで公開されたサイン。



チャボはソロ・ライヴではなかったので楽器車盗難には言及しなかったけれど、楽器はまだ見つかってません。ご協力お願いします。
http://www.up-down.com/020chabo/02510to-chabo/chabosanne.html



FM802からの花は昭和の日の番組に関連したものだったのだろうか。
http://funky802.com/service/Event/p/825/f

忌野清志郎完全復活祭追加公演(京都)

2008年03月08日 | Live

3月2日(日) 曇り。
生まれて初めて京都会館に行った。京都会館第一ホールは1階の最後列が1列目で最前列は33列目となっている。僕の席は31列目だったから前から3列目ということになる。しかも中央やや上手よりとあって開演前から幾分緊張気味だった。

開演時間から15分ほど押してステージに現れたのは「ニュース23」のキャスター筑紫哲也さんだった。現在はがん治療のため療養中だが今回は「がん友」のために友情出演ということだった。「前説」についてや「女性客」、清志郎は"GOD"なのでがんウィルスが逃げてしまったが、自分は人間なので取り付かれたままだ、という話をした。

そういうサプライズ・ゲストの出演があったからなのか、緊張が解けてリラックスした気持ちでライヴに入って行けた。僕の右隣にいた男性ははじめからノリノリで、エア・ギターは弾きまくるし、歌の内容に合わせて振りはつけるしで、そっちを見ていたほうが楽しいのではと思ったくらい興奮状態にいた。

フェスティバルホールでは開演前にスモークが焚かれて霞がかかったみたいになっていた。京都会館ではスモークは焚かれなかった。そういえばスモークを焚くのはフェスティバルホールではよくあるが、他の会場ではあまり経験がない。あれはどういう理由で焚いているのだろうか。

1曲目の「JUMP」ではステージに赤や白や緑といった色とりどりの大きなバルーンが弾みながら出てくる。清志郎やバンドの連中が客席に蹴りだすのだが、オーディエンスはそれを後ろへ後ろへと送る。3列目とステージから近い席だったので何度かバルーンに触った。これが意外に楽しい。最初から笑顔になって楽しんだ。

セットリストは大阪と同じだろうと思っていたのだが、「デイ・ドリーム・ビリーバー」の前にあったメンバー紹介がなくなり、アンコール・ナンバーだった「よォーこそ」が中盤に移動していた。ここでチャボが登場してRCのレパートリーのコーナーに。

そのチャボは「チャンスは今夜」でリード・ヴォーカルを披露するのだが、エンディングの"Check! Check! Check The Night!"のリフレインの中、小さな女の子からおばあさんまで5,6人の女性の集団が乱入した。黄色いTシャツにジーンズ、首から赤いレイ を下げた大竹しのぶさんの姿がその中にあった。チャボ、清志郎とスリー・ショットでリフレインに参加。終止笑顔だった。

「私立探偵」と「多摩蘭坂」の代わりに「モーニング・コールをよろしく」と「エンジェル」がRCの曲の中に加わった。「激しい雨」のときにはRC時代のレコード・ジャケットがスクリーンに映し出された。

アンコールで清志郎は客席から登場した。曲は「い・け・な・いルージュマジック」。続けて「トランジスタ・ラジオ」。オーディエンスの熱狂は最高潮に達した。今回の京都ファイナル公演は本当にスペシャルな構成となった。

2回目のアンコールではABC朝日放送の特番の収録が行われた。清志郎の友人間寛平さんが「サハラ・マラソン・230キロ」に挑戦するので激励のメッセージを、とABC朝日放送からの依頼が清志郎にあったそうだ。「サハラ・マラソン・230キロ」は毎年3月下旬から4月上旬の11日間、サハラ砂漠で行われる。主催社側が供給する水以外の衣食住に関する物資を参加者が全て準備し、それを背負って230キロを走破するという過酷なマラソン・レース。清志郎がオーディエンスのみんなと一緒に応援のビデオ・レターを送りたいと希望し、「カンペイちゃん、夢に向かって、アメマ~」というメッセージを収録した。

ラストは「LIKE A DREAM」のギター弾き語りソロだったが、歌の後にバンド・メンバーが現れて清志郎を囲み花束を手渡した。清志郎は「何がうれしいってね、バンドに戻れたのがいちばんうれしいです。ありがとう。みんなのおかげです」と言った。清志郎が「ありがとう」とお礼の言葉を言うなんて思いもしなかったのでグッときた。清志郎の復活をお祝いするつもりで参加した関西の追加公演だったが、僕が見たのは清志郎の慈愛の心だったのかもしれない。それがとてもよかった。

■忌野清志郎完全復活祭追加公演
2008年3月2日(日) 京都会館第一ホール
1階 31列 35番

忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS
plus 仲井戸"CHABO"麗市
忌野清志郎 : Vocal
仲井戸"CHABO"麗市 : Guitar
三宅伸治 : Guitar
中村きたろー : Bass
厚見玲衣 : Keyboards
新井田耕造 : Drums
江川ゲンタ : Drums
梅津和時 : Alto・Soprano Sax
片山広明 : Tenor Sax
渡辺隆雄 : Trumpet

Setlist
01 JUMP
02 ROCK ME BABY
03 NIGHT AND DAY
04 ダンスミュージック☆あいつ
05 デイ・ドリーム・ビリーバー
06 よォーこそ
07 君が僕を知ってる
08 チャンスは今夜
09 モーニング・コールをよろしく
10 エンジェル
11 毎日がブランニューデイ
12 コーヒーサイフォン
13 GOD
14 スローバラード
15 激しい雨
16 ドカドカうるさいR&Rバンド
17 キモちE
18 Baby何もかも
Encore
19 い・け・な・い ルージュマジック
20 トランジスタ・ラジオ
21 雨あがりの夜空に
22 LIKE A DREAM

清志郎が被っていた完全復活祭のキャップを友人がキャッチしたので記念に撮影させてもらいました。


清志郎完全復活祭追加公演(大阪)

2008年03月02日 | Live

2月24日(日) 曇り時々雪。
タワレコ難波店でロウエル・ジョージの娘、イナラ・ジョージのインストア・イベントに参加した後、フェスティバルホールで開催された忌野清志郎完全復活祭を聴きに行った。

客電が落ちてスライドショーがはじまった。闘病中の清志郎の顔を定点撮影した写真が続く。抗がん剤の影響で髪の毛がなくなり、その顔は俳優の故殿山泰司に似ていると思った。やがて髪の毛が伸びて、自転車に乗る写真になり、東京タワーが見える部屋で清志郎が目覚める映像になった。
「二年間よく眠ったぜ!」
清志郎の復活を祝うイベントの幕開けはそんな感じだった。

マントショーがあり、最初は忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNSだけで最近のアルバムの中からの曲を演奏した。目の前で動く清志郎から目が離せない。周りの大盛り上がりをよそにして、僕には実感が全くなかった。これは一体何なのだろう? 不思議な体験だった。

清志郎は2006年の初夏に喉頭癌と診断され長期入院治療することになった。フジロックや日比谷野音のイベントなどすべてのスケジュールがキャンセルになった。秋にすでにレコーディングが終わっていたナッシュビル録音のニュー・アルバム『夢助』がリリースされたが、僕はこのアルバムを頻繁に聴くことはなかった。聴くとよくないことを考えてしまって、どうしようもなく不安になったからだ。

アルバム『夢助』はスティーブン・クロッパーらとレコーディングした作品で、収録曲の「激しい雨」は仲井戸"CHABO"麗市と共作している。この曲の"RCサクセションがきこえる/RCサクセションが流れてる"のラインが僕を打った。正直に言うとそのとき僕はいつかこの曲をライヴで聴く日が来るなんて想像できなかった。

清志郎が抗がん剤治療を止めたのは副作用がひどかったからだという。代替医療の民間療法とサイクリングで体力をつけて、サム・ムーアのブルーノート公演に飛び入り出演したのが2006年の11月。もう一度清志郎がステージに立って歌うなんて、それはもう奇跡としかいいようがなかった。2007年1月31日に清志郎は「札幌市民会館最後の日」というイベントに飛び入り出演した。「トランジスタラジオ」や「スローバラード」や「雨あがりの夜空に」を歌ったという。その次が4月にブルーノートで行われたブルース・ブラザーズ・バンドのライヴに飛び入り出演。僕はその場にいなかったことを悔やんだ。なぜ僕はそこにいなかったのだろう。たぶんそのときに僕は心のどこかで清志郎のライヴを見に行くのだと決心したのだと思う。

そしてついにその日が来たのだった。まるで夢を見てるような気分。目の前で清志郎が歌っているのに、その現実が信じられない。おかしなものだ。「デイ・ドリーム・ビリーバー」のイントロがながれてきたとき、「歌わなくっちゃ」と思った。この曲が僕を夢から覚まさせてくれた。

「いい事ばかりはありゃしない」でチャボが出てきてRCのレパートリーも披露してくれた。清志郎からは灰汁の強さみたいなものが消えてしまったような印象を持ったが、それはこちら側の勝手な思い込みかもしれない。でも清志郎が人生の転換点を迎えたことは事実で、それ故に変わってしまっても誰も何も文句は言えないだろう。

個人的には「スローバラード」がよかった。圧倒的なパフォーマンスだったことは間違いない。NHKの音楽番組『SONGS』で全国的に復活をアピールした清志郎だったが、あの番組で「スローバラード」を歌ったとき、アウトロでの清志郎の表情が真剣で迫ってくるものがあった。それをライヴで体験して、もう僕はそれで十分だと思った。

「Baby何もかも」の曲の導入部だった。厚見玲衣の弾くハモンド・オルガンの調べに乗って、清志郎は自らがんの話をした。今や二人に一人はがんで亡くなること、がん患者の80パーセントは治療で死ぬと実(まこと)しやかにいわれてることなど。「いろいろ実しやかに言われてるけれど、大事なのは夢を信じることだと思うんだ」と清志郎。まるで教会で牧師が説教するように話してこう言った。
「みんなに訊きたいことがあるんだ。愛し合ってるかい? 」
「愛し合ってるか~い? 」
「ア・イ・シ・アッ・テ・ル・カ~イ?」
あの有名なフレーズがこういう状況でオーディエンスに投げかけられたとき、僕はすべてが腑に落ちた気がした。「愛と平和」、そして「夢を信じること」。今まで清志郎の発言として何度となく聞いてきた言葉だが、こんなふうにして問いかけるのかと初めて知った。これはゴスペルの世界だ。なんて凄いんだろうと思った。当然、僕たちは「Yeah!」と応える。その応酬の中で「Baby何もかも」ははじまり、最大の盛り上がりを見せて本編は終わった。

アンコールでは日本のロックのアンセム「雨あがりの夜空」でまた盛り上がり、最後は清志郎のギター弾き語りの「LIKE A DREAM」で幕を閉じた。

■忌野清志郎完全復活祭追加公演
2008年2月24日(日) 大阪フェスティバルホール
1階 Right M列 22番

忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS
plus 仲井戸"CHABO"麗市
忌野清志郎 : Vocal
仲井戸"CHABO"麗市 : Guitar
三宅伸治 : Guitar
中村きたろー : Bass
厚見玲衣 : Keyboards
新井田耕造 : Drums
江川ゲンタ : Drums
梅津和時 : Alto・Soprano Sax
片山広明 : Tenor Sax
渡辺隆雄 : Trumpet

Set List
01 JUMP
02 ROCK ME BABY
03 NIGHT AND DAY
04 ダンスミュージック☆あいつ
05 デイ・ドリーム・ビリーバー
06 いい事ばかりはありゃしない
07 君が僕を知ってる
08 チャンスは今夜
09 私立探偵
10 多摩蘭坂
11 毎日がブランニューデイ
12 コーヒーサイフォン
13 GOD
14 スローバラード
15 激しい雨
16 ドカドカうるさいR&Rバンド
17 キモちE
18 Baby何もかも
Encore
19 よォーこそ
20 雨あがりの夜空に
21 LIKE A DREAM

・画像
左は清志郎とチャボの対談が掲載されているパンフレット。右は開場時に配布された快気祝い。
快気祝いは手ぬぐいでした。


Inara George インストア・イベント

2008年02月28日 | Live

2月24日(日) 曇り時々雪。

土曜日、FM802で放送されたシャーリー富岡の番組にイナラ・ジョージが生出演していた。イナラ・ジョージはThe Bird & The Beeのヴォーカリストでリトル・フィートの故ロウエル・ジョージの娘。番組で聴いたスタジオ・ライヴがよかった。ノラ・ジョーンズに通じるヴォーカルだと思った。日曜日にタワレコ難波店でインストア・イベントがあると聞いたので見に行った。

インストア・ライヴはギタリストのマイケル・アンドリュースと二人で「Genius」、「No Poem」、「A Day」など7曲を披露した。リッキー・リー・ジョーンズっぽい感じがした。そういう意味ではリッキー・リー・ジョーンズやジョニ・ミッチェルというのは、女性シンガー・ソングライターに多大な影響を与えていて、その存在自体が偉大なのだと思った。

ライヴが終わった後、2月20日発売のソロ・アルバム『All Rise』にサインを入れてもらった。

その後、地下2階のMeal MUJIで蓮のキッシュと中国茶のプレート・セットを食べた。


バート・バカラック来日公演

2008年02月26日 | Live

2月22日(金) 曇り時々晴れ。
大阪フェスティバルホールでバート・バカラックを観た。

"今世界が求めているものは/それは愛、優しい愛"
"手に入らなくて/みんなが望んでいるただひとつのもの "

"今世界が求めているものは/それは愛、優しい愛"
"一部の人だけじゃなく/すべての人に愛を"

"今世界が求めているものは/それは愛、優しい愛"

バカラックのピアノ演奏とオーケストラ指揮で演奏されたのは彼の代表作「What The World Needs Is Love」(邦題「世界は愛を求めている」)だった。21世紀、この荒んだ世界に向けて放たれたメッセージとして僕は受け取った。

ステージには東京ニューシティ管弦楽団と、8人編成のヴォーカル・インストゥルメンタル・グループがいた。グループは男女混成のヴォーカル3人と、ベース、ドラム、キーボード、ウッドウインズ、トランペットの5人からなるバンドだ。

前半は「Walk On By」、「This Guy's In Love With You」、「I Say A Little Prayer」といった'60年代のヒット・メドレーが演奏された。ここでディオンヌ・ワーウィックやアレサ・フランクリンのヴォーカルが聴けたらもう本当に最高なのにと思ったが、それは贅沢な感想だろう。

3人いるヴォーカリストたちはバカラックの紹介のもとでそれぞれソロを披露した。男性ヴォーカリストが歌ったのはバカラックがエルヴィス・コステロと共作した「God Give Me Strength」だった。コステロのヴォーカルとの違いを感じながら聴いたが間違いなく名曲だと思った。前半のハイライトといってもいいと思う。

バカラックの最初のヒット曲「Magic Moments」とその時代に書かれた曲のメドレーが続いた。その後はバカラックが最近の作品を紹介した。まずは2005年に発表した最新アルバム『At This Time』からの曲を披露した。バカラック自身はキーボードを演奏。このアルバムについてバカラックは、
「ここにあるのは一対一のラブ・ソングではない。荒んだ世界に向けたラブ・ソングなんだ」とプレスに発言している。
このあたりのことは以前ブログに記事として書いた。
http://blog.goo.ne.jp/sitedoi/e/0f1b91c42c23dd0b70f3faf58b2a1b6b

この『At This Time』の曲の後はカーペンターズが取り上げた「(The Long To Be)Close To You」や新曲の「For The Children」も一緒に披露した。前半と比較すると重めな感じがした。そしてオランダの歌手でバカラックの秘蔵っ子といわれるトレインチャがゲスト出演し、ブルーノートから出てる彼女自身が歌うバカラック・カヴァー集『Who'll Speak For Love』の中からも曲を披露した。

今回、最大の目玉だったのが映画音楽メドレー。『オースティン・パワーズ』のことを話題にしながら「The Look Of Love」、クリストファー・クロスの歌唱で有名な「ニューヨーク・シティー・セレナーデ」、「April Fools」や「雨にぬれても」という誰もが聴いたことのある有名曲が続いた。途中でバカラックのピアノ弾き語りで「Me Japanese Boy I Love You」なんかもあった。

画像は『The Look Of Love: The Burt Bacharach Collection』のボックス・セットと、会場で配布されたリーフレット。リーフレットには特設サイトから高橋幸宏や佐野元春らのコメントが掲載されていた。
http://sp.eplus.jp/burt/comment.html

今、思い出したけど、高橋幸宏のバカラック・カヴァーって好きなんですよ。

■An Evening With BURT BACHARACH and The Tokyo Newcity Orchestra
2008年2月22日(金) 大阪フェスティバルホール
1階D列Lサイド8番

出演
Burt Bacharach
東京ニューシティ管弦楽団

Singer:
Donna Taylor
John Pagano
Josie James

David Coy(Bass)
Dennis Wilson(Woodwinds)
Rob Shrock(Keyboards)
David Crigger(Drums)
Tom Ehlen(Trumpet/Flugelhorn)

Guest
Traincha

Set List
01 What The World Needs Now Is Love

Record Medley
02 Don't Make Me Over
03 Walk On By
04 This Guy's In Fallin' Love With You
05 I Say A Little Prayer
06 Train And Boats And Planes
07 Wishin' & Hopin'
08 (They's)Always Something There

Record Medley 2
09 One Less Bell To Answer
10 I'll Never Fall In Love Again
11 Only Love Can Break A Heart
12 Do You Know The Way To San Jose

13 Anyone Who Had A Heart
14 Heart Light
15 God Give Me Strength

Beginnings Medley
16 Magic Moments
17 The Story Of My Life
18 The Blob
19 Tower Of Strength

20 Go Ask Shakespeare
21 In Our Time
22 (The Long To Be)Close To You
23 For The Children(新曲)

24 Falling Out Of Love
25 Who'll Speak For Love

Movie Medley
26 The Look Of Love
27 Arthur's Theme
28 What's New Pussy Cat
29 The World Is A Circle
30 April Fools
31 Rain Drops Keep Fallin' On My Head
32 The Man Who Shot Liverty Valantine
33 Making Love
34 Wives & Lovers
35 Alfie
36 A House Is Not A Home

37 That's What Friends Are For

Encore
38 Any Day Now
39 What The World Needs Now Is Love
40 Rain Drops Keep Fallin' On My Head

Live Act Tulip 2007-2008 ~run~

2008年02月15日 | Live

2月12日(火)、曇り。
急遽、大阪フェスティバルホールで開催された「Live Act Tulip 2007-2008 ~run~」のファイナル公演を聴きに行った。 今回のチケットは友人から譲ってもらった。その夜、久しぶりに会うことになっていたのだが、夕方に連絡があり、
「チケットが余ってるので聴きに来ないか」と誘われたのだ。

会場には日本放送協会の撮影クルーが入っていた。この夜のライヴの模様は4月5日(土)、衛星第二で放送されるとのことだった。僕の周りはほとんど女性だった。場内アナウンスで収録が発表されるとリラックス・ムードの中、歓声が上がった。

Tulipは1972年にデビューした。僕が知ってるのは'80年代初期の頃。'80年代の終わりに一度活動を休止し、1997年に再結成したのだという。そしてバンドはデビュー35周年を迎え、現在バンドは最終章にいるのだという声明を出した。多くの人たちは今回をもってライヴ活動を終えるのだと捉えたようだ。

客電が落ちてスクリーンにショート・フィルムが上映された。タイムマシーンのように時代を遡り1972年に戻って、そこからバンドの歴史が写真のスライド・ショーで展開された。再び現代になったところでフィルムは終わった。温かい拍手の波があり、それは僕の胸を震わせた。

バンドの演奏する曲は知らない曲ばかりだったが、このバンドがビートルズからの影響を強く受けているのだと窺わせる楽曲が何曲かあった。財津和夫のリード・ヴォーカルがこんなにも心地よいなんて僕は今まで知らなかった。安部俊幸のギターもいい。

中盤にアコースティック・セットがあり、会場全体が丸くなった後で、「心の旅」が演奏された。この曲は知っている。彼らの代表曲だ。でも僕はまだ入っていけなかった。その直後、1979年に発表された「虹とスニーカーの頃」が演奏されたとき、心象風景が滲むように現れた。

それはラジオからながれてきた音楽だ。中学生でまだ主体的に音楽を聴くようになる前のことだ。僕のラジオ・デイズは中学生の頃からはじまった。僕はさだまさしの曲を好んで聴く少年だったが、夢中になるほどではなかった。そんな頃に深夜ラジオのリクエスト・アワーなんかでながれていた曲が「虹とスニーカーの頃」だった。何気なく聴いてた曲だった。あれから四半世紀という時間が過ぎた。なつかしい思い出のメロディー。それはとても素敵な一瞬だった。

「僕の言い方が悪かったのかもしれない。Tulipがライヴ・ツアーを行うのは今回が最後になるけれど、またいつか、今は何も決まってないけれど、野外コンサートや集大成となるイベントでみんなの前で演奏できるようにしたい」
そんな言葉が財津和夫からあった。オーディエンスは盛大な歓声と拍手でバンドの存続を喜んだ。

■Live Act Tulip 2007-2008 ~run~
2008年2月12日(火) 大阪フェスティバルホール
2階N列R34番

財津和夫(Vocal, Guitar, Keyboards, harmonica)
安部俊幸(Guitar)
上田雅利(Drums, Vocal)
姫野達也(Vocal, Keyboards, Guitar)
宮城伸一郎(Bass)
http://www.tulip-official.com/pc/top.html

アンジェラ・アキ Concert Tour 2007 - 2008 "TODAY"

2008年01月31日 | Live

1月25日(金) 晴れのち曇りときどき雪。
大阪フェスティバルホールで「アンジェラ・アキ Concert Tour 2007 - 2008 "TODAY"」を観た。フェスティバルホール取り壊し前最後のワンマン・ライヴということで2時間45分を超えるライヴだった。

ステージには2台のグランドピアノがあった。上手側のピアノが弾き語りソロ用で、下手側がバンドと共演するときのピアノ。オープニングに「TODAY」のインストゥルメンタル・ヴァージョンがながれてバンドのメンバーとアンジェラ・アキが登場してコンサートははじまった。

アンジェラ・アキは赤のナンバリングTシャツ(76番)に古着っぽいジーンズ、黒のコンバースのバッシューという出で立ち。「今日はじめてアンジェラ・アキのコンサートを観る人」のために、アンジェラ・アキがおしゃべりだということをまずお知らせ(笑)。でも、今回はじめてライヴを観る人が多かったのには驚いた。僕も昨年の5月に観ただけだから何も偉そうなことは言えないが。

「アンジェラ・アキの勝手に英語でしゃべらナイト」のコーナーはポリスの「Every Breath You Take」。韻を踏んでいる曲だとして歌われたのはPUFFYの「アジアの純真」とB'zの「バッコミ(Bad Communication)」。

前半のハイライトとなったのは「モラルの葬式」。「Kiss Me Good-Bye」をしっとりと歌った後は弾き語りソロのピアノに移動した。下手から上手に移るまで女優の宮沢りえと遭遇した「サンタフェ事件」の話をした。歌った曲は「乙女心」。

オフィシャル・ファンクラブ「My Home」に寄せられたメールを紹介するコーナーは今回は恋愛相談。30歳になったので大人の話がしたいとのことだった。今回取り上げられたのは、妻に浮気されて信じられなくなった男性からの悩み。アンジーは「お互いをリスペクトする気持ちがなければ愛することは難しい」と答えた。歌った曲は「愛のうた」。

「孤独のカケラ」で再びバンドとの演奏となり怒濤のラストへ。アンコールは黒の「TODAY」Tシャツに着替えたアンジー。アンコールの1曲目は懐メロコーナーで、いつもはKANやプリプリの曲をカヴァーしているが、今回ワンマンで最後のフェスティバルホール公演ということで、「記念にしよう」とアンジーのギター演奏が披露された。歌った曲はブルーハーツの「TRAIN-TRAIN」。そして最後は「HOME」。感動のラストだった。

前回の弾き語りソロ公演のとき、アンジェラ・アキはステージのいちばん近くの席にいる人も、2階席の最後列の人も、物理的な距離は離れていても「心の距離」は同じだから、「一期一会」の思いを共有し、アットホームな感じで楽しんでほしいと話した。

今回、どういうわけか前回のフェスティバルホール公演のときと同じ2階のE列だった。開演前にふっと「一期一会」という言葉を思い出し、この自分自身にとっては「長い一月」を 思った。僕という個の前に降りかかった、妹に言わせれば「厄」。それも今日は忘れられたらいいのに、そんなことを思った。

1階席は1曲目からスタンディング。僕にはどことなくよそよそしい空気が前半はあった。あるいは今日は固くなった心をほどくようなライヴにならないのかもしれない。それはそれで仕方がない。いつも陽気ではいられない。成熟することはポリティカルになること。誰かが書いた路上の落書きだ。

アンジェラ・アキとバンドの演奏は想像していたよりもよかった。そう、僕はバンドとの共演ははじめてだった。アルバム『TODAY』からの曲はポップな曲が多い。ピアノ・ロックというにはアンジェラ・アキのキャラが立ち過ぎていた。結局は彼女が自由になればなるほどよくなるのだ。

僕は知っている。あの長い黒髪のウェーブが時間とともにストレートになることを。もともと直毛なのを開演前にセットしてウェーブをかけているのだ。だから彼女の髪が真っすぐになるとき、きっと彼女は完全燃焼する。その姿を僕たちは目撃することになる。なぜなら彼女は自由に踊りたいし、そうせずにはいられないからだ。

「愛のうた」をピアノを弾きながら歌うアンジェラ・アキ。僕は心の中でキャンドルに火を灯した。いつのまにか僕には彼女の歌が届いていた。フェスティバルホールの素晴らしい音の響き。ピアノの音もアンジーの声も僕の胸を打った。

忘れられない夜。フェスティバルホールが無くなった後、感傷があるとすれば、いくつもの思い出が消えてゆくことになるからだろうか。胸に刻む思いはその声とともに残るだろうか。

■アンジェラ・アキ Concert Tour 2007 - 2008 "TODAY"
2008年1月25日(金) 大阪フェスティバルホール
2階E列Lサイド9番

アンジェラ・アキ(Vocal, Piano)
沖山優司(Bass)
西川進(Guitar)
村石雅行(Drums)

Setlist
01 Again
02 MUSIC
03 TODAY
04 Rain
05 Every Breath You Take(Police)
06 モラルの葬式
07 Kiss Me Good-Bye
08 乙女心
09 This Love
10 愛のうた
11 One Melody
12 孤独のカケラ
13 サクラ色
14 On & On
15 たしかに
Encore
16 TRAIN-TRAIN(The Blue Hearts)
17 HOME

坂本美雨インストア・ライヴ&サイン会

2008年01月15日 | Live

■坂本美雨インストア・ライヴ&サイン会
2008年1月13日(日)  
タワーレコード梅田NU茶屋町店6Fイベント・スペース
整理番号26番

晴れ時々曇り。

午後1時半ごろ、タワーレコード梅田NU茶屋町店に着いた。さっそくインストア・イベント参加券が付いたニュー・アルバム『朧の彼方、灯りの気配』を購入。インストア・イベントは午後3時からなので一旦、タワレコを離れたが、結局NU茶屋町の中にいて、2時ごろまたタワレコに戻った。そうすると坂本美雨を交えてのリハーサルがはじまったので見ることにした。

リハーサルの坂本美雨は黒のワンピースに黒のパンプスというシックな出で立ちだった。坂本美雨は目を閉じて、左手でマイクを持ち、右手をメロディーに合わせて動かしながら歌っていた。僕はそんな彼女を見ながら両親のどちらに似ているのかを考えていた。顔は教授かもしれない。でもときどき見せる表情にあっこちゃんの面影を見つける。声は高音の伸びがあっこちゃんと同じに聞こえた。

彼女を見るのははじめてだった。思ったより痩せているし、大人だった。彼女の声を最初に聴いたのは「The Other Side Of Love」(坂本龍一 featuring Sister M)。1997年のことだ。もちろん当時はSister Mが誰だかは明かされてなかった。あれからもう10年。今年で坂本美雨は28歳になるという。僕は「鉄道員(ぽっぽや)」のマキシ・シングルとデビュー・アルバム『DAWN PINK』は持っていたが、久しく聴いてなかった。リハーサルを見ていて思ったのは昔の声の感じと違うというようなことだった。あとは喋り方があっこちゃんに似ている(笑)。

今年の初ライヴが坂本美雨のインストア・ライヴになった。イベント・スペースの前エリアには3人掛けのソファが6脚あって18人が座れるようになっていた。僕の整理番号は26番だったのでソファには座れなかったが、正面真ん中の位置をキープすることができた。実質4列目でスタンディングの1列目。よくステージが見えた。

坂本美雨は腰まであった長い髪をセットして三つ編みをアレンジしたヘアー・スタイルになり、メイクもしっかりとしていた。リハーサルではほとんどノーメイクだった。衣装も黒のノースリーブになり、タイトなジーンズを合わせていた。そしてパンプスはルージュに合わせて赤に。アクセサリーが髪や肩や腕にあった。

今回サポートするメンバーはキーボードが須藤豪、ヴァイオリンとMacが徳澤青弦。キーボードとヴァイオリンだけでも十分なのに、そこにMacがあるからサウンドはファットだった。セットリストはニュー・アルバム『朧の彼方、灯りの気配』から5曲とカヴァーが1曲といった構成だった。まぁ、リハーサルを見ていたからやる曲はわかっていたんだけど(苦笑)。

坂本美雨はマイクを両手で包み込むようにして歌った。今回の『朧の彼方、灯りの気配』は坂本美雨の「声」を全面的にフィーチャーした7曲収録のミニ・アルバムで、冬編と夏編からなる作品集の第一弾だということだ。

霞んだ景色の向こうにぼんやりと見える微かな灯り、
記憶に中の懐かしいにおいや、
好きな人に触れる前にすでに感じている体温、
自分の声がそういう風に響けばいいな、と願っています。

「『朧の彼方、灯りの気配』について~from MIU SAKAMOTO~」より。

1曲目は『朧の彼方、灯りの気配』のオープニング曲「オーパス&メイヴァース」。そしてアルバムの曲順通り「いくつかのこと」へと続いた。『朧の彼方、灯りの気配』はとてもパーソナルな作品になったと坂本美雨は話した。アルバムは昨年の暮に発売したばかりだが、もう次の夏編に向けてアルバムの制作をはじめているらしい。

3曲目クラムボンのミトが作曲した静かな曲「Still Songs」の途中で咳き込んでしまうというハプニングもあったが、あっこちゃん譲りの度胸で乗り切ってしまった(笑)。

「Swan Dive」は監督に初挑戦したというPVをバックにして歌った。この曲は英語詩だった。"I was born waiting for the light" というラインが印象的だった。

2年ほど前からホンダのコマーシャル・ソングとして使われている「The Never Ending Story」も歌ってくれた。最後は『朧の彼方、灯りの気配』のエンディング曲「あかりの気配」だった。

画像は終演後のサイン&握手会でニュー・アルバム『朧の彼方、灯りの気配』に入れてもらったサイン。

「お父さんやお母さんのライヴによく行ってます。今日はじめてライヴを見ました。喋り方がお母さんによく似ていますね」と言ったら、
「あははは。よく言われます」と。
また聴きに行くと約束して握手した。

坂本美雨(Vocal)
須藤豪(Keyboard)
徳澤青弦(Violin)

Set List
1 オーパス&メイヴァース
2 いくつかのこと
3 Still Songs
4 Swan Dive
5 The Never Ending Story
6 あかりの気配

さとがえるコンサート2007

2007年12月18日 | Live

12月14日(金) 晴れのち曇り。

NHK大阪ホールに「さとがえるコンサート2007 矢野顕子 + yanokami ジョイント公演」を聴きに行った。

ステージ左にキーボード、右にレイ・ハラカミの機材。セットはスクリーンだけ。最初にレイ・ハラカミがひとりで出てきてオープニングとなる曲の音を出した。その音はアナログの音のように温かかった。それはイントロダクションで1分ほどで終わると、ステージに矢野顕子が現れた。

矢野顕子がrei harakamiを知ったのはくるりのマキシシングル「ワールズエンド・スーパーノヴァ」を聴いたときだったという。その中に収録されている「ばらの花」のリミックス・ヴァージョンをrei harakamiが作った。それを聴いたあっこちゃんはrei harakamiを見初めてコラボレーションすることになった。最初から共演を希望していたのだがrei harakamiとスケジュールが合わず、それでまず「さとがえるコンサート」のためにトラックを作ってもらうことになった。それが披露されたのは2003年の「さとがえるコンサート」だった。そして翌2004年に大阪のシンフォニー・ホールで初共演。
http://homepage3.nifty.com/sitedoi/yano.htm#soundrenaissance

その後、ふたりでイベントに出演したりしてコラボレーションを本格化させ、今年の夏に「yanokami(矢野顕子 × レイ・ハラカミ)」でアルバム・デビューした。来年の3月12日には英語版の『yanokami』がリリースされる。

実を言うと僕はアルバム『yanokami』、それからiTunesでシングルとアップルストア銀座でのライヴを聴いたのだが、あまりよい感じを持ってなかった。1回か2回聴いて、それで終わりだった。決して嫌いではないのだが.....

ライヴでも途中から足が冷えてきて(僕は冷え性なのだ)、集中できなくなり、なんだか急に息苦しく感じて落ち着かなくなった。なんとか乗り切ろうと我慢していたら緊張してきて、手のひらが汗ばんだ。動悸がはげしくなったりもした。

僕は昨年、こういったエレクトロニカを導入したライヴを2本見ている。坂本龍一と高橋幸宏だ。そのときは普通に聴いて楽しんだのに、なぜ今回はこんなに具合が悪くなるのか。体調は悪くなかったし、ガムを噛んでリラックスしていたはずなのに。もしかしたらyanokamiが僕には合わないのかもしれないと思った。それは少なからずショックであった。

そんな中で「ばらの花」を聴いた。正直に言うと僕は「あっこちゃんのピアノ弾き語りヴァージョンのほうが心の襞に届くのにな」と思った。9曲目の「Sayonara」が終わったときステージの両側から赤い幕が降ろされた。そこで20分間の休憩がアナウンスされた。ほっと胸を撫で下ろした瞬間だった。テンションは落ちて最悪だったが。

今回の矢野顕子 + yanokami ジョイント公演は二部構成となっていて、セット・チェンジのあいだ20分のインターバルがあった。yanokamiのステージが終わったときは顔面蒼白状態だったので、このインターバルのあいだにドリンク・カウンター(NHK大阪ホールのフロアにあります)でグレープフルーツ・ジュースを飲んだりして気分転換をした。

まぁ、それでもテンションはすぐに上がってこなかったわけだが、矢野顕子のソロを見ているうちに回復した。アドリブのピアノ・ソロが長く素晴らしい演奏だった。結論を言えば僕はyanokamiが全く駄目で(それはけっこうショックではあった)、矢野顕子のピアノ弾き語りしか反応できなかったということだ。

ピアノの調べにのって第二部の幕が開いたとき、ステージにはグランドピアノを弾くあっこちゃんの姿があった。「横顔」に続いて披露されたのが「Girlfriends Forever」。2ヶ月半前に同世代の友人竹内まりやさんとニューヨークでカプチーノを飲んだという。

まりやさんはタツローさんとニューヨーク旅行中で、タツローさんはその日レコード店巡りをしていて会えなかったとか(苦笑)。ネタにしたからなのか「Paper Doll」を歌ってくれた。2000年のアルバム『Home Girl Journey』のヴァージョンとは全く違うジャズの即興演奏で素晴らしかった。

ステージはグランドピアノだけのシンプル なセットだったが照明の明暗が織りなすコントラストが美しかった。ELLEGARDENの「Alternative Plans」は英語詩の曲。初めて聴いたがいい曲だと思った。

「クリームシチュー」は久しぶりに聴いたような気がする。冬のコンサートにはぴったりの選曲。"ぼくの傷を見るなよ/ぼくにあやまるなよ"という歌詞。僕はこの言葉傾向の強い歌が好きだ。

「相合傘」には本当にびっくりした。ライヴで初めて聴いたような気がする。今年の夏に清水ミチコさんのライヴで聴いたが(笑)、今のあっこちゃんはあのモノマネより更に進化している。歌うたびに違う曲になるのだというが、それを目の当たりにした。

「Rose Garden」は昨年も本編のラストに歌った曲。ずっと買いそびれていたアルバム『ただいま。』収録曲。まだ持ってない(苦笑)。それで日曜日、タワレコに買いに行ったのだが、置いてなかったのでアマゾンで注文した。

ところで、絵本「せかいでいちばんあたまのいいいぬ -ピートがっこうへいく-」の翻訳を美雨ちゃんとやったことも話題に出たが、突然「うっ...」と言葉に詰まった。どうしたのかと思っていると、
「ごめんなさいね。ゲップ出ちゃった(笑)」とあっこちゃん。
MCでゲップする人を僕ははじめて見た(笑)。

■矢野顕子さとがえるコンサート2007「矢野顕子 + yanokami ジョイント公演」
2007年12月14日(金) NHK大阪ホール
1階C6列023番

矢野顕子(Vocal/Piano/Keyboard)
http://www.akikoyano.com/

rei harakami
http://www.myspace.com/reiharakami

yanokami
http://www.yanokami.com/index.html
http://myspace.com/yanokami

Setlist
Part.1 yanokami
01 yanokamintro
02 Big Love(English Version)
03 To Good To Be True
04 Montouk
05 Night Train Home
06 Full Bloom
07 You Showed Me
08 ばらの花
09 Sayonara(English Version)

Pause(20 minutes)

Part.2 矢野顕子
10 横顔(大貫妙子)
11 Girlfriends Forever
12 Paper Doll(山下達郎)
13 てぃんさぐぬ花(沖縄民謡)
14 Alternative Plans(ELLEGARDEN)
15 クリームシチュー
16 相合傘(はっぴいえんど)
17 すばらしい日々(ユニコーン)
18 Rose Garden
Encore
19 ごはんができたよ
20 ひとつだけ

Your Songs, Our Songs

2007年11月13日 | Live

11月4日(日) 曇り。

フリーペーパー「Flying Postman Press」が創刊100号を記念し、FM802とタッグを組んで開催したスペシャル・イベント「Your Songs, Our Songs」を聴きに行った。

森俊之(Keyboards)、亀田誠治(Bass)、佐橋佳幸(Guitar)のプレイヤー、プロデューサーの3人は元々古くからの知り合いだったが、元ルクプルの藤田恵美のソロ・アルバムのため結集したのをきっかけに「森亀橋」というユニット名で呼ばれるようになった。この森亀橋がスペシャル・バンドを結成して縁のミュージシャンをゲストに迎えるイベントが「Your Songs, Our Songs」。出演は藤井フミヤ、小田和正、矢井田瞳、藤田恵美、Salyu、トータス松本、中孝介、ET-KING、風味堂、スガシカオ、奥田民生、Charaの12組。

会場はステージを囲んだ360度ヴュー。僕の席はステージの後ろ側だった。。
午後5時15分頃開演、第一部が終わったのは6時45分だったかな。15分の休憩の後、第二部が7時頃開演。終わったのは8時35分過ぎだった。

ステージの後ろのスタンド席。野球場でいえばバックネット裏みたいな席だった。正確に言えば表側に設置された右モニター・ヴィジョンの真裏。真下には機材とギターの置き場があった。その左にバックスタンド用のモニター・ヴィジョン。こちら側にもモニター・ヴィジョンがあるということをはじめて知った。

客電が落ちてバンドの演奏がはじまった。ステージ表側、向かって右から山本拓夫、石成正人、斎藤有太、河村"カースケ"智康、大滝裕子、登坂亮太という配置。

「うわ~」という声とともにステージの両脇から白シャツ、黒ズホンの若者たちが大挙してやってきた。大阪スクール・オブ・ミュージックの生徒たちだ。

森亀橋の三人は後からやって来た。パイロットの制服を着て「FLYING POSTMAN PRESS」を客席に配布。そして佐橋佳幸は山本拓夫の右隣、石成正人の前に配置。森俊之は斎藤有太の前、その右隣に亀田誠治。曲はビートルズ(マーベレッツのカヴァー)でお馴染みの「プリーズ・ミスター・ポストマン」。歌うのは大阪スクール・オブ・ミュージックの生徒たち。

このイベントには大阪スクール・オブ・ミュージック専門学校と大阪ダンス&アクターズ専門学校が協力している。ひょっとしたら大阪ダンス&アクターズ専門学校の生徒たちも歌っていたのかもしれない。

そうして幕が開けた「Your Songs, Our Songs」。最初から派手な展開だったが、トップとして呼ばれたアーティストの名前を聴いて、また会場は沸くことになった。大阪出身の矢井田瞳。そしていきなりビッグ・ヒット・ナンバーの「My Sweet Darlin'」が歌われた。

出演アーティストは自前の曲とほかのアーティストとのコラボレーションを披露することになってるようで、ここでヤイコと共演したのが中孝介だった。奄美大島出身、ヴェルベットの声を持つヴォーカリスト。ヤイコの最新ヒット「初恋」をふたりでデュエット。イベントの途中で誰かが言ってたけれど、普段あまり横のつながりがないというアーティスト同士のコラボレーションは、とてもおもしろいものだった。

中孝介は藤田恵美とコラボレーションした。藤田恵美は美しいグリーンの衣装を着ていた。ルクプルの「ひだまりの詩」をデュエット。その後で藤田恵美は森亀橋と「eternity」を歌った。

その次に登場したのはCharaだった。誰もが意外に思ったに違いない共演者、その名前がCharaの口から放たれた瞬間、会場からどよめきが起こった。小田和正。信じられない話だが、今年、還暦になったそうだ。ほかに還暦を迎えたアーティストというと僕の知ってるところでは細野晴臣ぐらい。同い年というのもにわかに信じられないくらい小田和正は若々しい。Charaと歌ったのは「YES-NO」だった。僕が中学生の頃大ヒットした曲だ。まさかこのような形で聴くことになるとは夢にも思わなかった。

続いてET-KING。この人たちと共演したのがスガシカオ。これも意外な組み合わせ。スガシカオは藤井フミヤ、Salyu、藤田恵美と「夜空ノムコウ」を歌った。ここで前半が終了。

ET-KINGは"おまえとおったらおもろいわ"という関西弁の歌詞の「愛しい人へ」で知られているラップ・グループ。地元大阪は大国町出身の7人組。全員法被を着ていたが、すること成すことほとんどがスベってたように思う。

スガシカオは今回楽しみにしていたアーティストの一人。私感だがET-KINGとのコラボレーションはかわいそうな気がした。あるいはもともと暗い雰囲気の人だから、ET-KINGとは馴染んでなかったのかもしれない。相性というのは大事なファクターだ。

前半はほとんどのアーティストがはじめて見た人ばかりだった。唯一、小田和正だけは以前こういったイベントのライヴで見ていた。Chara、スガシカオといった楽しみにしていたアーティストのときは立ち上がり、ほかは座って見ていた。周りも大体そんなふうな盛り上がりだった。

15分の休憩の後、第二部がスタートした。最初に登場したのは風味堂。森亀橋からは風味堂のプロデューサー森俊之と斎藤有太だけが残ってサポート。コラボレーションはヤイコと。

風味堂の後、森亀橋のメンバー紹介。佐橋佳幸は山本拓夫のことをふざけて「山拓」と読んでいた。

メンバー紹介の後、登場したのはSalyu。映画ファンには「リリイ・シュシュ」で有名な彼女。歌う前のMCで自己紹介していたが表情豊かに喋る姿が印象的だった。

Salyuは小田和正、ヤイコとコラボレーション。今になって思えば、小田和正の高音域と合わせられるのは女性アーティストしかない。ここでまた盛り上がった。

小田和正は今年還暦を迎えた。今回のイベントでは最年長だ。日本のシンガー・ソングライターの中で彼より上というとムッシュかまやつしかいないという。

「こいつがいなかったらヒットしなかったかもしれない」と佐橋佳幸のほうを振り返り歌ったのは「ラブ・ストーリーは突然に」。信じられないことだが小田和正はステージを走りながら歌った。そして観客席に降りてオーディエンスにマイクを向けて合唱した。僕はそんな小田和正の姿に圧倒された。こんな60歳はほかにいないだろう。

小田和正の後は藤井フミヤ。月9つながりということで「TRUE LOVE」を歌った。ここでも佐橋佳幸が大活躍だった。藤井フミヤとコラボレーションしたのは奥田民生。キャロルの「憎いあの娘」をカヴァーした。

奥田民生は大体こういうふうなイベントでしかライヴは見てないが、アルバムは聴いてるので楽しみにしていた出演アーティストのひとりだった。「イージュー★ライダー」は久し振りに聴いたので歌詞を忘れていたが、思わず一緒に歌ってしまった。今回は奥田民生のライヴでは欠かせないピアニスト斉藤有太がいたので、パフォーマンス自体も素晴らしいものだったと思う。

奥田民生とコラボレーションしたのはトータス松本。ここでトラブルがあった。スタッフがトータスのギターを間違えて別のモニターに繋いでしまい、トータスのモニターからはギターの音が聞こず、しばらくサウンド・チェック。しかし、民生との軽妙な会話で爆笑をとり、仲の良さを窺わせた。

トータスは今年亡くなった阿久悠をトリヴュート。彼の作詞した作品から尾崎紀世彦の「また逢う日まで」をカヴァーした。

阿久悠は晩年、新聞連載のエッセイで日本人の心の在り方を探っていた。「また逢う日まで」の歌詞に"そのとき心は何かを語るだろう"という一節があり、その部分は僕の心を打った。

最後は奥田民生が書いた「すばらしい日々」を奥田民生、小田和正、スガシカオ、トータス松本、Salyuで披露した。この歌もシングアウトしたが、涙が出そうになった。今聴くと歌の内容が心に沁みる。素晴らしい名曲だと思った。

■Your Songs, Our Songs
2007年11月4日(日) 大阪城ホール
スタンド G9列11番

森俊之(Keyboards)
亀田誠治(Bass)
佐橋佳幸(Guitar)
河村"カースケ"智康(Drums)
石成正人(Guitar)
斎藤有太(Keyboards)
山本拓夫(Sax, Flute)
大滝裕子(Backing Vocal)
登坂亮太(Backing Vocal)

Set List
01 Please Mr.Postman
02 My Sweet Darlin' / 矢井田瞳
03 初恋 / 矢井田瞳+中孝介
04 花 / 中孝介
05 ひだまりの詩 / 藤田恵美+中孝介
06 eternity / 藤田恵美
07 YES-NO / Chara+小田和正
08 Fantasy / Chara
09 愛しい人へ / ET-KING
10 午後のパレード / スガシカオ+ET-KING
11 フォノスコープ / スガシカオ
12 夜空ノムコウ / スガシカオ+藤井フミヤ+Salyu+藤田恵美
休憩15分
13 ナキムシのうた / 風味堂+矢井田瞳
14 サヨナラの向こう側 / 風味堂
15 風に乗る船 / Salyu
16 こころ / 小田和正+矢井田瞳+Salyu
17 ラブ・ストーリーは突然に / 小田和正
18 TRUE LOVE / 藤井フミヤ
19 憎いあの娘 / 藤井フミヤ+奥田民生
20 イージュー★ライダー / 奥田民生
21 トロフィー / 奥田民生+トータス松本
22 また逢う日まで / トータス松本
23 ガッツだぜ!! / トータス松本+ET-KING
24 すばらしい日々 / 奥田民生+小田和正+スガシカオ+トータス松本+Salyu

東通りで唄あしび

2007年10月31日 | Live

■東通りで唄あしび
2007年10月21日(日)
大阪梅田 OSビル前特設ステージ

晴れ。
友人に誘われて阪急東通商店街連合会が主催するフリー・コンサート「東通りで唄あしび」を聴きに行った。

出演者
昼 時(13時~): 長井ゆみ、加那、野村麻紀
茶 時(15時~): 良元優作、てぃんさぐトリオ、山下卓也、宮里ひろし
黄昏時(18時~): 三井ぱんと大村はん、木村充揮

今回のフリー・コンサートの出演者で知ってるのは元憂歌団の木村充揮さんのみ。三井ぱんと大村はんはライヴハウスを中心にした活動をしている中年デュオといった程度の情報しか持ってなかった。友人によると三井ぱんこと三井雅弘さんは元TOPSのメンバーで、解散後は爆風スランプのマネージャーをしていたという。

TOPSというと20年くらい前、テレビに出ているのを見たことがある。三井さんの名前までは覚えてなかったが、黒のセル・フレームのメガネをかけたヴォーカリストがいたことは記憶に残っている。あのヴォーカリストが三井さんだったようだ。容姿の変貌ぶりに時間の残酷さを感じたものの(苦笑)、芸人顔負けのトークには驚かされた。あのトークがなければ退屈なイベントとなったことだろう。

昼時の出演者は女性ばかり。一番手で出演した長井ゆみさんは独特な世界を持っていた。念願だったパリ旅行に行って、その記憶がまだ抜けないとのことで、パリにまつわる曲を披露した。のんびりとした雰囲気で、力が抜けてて、かなりゆるかった。彼女は個性的というか天然系なので、なんか妙におかしかった(笑)。「テネシー・ワルツ」の日本語カヴァーをやってたみたいだが、日本語詞を聴いてると全く「テネシー・ワルツ」に聞こえなかった。しかし、このキャラは捨てがたいと思った。



加那さんはバナナホールで三線教室を開いてたらしい。沖縄出身なのかと思っていたが、兵庫県伊丹市出身だという。「てぃんさぐの花」とか「安里屋ユンタ」といった沖縄民謡、「十九の春」、「涙そうそう」といった曲を披露していた。背筋をシャンと伸ばして歌う姿が印象的だった。



野村麻紀さんは昔でいうと平山みき、今で言うと、ちょっと小島麻由美っぽい声質。



500mlの缶ビールをグビグビ飲みながらのステージだった。



昼時は大体ひとり30分ずつのステージだった。午後2時半頃終わって、しばらくOSビル内のナムコで休憩した。OSビルはかつて、映画館だった。大スクリーンのシネラマ方式で上映するOS劇場、隣にはレコード屋のOSレコードがあった。阪急梅田の名所だったのに、ブレーブスを身売りした直後、閉鎖してしまった。現在はゲームセンターと餃子の店が軒を連ねるレジャー・ビルとなっている。娯楽は娯楽、文化は文化。いろいろあると思うが、映画産業、音楽産業が廃れてゆくのを目の当たりにしているようで、なんだか寂しい気持ちになる。休憩の間、ステージに設置されたスピーカーからはボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」がながれていた。
"どんな気分だい/ひとりぼっちで/帰る家がなく/ぜんぜん知られなくて/転がる石みたいなことは"

さて、午後3時からは茶時のステージがはじまった。良元優作さんははじめてみたが、表情豊かにギターをかき鳴らしながらブルースを歌う姿に釘付けとなった。お客さんからもらった焼酎を飲みながらの演奏だったが、1曲毎に調子をあげていき、与えられた30分の時間をさらに延長して歌いまくった。楽しいステージだった。



茶時のステージが始まる前だったか、山下卓也さんがエレクトリック・ヴァイオリンを従えリハーサルしていた。それが滅茶苦茶かっこよかった。名前の知らないミュージシャンでもなめてはいけない。

てぃんさぐトリオのメンバーのひとり杉本"Q"仁美さんがそのエレクトリック・ヴァイオリンの奏者だった。ヴォーカルの珊瑚ちゃんがかわいらしい。このトリオも沖縄民謡を演奏していた。



このイベントの出演者は、東通りの「HeavenHiLL」というライヴハウスの常連ミュージシャンが多いようなのだが、そこではこういった沖縄の音楽をやってる人の溜まり場みたいになってるのだろうか。興味津々だ。



山下卓也さんは奄美大島出身。現在は富山在住だとか。レゲエの曲「加計呂麻(かけろま)レゲエ」が渋かった。奄美大島の島唄なんかも披露していた。しばらく聴いていたが、足が痛くなってきたので集中できなくなり、途中退場した。ナムコでしばし休憩。30分くらい休んだ後、ステージを見るため戻ると、宮里ひろしさんが歌っていた。ムーミンパパのような風貌でやさしい感じのフォークソングを歌っていた。



宮里ひろしさんは堂山町のバー「HeavenHiLL」のマスターだそうだ。約30年前に「関西フォーク最後の大物」というふれこみでURCレコードからデビュー。URCレコードは東通り周縁で花開いたとされている。

茶時のステージは4時半過ぎぐらいに終わった。黄昏時のステージまで時間があったので阪急村といわれる一帯をなんとなく散策。陽が落ちてくるとやや肌寒く感じてきて、自動販売機で今シーズン初の缶コーヒー(HOT)を買って飲んだ。



黄昏時のステージは午後6時に開演した。昼からずっと司会進行を続けていた三井雅弘さんが、ジャケットを着て、「三井ぱんと大村はん」として登場。相棒はギタリストのザビエル大村さん。三井さんは神戸生まれだが、学生時代からこの東通りによく来ていたので、思い出が多い場所なのだと話していた。お客さんからのリクエストに応えて、下ネタの「加古川の男」を演奏。ちょっとここでは書けない内容(苦笑)。歌が終った後タイミングよく、パトカーがサイレンを鳴らして後ろの道を通った。思わず「すいません」と謝る三井さんに会場は大爆笑。



大トリは元憂歌団の木村充揮さん。さすがに地元大阪では人気があり、セット・チェンジの間に会場は満員となった。木村さんは赤ワインを飲みつつのステージ。「胸が痛い」、「おそうじオバチャン」などの代表曲を次から次へと歌った。常連客の「早よ、歌え! あほ!」という激しい野次に「まぁまぁ、まぁまぁ。あほ言うもんがあほじゃ!(笑)」と余裕の返し。独特のフェイクを交えた「ゲゲゲの鬼太郎」、高齢化社会に対応した歌詞で「野風僧」などを披露。約1時間、たったひとりでギター弾き語り。最後は集まった観衆から大きな拍手が送られた。

麗と蘭 Acoustical tour 「1+1」

2007年10月16日 | Live

10月14日(日) 曇り。

麗蘭のアコースティック・ライヴを聴きに行った。会場のシャングリラは2005年8月にオープンしたライヴ・ハウス。行ったのは今回はじめて。天井からぶら下がったシャンデリア、赤を基調としたキャバレーを思わせるような内装、ちょっと猥雑で、でも落ち着いた雰囲気があって素晴らしい空間だった。

13日、土曜日からはじまった仲井戸"CHABO"麗市と土屋公平二人だけのライヴ・ツアーは年末まで続く。今回は全会場イス席でゆったりと見られるように配慮されている。開演まで立って待たなくていいのがうれしい。シャングリラはほぼ満席で、ざっと見たところ130人くらい入ってたみたいだった。舞台セットとしてステージには10月24日発売のミニ・アルバム『1+1(ONE PLUS ONE)』のフロント・カバーが掲げられていた。

シャングリラで行われたライヴでは、『SOSが鳴ってる』からの曲が多かったような印象だが、『1+1(ONE PLUS ONE)』からの曲がすべて演奏されていた。「アメリカン・フットボール」や「今夜R&Bを...」という初期の代表曲がなくて、実はがっかりした面もあったのだが、「悲惨な戦争」や「平和ブルース」と現実の荒地に通用する代表曲もあり、麗蘭らしさというものは出ていた。

公平くんは心斎橋の三木楽器でギターを購入したと話していた。店員さんに写真を撮られまくったそうだ(苦笑)。「安くしてもらったんで、みんな、オレの名前出したら安くしてくれるよ」と公平くん。「オレの名前出したらボラれるぞ(笑)」とチャボさん。それにしても公平くんはよく喋るようになりましたね~。二人だけのライヴは意外に楽しい雰囲気だった。僕はもうこれから聴きに行く予定がなのでライヴがどんなふうに変わってゆくのかを見届けられないのが残念です。

■麗と蘭 Acoustical tour 「1+1」(One plus One)
10月14日(日) 大阪Shangri-La
整理番号103番

仲井戸"CHABO"麗市(Vocal/Guitar)
土屋公平(Guitar/Vocal)

Set List
01 ミッドナイト・ブギ
02 運
03 たそがれSong
04 マンボーのボーイフレンド
05 I'm a BAND MAN
06 Well Alright
07 光るゼブラのブギー
08 おいしい水
09 バビロン
10 あこがれのSouthern Man
11 悲惨な戦争
12 SOSが鳴ってる
13 Blue Blue
14 Get Back
Encore
15 One Plus One
16 平和ブルース
17 I Feel Beat
18 ミュージック
19 夏の色調