Life in America ~JAPAN編

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藍と人形浄瑠璃の歴史

2019-01-15 08:25:54 | ニッポン生活編

家の中でずっとおさんどんをしていて、最近プチ鬱気味になってきた。
気分が沈むと人にも優しくなれない。悪循環を断ち切ろうと今日は一人で外に出かけた。

家から車で約10分ほどの距離にある、阿波十郎兵衛屋敷(あわじゅうろうべえやしき)






国指定重要無形文化財「阿波人形浄瑠璃」を毎日上演している、徳島の観光名所だ。
なのに、徳島人でも行ったことがないという人が多いとても残念な場所で、かくいう私も10代の頃に一度行ったきりその後一度も足を運んでいない。
ところが最近、徳島の観光業界関係者のミーティングなどで「上演前に流される浄瑠璃と徳島案内のビデオのクオリティが秀逸で観光客に一押し!」という声をきくことが多く、これは是非近々行っておかなければと思っていた矢先だった。
ちょうど、徳島の集落の祭りを2千点以上写真に収めたという、桧瑛司の写真展もやっているのでいいチャンス。(これは2月11日まで)

さて、この阿波十郎兵衛屋敷はもとはというと徳島の庄屋、板東十郎兵衛の屋敷跡。
1698年、阿波藩のお家騒動の濡れ衣を着せられて処刑された十郎兵衛。人形浄瑠璃の演目として名高い「傾城阿波の鳴門」では彼の名を借りてこのお家騒動が語られている。




徳島県は実は全国有数の「人形浄瑠璃の国」であることはあまり知られていない。
徳島県には、全国の人形芝居のための農村舞台が多く現存しており、毎年10カ所前後の農村舞台で今も人形浄瑠璃公演が行われている。
そのため、現在活躍している人形座や太夫部屋、人形師の数も群を抜いて全国トップなのだとか。

私の出身校の城北高校には全国でも珍しい「人形浄瑠璃部(民芸部)」というのがあり、立派な芝居小屋も校舎内にあった。
いつも放課後になると練習の音が聞こえてきていたので、浄瑠璃はいつも身近にあった。
学園祭などではチケットを販売して、近隣の方々が様々な演目を見に来ていたのを今でも思い出す。







今日は平日の午後とあって、私が観客席を独り占め。
ガイドの方の話では、たとえ観客がいなくとも上演はされるのだそうだ。


現在、徳島で人形浄瑠璃を上演している人形座(人形使いグループ)は11座あり、ここでは毎日違うグループが生で人形浄瑠璃を演じてくれる。本日の出演は「あわ工芸座」のみなさん。




おなじみ「傾城阿波の鳴門」巡礼歌の段の名シーン。
幼いころに分かれた父母を探して巡礼している9歳のお鶴が、実の母親お弓に巡り合うのだがお弓はお鶴の身に不幸が降りかかるのを恐れて親子の名乗りをあげずに帰してしまう。
抑えきれない母の情がほとばしり、見る者の胸を熱くさせる。



終演後に出演者の皆さんと記念写真を撮ることができる。これも私が独り占め!


人形座によってどう演じ方がかわるのかも興味深い。また近いうちに、今度は土日に生で義太夫を聞きに行きたい。

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